JPH0692068B2 - ジヤイロ研磨機用工作物軸の駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は遊離研磨材を回転槽内に装入して、研磨材中
に工作物に入れて工作物の表面及びエッジの仕上げを行
なうジャイロ研磨機の工作物を把持する軸の構造に関す
るものであって、ジャイロ研磨機の製造、販売又は使用
の分野で利用されるものである。

（従来の技術） 従来のジャイロ研磨機の軸の自転は、モーターと伝動機
構とを用いて回転していたので、等速一方向回転であっ
た。

（発明が解決しようとする問題点） 前記従来のジャイロ研磨機の回転軸は、等速一方向回転
であったため、研磨軸の一回転中の回転速度を変化させ
ることはできなかった。また研磨軸を逆転させるにはモ
ーターの回転方向を変化させねばならなかったので、き
わめて短い周期で逆転を行なうことはできなかった。ま
た研磨軸に工作物を取付けるときには、研磨軸の停止位
置規制装置を取付け、研磨軸の工作物緊締機構と工作物
装入装置との位置関係を適合させる必要があるなど幾多
の問題点があった。

（問題点を解決するための手段） この発明は上記の問題を解決するために、ジャイロ研磨
機の研磨軸に歯車を固定し、その歯車をラックによって
回転する如く構成し、そのラックの往復をクランク機構
又は流体圧シリンダーによるようにしたので、研磨軸は
一回転ごとに逆転するので、加工面によって研磨量の差
の生じるいわゆる偏磨が発生することなく、もっとも研
磨を必要とする面が、研磨材の流動方向に対向する位置
を軸の回転速度のもっとも遅い位置に置くことが可能で
ある。すなわち研磨軸の回転速度の不均一を利用し、一
回転のうちで、研磨を必要とする位置に工作物を最長の
時間保持することができるので、研磨能率を向上させる
ことができる。また同一の往復動機構を位置規制に利用
するときには、研磨軸停止位置を往復動機構の始点と終
点位置とすれば、研磨軸の回転のもっともおそく、かつ
往復動機構の停止誤差に対して研磨軸の停止位置に誤差
はほとんど生じないので、位置決めを容易に行なうこと
の利点がある。

（発明の作用） この発明によれば、昇降可能の研磨軸筺に工作物軸を軸
承し、前記工作物軸を、研磨軸筺内に設置したラックと
軸に固定したピニオンにより、正逆回転させるようにし
たので、きわめて短時間内に工作物の回転方向を変える
ことができると共に、工作物の研磨位置をラックの移動
により容易に規制することができる。

（実施例） 第１図、第２図はこの発明の装置を使用するジャイロ研
磨機の概要図を示す。第１図は図面を理解しやすくする
ため、この発明の１ユニットのみを示した。

基台１上に通例４本の側柱2a、2b、2c、2dを設け、その
上方には天井枠３を固定する。天井枠３には軸受を設
け、ジャイロ中心軸37を回転可能に軸受してある。また
基台１上には研磨槽４を設置し、その軸35は基台１に軸
受されており、研磨槽回転用モーター５及び減速機６に
よって研磨槽を回転するようにしてある。ジャイロ中心
軸37はジェネバ装置７によって間欠駆動し得るようにな
っており、さらに中心軸37には上方回転円板８と下方回
転円板９とが所定間隔を保って上下に対向設置してあ
り、前記上方回転円板８と下方回転円板９との間には、
複数のガイド36a、36b、36c、36d（第２図は12本の場合
を示す）を具えている。上方回転円板８には複数個（第
２図は６個の場合を示す）の工作物軸昇降用シリンダー
10が固定してあり、そのピストンロッドの先端11は各々
研磨軸筺13a、13b（第２図には６個の場合を示す）が固
定してある。研磨軸筺13a、13bには各々研磨軸が取付け
てあり、この研磨軸がこの発明の主題をなすものであ
る。この研磨軸の詳細は第３図、第４図及び第５図に示
す。

前記研磨軸筺13a、13b…は、前記ピストンロッドの先端
11に固定され、かつ２本のガイド36a、36b中を摺動して
昇降する。各研磨軸筺13a、13b…には、研磨軸駆動モー
ター14が取付けられ、その軸端には駆動輪15が固定して
ある。駆動輪15の円周上にピン16が固定してあり、ピン
16に対してはクランク腕17が回転可能のように取付けて
ある。クランク腕17の他端には、ピン18が取付けてあ
り、ピン18に対しては、上面にラックを切ってあるラッ
ク棒19が取付けてあり、ラック棒19の一端の孔には、前
記ピン18が回転可能のように嵌合しており、かつラック
棒19は、研磨軸筺13aに固定したラックスライド20の中
を摺動するようになっている。ラック棒19のラックには
ピニオン21が噛合っており、ピニオン21は研磨軸22に固
定されている。研磨軸22は第５図に示すように、研磨軸
筺13aに固定した軸受23中で回転し得るようになってお
り、中空に構成して内部には工作物保持装置軸24が貫通
している。工作物保持装置軸24の下端は第６図に示すよ
うにピン25を固定してある。ピン25に対してはベルクラ
ンク状に構成した工作物固体腕26、27の一端の楕円孔が
貫通しており、工作物保持装置軸24が昇降することによ
って、工作物固定腕26、27はそれぞれピン28、29を回転
軸として回転するようになっており、工作物の着脱を行
なう。工作物保持装置軸24の上方には保持装置軸24と隔
離してシリンダー38（第１図に示す）と押し棒39が設置
してあり、押し棒39の下降によってスプリング30を圧縮
して工作物保持装置軸24を下降させ、保持工作物を離脱
させ、逆にピストンの上昇のときは、前記スプリング30
の伸長力によって工作物保持装置軸24を上昇させ、工作
物を保持する。

