JPH0694747B2 - 二輪車の盗難防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、二輪車を電柱等の構築物に繋ぎ止めたり、あ
るいは車輪の回り止めをなすことで盗難を防止するため
の装置に関する。

［従来の技術］ この種の盗難防止装置として、従来、例えば実公昭56−
49813号公報に見られるように、自動二輪車の車体と電
流等の構築物とを繋ぎ止めるワイヤーやチェーン、ある
いは車輪の回り止めをなすＵ字形のロック金具等が知ら
れている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、この先行技術のものは、切断やこじあけ
等の行為に対する耐破壊強度を高めたり、取り扱いを容
易に行えるだけの長さを求めると、装置全体が重く大き
なものとなる。それとともに、特にワイヤーやチャーン
にあっては、一定の形状にコンパクトに折り畳むことが
困難となり、かさばり易いものであった。

このため、特に自動二輪車に携帯する場合に収納性が甚
だ悪く、持ち運びに不便を来たす等の問題がある。

本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、
連設体をコンパクトに折り畳むことができ、収納性が格
段に向上するとともに、ロック機構自体が外部からの破
壊行為に対して強くなり、かつ、連設体を二輪車の所望
箇所に挿通させる際に、ロック機構が邪魔とならず、作
業性が向上する二輪車の盗難防止装置の提供を目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明の盗難防止装置は、複
数本の金属製の中実棒状体の端部を金属製の自在継手を
介して連結し、隣り合う棒状体は互いの軸心を枢軸方向
にずらして配置し、折り畳み状及びループ状に形成可能
な連設体を構成し、この連設体の一端に位置された棒状
体は、その自由端に係止部を一体に形成するとともに、
上記連設体の他端に位置された他の棒状体は、その自由
端に上記係止部と係脱可能なロック機構を有し、このロ
ック機構は、上記他の棒状体の自由端に一体に固定され
た外筒と、この外筒に開口され上記係止部が挿脱可能に
挿入される挿入口と、上記外筒内に収容されたロックシ
リンダに取付けたロックバーとからなり、上記係止部に
上記ロックバーが出入可能なバー係入部を形成し、上記
挿入口から挿入された係止部のバー係入部にロックバー
を進入させることにより、この係止部を外筒に抜け止め
保持するロック部材を備えており、このロック機構の外
筒は、その長手方向が上記棒状体の軸方向に沿って延び
るような姿勢で配置されていることを特徴としている。

［作用］ このような構成によれば、連設体を使用しない時には、
この連設体を自在継手の部分で自由に折り曲げることが
でき、全体がコンパクトになる。

しかも、この場合、棒状体や自在継手は金属製で剛性が
高いので、容易に破壊されずに済むのは勿論、折り畳ん
だ状態では棒状体相互が重なり合って一束にまとまり易
く、連設体の折り畳み形状が常時一定となる。

したがって、不使用時の収納性が格段に向上し、従来の
ワイヤやチェーンのようにかさばることもなくなり、手
狭なスペースにも容易に収納することができる。それと
ともに、折り畳んだ連設体をケース等に収納すれば、二
輪車の車体回りに自由に取り付けることができ、携帯し
て持ち運ぶ場合に好都合となる。

また、上記構成によると、ロック機構の外郭となる外筒
は、その長手方向が棒状体の軸方向に沿って延びるよう
な姿勢で、この棒状体に一体に固定されているので、連
設体を折り畳んだ時に、隣り合う棒状体に向って突き出
すようなことはない。このため、外筒と棒状体との干渉
を回避でき、連設体にロック機構を一体化したにも拘ら
ず、この連設体を折り畳む時にロック機構が邪魔となら
ずに済むとともに、連設体の折り畳み形状のコンパクト
化を妨げない。その上、外筒は、棒状体の軸方向に沿っ
て延びるとともに、この棒状体に対する自由な首振りや
揺動が一切制限されるので、連設体を展開して、その外
筒が固定された側から例えば車輪のスポーク間に挿通す
るような場合でも、外筒がスポークに引っ掛かり難くな
る。また、この挿通作業時に外筒を手で押えて向きを正
す必要もなくなるので、連設体の挿通作業を容易に行う
ことができる。

