JPH069835A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン樹脂組成物Info
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- JPH069835A JPH069835A JP5038172A JP3817293A JPH069835A JP H069835 A JPH069835 A JP H069835A JP 5038172 A JP5038172 A JP 5038172A JP 3817293 A JP3817293 A JP 3817293A JP H069835 A JPH069835 A JP H069835A
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- weight
- resin composition
- ethylene
- polypropylene
- polypropylene resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 含ハロゲン系有機溶剤で前処理することな
く、脱脂後直ちに塗装できる塗装性に優れたポリプロピ
レン樹脂組成物の開発。 【構成】 (a)ポリプロピレン,(b)エチレン−α
−オレフィン共重合エラストマー,(c)変性ポリオレ
フィンおよび(d)ステアリン酸モノグリセライドやス
テアリルジエタノールアミン等の化合物からなるポリプ
ロピレン樹脂組成物である。
く、脱脂後直ちに塗装できる塗装性に優れたポリプロピ
レン樹脂組成物の開発。 【構成】 (a)ポリプロピレン,(b)エチレン−α
−オレフィン共重合エラストマー,(c)変性ポリオレ
フィンおよび(d)ステアリン酸モノグリセライドやス
テアリルジエタノールアミン等の化合物からなるポリプ
ロピレン樹脂組成物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは塗装性に優れるとともに剥
離強度および弾性に優れたポリプロピレン樹脂組成物に
関する。
成物に関し、さらに詳しくは塗装性に優れるとともに剥
離強度および弾性に優れたポリプロピレン樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車バンパーには、ポリプロピ
レン(PP)/エチレン−ポリプロピレンゴム(EP
R)の組成物が用いられている。ポリプロピレンは、分
子内に極性基を持たず化学的に不活性であって極めて塗
装性に劣るため、このような組成物からなるバンパーの
塗装の際にはトリクロロエタン等によるエッチングが不
可欠である。また、この自動車バンパーに限らず、ポリ
プロピレン系複合材料の塗装には、その実用的な塗装強
度を発現させるために、前処理としてトリクロロエタン
でエッチング処理することが一般的であった(山本昭
作,内田幹雄共著、実務表面技術、31(10),44
0(1984))。しかし、トリクロロエタンはオゾン
層破壊等の環境破壊の要因となっており、トリクロロエ
タンを用いる方法を避ける必要があった。そこで、トリ
クロロエタンの代替品として、アルカリ水溶液系界面活
性剤が挙げられるが、PPに対する洗浄溶解力が著しく
低いため、上記組成物からなるバンパーをはじめとする
ポリプロピレン系複合材料の塗装には用いることができ
なかった。一方、極性物質をPPにブレンドして塗装性
を改良する方法が報告されている。例えば、PP樹脂に
ポリビニルフェノールを添加してなる組成物(特開平3
−9941号公報)やPP樹脂にエチレン/カルボン酸
化合物共重合体を添加してなる組成物(特開平3−27
8862号公報)等がある。しかし、これらの組成物は
水系洗浄後の塗装用バンパー材料としては、塗装膜の密
着性が必ずしも充分ではなかった。
レン(PP)/エチレン−ポリプロピレンゴム(EP
R)の組成物が用いられている。ポリプロピレンは、分
子内に極性基を持たず化学的に不活性であって極めて塗
装性に劣るため、このような組成物からなるバンパーの
塗装の際にはトリクロロエタン等によるエッチングが不
可欠である。また、この自動車バンパーに限らず、ポリ
プロピレン系複合材料の塗装には、その実用的な塗装強
度を発現させるために、前処理としてトリクロロエタン
でエッチング処理することが一般的であった(山本昭
作,内田幹雄共著、実務表面技術、31(10),44
0(1984))。しかし、トリクロロエタンはオゾン
層破壊等の環境破壊の要因となっており、トリクロロエ
タンを用いる方法を避ける必要があった。そこで、トリ
クロロエタンの代替品として、アルカリ水溶液系界面活
性剤が挙げられるが、PPに対する洗浄溶解力が著しく
低いため、上記組成物からなるバンパーをはじめとする
ポリプロピレン系複合材料の塗装には用いることができ
なかった。一方、極性物質をPPにブレンドして塗装性
を改良する方法が報告されている。例えば、PP樹脂に
ポリビニルフェノールを添加してなる組成物(特開平3
−9941号公報)やPP樹脂にエチレン/カルボン酸
化合物共重合体を添加してなる組成物(特開平3−27
8862号公報)等がある。しかし、これらの組成物は
水系洗浄後の塗装用バンパー材料としては、塗装膜の密
着性が必ずしも充分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記問題点を解消し、トリクロロエタン等の含ハロ
ゲン系有機溶剤で前処理することなく、脱脂後直ちに塗
装でき、さらに重ね塗り可能なPP樹脂組成物を開発す
べく鋭意研究を重ねた。
は、上記問題点を解消し、トリクロロエタン等の含ハロ
