JPH0689235B2 - ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物の製造法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物の製造法

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JPH0689235B2
JPH0689235B2 JP13612686A JP13612686A JPH0689235B2 JP H0689235 B2 JPH0689235 B2 JP H0689235B2 JP 13612686 A JP13612686 A JP 13612686A JP 13612686 A JP13612686 A JP 13612686A JP H0689235 B2 JPH0689235 B2 JP H0689235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物の製
造法に関する。さらに詳しくは、機械的性質、特に低温
時の耐衝撃性が良好で、かつ、ガラス繊維強化樹脂の特
徴である剛性を損なうことが少なく、成形流動性、離型
性が均衡して優れたガラス繊維強化ポリエステル樹脂組
成物の製造法に関するものである。
<従来の技術> ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートに代表される芳香族ポリエステルは、その優れた特
性から電気および電子機器部品、自動車部品などの広い
分野で使用されている。
なかでも、剛性が必要な用途においては、芳香族ポリエ
ステルにガラス繊維などの無機充填剤を配合する方法が
一般に行なわれており、このとき、ノツチ付衝撃強度も
一部改良される。
しかしながら、特に高いノツチ付衝撃強さが要求される
用途においては、ガラス繊維などの補強剤の配合のみで
は不十分であるため、従来から多くの改善方法が提案さ
れてきた。
それらの中でも特開昭60−40154号公報などに示される
エチレンと炭素数3以上のα−オレフインとの共重合
体、またはエチレン炭素数3以上のα−オレフインおよ
び非共役ジエンからなる共重合体に対し、不飽和エポキ
シ単量体をグラフト重合して得た変性エチレン系共重合
体をブレンドする方法は比較的優れている。
一方、引張強度、曲げ強度、耐加水分解性等を改良する
ことを目的として、熱可塑性ポリエステル樹脂に、多官
能エポキシ化合物にて表面処理されたガラス繊維および
中性または一部中和したモンタンワツクス塩もしくはモ
ンタンワツクスエステル塩からなる樹脂組成物が特開昭
55−52340号公報に開示されている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、前記特開昭60−40154号公報に記載され
た芳香族ポリエステルの耐衝撃性改良のための方法に対
して単純にガラス繊維を配合した場合、耐衝撃性は確か
に改良されてはいるものの、ガラス繊維強化樹脂の特徴
である剛性が損なわれたり、あるいは成形流動性、離型
性が著しく不良であるなど、実用には適さないものしか
得ることができない。
また、特開昭55−52340号公報に記載された樹脂組成物
において、多官能エポキシ化合物で表面処理されたガラ
ス繊維は、芳香族ポリエステルの強化用として、引張強
度、曲げ強度に代表される補強効果は大きいものの衝撃
強度の面で不満足なものであつた。
よつて、本発明は、低温時の耐衝撃性が良好で、剛性の
損失を最小限に抑え、成形流動性、離型性が均衡して優
れた樹脂組成物の製造法を提供することを課題とする。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結
果、芳香族ポリエステルにガラス繊維および、特定の変
性オレフイン系共重合体を配合する際に、ガラス繊維を
多官能エポキシ化合物で表面処理して用いることによ
り、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達
した。
すなわち、本発明は、(A)芳香族ポリエステル100重
量部に対して、(B)ガラス繊維に対して0.01〜10重量
%の多官能エポキシ化合物で表面処理されたガラス繊維
3〜200重量部、および(C)メルトフローレートが0.0
5〜100の範囲にあるエチレンと炭素数3以上のα−オレ
フインからなる共重合体またはエチレン、炭素数3以上
のα−オレフインおよび非共役ジエンからなる共重合体
に対して0.01〜20重量%の不飽和エポキシ単量体をグラ
フト反応させて得た変性オレフイン系共重合体1〜100
重量部を配合することを特徴とするガラス繊維強化ポリ
エステル樹脂組成物の製造法である。
本発明の製造法で用いる(A)芳香族ポリエステルと
は、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステル
で、芳香族ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成
性誘導体)とジオール(あるいは、そのエステル形成性
誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合
体ないしは共重合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カ
