JPH0693142A - 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

部分架橋熱可塑性エラストマー組成物

Info

Publication number
JPH0693142A
JPH0693142A JP26964892A JP26964892A JPH0693142A JP H0693142 A JPH0693142 A JP H0693142A JP 26964892 A JP26964892 A JP 26964892A JP 26964892 A JP26964892 A JP 26964892A JP H0693142 A JPH0693142 A JP H0693142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
copolymer rubber
peroxide
pts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26964892A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuro Nogata
鉄郎 野方
Sotoyuki Kitagawa
外之 北川
Eiji Sezaki
英治 瀬崎
Masakatsu Suetsugu
正克 末次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP26964892A priority Critical patent/JPH0693142A/ja
Publication of JPH0693142A publication Critical patent/JPH0693142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残存臭気、目やにの発生が少ないとともに、
色相の変化が少なく、成形性及び引張強度等の良好な部
分架橋熱可塑性エラストマー組成物を提供する。 【構成】 結晶性ポリプロピレンと、オレフィン系共重
合体ゴムと、軟化剤と、パーオキサイド系架橋剤と、架
橋助剤とを含有する組成系において、パーオキサイド系
架橋剤の添加量を極めて微量とするとともに、多価アク
リレート系架橋助剤を所定量添加し、さらにこれらの各
成分を低酸素濃度下で動的に熱処理してなる部分架橋熱
可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレンとゴム成
分とからなる部分架橋された熱可塑性エラストマー組成
物に関し、特に残存臭気、目やにの発生が少ないととも
に、色相の変化が少ない熱可塑性エラストマー組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、ゴムとプラス
チックの中間領域をうめる材料として、あるいはゴムの
代替材料として、自動車部品用等に広く使用されてい
る。このような熱可塑性エラストマーに関して、従来か
ら種々の提案がなされている。例えば特公昭53-34210号
はモノオレフィン共重合体ゴムと、ポリオレフィンプラ
スチックとを部分硬化した熱可塑性ブレンド物を開示し
ている。モノオレフィン共重合体ゴムは、エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム(EPR)やエチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエラス
トマーであり、ポリオレフィンプラスチックは、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等である。部分硬化は、動的条
件すなわち溶融混練中に行われる。
【0003】また、特公昭54-2662 号は、モノオレフィ
ン共重合体ゴム40〜90重量部と、結晶性ポリプロピレン
及び/又は結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体60〜10重量部を混練し、溶融状態で部分的に架橋を行
うことを特徴とする熱可塑性エラストマーの製造方法を
開示している。
【0004】さらに、特公昭55-18448号は、25〜85重量
部の結晶性熱可塑性ポリオレフィン樹脂及び75〜15重量
部の加硫されたモノオレフィン共重合体ゴムのブレン
ド、およびゴム100 重量部当たり0〜300 重量部のエク
ステンダー油等を含有すること特徴とする熱可塑性エラ
ストマー状組成物を開示している。
【0005】上記のようにポリオレフィン樹脂と部分架
橋されたモノオレフィン共重合体ゴムとからなる組成物
は、引張特性、柔軟性、反発弾性等が改良されている
が、成形性、長期の耐熱安定性等が不十分であるという
問題がある。
【0006】このような問題を解決するものとして、ポ
リイソブチレン及び/又はイソブチレン−イソプレン共