ゲン系有機溶剤で前処理することなく、脱脂後直ちに塗
装でき、さらに重ね塗り可能なPP樹脂組成物を開発す
べく鋭意研究を重ねた。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、従来、帯電剤
として用いられていた特定の化合物を、官能基を導入し
た変性ポリオレフィンと併用して得られる組成物が、優
れた塗装性を有し、これを用いることによって上記目的
を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基
いて完成したものである。
として用いられていた特定の化合物を、官能基を導入し
た変性ポリオレフィンと併用して得られる組成物が、優
れた塗装性を有し、これを用いることによって上記目的
を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基
いて完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は(a)ポリプロピレン
50〜90重量%,(b)ムーニー粘度(ML1+4
(100℃))10〜100であるエチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマー50〜10重量%、および
(a)および(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)直鎖ポリオレフィンの両末端または片末端に官能
基を導入した変性ポリオレフィン0.1〜15重量部およ
び(d)一般式(I)
50〜90重量%,(b)ムーニー粘度(ML1+4
(100℃))10〜100であるエチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマー50〜10重量%、および
(a)および(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)直鎖ポリオレフィンの両末端または片末端に官能
基を導入した変性ポリオレフィン0.1〜15重量部およ
び(d)一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Rは炭素数10〜22の直鎖状ア
ルキル基を示し、Xは
ルキル基を示し、Xは
【0008】
【化5】
【0009】を示す。)で表される化合物0.1〜1重量
部からなるポリプロピレン樹脂組成物を提供するもので
ある。
部からなるポリプロピレン樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0010】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、上
記(a)〜(d)成分からなるものである。本発明の
(a)成分であるPPとしては、特に制限されることは
ないが、好ましい例として、結晶性を有するアイソタク
チックプロピレン単独重合体,エチレン単位の含有量の
少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体,プロピ
レン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量
の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体か
らなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共
重合体,前記プロピレンブロック共重合体における各ホ
モ部または共重合部が更にブテン−1などのα−オレフ
ィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エ
チレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これ
らPPのメルトインデックス(MI)は、特に限定され
ないが、好ましくは0.5〜100g/10分、特に1〜
50g/10分のものが最適である。上記(a)成分の
配合量は、(a)成分と(b)成分の合計量に基いて5
0〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%で
ある。ここで、50重量%未満の場合は得られる組成物
の剛性等の物性が低下し、逆に90重量%を越えると高
い塗装密着性が得られない。
記(a)〜(d)成分からなるものである。本発明の
(a)成分であるPPとしては、特に制限されることは
ないが、好ましい例として、結晶性を有するアイソタク
チックプロピレン単独重合体,エチレン単位の含有量の
少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体,プロピ
レン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量
の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体か
らなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共
重合体,前記プロピレンブロック共重合体における各ホ
モ部または共重合部が更にブテン−1などのα−オレフ
ィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エ
チレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これ
らPPのメルトインデックス(MI)は、特に限定され
ないが、好ましくは0.5〜100g/10分、特に1〜
