JPH0691762A - ポリカーボネート複合板の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート複合板の製造方法

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JPH0691762A
JPH0691762A JP5190062A JP19006293A JPH0691762A JP H0691762 A JPH0691762 A JP H0691762A JP 5190062 A JP5190062 A JP 5190062A JP 19006293 A JP19006293 A JP 19006293A JP H0691762 A JPH0691762 A JP H0691762A
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plate
overlay film
resin plate
polycarbonate
film
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JP5190062A
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Inventor
Hideyuki Murakami
英幸 村上
Yuusaku Uriyuu
有策 瓜生
Satoru Hori
堀  哲
Takahiro Matsuo
恭弘 松尾
Riyuuichi Edasaki
隆一 枝崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CI Kasei Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリカーボネート樹脂板を80〜140℃で
少なくとも2時間加熱し、この樹脂板及び熱可塑性樹脂
製のオーバーレイフィルムの一方又は両方の表面にホッ
トメルト接着剤層を形成させたのち、この樹脂板及びオ
ーバーレイフィルムを、樹脂板又はオーバーレイフィル
ム上のホットメルト接着剤層を他方と対面させながら、
加圧下に相互に接触させ、かつ相互に接触させる表面の
少なくとも一方は前記接着剤の軟化点より高く、樹脂板
又はオーバーレイフィルムの軟化点を超えない温度に保
持して樹脂板とオーバーレイフィルムを貼り合わせた複
合板を形成させ、次いでこの複合板を30〜100℃で
少なくとも1時間保持してエージング処理することによ
り、ポリカーボネート複合板を製造する。 【効果】 長期間の悪環境条件下でもクレージングを抑
制でき、界面でのふくれを防止でき、エンボスをそこな
わずに貼合可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
板にオーバーレイフィルムを貼合することによるポリカ
ーボネート複合板の製造方法に関するものである。さら
に詳しくいえば、本発明は、ポリカーボネート樹脂板に
熱可塑性樹脂のオーバーレイフィルム特に化粧オーバー
レイフィルムを貼合して、悪環境条件下に長期間おかれ
ても、また機械加工の際にも安定性に優れたポリカーボ
ネート複合板を得るための製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた透明
性、機械的強度、成形時の寸法安定性、難燃性などの種
々の優れた特性をもち、種々の器具、機械の部材として
のみならず、種々の内装品や外装品、例えばドア、アー
ケード、ファサード、パーティション、看板、掲示板、
標札、電話ボックスなどの材料として、大抵は、1mm
未満から数cmの広範囲の厚さの板状で、広範な分野で
使用されている。
【0003】これらのポリカーボネート樹脂板に対し、
普通の樹脂板では得られない装飾性あるいは光照射や熱
放射に対する遮蔽効果が要求される場合には、通常、ポ
リカーボネート樹脂板を、印刷による模様パターンや、
スパッタリング、蒸着、その他適当な方法による全面あ
るいはパターン状の金属層が付設された、あるいはエン
ボス加工された、熱可塑性樹脂製のオーバーレイフィル
ムを貼り合わせる。
【0004】また、ポリカーボネート樹脂板とオーバー
レイフィルムは、通常複合樹脂板の加工性、例えば熱成
形や、曲げ、切断、のこ引き、穴あけ、削り等のような
機械加工を考慮して、ホットメルト接着剤を用いて一体
に接合される。このようなポリカーボネート複合板にお
ける問題は、ホットメルト接着剤による樹脂板とオーバ
ーレイフィルム間の貼合が、複合板をさらに加工する際