以上述べたような機構に基づき、この発明の装置の作動
を説明する。

研磨槽４内に粒状研磨材及び、要するば水及びコンパウ
ンドを装入し、研磨槽回転用モーター５を回転すること
によって研磨槽を回転する。工作物31は工作物固定腕2
6、27によって把持され、研磨材中に挿入することによ
って研磨される。この発明は、上記工作物を保持する工
作物を研磨槽内において回転する装置及び工作物着脱の
際の位置決め装置に関するもので、両目的に対し同一の
装置で行なうことができる。また工作物の装着より研磨
終了後の工作物離脱まで、シーケンス制御装置によって
自動的に行なうことができるが、一部を手動としても差
支えない。

研磨終了時間が経過して、研磨軸22が工作物供給位置に
おいて停止すると、工作物保持装置用軸24が上方の流体
圧シリンダー38によって下降される。したがって、第６
図に示すピン25を下降させ、工作物固定腕26、27を開
く。したがって工作物31は固定腕より離脱され、別装の
装置によって系外へ取り出される。

一方、別装の未加工々作物搬送機より取出された未加工
々作物は加工すみ工作物の取出された工作物固定腕26、
27の間に挿入されると、前記ピン25の上方の流体圧シリ
ンダー38のピストンは退去し、工作物保持装置軸24はス
プリング30の作用によって上昇して、工作物を把持す
る。把持が終了すれば、上方回転板８及び下方回転板９
は低下し、工作物31は研磨材中に挿入される。

工作物31が把持されると、研磨軸駆動モーター14が駆動
され、駆動輪15、クランク腕17を駆動させ、ラック19は
往復回転を行なう。したがってピニオン21も往復自転を
行ない、これに固定された研磨軸23、したがって工作物
31も往復運動を行なう。

この際、例えば工作物が、第６図に示すように偏平形状
であったならば、図の方向が研磨材の流動方向と直角方
向のときが、クランク腕の死点（第４図に示すクランク
腕の位置）と一致するようにすれば、クランク機構の運
動において、公知のようにこの位置においてラックの摺
動速度が最もおそく、したがって工作物の回転速度が最
もおそいので、工作物に対し、研磨材が直角に当る時間
が長くなり研磨効果を良好にすることができる。所定の
研磨時間が終了して、前記のように研磨軸22が工作物供
給位置において停止するときには、停止位置の規制は第
４図に示すように、駆動輪15に取付けたドッグ34を研磨
軸筺13aに取付けた近接スイッチ33が検知することによ
って行なう。この場合も同図に示すように、停止位置を
クランクの死点位置とすれば、停止指令は駆動輪の速度
の最もおそい位置で出されるため、停止精度が良いばか
りでなく、停止位置に微小な誤差があっても工作物固定
腕26、27の位置はほとんど変化なく、この面からも停止
精度が良好となる特徴を有する。

尚、前記実施例ではラックの往復運動をクランク機構に
より行なったが、これに限定される事なく、流体圧シリ
ンダーによる往復運動を利用しても良い。要はラックが
往復運動できる機構であればこの発明の範囲に属する。

（発明の効果） 以上述べたようにこの発明によれば、ジャイロ研磨装置
の研磨軸にこの装置を取付けることによって、工作物の
最も研磨能率の良好な方向をラック移動の始点と終点位
置にすることによって研磨能率良好な方向での保持時間
が長くすることができ、かつ研磨能率を向上することが
できると共に、加工する工作物を離脱し、未加工々作物
を装着するための工作物着脱位置をラック移動の始点と
終点位置とすることによって位置決め精度を向上させる
ことができるなど卓効を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による装置を搭載したジャイロ研磨機
の全体側面図、第２図は同じく平面図、第３図はこの発
明による装置の正面図、第４図は同じく平面図、第５図
は同じく側面図、第６図は工作物把持装置を示す正面
図、第７図は同じく一部断面図を示す。 １……基台、３……天井枠 ４……研磨槽、８……上方回転円板 ９……下方回転円板 10……工作物昇降用シリンダー 13a、13b……研磨軸筺 14……研磨軸駆動モーター 15……駆動輪、17……クランク腕 19……ラック棒、20……ラックスライド 21……ピニオン、22……研磨軸 24……工作物保持装置軸 26、27……工作物固定腕 31……工作物、35……研磨槽軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊離研磨材を回転槽内に装入し、該研磨材
   中に工作物を挿入して工作物の表面およびエッジの仕上
   げを行なうジャイロ研磨機において、工作物軸を一機体
   に、昇降可能に取付けた研磨軸筺に軸承し、該研磨軸筺
   内に、前記工作物軸に固着したピニオンと、該ピニオン
   と噛合うラックと、該ラックを往復動する往復動機構と
   を収納したことを特徴とするジャイロ研磨機用工作物軸
   の駆動装置
2. 【請求項２】往復動機構は、研磨軸筺に設置されたモー
   ターによって回転する駆動輪と、一端が前記駆動輪の偏
   心位置に回転可能に取付けられ、他端がラックに回転可
   能に取付けられたクランク腕とにより構成されたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載のジャイロ研磨機
   用工作物軸の駆動装置
3. 【請求項３】往復動機構は、ラックと研磨軸筺との間に
   介装した流体圧シリンダーとしたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のジャイロ研磨機用工作物軸の駆
   動装置