50g/10分のものが最適である。上記(a)成分の
配合量は、(a)成分と(b)成分の合計量に基いて5
0〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%で
ある。ここで、50重量%未満の場合は得られる組成物
の剛性等の物性が低下し、逆に90重量%を越えると高
い塗装密着性が得られない。
【0011】(b)成分であるエチレン−α−オレフィ
ン共重合エラストマーは、例えばエチレンとプロピレ
ン,エチレンと1−ブテン,エチレンと1−ヘキセンな
どのα−オレフィンの共重合体、あるいはこれらと非共
役ジエンとの共重合体等が挙げられる。この共重合体
は、JIS−K6301に準拠して測定した初期弾性率
が400kg/cm2 以下であるのが好ましく、より好
ましくは200kg/cm 2 以下、特に好ましくは10
0kg/cm2 以下の無定形ないし低結晶性の共重合体
である。ここで、エチレンの含量は40〜80重量%が
好ましく、特に50〜75重量%が好ましい。なお、上
記非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエ
ン;1,4−ヘキサジエン;シクロオクタジエン;ジシ
クロオクタジエン;メチレンノルボルネン;5−エチリ
デン−2−ノルボルネン;5−ビニル−2−ノルボルネ
ン;5−メチレン−2−ノルボルネン;5−メチル−
1,4−ヘキサジエン;7−メチル−1,6−オクタジ
エン等を挙げることができる。これらのエチレン−α−
オレフィン共重合エラストマーは、ムーニー粘度ML1
+4(100℃)が、通常10〜100、好ましくは2
0〜70の範囲のものである。上記エチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマーの具体例としては、エチレン
−プロピレン共重合ゴム(EPM),エチレン−1−ブ
テン共重合ゴム,エチレン−プロピレン−1−ブテン共
重合ゴム,エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
ゴム(EPDM),エチレン−1−ブテン−非共役ジエ
ン共重合ゴム,エチレン−プロピレン−1−ブテン−非
共役ジエン共重合ゴム等がある。特に好ましいものとし
て、エチレン−プロピレン共重合ゴム,エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン三元共重合ゴム,エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合ゴムが挙げられる。前記エチ
レン−プロピレン共重合ゴムとしては、プロピレン含量
が20〜60重量%、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)が10〜100、特に20〜70のものが好まし
い。前記エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム(EP
DM)ではヨウ素価が20以下のものが好ましい。上記
範囲外のものは塗装性能や物性バランスが劣り不適当で
ある。前記エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合ゴ
ムは、プロピレンおよびブテン−1の含有量が、全体の
20〜60重量%で、且つそのMI(230℃,2.16
kg荷重)が0.5〜25g/10分のものが好ましく、
特に1〜20g/10分のものが好ましい。ここで各成
分の含量は、赤外スペクトル分析法や核磁気共鳴法の常
法などにより測定される値である。また、該ゴムは実質
上非晶性であるのが好ましいが、若干の結晶性を有する
ものでも良い。この場合結晶化度は5%以下が好まし
く、より好ましくは4%以下、特に3%以下のものが効
果的である。これらのゴムは、ペレット状で供する場合
が多いが、クラムまたはベール状でも混練操作に支障を
来さない限り問題はない。上記(b)成分の配合量は、
(a)成分と(b)成分の合計量に基いて50〜10重
量%であり、好ましくは20〜35重量%である。ここ
で、10重量%未満の場合は、得られる組成物に充分な
塗装性を付与できず、逆に50重量%を越えると剛性等
の物性が低下する。
ン共重合エラストマーは、例えばエチレンとプロピレ
ン,エチレンと1−ブテン,エチレンと1−ヘキセンな
どのα−オレフィンの共重合体、あるいはこれらと非共
役ジエンとの共重合体等が挙げられる。この共重合体
は、JIS−K6301に準拠して測定した初期弾性率
が400kg/cm2 以下であるのが好ましく、より好
ましくは200kg/cm 2 以下、特に好ましくは10
0kg/cm2 以下の無定形ないし低結晶性の共重合体
である。ここで、エチレンの含量は40〜80重量%が
好ましく、特に50〜75重量%が好ましい。なお、上
記非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエ
ン;1,4−ヘキサジエン;シクロオクタジエン;ジシ
クロオクタジエン;メチレンノルボルネン;5−エチリ
デン−2−ノルボルネン;5−ビニル−2−ノルボルネ
ン;5−メチレン−2−ノルボルネン;5−メチル−
1,4−ヘキサジエン;7−メチル−1,6−オクタジ
エン等を挙げることができる。これらのエチレン−α−
オレフィン共重合エラストマーは、ムーニー粘度ML1
+4(100℃)が、通常10〜100、好ましくは2
0〜70の範囲のものである。上記エチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマーの具体例としては、エチレン
−プロピレン共重合ゴム(EPM),エチレン−1−ブ