や、複合板から作製した物品を長期間、特に悪環境条件
下で使用するときに、貼合の安定性の面で必ずしも信頼
しうるとは限らないことである。例えば、層状の剥離現
象がのこ引きや周縁部のトリミングのための削りなどの
機械加工時に起こる。さらに、複合板を外装品では避け
られない直射日光に長期間さらすとオーバーレイフィル
ムと樹脂板との界面でのふくれがしばしば見られる。
【0005】したがって、ポリカーボネート複合板に対
して、例えば耐クレージング性、有機溶剤や可塑剤に対
する耐性、ふくれに対する安定性、熱成形への適応性、
曲面に従う屈曲性、仕事場での穴あけなどの機械加工へ
の適応性などが要望されている。しかしながら、積層の
安定性を改良し、前記の種々の要求特性を満たす技術は
未だ実用化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリ
カーボネート複合板の製造方法が有する欠点を克服し、
ホットメルト接着剤を用い、ポリカーボネート樹脂板に
対し熱可塑性樹脂のオーバーレイフィルムを貼合する方
法において、積層安定性に優れ、前記要求特性を満たす
ポリカーボネート複合板を簡単に効率よく製造する方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネ
ート樹脂板、オーバーレイフィルム及びホットメルト接
着剤を用い、特定の工程を施すことにより、その目的を
達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂板の表面に、熱可塑性樹脂のオーバーレイフィルムを
ホットメルト接着剤で貼合させてポリカーボネート複合
板を製造するに当り、(イ) 前記樹脂板を80〜14
0℃の温度において、少なくとも2時間加熱する工程、
(ロ) この樹脂板及び熱可塑性樹脂製のオーバーレイ
フィルムの一方又は両方の表面にホットメルト接着剤層
を形成させる工程、(ハ) この樹脂板及びオーバーレ
イフィルムを、樹脂板又はオーバーレイフィルム上のホ
ットメルト接着剤層を他方と対面させながら、加圧下に
相互に接触させ、かつ相互に接触させる表面の少なくと
も一方は前記接着剤の軟化点より高く、樹脂板又はオー
バーレイフィルムの軟化点を超えない温度に保持するこ
とにより、樹脂板とオーバーレイフィルムを貼り合わせ
た複合板を形成させる工程、(ニ) この貼り合わせた
複合板を30〜100℃の範囲の温度で少なくとも1時
間保持してエージング処理する工程を行うことを特徴と
するポリカーボネート複合板の製造方法を提供するもの
である。
【0009】本発明方法においては、樹脂板としてポリ
カーボネート樹脂板が用いられる。このポリカーボネー
ト樹脂板については特に制限はなく、従来複合化粧板に
慣用されているものを用いることができる。また、耐候
性などの要求性能によっては異種材料との複合板であっ
てもよいし、さらに、オーバーレイフィルムの装飾性を
生かすために、無色透明、有色透明、着色不透明のいず
れであってもよい。また、該ポリカーボネート樹脂板の
厚さについては特に制限はないが、通常0.3〜30m
m、好ましくは1〜10mmの範囲にあるものが好適に
用いられる。
【0010】ポリカーボネート樹脂は一般に比較的吸湿
性であることから、脱湿のための加熱工程、すなわち前
記(イ)工程が貼合の信頼性を確保するために必要であ
る。この工程がないと、樹脂板とオーバーレイフィルム
間の貼合強度が低下するし、またポリカーボネート複合
板を直射日光のような悪環境条件下で使用するとふくれ
やその他の不都合が生じる。
【0011】この(イ)工程における加熱温度は、80
〜140℃、好ましくは100〜130℃の範囲で選ば
れる。加熱温度が低すぎると有効な脱湿が行われない
し、また高すぎてもポリカーボネートのグレードにもよ
るが通常約140℃であるポリカーボネートの軟化点近
い高温で加熱されるため熱変形のおそれがある。(イ)
工程の加熱処理は少なくとも2時間行われ、通常24時
間程度で十分であり、それより長くしてもあまり効果の
向上が見られず、むしろ生産性が低下する。この加熱処
理時間の最適時間は、ポリカーボネート樹脂板の厚さに
よる。実際的には、多数のポリカーボネート樹脂板を直
立させるか、あるいは水平に積み上げて温度調整した室
内に所定時間おくようにする。各樹脂板は単位サイズに
カットし適当なスペーサーを介在させて隣接樹脂板と直
接接触しないようにするのが、脱湿を促進しうるので好
ましい。
【0012】ポリカーボネート樹脂板に積層されるオー
