JPH0694507B2 - ポリアリ−レンチオエ−テルの製造法 - Google Patents

ポリアリ−レンチオエ−テルの製造法

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JPH0694507B2
JPH0694507B2 JP62075254A JP7525487A JPH0694507B2 JP H0694507 B2 JPH0694507 B2 JP H0694507B2 JP 62075254 A JP62075254 A JP 62075254A JP 7525487 A JP7525487 A JP 7525487A JP H0694507 B2 JPH0694507 B2 JP H0694507B2
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halides
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英俊 土田
宏之 西出
公寿 山元
周 吉田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ポリアリーレンチオエーテルの製造法に関
し、さらに詳しく言うと、実質的に直鎖状のポリアリー
レンチオエーテルを温和な重合条件で効率よく得ること
ができるポリアリーレンチオエーテルの製造法に関する
ものである。
[従来の技術およびその問題点] 従来、ポリフェニレンチオエーテル(以下、これをPPT
と略記することがある。)などのポリアリーレンチオエ
ーテル(以下、これをPATと略記することがある。)
は、ジハロゲン芳香族化合物とアルカリ金属硫化物を、
極性溶媒中で高温加圧下で縮重合反応することにより製
造している。
しかし、この方法では、アルカリ金属塩がPAT中に残
存し、PATの電気特性を悪化させる。消費エネルギー
が大きくコスト高となる等の問題点があった。
一方、チオフェノールを重合してPATを得る方法として
は、ソ連国特許第698,988号が知られているが、この方
法では、Mo Cl5/CF3 COOHなどの非常に高価な触媒を使
用するため工業的に不利である。また、硫酸を触媒とす
る方法も知られているが、副生物が多く、また架橋ポリ
マーも大量に生成するという欠点があった。
一方、ジフェニレンジスルフィドをモノマーとして用い
るPATの製造法は見当たらない。
[発明の目的] この発明は、前記事情に基づいてなされたものであり、
その目的は、前記問題点を解消し、電気的特性、機械的
特性、化学的特性等に優れたポリフェニレンチオエーテ
ルなどのポリアリーレンチオエーテル、特に架橋ポリマ
ーの副生が少なく実質的に直鎖状のポリフェニレンチオ
エーテルなどのポリアリーレンチオエーテルを、簡便
に、かつ温和な重合条件下で、安価に得ることができ
る、工業上著しく有利なポリアリーレンチオエーテルの
製造法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] この発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、原料モノマーとしてチオフェノールおよび/
またはジフェニルジスルフィドを用い、これをルイス酸
および/またはプロトン酸の存在下に、電解重合させる
方法が、この発明の目的を達成するのに極めて有効であ
ることを見い出してこの発明を完成するに至った。
すなわち、この発明の要旨は、一般的[I] (ただし、式[I]中、R1〜R4は、それぞれ、水素原
子、低級アルキル基、ハロゲン原子および低級アルコキ
シ基よりなる群から選択された置換基を表す。なお、R1
〜R4は、たがいに同じ種類であっても異なった種類であ
ってもよい。) で表されるチオフェノール類および/または一般式[I
I] (ただし、式[II]中、Sはイオウ原子を表し、R5〜R
12は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
子あるいは低級アルコキシ基を表す。なお、R5〜R
12は、たがいに同じ種類であっても、異なった種類であ
ってもよい。) で表されるジフェニルジスルフィド類をルイス酸および
/またはプロトン酸の存在下および電極分離槽の不存在
下に、電解重合して実質的に直鎖状のポリアリーレンチ
オエーテルを製造することを特徴とするポリアリーレン
チオエーテルの製造法である。
前記一般式[I]中のR1〜R4について、さらに詳しく説
明すると次の通りである。
すなわち、前記R1〜R4のそれぞれの具体例としては、た
とえば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル
基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基など
の低級アルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec
−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、
ヘキシルオキシ基などの低級アルコキシ基を挙げること
ができる。
これらの中でも、水素原子;メチル基、エチル基などの
さらに低級なアルキル基;フッ素原子、塩素原子;メト
キシ基などのさらに低級なアルコキシ基が好ましく、特
に水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子などが好ま