さらに、ロック機構の要部となるロック部材は、棒状体
にに一体に固定された外筒内に収容されているので、こ
のロック部材を外部からの切断、こじあけ等の破壊行為
から保護することができ、ロック機構自体の耐破壊強度
が格段に向上する。

［実施例］ 以下本発明の第１実施例を、第１図ないし第８図に基づ
いて説明する。

図中符号１は自動二輪車の盗難防止用の細長い一本の連
設体であり、この連設体１は、複数本の棒状体２…を互
いに連結して構成される。本実施例の棒状体２…は、例
えば機械構造用炭素鋼あるいはクロムモリブデン鋼を用
いた中実の丸棒からなり、これら棒状体２…の端部は、
金属製の自在継手３…を介して回動可能に連結されてい
る。

この自在継手３の構造は全て同一であるので、一箇所を
代表して説明する。

すなわち、第５図に示すように、互いに隣り合う棒状体
2,2の端部には、夫々円柱状のボス部４が突き合わせ溶
接されており、これらボス部４は同軸的に重ね合わされ
ている。そして、一方のボス部４に開設した通孔５内に
は、枢軸６が回転自在に挿通されており、この枢軸６の
挿通端は、他方のボス部４に設けた受け凹部７内に挿入
され、かつピン８によって抜け止め保持されている。

したがって、各棒状体２…は、枢軸６を回転中心として
同一面内で360°相対的に回転自在な状態で連結されて
いる。この連結により、隣り合う棒状体２…が互いに折
り重なった状態で畳み込まれるとともに、連結体１全体
でループ状に形成されるようになっている。

また、連設体１の両端、つまり、ループ状に形成した時
に対向し合う二本の棒状体2,2の端部には、ロック部９
が設けられている。このロック部９は、一方の棒状体２
の自由端に設けたロック機構10と、他方の棒状体２の自
由端に設けた係止部11とで構成される。

ロック機構10は、第６図に示すように、棒状体２の先端
に同軸状に固定され、ロック機構10の外郭を構成する外
筒12と、この外筒12内に収容されたロックシリンダ13と
を有している。外筒12は、その外径寸法よりも大きな全
長を有する円筒状をなしている。この外筒12は、その長
手方向を棒状体２の軸方向に沿って同軸状に延びるよう
な姿勢で配置されており、この外筒12の先端開口部にロ
ックシリンダ13のキー差し込み口14が臨在されている。
そして、ロックシリンダ13は、キー15によって回動操作
されるロックバー16を有している。このロックバー16
は、外筒12内において施錠位置と解除位置との間に亘っ
て往復回動されるようになっており、この外筒12の外周
面には、上記他方の棒状体２の係止部11が挿脱可能な挿
入口17が開設されている。

一方、上記係止部11は、棒状体２の先端外周面の一部を
平坦に削るとともに、この平坦面18上に円柱状の突起19
を形成したもので、この突起19と平坦面18の終端に連な
る端面20との間に、ロックバー16が挿脱可能に嵌入する
バー係入部である隙間21が形成されている。

したがって、棒状体２の係止部11を挿入口17から外筒12
内に挿入し、キー差し込み口14に差し込んだキー15を施
錠位置に回動させると、ロックバー16が突部19の外周面
に沿って移動しつつ、隙間21内に入り込むようになって
おり、このロックバー16と突部との係止により、棒状体
２が外筒12に抜け止め保持される。このことから、本実
施例の場合は、ロックシリンダ13とロックバー16とが係
止部11の抜け止めをなすロック部材を構成している。

次に、このような連設体１の使用方法について、第７図
および第８図を加えて説明する。

自動二輪車の前輪22の回り止めを行う場合には、まず、
連設体１を広げ、その一端を第７図に示すように、フロ
ントフォーク23の前方を通してディスクホイール24のス
ポーク部25の間に挿通する。

次に、連設体１をループ状に形成させて、その先端側を
フロントフォーク23の後方を通してスポーク部25の間に
挿通する。そして、係止部11を外筒12の挿入口17に挿入
し、キー15を施錠位置に回動させて係止部11を抜出不能
にロックする。このロックによって前輪22の回り止めが
なされる。