バーレイフィルムとしては、オーバーレイフィルムとし
て常用されている種々の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、
ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネー
トなどが挙げられるが、これらの中でポリ塩化ビニル、
ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂及びポリフ
ッ化ビニリデンが好適である。必要ならば、オーバーレ
イフィルム自体を2種以上の異なる熱可塑性樹脂のベー
スフィルムからなる積層フィルムとすることもできる。
【0013】また、オーバーレイフィルムは、通常、印
刷で形成された装飾的模様パターンやエンボス表面や、
艶消し表面で装飾性が付与されたり、あるいは全面又は
一部分にスパッタリング、蒸着、その他適当な方法でA
l、他の金属又は合金からなる金属被覆層を形成させる
ことにより遮光効果が付与されているが、これは必ずし
も必須ではない。オーバーレイフィルムの厚さについて
は特に制限はないが、通常12〜500μm、好ましく
は25〜300μmの範囲で選ばれる。
【0014】本発明方法の(ロ)工程においては、ポリ
カーボネート樹脂板及び熱可塑性樹脂製のオーバーレイ
フィルムの一方又は両方の表面にホットメルト接着剤層
が形成される。ポリカーボネート樹脂板上に接着剤層を
形成させるときには、接着剤層は(イ)工程でのこの樹
脂板の熱処理前又は熱処理後に形成させることができる
が、樹脂板が取り扱いやすくなるように(イ)工程で高
温に加熱された樹脂板の温度を実質的に低下させたの
ち、この(ロ)工程を行うのが好ましい。
【0015】ホットメルト接着剤については特に制限さ
れず、貼合する際の温度、圧力、時間などの条件に適合
するものであればよいが、耐候性や耐熱性などの点か
ら、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系のものが
好ましく、特に重量平均分子量が2万〜200万、好ま
しくは5万〜60万の範囲にあり、かつアルキル基の炭
素数が5以下のアクリル酸アルキルエステル又はメタク
リル酸アルキルエステルの部分架橋樹脂(架橋度5〜8
0%程度)、及びガラス転移温度が10〜105℃、好
ましくは25〜80℃の範囲にある、架橋されていない
ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系樹脂、中でも
アクリル系樹脂が好適である。
【0016】ホットメルト接着剤は、通常30〜130
℃の範囲の熱活性化温度を有する。ホットメルト接着剤
は、10〜60℃の範囲の温度でのハガレ試験において
2kgf/25mm以上の接着強度を有し、60℃で3
0日間のエージング促進試験においてオーバーレイフィ
ルムに含まれる可塑剤や他の成分の移行による影響を受
けても初期接着強度の50%以上を維持しうるものが好
ましい。貼合せ作業を本発明方法に従って行うと、前記
ホットメルト接着剤はいずれもこれらの要求特性を満足
する。ホットメルト接着剤には、必要に応じ、種々の既
知添加剤、例えば難燃剤、紫外線吸収剤、着色料、抗酸
化剤などを含有させることができる。
【0017】ポリカーボネート樹脂板及び/又はオーバ
ーレイフィルムの表面にホットメルト接着剤層を形成さ
せる方法については特に制限はなく、例えば該表面にホ
ットメルト接着剤の溶融物をロールコーター又はその他
の適当なコーティング手段で被着させる方法、市販の、
表面剥離性基材シートに担持したプレフォーム型ホット
メルト接着剤樹脂シートを使用する方法などが挙げられ
る。この後者のプレフォーム型のものを用いる場合に
は、剥離シートに担持された接着剤層を樹脂板又はオー
バーレイフィルムの表面と接触させたのち、一対の積層
ローラー間に、少なくとも部分的に軟化したホットメル
ト接着剤が転移され表面に接合されるような高温で通
し、次いで表面剥離性シートをはがして除去するように
する。
【0018】接着剤単層の厚さ又は接着剤層を樹脂板と
オーバーレイフィルムの両方に形成する場合の接着剤層
の全厚さは、通常5〜200μm、好ましくは15〜1
50μmの範囲で選ばれる。接着剤層を樹脂板及びオー
バーレイフィルムのいずれか一方に形成する場合には、
オーバーレイフィルムに形成するのが好ましい。
【0019】次の工程すなわち(ハ)工程は、樹脂板と
オーバーレイフィルムをそれらの間に介在するホットメ
ルト接着剤層で貼合するものである。すなわち、樹脂板