テン共重合ゴム,エチレン−プロピレン−1−ブテン共
重合ゴム,エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
ゴム(EPDM),エチレン−1−ブテン−非共役ジエ
ン共重合ゴム,エチレン−プロピレン−1−ブテン−非
共役ジエン共重合ゴム等がある。特に好ましいものとし
て、エチレン−プロピレン共重合ゴム,エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン三元共重合ゴム,エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合ゴムが挙げられる。前記エチ
レン−プロピレン共重合ゴムとしては、プロピレン含量
が20〜60重量%、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)が10〜100、特に20〜70のものが好まし
い。前記エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム(EP
DM)ではヨウ素価が20以下のものが好ましい。上記
範囲外のものは塗装性能や物性バランスが劣り不適当で
ある。前記エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合ゴ
ムは、プロピレンおよびブテン−1の含有量が、全体の
20〜60重量%で、且つそのMI(230℃,2.16
kg荷重)が0.5〜25g/10分のものが好ましく、
特に1〜20g/10分のものが好ましい。ここで各成
分の含量は、赤外スペクトル分析法や核磁気共鳴法の常
法などにより測定される値である。また、該ゴムは実質
上非晶性であるのが好ましいが、若干の結晶性を有する
ものでも良い。この場合結晶化度は5%以下が好まし
く、より好ましくは4%以下、特に3%以下のものが効
果的である。これらのゴムは、ペレット状で供する場合
が多いが、クラムまたはベール状でも混練操作に支障を
来さない限り問題はない。上記(b)成分の配合量は、
(a)成分と(b)成分の合計量に基いて50〜10重
量%であり、好ましくは20〜35重量%である。ここ
で、10重量%未満の場合は、得られる組成物に充分な
塗装性を付与できず、逆に50重量%を越えると剛性等
の物性が低下する。
【0012】上記のような(b)成分の使用によって充
分な塗装性が得られるが、(b)成分としては、特に、
(ア)α−オレフィン含量が50〜80重量%であっ
て、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が20〜
80で、かつ13C−NMRから求められるα−オレフィ
ン単位の三連子(トリアッド)が10〜30モル%の共
重合体ゴムおよび(イ)α−オレフィン含量が15〜5
0重量%であって、ムーニー粘度(ML1+4(100
℃))が10〜90の共重合体ゴムの2種の共重合体を
使用することによって再塗装性(重ね塗り性)が向上す
ることが判明した。これらの好ましい配合割合は、成分
(ア)20〜80重量%および成分(イ)80〜20重
量%である。ここで、再塗装性とは、塗装された製品
に傷がついたとき、傷の上にさらに塗装することにより
補修できる性能および意匠性を高めるため、塗装を重
ねて行える性能を意味する。再塗装性の悪いものでは、
再塗装時に塗料シンナーによって塗膜が基材面から剥離
してしまう。(b)成分として、上記の成分(ア)およ
び(イ)の共重合体ゴムを併用することによって再塗装
性が向上する理由については明らかではないが、例えば
α−オレフィン単位がプロピレン単位(P)である場
合、〔PPP〕の三連子がポリプロピレンと共重合体と
の界面に介在し、界面強度を強くすることにより、再塗
装時の塗料シンナーによっても侵されないためと推測さ
れる。
分な塗装性が得られるが、(b)成分としては、特に、
(ア)α−オレフィン含量が50〜80重量%であっ
て、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が20〜
80で、かつ13C−NMRから求められるα−オレフィ
ン単位の三連子(トリアッド)が10〜30モル%の共
重合体ゴムおよび(イ)α−オレフィン含量が15〜5
0重量%であって、ムーニー粘度(ML1+4(100
℃))が10〜90の共重合体ゴムの2種の共重合体を
使用することによって再塗装性(重ね塗り性)が向上す
ることが判明した。これらの好ましい配合割合は、成分
(ア)20〜80重量%および成分(イ)80〜20重
量%である。ここで、再塗装性とは、塗装された製品
に傷がついたとき、傷の上にさらに塗装することにより
補修できる性能および意匠性を高めるため、塗装を重
ねて行える性能を意味する。再塗装性の悪いものでは、
再塗装時に塗料シンナーによって塗膜が基材面から剥離
してしまう。(b)成分として、上記の成分(ア)およ
び(イ)の共重合体ゴムを併用することによって再塗装
性が向上する理由については明らかではないが、例えば
α−オレフィン単位がプロピレン単位(P)である場
合、〔PPP〕の三連子がポリプロピレンと共重合体と
の界面に介在し、界面強度を強くすることにより、再塗
装時の塗料シンナーによっても侵されないためと推測さ
れる。
【0013】(c)成分である変性ポリオレフィンは、
直鎖ポリオレフィンの両末端または片末端に官能基を導
入したものであり、その種類は様々なものが挙げられる
が、例えば直鎖ポリオレフィン部がエチレン,プロピレ
ン,ブテン−1,ブタジエン等の単量体の単独重合体あ
るいは複数成分の共重合体、具体的にはポリプロピレ
ン,ポリエチレン,水素化ポリブタジエンあるいは水素