重合体ゴム5〜40重量%と、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム及び/又はエチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン三元共重合ゴム30〜90重量%と、ポリオレフィン樹脂
5〜40重量%とからなる熱可塑性エラストマー組成物
(特公昭54-23702号)や、(a) ペルオキシド架橋型オレ
フィン系共重合体ゴム90〜40重量部と、(b) ペルオキシ
ド分解型オレフィン系プラスチック10〜60重量部((a)
+(b) は100 重量部)と、(c) ペルオキシド非架橋型炭
化水素系ゴム状物質及び/又は(d) 鉱物油系軟化剤5〜
100 重量部とからなる混合物を有機ペルオキシドの存在
下で動的に熱処理することを特徴とする部分的に架橋さ
れた熱可塑性エラストマー組成物の製造方法(特公昭56
-15741号)が提案された。なお、典型的には、ペルオキ
シド架橋型オレフィン系共重合ゴム(a) はエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−非共
役ジエン共重合体ゴムであり、ペルオキシド分解型オレ
フィン系プラスチック(b) はアイソタクチックポリプロ
ピレンであり、ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状
物質(c) はポリイソブチレンまたはブチルゴムである。
【0007】また、特公昭62-59139号は、(a) ペルオキ
シド架橋型オレフィン系共重体ゴム50〜90重量部、(b)
ペルオキシド架橋型ポリオレフィン樹脂10〜50重量部
(ここで(a) +(b) は100 重量部となるように選ぶ)、
必要に応じて(c) ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム
状物質及び/又は(d) 鉱物油系軟化剤を最大100 重量
部、(e) 有機ペルオキシドを(a) 、(b) 及び(c) 成分の
総量に対して0.05〜1重量%、(f) 架橋助剤を(a) 、
(b) 及び(c) 成分の総量に対して0.07〜2重量%および
(g) ペルオキシド非架橋型ポリオレフィン樹脂10〜100
重量部を動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマ
ーを開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
組成物は、いずれもパーオキサイド架橋剤を多量に使用
することにより架橋構造を形成しており、架橋後の残存
パーオキサイド、パーオキイド分解物及びポリマーの分
解物等の影響により、組成物をシート状等に成形した時
に目やにの発生により表面に肌荒れが生ずるという問題
がある。また、酸化による色相の悪化や、臭気の発生等
の問題があり、特に建材や自動車の内装材等に用いた場
合には、残存臭気の問題は重大である。
【0009】従って本発明の目的は、残存臭気、目やに
の発生が少ないとともに、色相の変化が少なく、成形性
及び引張強度等の良好な部分架橋熱可塑性エラストマー
組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者は、結晶性ポリプロピレンと、オレ
フィン系共重合体ゴムと、軟化剤と、パーオキサイド系
架橋剤と、架橋助剤とを含有する組成系において、オレ
フィン系共重合体ゴムの架橋効率を低下させることな
く、臭気や、目やにや、色相の変化を少なくするには、
パーオキサイド系架橋剤の添加量を極めて微量とすると
ともに、多価アクリレート系架橋助剤を所定量添加し、
さらにこれらの各成分を低酸素濃度下で動的に熱処理す
ればよいことを見出し、本発明に想到した。
【0011】すなわち、本発明の部分架橋熱可塑性エラ
ストマー組成物は、(a) 結晶性ポリプロピレン5〜80重
量%と、(b) オレフィン系共重合体ゴム95〜20重量%
と、前記(a) +(b) の合計100 重量部に対して、(c) 軟
化剤100 重量部以下と、前記(a) +(b) +(c) の合計10
0 重量部に対して、(d) パーオキサイド系架橋剤0.015
〜0.045 重量部と、(e) 多価アクリレート系架橋助剤0.
2 〜2.0 重量部とを含有し、前記各成分を酸素濃度0.1
%以下の雰囲気中にて、動的に熱処理することにより部
分的に架橋してなることを特徴とする。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の部分架橋熱可塑性エラストマー組成物の各構成成
分について説明する。(a) 結晶性ポリプロピレン プロピレンの単独重合体またはエチレン、1ーブテン、
1ーペンテン、1ーヘキセン、4ーメチルー1ーペンテ
ンなどのαーオレフィンを共重合体させたプロピレンを
主成分とするランダム又はブロック共重合体である。そ
のメルトフローレイト(MFR、230 ℃、2.16kg荷重) は0.