及びオーバーレイフィルムを一方上に他方を載置し、そ
の一方上に形成されたホットメルト接着剤を他方と対面
させながら、加圧下に接触させる。実際的には、この樹
脂板とオーバーレイフィルムを適度の加圧下に一対の積
層ローラー間に通す。積層ローラーとしては、比較的低
硬度のゴムローラーが好ましい。それはオーバーレイフ
ィルムがエンボス加工のものでもエンボス形状の変形や
つぶれを生じないからである。積層ローラーの加圧は、
種々の要因によるが、通常0.1〜50kgf/cm、
好ましくは1〜20kgf/cmの範囲である。オーバ
ーレイフィルムがエンボス加工を有する場合には、この
加圧はあまり高くはできない。貼合加工の速度について
は特に制限はないが、空気の巻き込みのおそれの観点か
ら好ましくは10m/min以下、より好ましくは5m
/min以下とすべきである。
【0020】この(ハ)工程の貼合加工は、(イ)工程
の樹脂板の熱処理の完了後過度に長時間経過する前に行
われる。これは、この熱処理後樹脂板を大気中で過度に
長時間おくといったんは脱湿された樹脂板において湿気
の再吸収の進行が避けられず、(イ)工程で得られた効
果が帳消しになるからである。このような点から、
(イ)工程直後の樹脂板は容易に取り扱うにはまだあま
りに高温すぎるものの、(ハ)工程の貼合加工は、
(イ)工程の樹脂板の熱処理の完了後6時間以内、好ま
しくは3時間以内に行われる。
【0021】この貼合加工においては、積層ローラー間
に通される材料は制御された温度下にあることが重要で
ある。すなわち、相互に接触させる表面の少なくとも一
方はホットメルト接着剤の軟化点より高く、かつ樹脂板
又はオーバーレイフィルムの軟化点を超えない温度状態
とするが、ポリカーボネート樹脂板の場合は120℃を
超えない温度で、オーバーレイフィルムの場合はエンボ
ス形状や印刷模様が損なわれない温度で、通常100℃
を超えない温度とする。例えば、ホットメルト接着剤単
層の表面、あるいは樹脂板とオーバーレイフィルムの両
方に接着剤層が付与されている場合のホットメルト接着
剤複層の少なくとも1層の表面は、ホットメルト接着剤
の軟化点より高温状態とする。他方、ホットメルト接着
剤層が付与されているか、あるいは付与されていない、
互いに接触させる表面の他方は、このような温度条件で
ある必要はない。しかし、表面温度がホットメルト接着
剤の軟化点に比べ過度に低いのは、冷たい表面と接触さ
せられた軟化ホットメルト接着剤が直ちに固化され良好
な貼合効果を示さないので望ましくない。このような観
点から、軟化あるいは溶融したホットメルト接着剤層が
接触させられる表面は、ホットメルト接着剤の軟化点よ
り低くない温度状態であるべきである。実際的には、樹
脂板及び/又はオーバーレイフィルムは遠赤外ヒーター
で照射すること及び/又は一対の加熱ローラー間を通す
ことにより加熱される。
【0022】多層複合板、例えばポリカーボネート樹脂
板とその両面に付与された2つのオーバーレイフィルム
から成るものあるいは2つのポリカーボネート樹脂板と
これらの間に挟まれたオーバーレイフィルムから成るも
のなどが好ましい場合には、ホットメルト接着剤で貼合
された樹脂板とオーバーレイフィルムから成る複合板
は、さらに別のオーバーレイフィルム又は別のポリカー
ボネート樹脂板とそれぞれ(ロ)工程及び(ハ)工程の
操作を繰り返すことにより、接合される。
【0023】本発明方法の最終工程すなわち(ニ)工程
は、エージング効果を奏する。すなわち、(イ)工程か
ら(ハ)工程までの操作により得られた複合板は、30
〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲で少なくと
も1時間好ましくは少なくとも4時間保持されてエージ
ングされる。このエージング温度が30℃未満ではポリ
カーボネート樹脂板とオーバーレイフィルム間の貼合強
度への好ましい安定化効果は、処理時間を無制限に延長
しても得られない。このエージング処理時間が短すぎる
と所望の効果は得られないし、また処理時間が例えば2
0時間のように長すぎてもさらなる効果は得られない。
この(ニ)工程により、穴開けや切断などの機械加工適
性を良くすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば、次に示すような効
果が得られる。 (1) オーバーレイフィルムに用いられる可塑剤や安
定剤などの悪影響でクレージングが生じるのを抑えるこ
とができ、強制曲げ施工が可能となる。 (2) ポリカーボネート樹脂板とオーバーレイフィル
