JPH069816U - 多条圧延用分割シャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ３ストランド以上の場合でも出口ガイドの呼
び込み寸法を広げず、圧延材を確実に出口ガイドに誘導
する。 【構成】 シャー本体1 に互に平行にかつ回転自在に軸
支された駆動軸2,3 の端部に、カッタブレード8,9 を備
えたブレードホルダ4,5 を固着し、入口ガイド6及び出
口ガイド7 を配設した多条圧延用分割シャーである。前
記ホルダ4,5 には、ブレード8,9 の反対側に切断待機時
の誘導部材10,11 を設けると共に、ブレード8,9 の回転
方向後部側に誘導部材12,13 を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、棒鋼等の多条圧延設備において、製品となる圧延材を所定の寸法に 切断する分割シャーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ミルラインで圧延された材料は、仕上圧延機で製品とされ、冷却床に 搬入される。この冷却床は、通常60〜100m程度の長さとされ、ここに圧延材を搬 入する際、仕上圧延機後面に設置された分割シャーで、搬入可能長さに切断して 順次取り込むようになっている。

【０００３】 鉄筋バー圧延設備では、細物圧延（直径10〜16mm) の生産量増大を図るため、 スリット圧延が一般的に採用されている。このスリット圧延では、圧延途中で材 料を長手方向に２分割するため、仕上圧延機で同時に２本の材料が圧延され、分 割シャーにより同時に２本の圧延材が切断される。市場動向として、細物生産量 増大を図るべく、３ストランド、４ストランド圧延が指向されつつある。

【０００４】 従来、この種分割シャーとしては、図６及び図７に例示するように、シャー本 体に互に平行にかつ回転自在に軸支された駆動軸20の端部に、圧延材Ｂを切断す るカッタブレード21を備えたブレードホルダ22が固着され、前記駆動軸20と直交 状に入口ガイド23及び出口ガイド（受け側トラフともいう）24が配設されたもの が知られている。

【０００５】 前記入口ガイド23と出口ガイド24の端部間隔は、シャー中心部で400mm 程度と され、カッタブレード21が干渉しないようになっている。このように、シャー中 心部では、圧延材誘導手段を備えていないため、図７に示すように出口ガイド24 の呼び込み寸法Ｗを大きくしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来技術では、２ストランド圧延の場合は、図７に示すように 水平方向の呼び込み寸法Ｗを大きくできるが、３ストランド圧延以上の場合は、 図８に示すように呼び込み寸法Ｗを大きくすると、カッタブレード21の幅を大き くかつストランド間隔を大きくしなければならないという問題が生じる。一方、 十分な呼び込み寸法をとらないと、シャー中心部を通過した圧延材の先端が、横 ぶれ等によって出口ガイド24に確実に誘導できないという問題が生じる。いずれ にしろ３ストランド以上では実現が困難であった。

【０００７】 本考案は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところ は、３ストランド以上の圧延の場合でも、出口ガイドの呼び込み寸法を広げるこ となく、確実に圧延材を誘導できる多条圧延用分割シャーを提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。 即ち、本考案は、シャー本体に互に平行にかつ回転自在に軸支された駆動軸の 端部に、圧延材を切断するカッタブレードを備えたブレードホルダを固着し、前 記駆動軸と直交状に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シャーに おいて、上下のうち少なくとも一方の前記ブレードホルダに、切断待機時に圧延 材を案内する誘導部材を取付けたことを特徴としている。

【０００９】 また、本考案は、シャー本体に互に平行にかつ回転自在に軸支された駆動軸に 、圧延材を切断するカッタブレードを備えたブレードホルダを固着し、前記駆動 軸と直交状に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シャーにおいて 、上下のうち少なくとも一方の前記ブレードホルダの回転方向後部側に、圧延材 誘導部材を配設したことを特徴としている。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、分割シャーの待機中は、入口ガイドと出口ガイドの間に誘導 部材が位置しているので、圧延材の横（水平）方向のぶれを拘束し、真直ぐに圧 延材を誘導することができる。 また、ブレードホルダの回転方向後部側の誘導部材により、切断直後の圧延材 先端を案内して出口ガイドに真直ぐに誘導する。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１〜図５は本考案の実施例を示し、1 は分割シャー本体で、該本体1 には内 蔵の駆動機構（図示省略）によって互に反対方向に回転される駆動軸2,3 が上下 に平行でかつ水平状に軸支され、該本体1 から延出された駆動軸2,3 の端部には 、夫々ブレードホルダ4,5 が固着されており、パスラインＬ上に駆動軸2,3 と直 交状に入口ガイド6 及び出口ガイド7 が配設されている。