しい。
前記一般式[I]で表されるチオフェノール類として
は、たとえば、チオフェノール、2−メチルチオフェノ
ール、2−エチルチオフェノール、2−プロピルチオフ
ェノール、2−(1−メチルエチル)チオフェノール、
2−ブチルチオフェノール、2−(1−メチルプロピ
ル)チオフェノール、2−(2−メチルブチル)チオフ
ェノール、2−(1,1−ジメチルエチル)チオフェノー
ル、スーペンチルチオフェノール、2−ヘキシルチオフ
ェノール2−オクチルチオフェノール、2−フルオロチ
オフェノール、2−クロロチオフェノール、2−グロモ
チオフェノール、2−ヨードチオフェノール、2−メト
キシチオフェノール、2−エトキシチオフェノール、2
−プロポキシチオフェノール、2−イソプロポキシチオ
フェノール、2−ブトキシチオフェノール、2−sec−
ブトキシチオフェノール、2−イソブトキシチオフェノ
ール、2−tert−ブトキシチオフェノール、2−ペンチ
ルオキシチオフェノール、2−ヘキシルオキソチオフェ
ノール、2,6−ジメチルチオフェノール、2,6−ジエチル
チオフェノール、2−メチル−6−エチルチオフェノー
ル、2,6−ジフルオロチオフェノール、2−メチル−6
−フルオロチオフェノール、2−エチル−6−フルオロ
チオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、2,6−
ジブロモチオフェノール、2−メチル−6−クロロチオ
フェノール、2,6−ジメトキシチオフェノール、2−メ
チル−6−メトキシチオフェノール、2,3−ジメチルチ
オフェノール、2,3−ジエチルチオフェノール、2,3−ジ
フルオロチオフェノール、2−メチル−3−フルオロチ
オフェノール、2−ブルオロ−3−メチルチオフェノー
ル、2,3−ジメトキシチオフェノール、2−メチル−3
−メトキシチオフェノール、2,3−ジクロロチオフェノ
ール、2−メチル−3−クロロチオフェノール、3−ク
ロロ−2−メチルチオフェノール、2,5−ジメチルチオ
フェノール、2,5−ジフルオロチオフェノール、2,5−ジ
エチルチオフェノール、2−メチル−5−フルオロチオ
フェノール、2−メチル−5−エチルチオフェノール、
2−フルオロ−5−メチルチオフェノール、2,5−ジク
ロロチオフェノール、2,5−ジメトキシチオフェノー
ル、2−メチル−5−クロロチオフェノール、2−メチ
ル−5−メトキシチオフェノール、2−クロロ−5−メ
チルチオフェノール、2−メトキシ−5−メチルチオフ
ェノール、2−クロロ−5−フルオロチオフェノール、
2−エチル−5−クロロチオフェノール、2−クロロ−
5−エチルチオフェノール、3,5−ジメチルチオフェノ
ール、3,5−ジフルオロチオフェノール、3,5−ジメトキ
シチオフェノール、3,5−ジエチルチオフェノール、3,5
−ジクロロチオフェノール、3−メチル−5−フルオロ
チオフェノール、3−メチル−5−クロロチオフェノー
ル、3−メチル−5−メトキシチオフェノール、2,3,5
−トリメチルチオフェノール、2,3,5−トリフルオロチ
オフェノール、2,3,5−トリエチルチオフェノール、2,
3,5−トリクロロチオフェノール、2−メチル−3,5−ジ
フルオロチオフェノール、2,3,5,6−テトラメチルチオ
フェノール、2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノー
ル、2,3,5,6−テトラクロルチオフェノール、2,3,5,6−
テトラメトキシチオフェノール、2,3,5,6−テトラエチ
ルチオフェノール、2,6−ジメチル−3,5−テトラフルオ
ロチオフェノール、2,6−ジエチル−3,5−ジフルオロチ
オフェノール、2,6−ジエチル−3,5−ジクロロチオフェ
ノール、2,6−ジエチル−3,5−ジメチルチオフェノー
ル、2,6−ジエチル−3,5−ジメトキシチオフェノール、
2,6−ジメチル−3,5−ジクロロチオフェノール、2−メ
チル−6−エチル−3,5−ジフルオロチオフェノールな
どを挙げることができる。
これらの中でも特に、チオフェノール、2−メチルチオ
フェノール、2−エチルチオフェノール、2−フルオロ
チオフェノール、2−クロロチオフェノール、2−メト
キシチオフェノール、2,6−ジメチルチオフェノール、
2,6−ジエチルチオフェノール、2,6−ジフルオロチオフ
ェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、2,6−ジメト
キシチオフェノール、2,3,5,6−テトラクロロチオフェ
ノール、2,3,5,6−テトラメチルチオフェノールなどが
好ましい。
前記一般式[II]中のR5〜R12について、さらに詳しく
説明すると以下の通りである。
すなわち、前記R5〜R12のそれぞれの具体例としては、
水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチ
ルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メ
チルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの低級ア
ルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル
オキシ基、などの低級アルコキシ基を挙げることができ
る。これらの中でも、水素原子;メチル基、エチル基な
どのさらに低級なアルキル基、フッ素原子、塩素原子;
メトキシ基などのさらに低級なアルコキシ基が好まし