3 〜300 g/10分、特に10〜100 g/10分が好ましい。共重
合体の場合、プロピレン含有率は60重量%以上である。
このように本明細書中において用語「結晶性ポリプロピ
レン」はプロピレンの単独重合体に限らず、共重合体を
も意味するものである。
【0013】結晶性ポリプロピレンはポリオレフィン
中、最も高い融点を有し、組成物の耐熱性及び機械的強
度の向上に寄与する。
【0014】(b) オレフィン系共重合体ゴム エチレン、プロピレン、1ーブテン、1ーヘキセン、4
ーメチルー1ーペンテン等のモノオレフィンの内の2種
又は3種以上の共重合体ゴム、並びに上記モノオレフィ
ンの2種(エチレンとプロピレンが望ましい)とジシク
ロペンタジエン、1,4 ーヘキサジエン、シクロオクタジ
エン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン
等の非共役ジオレフィン又はブタジエン、イソプレン等
の共役ジオレフィンとの共重合体ゴムが含まれる。典型
的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)及びエ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)
等が挙げられる。これらのオレフィン系共重合体ゴム
は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0015】このようなオレフィン系共重合体ゴムのエ
チレン含有量は35〜88重量%であるのが好ましく、また
ヨウ素価(不飽和度)が30以下で、ムーニー粘度ML1+8
(127℃) は5〜300 であるのが好ましい。このようなオ
レフィン系共重合体ゴムの結晶化度は、通常40重量%以
下である。オレフィン系共重合体ゴムは組成物中に部分
架橋ゴムとして存在し、その耐熱剛性、耐衝撃性、柔軟
性等を向上させる。
【0016】上述したような(a) 結晶性ポリプロピレン
と、(b) オレフィン系共重合体ゴムとの配合割合は、両
者の合計を100 重量%として、(a) 結晶性ポリプロピレ
ンが5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%であり、
(b) オレフィン系共重合体ゴムが95〜20重量%、好まし
くは90〜50重量%である。結晶性ポリプロピレンが5重
量%未満では(オレフィン共重合ゴムが95重量%を超え
ると)、機械的強度が低下し、一方結晶性ポリプロピレ
ンが80重量%を越えると(オレフィン共重合ゴムが20重
量%未満では)、ゴム的物性が低下する。
【0017】(c) 軟化剤 軟化剤は、エラストマー成分の分子間力を弱め、加工を
容易にするとともに、柔軟性、弾性及び成形性を向上さ
せる目的で使用する高沸点の石油留分で、パラフィン
系、ナフテン系及び芳香族系等に区別される。これらの
軟化剤は1種または2種以上を混合して用いるのが好ま
しい。
【0018】上記鉱物油系の軟化剤の配合量は、結晶性
ポリプロピレン+オレフィン系共重合体ゴムの合計100
重量部に対して、100重量部以下、好ましくは5〜50
重量部である。
【0019】(d) パーオキサイド系架橋剤 パーオキサイド系架橋剤としては、ヒドロ系、ジアルキ
ル系、ケタール系、ケトン系、カーボネート系、エステ
ル系などがあり、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、2,5 −ジメチル−2,5 −
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5 −ジメチル
−2,5 −ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,
3 −ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5 −ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4 −ビス(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキ
サイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4 −
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等が
挙げられる。
【0020】上記(d) パーオキサイド系架橋剤の配合量
は、(a) 結晶性ポリプロピレン+(b) オレフィン系共重
合体ゴム+(c) 軟化剤の合計100 重量部に対して、0.01
5 〜0.045 重量部、好ましくは0.02〜0.04重量部であ
る。パーオキサイド系架橋剤が0.015 重量部未満では、
オレフィン系共重合体ゴムの架橋が不十分であり、また
0.045 重量部を越えると、色相の悪化、目やに及び臭気
が生じるばかりか、機械的物性が低下する。
【0021】(e) 架橋助剤 本発明においては、架橋助剤として毒性、作業性、架橋
効率、及び色相の悪化、臭気及び目やに等の発生を防止
することから多価アクリレート系架橋助剤を使用する。
【0022】多価アクリレート系架橋助剤としては、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、1,6 −ヘキサン
ジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2 −
ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2 −ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2 −ビス〔4−(アクリロ
キシ・ポリプロポキシ)フェニル〕プロパン及び2−ヒ
ドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロ
パンなどのジアクリレート系架橋助剤、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタン
トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート及びテトラメチロールメタントリアクリレート
などのトリアクリレート系架橋助剤、テトラメチロール
メタンテトラアクリレート及びジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレートなどの4価以上のアクリレート系架
橋助剤等が挙げられる。これらのうちでは特にトリメチ
ロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
【0023】上記架橋助剤の配合量は、(a) 結晶性ポリ
プロピレン+(b) オレフィン系共重合体ゴム+(c) 軟化
剤の合計100 重量部に対して、0.2 〜2.0 重量部、好ま
しくは0.3 〜1.5 重量部である。架橋助剤が0.2 重量部
未満では、オレフィン系共重合体ゴムの架橋が不十分で
あり、また2.0 重量部を越えると、架橋助剤の分散不良
を生じ、不均一な架橋を引き起こすため、機械的物性が
低下する。
【0024】(f) その他の成分 さらに、本発明においては必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤、金属劣化防止剤等の安定剤、滑剤、帯電防
止剤、電気特性改良剤、難燃剤、加工性改良剤、顔料等
の添加剤、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、マ
イカ、ケイ酸カルシウム等の無機充填材等を配合するこ
とができる。
【0025】本発明の部分架橋熱可塑性エラストマー組
成物は、以上述べた各成分を混合し、酸素濃度0.1 %以
下の雰囲気中にて溶融混練することにより製造すること
ができる。酸素濃度が0.1 %を越えると、臭気が発生す
るとともに、目やにが多量に生じる。混練装置として
は、非開放型のバンバリーミキサー、押出機(二軸も含
む)、ニーダー、連続ミキサー等、従来より公知のもの
を使用することができる。このような装置において原料
供給用のホッパーの下部にN2 ガス等の不活性ガスの噴
出装置を設け、そこから不活性ガスを混練装置内に噴出
することにより混練装置内の空気を不活性ガスに置換す
るとともに、さらに不活性ガスを噴出しながら原料を供
給することにより、酸素濃度を0.1 %以下の雰囲気で溶
融混練することができる。
【0026】混練は、使用するパーオキサイド系架橋剤
の半減期が1分未満となる温度(通常バレル温度130 〜
280 ℃、好ましくは160 〜250 ℃)で、0.1 〜10分、好
ましくは0.2 〜3分間行えばよい。本発明において各成
分を混合及び混練する際の好ましい方法としては、2軸
押出機を使用し、結晶性ポリプロピレン、オレフィン系
共重合体ゴム、パーオキサイド系架橋剤、架橋助剤及び
軟化剤を溶融混練する。
【0027】このようにして得られる本発明の部分架橋
熱可塑性エラストマー組成物は、良好な架橋度を示して
おり、臭気や目やにの発生、及び色相の悪化がほとんど
ない。このような本発明の部分架橋熱可塑性エラストマ
ー組成物は、通常の熱可塑性プラスチックで使用されて
いる装置で成形でき、押出成形、カレンダー成形や、特
に射出成形に適している。
【0028】
【作用】本発明の部分架橋熱可塑性エラストマー組成物
は、結晶性ポリプロピレンと、オレフィン系共重合体ゴ
ムと、軟化剤と、パーオキサイド系架橋剤と、架橋助剤
とを含有する組成系において、結晶性ポリプロピレン
と、オレフィン系共重合体ゴムと、軟化剤との合計100
重量部に対して、パーオキサイド系架橋剤を0.015〜 0.
045重量部と極めて微量とするとともに、特定の架橋助
剤を所定量添加し、さらにこれらの各成分を低酸素濃度
下で動的に熱処理してなるので、架橋構造が十分に形成
されていても、臭気や目やにの発生、及び色相の悪化が
ほとんどない。
【0029】このような効果が得られる理由については
必ずしも明らかではないが、パーオキサイド系架橋剤の
添加を微量としても、特定の架橋助剤を所定量添加する
とともに、さらにこれらの各成分を低酸素濃度下で溶融
混練することにより、パーオキサイド系架橋剤により効
率的に架橋構造が形成され、もって架橋後にパーオキサ
イドが残存せず、しかもパーオキイド分解物やポリマー
の分解物等も生成しないためであると考えられる。
【0030】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお各実施例及び比較例において原料成分とし
ては以下のものを使用した。 [1] 結晶性ポリプロピレン プロピレン─エチレンブロック共重合体 BPP:〔東燃化学(株)製 BJ520、密度0.90g/
cm3 、メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重)20g/10分、エチレン含有量7重量%〕 [2] オレフィン系共重合体ゴム エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム EPDM:〔日本合成ゴム(株)製 EP57P、ムー
ニー粘土ML1+4 (100℃)=88、ヨウ素価15.0、プロピレ
ン含有量28重量%〕 [3] 軟化剤 ナフテン系とパラフィン系の混合プロセスオイル軟化
剤:〔エクソン化学(株)製 フレクソン876〕 [4] パーオキサイド系架橋剤(POX) 2,5 −ジメチル−2,5 −ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3 [5] 架橋助剤 トリメチロールプロパントリメタクリレート (TMP
T) ジビニルベンゼン(DVB)
【0031】実施例1〜4及び比較例1〜7 結晶性ポリプロピレン(a) 25重量部と、オレフィン系共
重合体ゴム(b) 75重量部と、第1表に示す量のパーオキ
サイド系架橋剤及び架橋助剤を添加し、ホッパーの下部
にN2 ガス噴出装置を有する2軸押出機 (58 mm φ) を