ム間の界面でふくれが生じるのを防止することができる
ので、熱成形に適し、樹脂板の温度を大いに高温化させ
る直射日光下においてさえ安定に使用しうる。 (3) 表面のエンボスをそこなうことなく貼合が可能
である。したがって、印刷パターンのみならず、エンボ
ス加工も有する熱可塑性樹脂フィルムをオーバーレイフ
ィルムとして用いると、装飾性が多様化し、ポリカーボ
ネート複合板の利用分野が増大する。例えば、精密なエ
ンボス表面に微妙に光る外観を付与するために夜にライ
ティングさせるようなケースなどが挙げられる。 (4) 小ロットで多品種の製品が生産性よく低コスト
で得られる。
【0025】本発明方法により得られるポリカーボネー
ト複合板は、例えばアーケード、アトリウム、トップラ
イト、ファサード、キャノピー、パーティション、照明
ルーバー、建具造作材などの建築分野、看板、サイン、
案内板、表札などの表示分野、あるいは車両・船舶分野
や電話ボックスなど、種々の分野において好適に用いら
れる。
【0026】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例及び比較例で得られたポリカーボネート
複合板は、以下の項目の試験により評価した。試験方法
及び評価基準は次のとおりである。
【0027】(1)貼合せ時の気泡の巻き込み度 貼合せ直後のフィルムと樹脂板との間に巻き込まれた気
泡を目視により観察し評価した。 ○:気泡がほとんどない △:気泡がやや目立つ ×:気泡が全面にある
【0028】(2)貼合せ後のエンボス加工の保持度 エンボス加工されたオーバーレイフィルムを用い、貼合
せ直後のポリカーボネート複合板のエンボス加工の状態
を貼合せ前のオーバーレイフィルムのそれと比較して変
化の程度を目視により観察し評価した。 ○:ほとんど変化が認められない △:やや変化が認められる ×:はっきりと変化が認められる
【0029】(3)反り 目視により観察し評価した。 ○:ほとんど反りが認められない △:やや反りが認められる ×:はっきりと反りが認められる
【0030】(4)クレージング オーバーレイフィルムを外面として曲面を形成するよう
に種々の曲げ応力を加え、75℃で2時間保持したの
ち、冷却して曲げ応力を解放し樹脂板とオーバーレイフ
ィルムとの界面の中央部でのクラックやクレージングを
目視により観察し評価した。 ○:曲げ応力150kgf/cmまでクラック等の発
生が認められない △:曲げ応力80kgf/cmまでクラック等の発生
が認められない ×:曲げ応力80kgf/cm以下でもクラック等の
発生が認められる
【0031】(5)擬似直射日光下のふくれ 直射日光照射の影響を60℃で30日間の熱処理により
シミュレートした。樹脂板とオーバーレイフィルム間に
新たに発生する気泡を目視により観察し評価した。 ○:ほとんど新たな気泡が認められない △:やや新たな気泡が認められる ×:全面に新たな気泡が認められる
【0032】(6)加熱収縮性 10cm四方の試料板の中央部に鋭利なカッターで十文
字に切り込みを入れ、これを100℃で2時間加熱し、
室温に冷却後、切り込み部分のオーバーレイフィルムの
状態を観察し評価した。 ○:切り込みの隙間0.5mm以下 △:切り込みの隙間0.5〜1mm以下 ×:切り込みの隙間1mm以上
【0033】(7)熱成形時のふくれ 180℃で30分間予備加熱したのち、直径400mm
の円筒状曲面を形成するように曲げ加工を施し、次いで
室温まで冷却して、樹脂板とオーバーレイフィルム間に
新たに発生した気泡を目視により観察し評価した。 ○:ほとんど新たな気泡が認められない △:やや新たな気泡が認められる ×:全面に新たな気泡が認められる
【0034】(8)機械加工性 回転丸鋸を用い、鋸刃に最初に当たる面をオーバーレイ
フィルム側となるようにして切断加工し、その切り口周
辺を目視により観察し評価した。 ○:ほとんど界面での剥がれやフィルムの欠けが認めら
れない △:やや界面での剥がれやフィルムの欠けが認められる ×:ほとんどの部分に界面での剥がれやフィルムの欠け
が認められる
【0035】実施例1 50cm四方の厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板、
ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂の積層フィルムと
ポリ塩化ビニルフィルムとの全体の厚さが150μmの
積層フィルムに装飾形態としてエンボス加工を施してな
るオーバーレイフィルム、及びアクリル系ホットメルト