化ポリイソプレン等が挙げられる。更には、エチレン−
プロピレン共重合体等を挙げることもできる。この
(c)成分である変性ポリオレフィンにおける直鎖ポリ
オレフィン部の数平均分子量は、1000〜10000
が好ましく、2000〜6000が特に好ましい。直鎖
ポリオレフィン部の末端(片末端あるいは両末端)に導
入する官能基としては、様々なものがあり、通常は極性
基、例えば水酸基,無水マレイン酸基(正しくは無水マ
レイン酸から誘導される基)、あるいはアクリル酸基の
ような不飽和カルボン酸基、さらには、式
直鎖ポリオレフィンの両末端または片末端に官能基を導
入したものであり、その種類は様々なものが挙げられる
が、例えば直鎖ポリオレフィン部がエチレン,プロピレ
ン,ブテン−1,ブタジエン等の単量体の単独重合体あ
るいは複数成分の共重合体、具体的にはポリプロピレ
ン,ポリエチレン,水素化ポリブタジエンあるいは水素
化ポリイソプレン等が挙げられる。更には、エチレン−
プロピレン共重合体等を挙げることもできる。この
(c)成分である変性ポリオレフィンにおける直鎖ポリ
オレフィン部の数平均分子量は、1000〜10000
が好ましく、2000〜6000が特に好ましい。直鎖
ポリオレフィン部の末端(片末端あるいは両末端)に導
入する官能基としては、様々なものがあり、通常は極性
基、例えば水酸基,無水マレイン酸基(正しくは無水マ
レイン酸から誘導される基)、あるいはアクリル酸基の
ような不飽和カルボン酸基、さらには、式
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン
基を示す。)で表される基等が挙げられる。そのうち好
ましくは、水酸基,無水マレイン酸基または上記式で表
される基である。この官能基の付加量(導入割合)は特
に制限されないが、通常は変性ポリオレフィンに基いて
1〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%であ
る。上記(c)成分の配合量は、(a)および(b)成
分の合計100重量部に対して、0.1〜15重量部であ
り、好ましくは1〜10重量部である。ここで、0.1重
量部未満の場合は、得られる組成物に高い塗装密着性を
付与することができず、逆に15重量部を越えると引張
強度および低温衝撃性等の物性が低下する。また、組成
物の吸湿性が増加するため、成形時にシルバーが発生す
る。
基を示す。)で表される基等が挙げられる。そのうち好
ましくは、水酸基,無水マレイン酸基または上記式で表
される基である。この官能基の付加量(導入割合)は特
に制限されないが、通常は変性ポリオレフィンに基いて
1〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%であ
る。上記(c)成分の配合量は、(a)および(b)成
分の合計100重量部に対して、0.1〜15重量部であ
り、好ましくは1〜10重量部である。ここで、0.1重
量部未満の場合は、得られる組成物に高い塗装密着性を
付与することができず、逆に15重量部を越えると引張
強度および低温衝撃性等の物性が低下する。また、組成
物の吸湿性が増加するため、成形時にシルバーが発生す
る。
【0016】次に、(d)成分である一般式(I)で表
される化合物としては、炭素数10〜22の直鎖アルキ
ル基およびXで表される置換基を含むものであればよ
い。好ましくはステアリン酸モノグリセライド,ステア
リルジエタノールアミン,N−ジエタノールステアリン
酸アミド,N−ジエタノールドデカンアミド等が挙げら
れる。上記(d)成分の配合量は、(a)および(b)
成分の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部であ
り、好ましくは0.2〜0.5重量部である。ここで、0.1
重量部未満の場合は、得られる組成物に高い塗装密着性
を付与することができず、逆に1重量部を越えると成形
時にブリードアウト等の不良現象が生ずる。
される化合物としては、炭素数10〜22の直鎖アルキ
ル基およびXで表される置換基を含むものであればよ
い。好ましくはステアリン酸モノグリセライド,ステア
リルジエタノールアミン,N−ジエタノールステアリン
酸アミド,N−ジエタノールドデカンアミド等が挙げら
れる。上記(d)成分の配合量は、(a)および(b)
成分の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部であ
り、好ましくは0.2〜0.5重量部である。ここで、0.1
重量部未満の場合は、得られる組成物に高い塗装密着性
を付与することができず、逆に1重量部を越えると成形
時にブリードアウト等の不良現象が生ずる。
【0017】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、
基本的には(a)〜(d)成分よりなるものであるが、
さらに必要に応じて、耐熱安定材,耐候安定材,帯電防
止剤,滑剤,スリップ剤,核剤,難燃剤,顔料,染料,
ガラス繊維,タルク,炭酸カルシウム,炭素繊維等の各
種添加物を適量加えることができる。また、エチレン−
α−オレフィン共重合エラストマー等の衝撃性向上材を
添加することも可能である。
基本的には(a)〜(d)成分よりなるものであるが、
さらに必要に応じて、耐熱安定材,耐候安定材,帯電防
止剤,滑剤,スリップ剤,核剤,難燃剤,顔料,染料,
ガラス繊維,タルク,炭酸カルシウム,炭素繊維等の各
種添加物を適量加えることができる。また、エチレン−
α−オレフィン共重合エラストマー等の衝撃性向上材を
添加することも可能である。