用いて、N2 ガスを噴出することにより押出機中のエア
をN2 ガスに置換した後、N2 ガスの噴出を継続しなが
らバレル温度200 ℃、250rpmで0.2 〜3分間溶融混練し
た。混練後、軟化剤を添加しバレル温度200 ℃にて20〜
30秒間溶融混練し、この混練物をシート状に切断してペ
レット化した。
【0032】このようにして得られた部分架橋熱可塑性
エラストマー組成物の組成及びホッパー直下の酸素濃度
を第1表に示す。
【0033】次に、得られたペレットから各試験片を成
形し、ゲル分率、引張強度、引張伸度及び色相の測定、
及び臭気及び目やに発生の評価を行った。結果を第2表
に示す。
【0034】 第 1 表 組成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 BPP 25 25 25 25 EPDM 75 75 75 75 軟化剤 10 10 10 10 POX* 0.02 0.04 0.03 0.03 TMPT* 0.5 0.5 0.5 1.0 ホッパー直下の押出機内の酸素濃度 (%) 0.05 0.05 0.10 0.05
【0035】
【0036】 第 1 表 (続 き)組成(重量部) 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 BPP 25 25 25 25 EPDM 75 75 75 75 軟化剤 10 10 10 10 POX* 0.03 0.03 0.03 0.03 TMPT* 0.5 − 0.1 2.5 DVB* − 0.5 − − ホッパー直下の押出機内の酸素濃度 (%) 21** 0.15 0.05 0.05 注)*:BPP+EPDM+軟化剤の合計100 重量部に対する添加量。 **:N2 ガスを噴出せず(空気中の酸素濃度)。
【0037】 第 2 表 組成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 ゲル分率(1) 26 34 27 36 引張強度(2) 52 60 57 62 引張伸度(3) 380 355 360 370 臭気(4) ○ ○ ○ ○ 目やに(5) ○ ○ ○ ○ 色相(6) 6.0 6.8 7.0 8.1
【0038】
【0039】 第 2 表 (続 き)組成(重量部) 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 ゲル分率(1) 0.2 8 10 70 引張強度(2) 10 19 24 89 引張伸度(3) 500 300 340 95 臭気(4) ○ × ○ ○ 目やに(5) ○ △ ○ ○ 色相(6) 30.1 − 6.1 6.7
【0040】(1) ゲル分率:組成物を沸騰パラキシレン
中にて12時間加熱処理した後の残留物と初期組成物との
重量比より算出 (単位は重量%) 。 (2) 引張強度:JIS K6310 により測定 (単位はkgf/c
m2 ) 。 (3) 引張伸度:JIS K6310 により測定 (単位は%) 。 (4) 臭気:パーオキサイド系架橋剤及び架橋助剤を添加
していない組成物(標準試料)2個、及び各実施例及び
比較例の組成物(比較試料)1個の臭気を、3点比較の
パネルテストによる官能検査法にて、以下の基準により
評価。 ○:パネラー15人中12人以上が比較試料と標準試料とに
臭気の差がなく、かつその臭気が僅かであるかあるいは
無臭であると判定したもの。 ×:パネラー15人中12人以上が標準試料よりも比較試料
の方が臭気が強いと判定したもの。 △:標準試料と比較試料との臭気の差がないと判定した
人が12人未満で、かつ標準試料よりも比較試料の方が臭
気が強いと判定した人が12人未満のもの。 (5) 目やに:目やにとは、組成物をシート状に成形した
後、組成物中の揮発分がシート表面に付着し、シート表
面を荒らすことであり、その目やにの多少を以下の基準
により評価。 ○:目やにの発生が、72時間を越えてもないもの。 △:目やにが、12〜72時間で発生したもの。 ×:目やにが、6時間以内に発生したもの。 (6) 色相:JIS K7105 により測定した黄色度(Y.I) を表
示。
【0041】第2表から明らかなように、本発明の部分
架橋熱可塑性エラストマー組成物は、適度なゲル分率を
有するものであり、引張強度、引張伸度等の機械的強度
に優れ、臭気、目やにの発生がなく、しかも黄色度が低
い等、バランスの取れた物性を保持するものであった。
これに対して各比較例の組成物は、臭気及び目やにの発
生が著しく、機械的強度に劣り、ゲル分率が低いという
問題があった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の部分架橋熱
可塑性エラストマー組成物は、結晶性ポリプロピレン
と、オレフィン系共重合体ゴムと、軟化剤と、パーオキ
サイド系架橋剤と、架橋助剤とを含有する組成系におい
て、結晶性ポリプロピレンと、オレフィン系共重合体ゴ
ムと、軟化剤との合計100 重量部に対して、パーオキサ
イド系架橋剤を0.015 〜 0.045重量部と極めて微量とす
るとともに、架橋助剤として多価アクリレートを所定量
添加し、さらにこれらの各成分を低酸素濃度下で溶融混
練してなるので、架橋構造が十分に形成されていても、
臭気や目やにの発生、及び色相の悪化がほとんどない。
【0043】このような本発明の部分架橋熱可塑性エラ
ストマー組成物は、ポリウレタン等のエラストマー等の
代替物として、特に建材、自動車の内装材及び家庭電気
機器のハウジング等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末次 正克 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 結晶性ポリプロピレン5〜80重量%
    と、(b) オレフィン系共重合体ゴム95〜20重量%と、前
    記(a) +(b) の合計100 重量部に対して、(c) 軟化剤10
    0 重量部以下と、前記(a) +(b) +(c) の合計100 重量