一方、第８図に示すように、前輪22を電柱やガードレー
ルの支柱のような固定構築物26に繋ぎ止める場合には、
連設体１を固定構築物26とディスクホイール24との間に
跨がってループ状に形成させ、棒状体２を固定構築物26
の外周面およびディスクホイール24に引っ掛ける。そし
て、係止部11を挿入口17内に挿入し、キー15を施錠位置
に回動させることで係止部11を抜出不能にロックし、前
輪22を固定構築物26に繋ぎ止める。

このような構成の第１実施例によれば、連設体１は、複
数本の中実棒状体２…の端部を金属製の自在継手３…を
介して連結し、隣り合う棒状体2,2は互いの軸心を枢軸
６方向にずらして配置することにより構成されるので、
この連設体１を使用しない時には、自在継手３…の部分
で自由に折り曲げることができる。このため、長尺な一
本の連設体１を単一の棒状体２…の長さにまで折り畳む
ことができ、全体が小さくコンパクトとなる。

しかも、この場合、各棒状体２…および自在継手３…
は、高硬度の金属製で剛性が高いので、容易に破壊され
ずに済むのは勿論のこと、折り畳んだ状態では、第３図
や第４図に示すように、棒状体２…相互が折り重なって
一束にまとまり易く、連設体１を折り畳んだ時の形状が
一定となる。

したがって、連設体１の不使用時に従来のチェーンやワ
イヤーのようにかさばることもなく、収納性が格段に向
上するので、手狭なスペースにも容易に収納することが
できる。それとともに、連設体１の折り畳み形状がコン
パクトで、かつ一束にまとまるので、例えば第３図およ
び第４図の想像線で示すように、筒状のケース29にも容
易に収納することができる。このため、自動二輪車のバ
ーハンドルやキャリアあるいはフレーム等の車体各部に
取り付けて自由に持ち運ぶことができ、特に携帯用とし
て好都合となる。

また、上記構成においては、ロック機構10の外郭を構成
する外筒12は、棒状体２の軸方向に沿って延びるような
姿勢で、この棒状体２に一体に固定されているので、連
設体１を折り畳んだ時に、外筒12が隣り合う棒状体２に
向って突き出すようなことはなく、外筒12と棒状体２と
の干渉を回避することができる。このため、連設体１に
ロック機構10を一体化した構成でありながら、この連設
体１を折り畳む時にロック機構10が邪魔とならずに済む
とともに、連設体１の折り畳み形状のコンパクト化を妨
げない。

それとともに、外筒12は、棒状体２の軸方向に沿って延
びるとともに、この棒状体２に一体に固定されて自由な
首振りや揺動が一切制限されているので、連設体１を展
開して、その外筒12が固定された一方の棒状体２の側か
ら前輪22のスポーク部25の間に挿通するような場合で
も、外筒12がスポーク部25に引っ掛かり難くなる。

また、この棒状体２の挿通作業時に、外筒12が首を振っ
たり、自由に揺動することがないので、この外筒12を手
で押えて向きを正す必要もなくなり、この点でも連設体
１の挿通作業性を高める上で有効に寄与することにな
る。

さらに、ロック機構10の主要部となるロックシリンダ13
やロックバー16は、棒状体２に一体に固定された外筒12
内に収容され、その大部分が外筒12によって覆い隠され
ているので、これらロックシリンダ13やロックバー16を
外部からの切断、こじあけ等の破壊行為から保護するこ
とができる。このため、ロック機構10自体の耐破壊強度
が格段に向上し、自動二輪車の盗難を防止する上での信
頼性が高くなるといった利点がある。

なお、自在継手の構成は、上述した第１実施例に制約さ
れるものではなく、例えば第９図に本発明の第２実施例
の自在継手51を示す。

この自在継手51は、中実棒状体２…の端部に偏平に押し
潰された偏平部52を形成し、隣り合う棒状耐２…の偏平
部52を重ね合わせるとともに、これら偏平部52に開設し
た通孔53内に枢軸を構成するリング状の連結金具54を回
動自在に挿通して構成される。