【0018】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、従
来のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法と同様にして
製造することができる。また、製造時における(a)〜
(d)成分および各種添加剤の混合順序は適宜自由に選
ぶことができる。上記成分の混練にあたっても、従来か
ら公知のニーダ,ロール,バンバリーミキサー等の混合
機,一軸または二軸押出機等を用いることができる。
来のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法と同様にして
製造することができる。また、製造時における(a)〜
(d)成分および各種添加剤の混合順序は適宜自由に選
ぶことができる。上記成分の混練にあたっても、従来か
ら公知のニーダ,ロール,バンバリーミキサー等の混合
機,一軸または二軸押出機等を用いることができる。
【0019】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら
限定されるものではない。 実施例1〜6および比較例1〜5 混練押出機(NVC−50φ,ナカタニ工機製)に第1
表に記載の所定量を一括投入して混練し、樹脂組成物を
製造した。塗装は、得られた組成物の射出成形品(14
0mm×140mm×3mm)を、中性洗剤で洗浄後、
充分にイオン交換水で洗浄し、80℃で30分間乾燥し
た後、プライマー(RB123,日本ビーケミカル
(株)製)を塗布し、さらに、ウレタン塗料をスプレー
塗装し、これを80℃で30分間焼き付けることによっ
て行った。塗装した成形品のウレタン塗装膜の密着性
は、塗装膜に10mm幅の切れ込みを入れ、180°剥
離強度を測定することによって行った(オートグラフD
SC2000,(株)島津製作所製)。得られた結果を
第2表に示す。
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら
限定されるものではない。 実施例1〜6および比較例1〜5 混練押出機(NVC−50φ,ナカタニ工機製)に第1
表に記載の所定量を一括投入して混練し、樹脂組成物を
製造した。塗装は、得られた組成物の射出成形品(14
0mm×140mm×3mm)を、中性洗剤で洗浄後、
充分にイオン交換水で洗浄し、80℃で30分間乾燥し
た後、プライマー(RB123,日本ビーケミカル
(株)製)を塗布し、さらに、ウレタン塗料をスプレー
塗装し、これを80℃で30分間焼き付けることによっ
て行った。塗装した成形品のウレタン塗装膜の密着性
は、塗装膜に10mm幅の切れ込みを入れ、180°剥
離強度を測定することによって行った(オートグラフD
SC2000,(株)島津製作所製)。得られた結果を
第2表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】*1:エチレン−プロピレンブロック共重
合体 (J−950H,出光石油化学(株)製,MI=20g
/10分(230℃),エチレン含量6.3重量%) *2:エチレン−プロピレンゴム (EP02P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=24,エチレン含量74重量%) *3:エチレン−プロピレンゴム (EP921,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=27,エチレン含量50重量%) *4:無水マレイン酸変性ポリプロピレン (数平均分子量=4000,無水マレイン酸含量10重
量%) *5:無水マレイン酸変性ポリエチレン (数平均分子量=3000,無水マレイン酸含量5重量
%) *6:末端水酸基含有水素添加ポリブタジエン (出光石油化学(株)製,数平均分子量=4000) *7:ステアリン酸モノグリセライド (デノン2068,丸菱油化工業(株)製) *8:ステアリルジエタノールアミン (デノン2862,丸菱油化工業(株)製) *9:N−ジエタノールドデカンアミド (デノン2863,丸菱油化工業(株)製) *10:タルク (浅田タルク CT76,浅田製粉(株)製)
合体 (J−950H,出光石油化学(株)製,MI=20g
/10分(230℃),エチレン含量6.3重量%) *2:エチレン−プロピレンゴム (EP02P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=24,エチレン含量74重量%) *3:エチレン−プロピレンゴム (EP921,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=27,エチレン含量50重量%) *4:無水マレイン酸変性ポリプロピレン (数平均分子量=4000,無水マレイン酸含量10重
量%) *5:無水マレイン酸変性ポリエチレン (数平均分子量=3000,無水マレイン酸含量5重量
%) *6:末端水酸基含有水素添加ポリブタジエン (出光石油化学(株)製,数平均分子量=4000) *7:ステアリン酸モノグリセライド (デノン2068,丸菱油化工業(株)製) *8:ステアリルジエタノールアミン (デノン2862,丸菱油化工業(株)製) *9:N−ジエタノールドデカンアミド (デノン2863,丸菱油化工業(株)製) *10:タルク (浅田タルク CT76,浅田製粉(株)製)
【0023】
【表3】
【0024】実施例7〜11および比較例6〜10 混練押出機(NVC−50φ,ナカタニ工機製)に第3
表に記載の所定量を一括投入して混練し、樹脂組成物を
製造した。塗装は、得られた組成物の射出成形品(14
0mm×140mm×3mm)を、イソプロピルアルコ