    部に対して、(d) パーオキサイド系架橋剤0.015 〜0.04
    5 重量部と、(e) 多価アクリレート系架橋助剤0.2 〜2.
    0 重量部とを含有し、前記各成分を酸素濃度0.1 %以下
    の雰囲気中にて、動的に熱処理することにより部分的に
    架橋してなることを特徴とする部分架橋熱可塑性エラス
    トマー組成物。
JP26964892A 1992-09-11 1992-09-11 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物 Pending JPH0693142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26964892A JPH0693142A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26964892A JPH0693142A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0693142A true JPH0693142A (ja) 1994-04-05

Family

ID=17475279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26964892A Pending JPH0693142A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0693142A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241547A (ja) * 2001-01-31 2002-08-28 Hyundai Motor Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JP2009173927A (ja) * 2007-12-26 2009-08-06 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形体
CN107964173A (zh) * 2017-12-12 2018-04-27 金陵科技学院 一种超低气味的epdm硫化热塑性弹性体及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241547A (ja) * 2001-01-31 2002-08-28 Hyundai Motor Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JP2009173927A (ja) * 2007-12-26 2009-08-06 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形体
CN107964173A (zh) * 2017-12-12 2018-04-27 金陵科技学院 一种超低气味的epdm硫化热塑性弹性体及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2610426B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
EP0229156B1 (en) Thermoplastic elastomer composition
EP0428153B1 (en) Thermoplastic elastomer of propylene Polymer Material and Crosslinked Ethylene-Propylene Rubber
JPH0252648B2 (ja)
EP0738756B1 (en) Thermoplastic elastomer composition
KR20060018862A (ko) 고무 및 폴리올레핀의 열가소성 엘라스토머 블렌드 제조용가공조제
JP4083301B2 (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法
JPH0693142A (ja) 部分架橋熱可塑性エラストマー組成物
JPH06166142A (ja) 熱可塑性エラストマー2層シート
EP0354685B1 (en) Thermoplastic elastomer composition
JPH05222214A (ja) 防水シート
JP2691172B2 (ja) 耐侯性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
JP2000327846A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0639555B2 (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP2798303B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および熱可塑性エラストマー組成物
JP3730520B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JPH0564662B2 (ja)
JP2000072933A (ja) オレフィン系エラストマー組成物
JP2000007850A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JPH0752294A (ja) ポリオレフィン樹脂積層体
JPS60231747A (ja) 熱可塑性エラストマ−
JP2000344970A (ja) 熱可塑性重合体組成物および熱可塑性重合体組成物からなるフィルム
JP2000072885A (ja) 機械的強度に優れた熱可塑性エラストマー組成物
JPH0733917A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0925368A (ja) 熱可塑性エラストマーおよびその製造方法