接着剤を用いた。ポリカーボネート樹脂板を加熱室内で
100℃で4時間加熱することにより脱湿処理した。一
方、オーバーレイフィルムのポリ塩化ビニルフィルムの
表面に前記接着剤を30μmの厚さでコーティングし
た。このオーバーレイフィルムを、加熱ローラーと接触
させることにより接着剤層の表面を100℃に保持しな
がら、加熱空気オーブンで加熱した後、80℃に保持し
うるように予備加熱されたポリカーボネート樹脂板上
に、接着剤層の表面を対向させて載置し、一対の直径8
cmの積層ゴムローラー間に0.5kgf/cmの貼合
圧力下、貼合速度3m/minで通した。このゴムロー
ラーはJIS規格で硬度70のゴムを素材とするもので
ある。得られた複合板に40℃で10時間エージング処
理を施してポリカーボネート複合板を得た。以上の原
料、各処理工程の処理条件等の特徴点を表1に示す。
【0036】実施例2〜6、比較例1〜5 ポリカーボネート樹脂板の厚さ、オーバーレイフィルム
の材質及び装飾形態、樹脂板の脱湿処理、樹脂板の予備
加熱、オーバーレイフィルムの加熱温度、貼合圧力、貼
合速度、エージング処理条件を表1又は表2に示すとお
りにして、実施例1と同様にして各ポリカーボネート複
合板を得た。実施例1〜6で得られたポリカーボネート
複合板はいずれの評価も○であった。他方、各比較例で
得られたポリカーボネート複合板についての評価を表3
に示す。
【0037】なお、表中の略号は次を意味する。 PC:ポリカーボネート PVC:ポリ塩化ビニル KFC:ポリフッ化ビニリデン/アクリル樹脂の複合フ
イルム PET:ポリエチレンテレフタレート
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/20 7639−4F // B29K 69:00 B29L 9:00 4F (72)発明者 堀 哲 東京都中央区京橋一丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 松尾 恭弘 東京都中央区京橋一丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 枝崎 隆一 東京都中央区京橋一丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂板の表面に、熱可
    塑性樹脂のオーバーレイフィルムをホットメルト接着剤
    で貼合させてポリカーボネート複合板を製造するに当
    り、(イ) 前記樹脂板を80〜140℃の温度におい
    て、少なくとも2時間加熱する工程、(ロ) この樹脂
    板及び熱可塑性樹脂製のオーバーレイフィルムの一方又
    は両方の表面にホットメルト接着剤層を形成させる工
    程、(ハ) この樹脂板及びオーバーレイフィルムを、
    樹脂板又はオーバーレイフィルム上のホットメルト接着
    剤層を他方と対面させながら、加圧下に相互に接触さ
    せ、かつ相互に接触させる表面の少なくとも一方は前記
    接着剤の軟化点より高く、樹脂板又はオーバーレイフィ
    ルムの軟化点を超えない温度に保持することにより、樹
    脂板とオーバーレイフィルムを貼り合わせた複合板を形
    成させる工程、(ニ) この貼り合わせた複合板を30
    〜100℃の範囲の温度で少なくとも1時間保持してエ
    ージング処理する工程を行うことを特徴とするポリカー
    ボネート複合板の製造方法。
JP5190062A 1992-07-30 1993-07-30 ポリカーボネート複合板の製造方法 Pending JPH0691762A (ja)

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JP5190062A JPH0691762A (ja) 1992-07-30 1993-07-30 ポリカーボネート複合板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4858023A (en) * 1987-03-17 1989-08-15 Minolta Camera Kabushiki Kaisha Image read apparatus
JP2013121692A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス材−樹脂材積層体の製造方法及びガラス材−樹脂材積層体

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