く、特に、水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子な
どが好ましい。
前記一般式[II]によって表されるジフェニルジスルフ
ィド類としては、たとえば、 ジフェニルジスルフィド、2,2′−ジメチルジフェニル
ジスルフィド、3,3′−ジフェニルジメチルジスルフィ
ド、2,2′,6,6′−テトラメチルジフェニルジスルフィ
ド、2,2′,3,3′−テトラメチルジフェニルジスルフィ
ド、2,2′,5,5′−テトラメチルジフェニルジスルフィ
ド、3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルジスルフィ
ド、2,2′,3,3′,6,6′−ヘキサメチルジフェニルジス
ルフィド、2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチルジフェニ
ルジスルフィド、2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタメ
チルジフェニルジスルフィド、2,2′−ジエチルジフェ
ニルジスルフィド、3,3′−ジエチルジフェニルジスル
フィド2,2′,6,6′−エトラエチルジフェニルジスルフ
ィド、2,2′,3,3′,6,6′−ヘキサエチルジフェニルジ
スルフィド、2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタエチル
ジフェニルジスルフィド、2,2′−ジプロピルジフェニ
ルジスルフィド、3,3′−ジプロピルジフェニルジスル
フィド、2,2′,5,5′−テトラプロピルジフェニルジス
ルフィド、2,2′−(1−メチルエチル)ジフェニルジ
スルフィド、2,2′−ジブチルジフェニルジスルフィ
ド、2,2′−ジペンチルジフェニルジスルフィド、2,2′
−ジヘキシルジフェニルジスルフィド、2,2′−ジフル
オロジフェニルジスルフィド、2,2′−ジクロロジフェ
ニルジスルフィド、2,2′−ジブロモジフェニルジスル
フィド、2,2′−ジヨードジフェニルジスルフィド、3,
3′−ジフルオロジフェニルジスルフィド、3,3′−ジク
ロロジフェニルジスルフィド、3,3′−ジブロモジフェ
ニルジスルフィド、3,3′−ジヨードジフェニルジスル
フィド、2,2′,3,3′−テトラフルオロジフェニルジス
ルフィド、2,2′,3,3′〜テトラクロロジフェニルジス
ルフィド、2,2′,5,5′−テトラフルオロジフェニルジ
スルフィド、2,2′,5,5′−テトラクロロジフェニルジ
スルフィド、2,2′,6,6′−テトラフルオロジフェニル
ジスルフィド、2,2′,6,6′−ジクロロジフェニルジス
ルフィド、2,2′,6,6′−テトラブロモジフェニルジス
ルフィド、3,3′,5,5′−テトラフルオロジフェニルジ
スルフィド、3,3′,5,5′−テトラクロロジフェニルジ
スルフィド、2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサフルオロジフ
ェニルジスルフィド、2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサクロ
ロジフェニルジスルフィド、2,2′,3,3′,6,6′−ヘキ
サフルオロジフェニルジスルフィド、2,2′,3,3′,6,
6′−ヘキサクロロジフェニルジスルフィド、2,2′,3,
3′,5,5′,6,6′−オクタフルオロジフェニルジスルフ
ィド、2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタクロロジフェ
ニルジスルフィド、2,2′−ジメトキシジフェニルジス
ルフィド、2,2′−ジエトキシジフェニルジスルフィ
ド、2,2′−ジイソプロポキシ、、2,2′−ジプロポキシ
ジフェニルジスルフィド、2,2′−ジブトキシジフェニ
ルジスルフィド、2,2′,3,3′−テトラメトキシジフェ
ニルジスルフィド、2,2′,6,6′−テトラメトキシジフ
ェニルジスルフィド、2,2′,6,6′−テトラエトキシジ
フェニルジスルフィド、3,3′−ジメトキシジフェニル
ジスルフィド、2,2′,5,5′−テトラメトキシジフェニ
ルジスルフィド、2,2′−ジメチル、3.3′−ジエチルジ
フェニルジスルフィド、2,2′−ジメチル−6,6′−ジエ
チルジフェニルジスルフィド、2,2′−ジメチル−6,6′
−ジフルオロジフェニルジスルフィド、2,2′−ジメチ
ル−6,6′−ジクロロジフェニルジスルフィド、2,2′,
6,6′−テトラメチル−3,3′,5,5′−テトラフルオロジ
フェニルジスルフィド、2,2′−ジフルオロ−6,6′−ジ
クロロジフェニルジスルフィド、2,2′−ジフルオロ−
6,6′−ジメトキシジフェニルジスルフィド、2,2′−ジ
フルオロ−3,3′−ジクロロジフェニルジスルフィド、
2,2′−ジフルオロ−3,3′−ジクロロジフェニルジスル
フィド、2,2′−ジフルオロ−6,6′−ジエチルジフェニ
ルジスルフィド、2,2′,6,6′−テトラフルオロ−3,
3′,5,5′−テトラメチルジフェニルジスルフィド、2,
2′,6,6′−テトラメチル−3,3′,5,5′−テトラクロロ
ジフェニルジスルフィド、2,2′,6,6′−テトラエチ
ル、3,3′,4,4′−テトラメチルジフェニルジスルフィ
ド、2,2′,6,6′−テトラエチル−3,3′,5,5′−テトラ
フルオロジフェニルジスルフィドなどの対称ジフェニル
ジスルフィド類;2−メチルジフェニルジスルフィド、2