［発明の効果］ 以上詳述した本発明によれば、複数本の金属製の中実棒
状体の端部を金属製の自在継手を介して連結し、隣り合
う棒状体を互いの軸心を枢軸方向にずらして配置して連
設体を構成し、該連設体を使用しない時には、コンパク
トで、かつ一定の形状に折り畳むことができるので、こ
の連設体がかさばることもなく、収納性が格段に向上す
る。したがって、手狭なスペースにも容易に収納できる
とともに、この折り畳んだ連設体をケースに収納すれ
ば、二輪車の車体各部に取り付けることも可能となり、
特に携帯して持ち運ぶ場合に好都合となる。

しかも、ロック機構の外筒は、棒状体の軸方向に沿って
延びるような姿勢で、この棒状体に一体に固定されてい
るので、連設体を折り畳んだ時に、外筒が隣り合う棒状
体に向って突き出すようなことはなく、外筒と棒状体と
の干渉を回避することができる。このため、連設体にロ
ック機構を一体化した構成でありながら、この連設体を
折り畳む時にロック機構が邪魔とならず、かつ連設体の
折り畳み形状のコンパクト化を妨げない。

それとともに、外筒は、棒状体の軸方向に延びるような
姿勢でこの棒状体に一体に固定され、棒状体に対する自
由な首振りや揺動が一切制限されているので、連設体を
展開して、その外筒が固定された棒状体の側から例えば
車輪のスポーク間に挿通するような場合でも、外筒がス
ポークに引っ掛かり難くなる。また、この棒状体の挿通
作業時に、外筒が首を振ったり、自由に揺動することが
ないので、この外筒を手で押えて向きを正す必要もなく
なり、この点でも連設体の挿通作業を容易に行うことが
できる。

さらに、ロック機構の主要部となるロック部材は、その
大部分が棒状体と一体の外筒によって覆い隠されるの
で、このロック部材を外部からの切断、こじあけ等の破
壊行為から保護することができる。このため、ロック機
構自体の耐破壊強度が格段に向上し、二輪車の盗難を防
止する上での信頼性が高くなるといった利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図は本発明の第１実施例を示し、 第１図は、連設体をループ状に形成した平面図、 第２図は、第１図中II線方向から見た側面図、 第３図は、連設体を折り畳み状に形成した状態の平面
図、 第４図は、第３図中IV線方向から見た側面図、 第５図は、自在継手の断面図、 第６図は、連設体のロック部の断面図、 第７図は、連設体によって自動二輪車の前輪の回り止め
をなした状態を示す斜視図、 第８図は、自動二輪車の前輪と固定構築物との間を連設
体によって繋ぎ止めた状態を示す斜視図、 第９図は、本発明の第２実施例を示す平面図である。 １…連設体、２…棒状体、3,51…自在継手、6,54…枢
軸、10…ロック機構、11…係止部、12…外筒、13…ロッ
クシリンダ、16…ロックバー、17…挿入口、21…バー係
入部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−40561（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−160464（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−11975（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−118391（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭53−24874（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭57−55484（ＪＰ，Ｙ２) 米国特許3747376（ＵＳ，Ａ) 米国特許3748876（ＵＳ，Ａ) 英国特許3908414（ＧＢ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数本の金属製の中実棒状体の端部を金属
   製の自在継手を介して連結し、隣り合う棒状体は互いの
   軸心を枢軸方向にずらして配置し、折り畳み状及びルー
   プ状に形成可能な連設体を構成し、この連設体の一端に
   位置された棒状体は、その自由端に係止部を一体に形成
   するとともに、上記連設体の他端に位置された他の棒状
   体は、その自由端に上記係止部と係脱可能なロック機構
   を有し、このロック機構は、上記他の棒状体の自由端に
   一体に固定された外筒と、この外筒に開口され上記係止
   部が挿脱可能に挿入される挿入口と、上記外筒内に収容
   されたロックシリンダに取付けたロックバーとからな
   り、上記係止部に上記ロックバーが出入可能なバー係入
   部を形成し、上記挿入口から挿入された係止部のバー係
   入部にロックバーを進入させることにより、この係止部
   を外筒に抜け止め保持するロック部材を備えており、こ
   のロック機構の外筒は、その長手方向が上記棒状体の軸
   方向に沿って延びるような姿勢で配置されていることを
   特徴とする二輪車の盗難防止装置。