ール(IPA)で洗浄した後、プライマー(RB12
3,日本ビーケミカル(株)製)を塗布し、さらに、ウ
レタン塗料をスプレー塗装し、これを80℃で30分間
焼き付けることによって行った。塗装した成形品のウレ
タン塗装膜の密着性は、次の方法で評価し、結果を第4
表に示す。
表に記載の所定量を一括投入して混練し、樹脂組成物を
製造した。塗装は、得られた組成物の射出成形品(14
0mm×140mm×3mm)を、イソプロピルアルコ
ール(IPA)で洗浄した後、プライマー(RB12
3,日本ビーケミカル(株)製)を塗布し、さらに、ウ
レタン塗料をスプレー塗装し、これを80℃で30分間
焼き付けることによって行った。塗装した成形品のウレ
タン塗装膜の密着性は、次の方法で評価し、結果を第4
表に示す。
【0025】初期密着性 カッターナイフを使用して塗装面上に基材に達する1m
m角のごばん目100個(10×10)を作り、セロハ
ンテープをごばん目上に充分に付着させる。テープの一
端を有効面に直角に保ち、瞬時にひきはがす。このと
き、ごばん目の剥離状況によって基材への密着性を評価
する。100個のうちの残留数n個をn/100のよう
に表示する。 耐温水性(二次密着性) 塗装した試料片を40℃の温水(蒸留水)中に240時
間浸漬する。試料片を温水から取り出し、布による拭き
取りまたはエアーブローによって水分を除去し、室温で
1時間放置した後、セロハンテープによるごばん目剥離
法で二次密着性を評価する。 再塗装性 塗装した試験片の塗装面にカッターナイフを用いて基材
に達する傷を長さ10mmにわたって入れる。次いで、
上述の方法によってプライマーおよびウレタン塗料を塗
布する。再塗装性の悪い試験片においては、傷口を中心
としてひび割れ状に塗膜が基材から浮き上がる。この程
度を図1のように評価した。図1において、試料片Aは
傷1の周囲にひび割れが発生しないが、試料片Bで少し
ひび割れ2が認められ、試料片Cでひび割れ2がかなり
認められ、試料片Dでは全面にひび割れ2が認められ
る。評価は、試料片Aを○、試料片Bを△、試料片Cを
×、試料片Dを××で示す。再塗装性は、図1に示した
評価で○および△のもの(試料片AおよびB)は合格レ
ベルであり、××のもの(試料片D)は塗装用部材とし
て使用困難なレベルにある。
m角のごばん目100個(10×10)を作り、セロハ
ンテープをごばん目上に充分に付着させる。テープの一
端を有効面に直角に保ち、瞬時にひきはがす。このと
き、ごばん目の剥離状況によって基材への密着性を評価
する。100個のうちの残留数n個をn/100のよう
に表示する。 耐温水性(二次密着性) 塗装した試料片を40℃の温水(蒸留水)中に240時
間浸漬する。試料片を温水から取り出し、布による拭き
取りまたはエアーブローによって水分を除去し、室温で
1時間放置した後、セロハンテープによるごばん目剥離
法で二次密着性を評価する。 再塗装性 塗装した試験片の塗装面にカッターナイフを用いて基材
に達する傷を長さ10mmにわたって入れる。次いで、
上述の方法によってプライマーおよびウレタン塗料を塗
布する。再塗装性の悪い試験片においては、傷口を中心
としてひび割れ状に塗膜が基材から浮き上がる。この程
度を図1のように評価した。図1において、試料片Aは
傷1の周囲にひび割れが発生しないが、試料片Bで少し
ひび割れ2が認められ、試料片Cでひび割れ2がかなり
認められ、試料片Dでは全面にひび割れ2が認められ
る。評価は、試料片Aを○、試料片Bを△、試料片Cを
×、試料片Dを××で示す。再塗装性は、図1に示した
評価で○および△のもの(試料片AおよびB)は合格レ
ベルであり、××のもの(試料片D)は塗装用部材とし
て使用困難なレベルにある。
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】*1:エチレン−プロピレンブロック共重
合体 (J−3050H,出光石油化学(株)製,MI=30
g/10分(230℃),エチレン含量6.5重量%) *2:エチレン−プロピレンゴム (EP02P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=24,エチレン含量74重量%,13C−NM
Rの評価結果として〔PPP〕のトリアッド成分0モル
%) *3:エチレン−プロピレンゴム (EP921P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4
(100℃)=27,エチレン含量50重量%,13C−
NMRの評価結果として〔PPP〕のトリアッド成分3.
5モル%) *4:エチレン−プロピレンゴム (ML1+4(100℃)=30,エチレン含量45重
量%,13C−NMRの評価結果として〔PPP〕のトリ
アッド成分20モル%) *5:エチレン−ブテン共重合体 (MI=3.5g/10分(230℃),ブテン量20重
量%) *6:変性ポリオレフィン (数平均分子量=4000,主鎖:ポリプロピレン,下
記官能基の付加量5重量%)
合体 (J−3050H,出光石油化学(株)製,MI=30
g/10分(230℃),エチレン含量6.5重量%) *2:エチレン−プロピレンゴム (EP02P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4(1
00℃)=24,エチレン含量74重量%,13C−NM
Rの評価結果として〔PPP〕のトリアッド成分0モル
%) *3:エチレン−プロピレンゴム (EP921P,日本合成ゴム(株)製,ML1+4
(100℃)=27,エチレン含量50重量%,13C−
NMRの評価結果として〔PPP〕のトリアッド成分3.