−エチルジフェニルジスルフィド、2−プロピルジフェ
ニルジスルフィド、2−ブチルジフェニルジスルフィ
ド、2−フルオロジフェニルジスルフィド、2−クロロ
ジフェニルジスルフィド、2−メトキシジフェニルジス
ルフィド、2,6−ジメチルジフェニルジスルフィド、2,6
−ジエチルジフェニルジスルフィド、2,6−ジフルオロ
ジフェニルジスルフィド、 2,3−ジメチルジフェニルジスルフィド、2,3,5,6−テト
ラフルオロジフェニルジスルフィド、2,3,5,6−テトラ
メチルジフェニルジスルフィド、2,3,6−トリメチルジ
フェニルジスルフィド、2,6−ジメチル−2′−メチル
ジフェニルジスルフィド、2,6−ジメチル−2′−エチ
ルジフェニルジスルフィド、2,6−ジメチル−2′,3′,
5′,6′−テトラフルオロジフェニルジスルフィド、2,6
−ジメチル−2′−メトキシジフェニルジスルフィド、
2,6−ジエチル−2′−メチルジフェニルジスルフィ
ド、2,6−ジエチル−2′−メチルジフェニルジスルフ
ィド、2,6−ジエチル−2′−エチルジフェニルジスル
フィド、2,6−ジエチル−2,6,5,6−テトラフルオロジフ
ェニルジスルフィド、2,6−ジメチル−2′,6′−ジエ
チルジフェニルジスルフィド、2,6−ジメチル−2′,
6′−ジフルオロジフェニルジスルフィド、2,3,5,6−テ
トラメチル−2′,3′,5′,6′−テトラフルオロジフェ
ニルジスルフィドなどの非対称ジフェニルジスルフィド
類を挙げることができる。
この発明の方法においては、前記一般式[I]で表され
るチオエーテル類および前記一般式[II]で表されるジ
フェニルジスルフィド類の中から選ばれる1種または2
種以上の化合物を、単独重合または共重合せしめて様々
な種類・構造のポリアリーレンチオエーテル(単独重合
体、共重合体またはそれらの混合物もしくは組成物)を
得ることができるが、通常 一般式[III] (ただし、式[III]中、R13〜R16は、前記一般式
[I]中のR1〜R4または前記一般式[II]中のR5〜R8
くはR9〜R12と同様の意味を表す。nは2以上の整数を
表す。) で表される主鎖構造を有するポリアリーレンチオエーテ
ル、特に架橋度の著しく低い直鎖状もしくは実質的に直
鎖状のポリアリーレンチオエーテルを得ることができ
る。
この発明の方法に用いる前記ルイス酸としては、たとえ
ば、金属等のハロゲン化合物、オキシハロゲン化合物等
のハロゲン化合物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩素酸
塩、臭素酸塩、ケイ酸塩、メタロケイ酸塩、ヘテロ酸塩
などのオキソ酸塩、フルオロケイ酸塩、酸性酸化物など
の公知のいわゆるルイス酸(形式上の非プロトン酸)も
しくはそれらを含有するルイス酸組成物を挙げることが
できる。これらの中でも、一般にカチオン重合の触媒と
して用いられるものを好適に使用することができる。
なお、これらのルイス酸もしくはルイス酸組成物は、形
式上非プロトン酸に分類されているもの、微量の結晶
水、構造水、吸着水などの水分等のプロトン供与性物質
の共存によってその一部がプロトン酸に変化することが
知られており、一般の酸触媒反応や電解重合における支
持電解質としてに、これらの非プロトン型ルイス酸を用
いた場合においても、場合により酸触媒作用や導電作用
にプロトンが関与している可能性もあることが指摘され
ている。
この発明の方法においても、前記ルイス酸もしくはルイ
ス酸組成物は、重合活性を実質的に消失させない程度の
量の水もしくはプロトン供与性の物質を含有する状態も
しくはその共存下に用いることができる。
また、前記様々の金属塩等の水和物を用いる場合には、
必要に応じて、加熱処理などの活性化処理を施して、こ
の発明の方法におけるルイス酸とし用いることもでき
る。
この発明の方法において前記ルイス酸として通常好適に
使用できる物質としては、たとえば周期表IIa〜VIIa
族、VIII族、IIb〜VIb族の元素から選ばれる少くとも1
種の元素のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ハロゲ
ン錯体等のハロゲン化合物などを挙げることができ、中
でもハロゲン化物などが好ましい。
これらのハロゲン化合物を例示すると、たとえば、Be
F2、BeCl2、BeBr2などのハロゲン化ベリリウム、MgF2
MgCl2、MgBr2などのハロゲン化マグネシウム、LaF3、La
Cl3などのハロゲン化ランタン、CeF3、CeCl3、ClF4、Ce
Cl4、CeBr3などのハロゲン化セリウム、TiCl2、TiCl3
TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4、TiCl2 Br2、などのハロゲ
化チタン、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4などのハロゲン化ジルコ
ニウム、HfCl4などのハロゲン化ハフニウム、VCl2、VCl
3、VF3、VCl4、VBr4などのハロゲン化バナジウム、NbCl
3、NbBr3、NbF5、NbCl5、NbBr5などのハロゲン化ニオ
ブ、TaF5、TaCl3、TaCl5、TaBr3、TBr5などのハロゲン
化タンタル、CrF3、CrCl2、CrCl3、CrBr2、CrBr3、Cr
I2、CrI3などのハロゲン化クロム、MoF3、MoF4、MoF5
MoF6、MoCl2、MoCl3、MoCl4、MoCl5、MoBr3、MoBr4、Mo