【００１２】 前記ブレードホルダ4,5 には、カッタブレード8,9 が交換可能に取付けられ、 該ブレード8,9 の反対側に板状の２枚１対誘導部材10,11 が固着され、さらに、 前記ブレード8,9 の回転方向後部側に、板状の２枚の誘導部材12,13 が夫々固着 されており、上下ホルダ4,5 の誘導部材10,11,12,13 が全く干渉することがなく 、しかも上下が一対となって圧延材Ｂを確実に誘導しかつ真直ぐに進行させるよ うに可及的に端部を近接させている。

【００１３】 前記誘導部材10,11 は、図３に示すように、入側が出側よりも広くなるように 夫々斜めに取付けられ、圧延材Ｂを確実に出口ガイド7 に導びけるようにしてあ る。なお、他方の誘導部材12,13 も図３のように斜めに取付けることができる。 また、前記入口ガイド6 及び出口ガイド7 は、特に呼び込み寸法は拡げる必要 はなく、２ストランド圧延と同寸法とすることができる。

【００１４】 上記実施例によれば、圧延材Ｂの切断待機中は、図１〜図４に示すように、上 下のブレードホルダ4,5 の誘導部材10,11 が圧延材Ｂの通過部両側に位置してい るため、図４に示すように圧延材Ｂの先端は勿論のこと、その横ぶれが拘束され て直線的な進行搬送が行なわれ、圧延材Ｂを出口ガイド7 に確実に誘導すること ができる。

【００１５】 そして、圧延材Ｂの切断時は、図５に示すように、誘導部材12,13 が圧延材Ｂ の両側部に位置するので、切断直後の後続の圧延材Ｂ先端は、該誘導部材12,13 に拘束されて直進し、出口ガイド7 に確実に導入される。なお、この場合も、図 ４に示すように、横ぶれが規制される。 図５は、一方の誘導部材10,11 を省略した図面になっているが、実際には、該 誘導部材10,11 を設けないで、切断時及びその直後のみの圧延材Ｂの誘導を行な うことで、大半の目的を達することができる。

【００１６】 本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、両誘導部材10,11, 12,13 は、上又は下側のブレードホルダ4,5 にのみ設け、かつ若干大きくして同 等の効果を期待することができる。また、形状等も適宜設計変更することができ る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、シャー本体に互に平行にかつ回転自在に軸支された 駆動軸に、圧延材を切断するカッタブレードを備えたブレードホルダを固着し、 前記駆動軸と直交状に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シャー において、上下のうち少なくとも一方の前記ブレードホルダに、切断待機時に圧 延材を案内する誘導部材を取付けたことを特徴とするものであるから、出口ガイ ドの呼び込み幅が小さくても圧延材を確実に出口ガイドに誘導でき、ストランド 間隔、ブレード幅を広げる必要はない。

【００１８】 また、本考案は、シャー本体に互に平行にかつ回転自在に軸支された駆動軸に 、圧延材を切断するカッタブレードを備えたブレードホルダを固着し、前記駆動 軸と直交状に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シャーにおいて 、上下のうち少なくとも一方の前記ブレードホルダの回転方向後部側に圧延材誘 導部材を配設したことを特徴とするものであるから、切断直後の圧延材の先端誘 導を確実に行なうことができ、出口ガイドへの搬入不良によるトラブルを防止で きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す側面図である。

【図２】図１の要部拡大正面図である。

【図３】出口ガイドと誘導部材の位置関係を示す部分拡
大平面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線矢視図である。

【図５】一部を省略した作用説明図である。

【図６】従来例の概略正面図である。

【図７】２ストランド用出口ガイドの平面図である。

【図８】３ストランド用出口ガイドの平面図である。

【符号の説明】

１ シャー本体 2,3 駆動軸 4,5 ブレードホルダ ６ 入口ガイド ７ 出口ガイド 8,9 カッタブレード 10,11 誘導部材 12,13 誘導部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャー本体に互に平行にかつ回転自在に
   軸支された駆動軸に、圧延材を切断するカッタブレード
   を備えたブレードホルダを固着し、前記駆動軸と直交状
   に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シ
   ャーにおいて、上下のうち少なくとも一方の前記ブレー
   ドホルダに、切断待機時に圧延材を案内する誘導部材を
   取付けたことを特徴とする多条圧延用分割シャー。
2. 【請求項２】 シャー本体に互に平行にかつ回転自在に
   軸支された駆動軸に、圧延材を切断するカッタブレード
   を備えたブレードホルダを固着し、前記駆動軸と直交状
   に入口及び出口ガイドを配設してなる多条圧延用分割シ
   ャーにおいて、上下のうち少なくとも一方の前記ブレー
   ドホルダの回転方向後部側に、圧延材誘導部材を配設し
   たことを特徴とする多条圧延用分割シャー。