5モル%) *4:エチレン−プロピレンゴム (ML1+4(100℃)=30,エチレン含量45重
量%,13C−NMRの評価結果として〔PPP〕のトリ
アッド成分20モル%) *5:エチレン−ブテン共重合体 (MI=3.5g/10分(230℃),ブテン量20重
量%) *6:変性ポリオレフィン (数平均分子量=4000,主鎖:ポリプロピレン,下
記官能基の付加量5重量%)
【0029】
【化7】
【0030】*7:ステアリン酸モノグリセライド (デノン2068,丸菱油化工業(株)製) *8:N−ジエタノールドデカンアミド (デノン2863,丸菱油化工業(株)製) *9:タルク (浅田タルク CT76,浅田製粉(株)製)
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】以上の如く、本発明のポリプロピレン樹
脂組成物は、トリクロロエタンのような含ハロゲン系の
有機溶剤で前処理することなく、脱脂後直ちに塗装可能
であるとともに、弾性,剥離強度および再塗装性に優れ
たポリプロピレン樹脂組成物である。したがって、本発
明のポリプロピレン樹脂組成物は、塗装用ポリプロピレ
ンバンパー材料や塗装用途向けポリプロピレン樹脂等に
有効に利用することができる。
脂組成物は、トリクロロエタンのような含ハロゲン系の
有機溶剤で前処理することなく、脱脂後直ちに塗装可能
であるとともに、弾性,剥離強度および再塗装性に優れ
たポリプロピレン樹脂組成物である。したがって、本発
明のポリプロピレン樹脂組成物は、塗装用ポリプロピレ
ンバンパー材料や塗装用途向けポリプロピレン樹脂等に
有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例において再塗装性の評価基
準を示す模式図である。
準を示す模式図である。
A 試験片 B 試験片 C 試験片 D 試験片 1 傷 2 ひび割れ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
で表される極性基であり、かつ該官能基の導入割合が変
性ポリオレフィンに基づいて1〜20重量%である請求
項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
で表される極性基であり、かつ該官能基の導入割合が変
性ポリオレフィンに基づいて1〜20重量%である請求
項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【化6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【化7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/10 23:08 23:26)
Claims (5)
- 【請求項1】 (a)ポリプロピレン50〜90重量
%,(b)ムーニー粘度(ML1+4(100℃))1
0〜100であるエチレン−α−オレフィン共重合エラ
ストマー50〜10重量%、および(a)および(b)
成分の合計100重量部に対して、(c)直鎖ポリオレ
フィンの両末端または片末端に官能基を導入した変性ポ
リオレフィン0.1〜15重量部および(d)一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数10〜22の直鎖アルキル基を示
し、Xは 【化2】 を示す。)で表される化合物0.1〜1重量部からなるポ
リプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項2】 直鎖ポリオレフィンの両末端または片末
端に導入した官能基が水酸基または無水マレイン酸基で
あり、かつ該官能基の導入割合が変性ポリオレフィンの
5〜10重量%である請求項1記載のポリプロピレン樹
脂組成物。 - 【請求項3】 直鎖ポリオレフィンの両末端または片末
端に導入した官能基が、式 【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
で表される極性基であり、かつ該官能基の導入割合が変
性ポリオレフィンに基づいて1〜20重量%である請求
項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項4】 直鎖ポリオレフィンがポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリブテンあるいは水素化ポリブタジエ
ンであり、かつその数平均分子量が1000〜1000
0である請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項5】 (b)成分のエチレン−α−オレフィン
共重合エラストマーが、(ア)α−オレフィン含量が5
0〜80重量%であって、ムーニー粘度(ML1+4
(100℃))が20〜80で、かつ13C−NMRから
求められるα−オレフィン単位の三連子(トリアッド)
が10〜30モル%の共重合体ゴム20〜80重量%お
よび(イ)α−オレフィン含量が15〜50重量%であ
って、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が10
〜90の共重合体ゴム80〜20重量%からなる請求項
1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5038172A JPH069835A (ja) | 1992-04-21 | 1993-02-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
CA 2094476 CA2094476A1 (en) | 1992-04-21 | 1993-04-20 | Polypropylene resin composition |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-100773 | 1992-04-21 | ||
JP10077392 | 1992-04-21 | ||
JP5038172A JPH069835A (ja) | 1992-04-21 | 1993-02-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069835A true JPH069835A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=26377370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5038172A Pending JPH069835A (ja) | 1992-04-21 | 1993-02-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069835A (ja) |
CA (1) | CA2094476A1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0841276A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Mitsubishi Chem Corp | 塗装用プロピレン系樹脂組成物 |
JPH0912832A (ja) * | 1995-06-29 | 1997-01-14 | Mitsubishi Chem Corp | 塗装用プロピレン系樹脂組成物 |
JP2014125612A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Suntox Co Ltd | ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンフィルム印刷体およびポリプロピレン組成物 |
JP2018035268A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | Mcppイノベーション合同会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9879131B2 (en) | 2012-08-31 | 2018-01-30 | Soucy Techno Inc. | Rubber compositions and uses thereof |
US9840611B2 (en) | 2013-10-18 | 2017-12-12 | Soucy Techno Inc. | Rubber compositions and uses thereof |
WO2015089647A1 (en) | 2013-12-19 | 2015-06-25 | Soucy Techno Inc. | Rubber compositions and uses thereof |
FR3117964A1 (fr) * | 2020-12-23 | 2022-06-24 | Compagnie Plastic Omnium Se | Élément absorbeur pour véhicule automobile |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP5038172A patent/JPH069835A/ja active Pending
- 1993-04-20 CA CA 2094476 patent/CA2094476A1/en not_active Abandoned
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0841276A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Mitsubishi Chem Corp | 塗装用プロピレン系樹脂組成物 |
JPH0912832A (ja) * | 1995-06-29 | 1997-01-14 | Mitsubishi Chem Corp | 塗装用プロピレン系樹脂組成物 |
JP2014125612A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Suntox Co Ltd | ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンフィルム印刷体およびポリプロピレン組成物 |
JP2018035268A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | Mcppイノベーション合同会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2094476A1 (en) | 1993-10-22 |
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