Br5、MoI5などのハロゲン化モリブデン、WF4、WF6、WCl
2WCl4、WCl5、WCl6、WBr6、WI6などのハロゲン化タング
ステン、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2などのハロゲン化マ
ンガン、ReF6、ReCl3、ReCl5などのハロゲン化レニウ
ム、FeF2、FeCl2、FeBr2、FeI2、FeCl3、FeBr3、FeI3
どのハロゲン化鉄、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2、CoC
l3、CoBr3、CoI3などのハロゲン化コバルト、RuCl3、Ru
Br3、RuI3などのハロゲン化ルテニウム、NiF2、NiCl2
NiBr2、NiI2などのハロゲン化ニッケル、PdF2、PdCl2
PaBr2、PdI2などのハロゲン化パラジウム、RhCl3、RhBr
3、RhI3などのハロゲン化ロジウム、PtF2、PtCl2、PtBr
2、PtI2、PtCl4、PtBr4などのハロゲン化白金、CuCl、C
uF2、CuCl2、CuBr2、CuI2などのハロゲン化銅、AgF、Ag
Cl、AgBr、AgIなどのハロゲン化銀、ZnF2、ZnCl2、ZnBr
2、ZnI2などのハロゲン化亜鉛、CdF2、CdCl2、CdBr2、C
dI2などのハロゲン化カドミウム、Hg2Cl2、HgCl2などの
ハロゲン化水銀、BF3、BCl3、BBr3、BI3などのハロゲン
化ホウ素、AlF3、Al Cl3、AlBr3、AlI3などのハロケン
化アルミニウム、GaF3、GaCl3、GaBr3、GaI3などのハロ
ゲン化カリウム、InF3、InCl3、InBr3などのハロゲン化
インジウム、TlF3、Tl Cl3、Tl Cl、Tl2Br4などのハロ
ゲン化タリウム、SiF4、SiCl4などのハロゲン化ケイ
素、GeF4、GeCl4、GeBr4などのハロゲン化ゲルマニウ
ム、SnF2、SnF4、SnCl2、SnCl4、SnBr2、SnBr4、SnI2
SnI4などのハロゲン化スズ、PbF2、PbF4、PbCl2、PbC
l4、PbBr2、PbI2などのハロゲン化鉛、PF5、PCl5などの
ハロゲン化リン、AsF5、AsCl5などのハロゲン化ひ素、S
bF5、SbCl5、SbBr5などのハロゲン化アンチモン、Bi
F3、BiCl3などのハロゲン化ビスマス、TeCl2、TeCl4
どのハロゲン化テルルなどの様々のハロゲン化物、ZrCO
l2、Ti(OH)Cl3、MoOCl、MoO2 Cl2、WOCl4、WO2 Cl2
CrOCl4、CrO2 Cl2、VOCl3、POCl3、SO2 Cl2などのオキ
シハロゲン化物などを挙げることができる。
これらの中でも、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、ホ
ウ素、アルミニウム、ガリウム、スズ、アンチモン、ビ
スマス、テルル、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タン
タル、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、コバル
ト、銅の中から選ばれる元素のハロゲン化物などが好ま
しく、特に、塩化アルミニウム、四塩化チタン、五塩化
アンチモン、六塩化タングステンなどが好ましい。
なお、これらの化合物は、実質的な無水物として、エー
テル錯体、アルコール錯体、カルボン酸錯体、ニトリル
錯体等の反応形中において離脱しやすい配位子を有する
錯体として、あるいは、実質的に触媒活性を破壊しない
程度の量の水や他のプロトン供与性物質を含有する状態
として用いることができる。
また、これらのルイス酸もしくはルイス酸組成物は、実
質的に触媒活性を破壊しない範囲内の量のアルカリ金属
化合物などの他の化合物を混合もしくは複合して用いる
こともできる。
前記プロトン酸としては、公知の有機酸、無機酸または
それらの混合物もしくは複合体を用いることができる。
具体的には、たとえば塩酸、臭化水素酸、青酸などの非
酸素酸、硫酸、リン酸、塩素酸、臭素酸、硝酸、炭酸、
ホウ酸、モリブデン酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸など
の無機オキソ酸、硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナ
トリウム、プロトン残留ヘテロポリ酸塩、モノメチル硫
酸、トリフルオロメチル硫酸等の硫酸の部分塩もしくは
部分エステル;塩化アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、ヘテロポリ酸アンモニウムなど
の溶媒に溶解したり、分解によってプロトン酸として作
用しうる化合物;酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハ
ク酸、安息香酸、フタル酸などの1価もしくは多価のカ
ルボン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸
などの1価もしくは多価のスルホン酸;ベンゼンジスル
ホン酸ナトリウムなどの多価のスルホン酸の部分金属塩
などを挙げることができる。これらの中でも、硫酸、リ
ン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメチル硫酸、ヘ
テロポリ酸、スルホン酸などの液状もしくは溶媒に溶解
