JPH0696765B2 - アルミニウム合金材の表面硬化方法 - Google Patents

アルミニウム合金材の表面硬化方法

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JPH0696765B2
JPH0696765B2 JP60098495A JP9849585A JPH0696765B2 JP H0696765 B2 JPH0696765 B2 JP H0696765B2 JP 60098495 A JP60098495 A JP 60098495A JP 9849585 A JP9849585 A JP 9849585A JP H0696765 B2 JPH0696765 B2 JP H0696765B2
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福久 松田
一博 中田
利光 内山
建次 塚本
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福久 松田
一博 中田
昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はアルミニウム合金材の表面硬化方法に関す
る。
従来技術とその問題点 アルミニウム合金材は、軽量等の特徴を生かして各種機
械部品に数多く利用されているが、アルミニウム合金材
は、硬さの点で他の金属に劣っているので、アルミニウ
ム合金製の各種機械部品に耐摩耗性、耐傷性を付与する
ために、従来その表面に硬質層が形成されていた。従来
の硬質層としては、硬質陽極酸化皮膜、硬質クロムメッ
キ層、硬質ニッケルメッキ層などが主流であった。とこ
ろが、硬質陽極酸化皮膜の場合、形成するためのコスト
が高くなるとともに、アルミニウムの熱伝導性や電気伝
導性を阻害するという問題があった。また、硬質クロム
メッキ層および硬質ニッケルメッキ層の場合、母相アル
ミニウムとの間に冶金的な連続性がないため、メッキ層
が剥離したり、アルミニウムの熱伝導性や電気伝導性を
阻害するという問題があった。
そこで、本願発明者らは、上記問題を解決するために、
本願と同日に出願するようなアルミニウム材またはアル
ミニウム合金材の表面硬化方法を提案した。この表面硬
化方法は、アルミニウム材またはアルミニウム合金材の
表面に、アルミニウムと反応してアルミニウムよりも硬
い金属間化合物をつくる金属の被覆層を形成した後、加
熱拡散処理を施すことによって、アルミニウム材または
アルミニウム合金材の表面に、上記被覆層を形成する金
属とアルミニウムとの金属間化合物層を形成するもので
ある。この方法で表面硬化されたアルミニウム材または
アルミニウム合金材の表面は硬くなり耐摩耗性および耐
傷性は向上するが、表面硬化処理後アルミニウム材また
はアルミニウム合金材にひずみが加わる場合には、金属
間化合物層に割れが発生することがある。その理由は、
金属間化合物は非常に硬いが、脆く延性に乏しいために
粒界破壊されるおそれがあるからである。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、表
面硬化処理後ひずみが発生したとしても形成された金属
間化合物層に割れが発生することのない表面硬化方法を
提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 この発明によるアルミニウム合金材の表面硬化方法は、
ホウ素0.01〜5wt%を含むアルミニウム合金材の表面
に、アルミニウムと反応してアルミニウムよりも硬い金
属間化合物をつくる金属からなる厚さ5〜20μmの被覆
層を形成した後、加熱拡散処理を施すことによって、ア
ルミニウム合金材の表面に、上記被覆層を形成する金属
とアルミニウムとの金属間化合物層を形成することを特
徴とするものである。
上記において、ホウ素0.01〜5wt%を含むアルミニウム
合金材とは、ホウ素0.01〜5wt%を含み、残部アルミニ
ウムおよび不可避不純物からなる2元合金ならびにホウ
素0.01〜5wt%の他に種々の合金元素をも含み、残部ア
ルミニウムおよび不可避不純物からなる3元以上の合金
の両者を包含するものとする。
上記において、金属間化合物は非常に硬いが、脆く延性
に乏しいために、表面硬化処理が施された後のアルミニ
ウム合金にひずみが発生した場合に金属間化合物層に割
れが発生することがある。上記ホウ素は、これをアルミ
ニウム合金中に含有せしめることによって、金属間化合
物の粒界脆化を改善して金属間化合物層の延性を向上さ
せ、その結果表面硬化処理後のアルミニウム合金材にひ
ずみが発生しても金属間化合物層に割れが発生するのを
防止する性質を有する。ところが、ホウ素の含有量が0.
01wt%未満であると上記効果は得られず、5wt%を越え
ると粗大晶出物が生じてアルミニウム合金材の靭性低下
が著しく、しかも金属間化合物層の延性向上効果もそれ
以上増大しない。したがって、ホウ素の含有量は0.01〜
5wt%の範囲内で選ぶべきである。
また上記において、アルミニウムと反応してアルミニウ
ムよりも硬い金属間化合物をつくる金属としては、Cu、
Ni、Au、Fe、Ti、Agなどを用いることができる。アルミ
ニウム合金材の表面に金属の被覆層を形成するのは、電
気メッキ、溶融メッキ、真空メッキ、化学メッキ等の各
種メッキ方法や、イオンプレーティング等のPVD法や、
プラズマ溶射法等により行なわれる。また、アルミニウ
ム合金材が板状である場合には、クラッド法により金属