し易く、かつ非揮発性で、安定性の高い強酸性プロトン
酸が好ましく、特に、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフ
ルオロメチル硫酸などが好ましい。
この発明の方法においては、前記重合に際し、前記ルイ
ス酸を、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合も
しくは複合して組み合せて用いてもよいし、あるいは、
前記プロトン酸を1種単独で用いてもよいし、2種以上
を混合もしくは複合して組み合せて用いてもよいし、さ
らには、前記ルイス酸の少くとも1種と前記プロトン酸
の少なくとも1種とを混合もしくは複合して組み合せて
用いてもよい。
なお、これらのルイス酸およびプロトン酸は、前記電解
の際に、支持電解質としての作用を有するとともに、重
合反応に対する触媒作用を有するものと思われる。
この発明の方法においては、前記一般式[I]で表され
るチオフェノール類と前記一般式[II]で表されるジフ
ェニルジスルフィド類の中から選ばれる少なくとも1種
の化合物を、前記ルイス酸および前記プロトン酸の中か
ら選ばれる少くとも1種の化合物もしくは組成物の存在
下に、電解重合してポリアリーレンチオエーテルを製造
する。
この重合は、溶媒の非存在下においても行い得るが、通
常、溶媒の存在下に行うことが望ましい。
この溶媒としては、重合活性を実質的に消失させないも
のであれば使用可能であるが、通常用いるモノマーおよ
びルイス酸もしくはプロトン酸を溶解できるものが望ま
しく、また、分解電位が高く、電気化学的に安定で、電
解を安定に行いうるものが好ましい。
通常、好適に使用することができる溶媒としては、たと
えば、ニトロメタン、ジクロロメタン、ジブロモエタ
ン、テトラクロロエタン、ニトロベンゼンなどを挙げる
ことができ、このほか一般にフリーデルフラフツ反応や
カチオン重合等に使用される溶媒も適宜に選択すること
によって好適に使用することができる。
なお、これらの溶媒は、一種単独で用いても、2種以上
を混合して用いてもよく、あるいは必要により、たとえ
ば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などの不
活性溶媒などを適宜混合して用いてもよい。
また、前記プロトン酸あるいはルイス酸が溶媒として好
ましい特性を有する場合には、それ自体をこの重合の溶
媒として用いることも可能である。
前記電解重合を行うに際して使用する電極材としては、
安定に電解重合を実施することができるものであれば特
に制限はないが、酸に対して耐久性を有し、かつ電気化
学的に安定なものが好適に用いられる。これらの例とし
ては、たとえば、白金、白金黒、金などの金属;グラフ
ァイト;ポリチエニレン、ポリピロール、ナフィオンな
どの導電性有機高分子が挙げられるが、特に、白金電極
および白金もしくは白金黒、金などの表面に前記導電性
有機高分子を被覆した電極などが好ましい。
電極材の形状、面積としては特に制限はなく、たとえ
ば、板状、膜状、薄膜状、糸状、棒状、円筒状など様々
の形状のもの適宜選定して用いればよい。
電極材の配置方式としても、特に制限はなく、公知の様
々の方式を用いることができる。要するに1対以上の電
極板等の電極材を、互いに接触しないように適宜配置す
ればよい。
電解方式としては、二極式、三極式あるいはこれらの混
合方式など公知の方式を用いることができる。
電解槽の形式としては、特に制限はなく、公知の様々の
形式のものを用いることができるが、電解反応液を撹拌
したり、流通することができ、分解ガスを適宜抜き出す
ことができる形式のものであって、温度調整機構を有す
るものなどが好適に用いられる。
本発明の方法においては、前記電解重合は、通常、次に
示す条件で行う。
モノマー濃度すなわち、使用する電解反応液中の前記チ
オフェノール類とジフェニルジスルフィド類の合計の濃
度としては、特に制限はないが、通常、たとえば、10-4
〜10mol/の範囲とするのが好適である。
前記ルイス酸および/または前記プロトン酸の使用割合
は、酸の種類、組成、モノマーや溶媒の種類、系中の水
分等の不純物の濃度、反応温度など他の条件によって異
なるので一様に規定できないが、少くとも電解反応液に
電流が通じる濃度の範囲とし、かつ[(使用するルイス
酸および/またはプロトン酸の合計量)/(使用するモ
ノマーの合計量)](モル比)が、通常0.05〜30、好ま
しくは0.5〜8程度とすればよい。
この値が0.05未満であると、重合速度が遅くなったり、
分解反応等の目的とする重合反応以外の副反応が増加す
ることがあり、一方、その使用量が多すぎると、経済上
不利になる場合がある。ただし、この使用割合は、この
発明の目的、経済性などに支障を生じない限り、上記の
範囲よりもさらに大きい値に設定することも可能であ
り、たとえば硫酸等の溶媒を兼ねて使用することができ
る安価なプロトン酸を用いる場合には、その使用割合を
モノマー量に対して、たとえば数百倍モルという大過剰
の量とする方法も、適宜用いることができる。
電解反応液中の水の存在は、重合速度を増加させたり、
一方重合活性の低下させたり、重合に対して様々な形で
影響を与えるが、水の濃度が、ある濃度以上になると、
通常、重合活性が著しく低下することがあるので、その
濃度を許容範囲内となるように設定して行うのが望まし
い。この水の許容濃度範囲は、使用する酸や溶媒の種類
などによって異なるので一様に規定できないが、通常0.
1mol%以下である。
前記電解重合を行うに際しての設定電位および電流は、
使用するモノマーを酸化できる範囲であればよいが、通
常、0.5〜10V(基準電極:Ag/AgCl)とするのが好適であ
る。
なお、設定電位および電流は、固定値としてもよく、掃
引するなど種々の様式に変化させてもよい。
前記重合に際しての反応温度は、使用する酸やモノマー
の種類によって一様でないが、通常、−5〜150℃であ
り、好ましくは0〜50℃である。
反応圧力としては、特に制限がなく、通常、常圧もしく
は反応系の自圧で好適に行うことができる。もっとも、
必要により、重合反応に支障のない稀釈ガスなどを用い
て加圧下に行うこともできる。
反応時間は、用いる酸、モノマーの種類やその使用割
合、反応温度、設定電位、電流密度などの他の条件によ
って著しく異なるのであるが、通常、1〜80時間であ
り、好ましくは8〜72時間である。
前記重合反応系を構成するにあたって、前記ルイス酸や
プロトン酸、前記チオフェノール類やジフェニルジスル
フィド類および前記溶媒の配合の順序・方法については
特に制限はなく、それぞれを同時にあるいは種々の順序
・様式で段階的に配合することもできる。
反応方式としては、特に制限はなく、連続式、半連続
式、回分式のいずれの方式を用いてもよい。回分式を用
いる場合には、反応系を撹拌して行うことが望ましい。
以上のような方法によって通電後、溶液中に、あるいは
電極上、電解槽および溶液中に、目的とするポリアリー
レンチオエーテルを得ることができる。
目的とするポリマーは、様々な後処理を施して、種々の
純度、形態として回収することができる。
この後処理は、公知の様々の方法に準じて行うことがで
きる。
この後処理の一例を挙げれば、以下のとおりである。
すなわち、前記重合反応が、完結もしくは必要な程度に
進行したならば、反応混合物を水、メタノールなどの低
級アルコールあるいはそれらの混合液と接触させて、生
成物のポリマーを沈澱せしめる。この際、必要により、
塩基性物質等の重合停止剤を併用してもよい。
この沈澱したポリマーは、通常のろ過などの分離操作に
よって、液体から分離される。この分離したポリマー
は、必要に応じて、アルカリ水溶液などの洗浄液によっ
て洗浄もしくは中和・洗浄され、さらに必要に応じて、
適当な溶媒と再沈液とを用いて溶解・再沈・分離・メタ
ノール洗浄などの洗浄を必要なだけ繰り返したのち、乾
燥され、種々の純度に精製されたポリアリーレンチオエ
ーテルとして回収することができる。
なお、前記溶解・再沈に用いる溶媒としては、ポリマー
を効率よく溶解するという点などから、たとえばN−メ
チルピロリドンなどが好適に用いられる。
また、上記再沈液、洗浄液としては、通常、たとえば
水、メタノールあるいは、これらの混合液など、特にメ
タノールなどが好適に使用できる。
一方、ポリマーから分離された混合液中の未反応モノマ
ー、副生低分子化合物、溶媒、メタノールなどは、通常
の蒸溜操作によって精製・回収され、繰り返し、反応系
あるいは、後処理工程に、あるいは他の様々な用途に有
効に利用することができる。
また、電極上に生成したポリマーのフィルムは、メタノ
ール等で洗浄後、そのままフィルムとして使用すること
もできる。
この発明の方法によって得られたポリフェニレンチオエ
ーテルなどのポリアリーレンチオエーテルは、耐熱性、
耐薬品に優れ、剛性、強度、耐衝撃性、耐摩耗性などの
種々の機械的特性に優れるとともに、特に、従来問題と
なっていた食塩等の耐絶縁性を悪化させる塩を含まない
ので、耐絶縁性等の電気特性に著しく優れており、さら
に、ポリマーの構造が実質的に直鎖状であるなどの理由
によって、加工性にも優れたエンジニアリングプラスチ
ックであり、電子、電気分野、機械分野、塗料関係、自
動車、化学関係などの様々の分野・関係の機器部品、機
械部品、素材などとして好適に用いられる。
[発明の効果] この発明によると、特定な原料モノマーおよび特定の触
媒(ルイス酸および/またはプロトン酸)を用い、かつ
電解重合という特定の重合方法を用いているので、反応
条件が温和であり、製造方法が簡便であり、かつ原料お
よび触媒が安価であるなど工業的に有利であるのみなら
ず、特に架橋度が著しく低い実質的に直鎖状のポリアリ
ーレンチオエーテルの製造法を提供することができる。
[実施例] (実施例1) チオフェノール(1.07g)および塩化アルミウム(10g)
をニトロメタン100mlに溶解した溶液を電解槽に入れ、
電極として白金板(2×5cm)を用いて、1.5Vで電解し
た。5F/molの電流を通電した後、槽内に、ポリマー(0.