被覆層を形成してもよい。金属被覆層の厚さは、被覆層
を形成する金属の種類、形成すべき金属間化合物層の厚
さおよび要求される硬さ等を考慮して決定されるが、そ
の厚さを5〜20μmに限定した理由は、被覆層の厚さが
5μm未満であると、後工程の加熱拡散処理により形成
される金属間化合物層の厚さが薄くなり、母材の影響を
受けて十分な表面硬さとならなくなって必要な耐摩耗
性、耐傷性が得られず、実用に供しないからである。ま
た、上記被覆層の厚さが20μmを越えると、後工程の加
熱拡散処理に要する時間が長くなって実生産に適さず、
工業的価値を減ずるからである。加熱拡散処理の温度
は、金属被覆層を構成する金属の種類および母材となる
アルミニウム合金材の融点等を考慮して決定される。た
とえば、金属被覆層を構成する金属がCu、Ni、Au、Fe、
Ti、Agであればそれぞれ500±20℃、600±20℃、500±2
0℃、600±20℃、600±20℃、500±20℃が好ましい。こ
れらの温度では、上記金属とアルミニウムが反応し、ア
ルミニウムよりはるかに硬い金属間化合物が生成して、
アルミニウム合金材の表面に金属間化合物層が形成され
るからである。また、上記温度より高いと、アルミニウ
ム合金材の表面層で共晶反応を起こして溶融する危険性
が高くなり、上記温度より低いと、金属間化合物層を形
成するための拡散が遅くなり、工業的価値を減ずる。ま
た、拡散処理の処理時間は、形成される金属間化合物層
の硬さとはほとんど関連性を持たない。さらに、拡散処
理は、真空中や、Ar等の不活性ガス雰囲気中や、N2等の
アルミニウムに対して不活性なガス雰囲気中で実施する
のがよく、とくに工業的にはArガス雰囲気中で実施する
のが好ましい。
実 施 例 純度99.99wt%の高純度アルミニウムを原料としたホウ
素0.1wt%を含有しかつ残部アルミニウムおよび不可避
不純物からなるアルミニウム合金から厚さ1mmのアルミ
ニウム板をつくり、その表面に電気メッキ法により銅、
ニッケルの被覆層を形成した。その後、Arガス雰囲気中
で拡散処理を施した。そして、アルミニウム合金板の表
面のビッカース硬さ(Hv)を測定した。また、表面硬化
処理後のアルミニウム合金板をひずみが0.47%となるよ
うに曲げ、金属間化合物層に割れが発生したか否かを観
察した。また比較のために、純度99.99wt%の高純度ア
ルミニウムから厚さ1mmのアルミニウム板をつくり、こ
のアルミニウム板に上記と同様に表面硬化処理を施し
た。そして、アルミニウム板の表面のビッカースの硬さ
を測定した。またアルミニウム板をひずみが0.47%とな
るように曲げ、金属間化合物層に割れが発生したかどう
かを調べた。これらの結果を下表にまとめて示す。
上表から明らかなように、この発明の方法によって表面
硬化処理が行なわれた場合、表面硬化処理後のアルミニ
ウム合金材にひずみが発生したとしても、金属曲化合物
には割れは発生しない。
発明の効果 上述のように、この発明の表面硬化方法によれば、アル
ミニウム合金材の表面に金属間化合物層が形成されるの
で、その表面硬さは元のアルミニウム合金材の表面硬さ
よりも硬くなり、耐摩耗性、耐傷性等が向上する。しか
もアルミニウム合金材にはホウ素が0.01〜5wt%含有せ
しめられているので、金属間化合物層の延性が向上し、
その結果表面硬化処理後のアルミニウム合金材にひずみ
が発生したとしても金属間化合物層に割れが発生するこ
とはない。また、金属間化合物層は母相アルミニウムと
の間に冶金的な連続性を有するので、この層がアルミニ
ウム合金材の表面から剥離するおそれはない。また、従
来の硬質陽極酸化皮膜を形成する場合に比べてコストが
安くなる。また、硬質陽極酸化皮膜のようにアルミニウ
ム合金材の熱伝導性や電気伝導性を阻害することもな
い。さらに、アルミニウム合金材の表面に、アルミニウ
ムと反応してアルミニウムよりも硬い金属間化合物をつ
くる金属からなる厚さ5〜20μmの被覆層を形成してい
るので、後工程の加熱拡散処理によりアルミニウム合金
材の表面に十分な厚さを持った金属間化合物層を形成す
ることができ、必要な耐摩耗性、耐傷性が得られて実用
に供したものになるとともに、後工程の加熱拡散処理に
要する時間が実生産に適したものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 利光 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 塚本 建次 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−122633(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウ素0.01〜5wt%を含むアルミニウム合
    金材の表面に、アルミニウムと反応してアルミニウムよ
    りも硬い金属間化合物をつくる金属からなる厚さ5〜20
    μmの被覆層を形成した後、加熱拡散処理を施すことに
    よって、アルミニウム合金材の表面に、上記被覆層を形
    成する金属とアルミニウムとの金属間化合物層を形成す
    ることを特徴とするアルミニウム合金材の表面硬化方
    法。
JP60098495A 1985-05-08 1985-05-08 アルミニウム合金材の表面硬化方法 Expired - Fee Related JPH0696765B2 (ja)

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