81g)を得た。
このポリマーについて、元素分析、IRスペクトル分析、
融点の測定を行い、次の結果を得た。
元素分析(理論値):C 66.1(66.6)% H 3.7( 3.7)%、 S 29.6(29.6)% IRスペクトル:νC-H=3000、3050cm-1 νC=C=1380、1460、1560cm-1 δC-H=820cm-1 mp :187〜235℃ これらのデータ等より、得られたポリマーがポリ(p−
フェニレンスルフィド)であることを確認した。
(実施例2) 2、6−ジエチルチオフェノール(1.04g)およびトリ
フルオロ酢酸(10ml)をニトロメタン100mlに溶解した
溶液を電解槽に入れ、電極として二組のグラファイト
(2×5cm)を用いて、電流密度1mA/cm2で定電流電解し
た。0.24F/molの電流を通電した後、溶液をメタノール
中に再沈し、白色のポリマー(0.81g)を得た。
このポリマーについて、元素分析、IRスペクトル分析、
1H−NMR分析、数平均分子量の測定、融点の測定を行
い、次の結果を得た。
元素分析(論理値):C 72.5(73.2)%、 H 7.91( 7.91)%、 S 19.4(19.5)% IRスペクトル:νC-H=2890、2980cm-1 νC=C=1380、1460cm-1 δC-H=890cm-1 1 H−NMR:δ(CH3)=1.25ppm δ(−CH2−)=2.70ppm δ(phenyl)=7.00ppm Mn :4300 mp :187〜235℃ これらのデータ等より、得られたポリマーがポリ(2,6-
ジエチル‐1,4-フェニレンスルフィド)であることを確
認した。
(実施例3) 2−メチルチオフェノール(6.2g)、ジクロロメタン25
ml、四塩化スズ25mlをニトロベンゼン25mlに溶解した溶
液を電解槽に入れ白金電極(5×5cm)を用いて1.9Vで
電解した。2F/mol通電後、溶液をメタノール中に再沈さ
せ、ポリマー(4.1g)を得た。
このポリマーについて次の測定結果を得た。
元素分析(理論値):C 68.7(68.9)%、 H 4.98(4.92)%、 S 25.9(26.2)% IRスペクトル:νC-H=2845、2710、2750cm-1 νC-C=1375、1440、1550cm-1 δC-H=870cm-1 1 H−NMR:δ(CH3)=2.35ppm δ(phenyl)=7.15ppm mp :158〜182℃ これらのデータ等より、得られたポリマーがポリ(2−
メチルフェニレンスルフィド)であることを確認した。
(実施例4) ジフェニルジスルフィド(2.18g)、硫酸(5ml)をニト
ロメタン95mlに溶解した溶液を電解槽に入れ、電極とし
て白金板(2×5cm)を用い1.8Vで電解した。5F/mol通
電後、槽内にポリマー(0.48g)を得た。
このポリマーについて、次の測定結果を得た。
元素分析(理論値):C 66.1(66.6)%、 H 3.79( 3.7)%、 S 28.7(29.6)% IRスペクトル:νC-H=3000cm-1、3050cm-1 νC-C=1380、1460、1560cm-1 δC-H=820cm-1 mp :187〜235℃ これらのデータ等により、得られたポリマーが、ポリ
(p−フェニレンスルフィド)であることを確認した。
(実施例5) 2,2′,6,6′−テトラエチルジフェニルジスルフィド1.0
4g、酢酸10mlをニトロメタン90mlに溶解した溶液を電解
槽に入れ、グラファイト電極(2×2cm)2組を用いて
電流密度2mA/cm2で、定電流電解した。0.5F/mol通電
後、溶液をメタノール中に再沈し、白色のポリマー(0.
82g)を得た。
このポリマーについて、次の測定結果を得た。
元素分析(理論値):C 72.(73.2)%、 H 7.91( 7.3)%、 S 19.4(19.5)% IRスペクトル:νC-H=2890、2945、2980cm-1 νC-C=1380、1460cm-1 δC-H=890cm-1 1 H−NMR :δ(CH3)=1.25ppm δ(−CH2−)=2.70ppm δ(phenyl)=7.00ppm n :4.300 mp :178〜173℃ これらのデータ等により、得られたポリマーがポリ(2,
6 ジエチル 1,4 フェニレンスルフィド)であることを
確認した。
(実施例6) 2,2′−ジメチルジフェニルジスルフィド(3.1g)、ジ
クロロメタン25ml、トリフルオロメチル硫酸(25ml)、
に溶解させ、白金電極(1×1cm)を用い、電位を0Vか
ら3Vまで100mv/secで繰り返し掃引して電解した。10時
間後、メタノール中へ溶液を注ぎ、沈澱ポリマー(2.3
g)を得た。
元素分析(理論値):C 68.7(68.9)%、 H 4.98( 4.92)%、 S 25.9(26.2)% IRスペクトル:νC-H=2845、2910、2950cm-1 νC-C=1375、1440、1550cm-1 δC-H=870cm-1 1 H−NMR :δ(CH3)=2.35ppm δ(pheny 3H)=7.15ppm mp :158〜182℃ これらのデータ等より、得られたポリマーが、ポリ(2
−メチルフェニレンスルフィド)であることを確認し
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] (ただし、式[I]中、R1〜R4は、それぞれ、水素原
    子、低級アルキル基、ハロゲン原子および低級アルコキ
    シ基よりなる群から選択された置換基を表す。なお、R1
    〜R4は、たがいに同じ種類であっても異なった種類であ
    ってもよい。) で表されるチオフェノール類および/または一般式[I
    I] (ただし、式[II]中、Sはイオウ原子を表し、R5〜R
    12は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
    子あるいは低級アルコキシ基を表す。なお、R5〜R
    12は、たがいに同じ種類であっても、異なった種類であ
    ってもよい。)で表されるジフェニルジスルフィド類を
    ルイス酸および/またはプロトン酸の存在下および電極
    分離槽の不存在下に、電解重合して実質的に直鎖状のポ
    リアリーレンチオエーテルを製造することを特徴とする
    ポリアリーレンチオエーテルの製造方法。
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