ルボキシフエニル)メタン、アントラセンジカルボン
酸、4,4′−ジフエニルジカルボン酸、4,4′−ジフエニ
ルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フエノキシ)エ
タン−4,4′−ジカルボン酸あるいはそれらのエステル
形成誘導体などが挙げられる。
なお酸成分として40モル%以下であれば、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂
肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジ
カルボン酸およびそれらのエステル形成誘導体などの芳
香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換してもよ
い。
またジオール成分としては炭素数2〜10の脂肪族ジオー
ルすなわちエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカ
メチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどであり、少量であれば分子量
400〜6,000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチレン
グリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどおよびそれらの混合物な
どを共重合せしめてもよい。
本発明の製造法で使用する好ましい芳香族ポリエステル
の例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フエノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレートなどが挙げられる
が、なかでも適度の機械的強度を有するポリブチレンテ
レフタレートが最も好ましい。
また、これらの芳香族ポリエステルは、0.5%のオルト
クロロフエノール溶液を25℃で測定したときの相対粘度
が1.2〜1.8の範囲にあることが好ましい。芳香族ポリエ
ステルの相対粘度が1.2未満の場合は十分な機械的強度
が得られず、また1.8以上では表面光沢の良好な成形品
が得られないため好ましくない。
本発明の製造法で用いる(B)ガラス繊維は、通常、樹
脂強化用として使用されるものを多官能エポキシ化合物
で表面処理して用いる。ガラス繊維の繊維長については
特に限定されないが、1〜5mm長のチトツプドストラン
ドが好ましく使用できる。
ガラス繊維の表面処理に用いる多官能エポキシ化合物は
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を含有し、ハロ
ゲンを含有しない化合物である。多官能エポキシ化合物
の好ましい例としては、例えばビスフエノールとエピク
ロルヒドリンとを各種の割合で反応させて得られるビス
フエノール型エポキシ化合物、ノボラツク樹脂とエピク
ロルヒドリンより得られるノボラツク型エポキシ化合
物、ポリカルボン酸とエピクロルヒドリンより得られる
ポリグリシジルエステル類、脂環化合物(例えば、ジシ
クロペンタジエン)から得られる脂環化合物型エポキシ
化合物、アルコール性水酸基を有する脂肪族化合物(例
えば、ブタンジオール、グリセリンなど)とエピクロル
ヒドリンより得られるグリシジルエーテル類、エポキシ
化ポリブタジエンおよびメタクリル酸グリシジルなどの
エポキシ基を有する不飽和単量体とエチレンなどの他の
不飽和単量体とからなるエポキシ基含有共重合体などが
挙げられる。これらの多官能エポキシ化合物中、より好
ましいものは次の一般式(I)および(II) (ただし、式中Rは炭素数4〜40のアルキル基、シクロ
ヘキサン環、シクロヘキセン環またはベンゼン環であ
り、nは0〜30の整数である。) で示されるグリシジルエステルおよびビスフエノールA
型エポキシ化合物、エチレン/メタクリル酸グリシジル
共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/一酸化炭素/メタクリル酸グ
リシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共
重合体などのエポキシ基含有共重合体であり、中でも
(II)式で示されるビスフエノールA型エポキシ化合物
が最も好ましい。なお上記に列挙した多官能エポキシ化
合物は2種以上併用してもよい。
多官能エポキシ化合物の使用量は、ガラス繊維に対して
0.01〜10重量%含有するよう処理することが必要であ
り、好ましくは0.1〜5重量%含有するよう処理するこ
とが望ましい。多官能エポキシ化合物の付着量が0.01重
量%未満では耐衝撃性、剛性の改良が不十分であり、一
方10重量%を越えるとかえつて機械物性が低下する傾向
があるので好ましくない。
多官能エポキシ化合物でガラス繊維を表面処理する方法
については、特に制限はないが、好ましくはガラス繊維
をサイジングする際にアミノシラン、エポキシシラン、
ビニルシラン、アルコキシシラン等のシランカツプリン
グ剤、チタネートカツプリング剤などのカツプリング剤
と共に、多官能エポキシ化合物をガラス繊維の集束剤の
一部または全部として使用する方法が好ましく挙げられ
る。また、エポキシ化合物と共に、酸無水物やアミン系
の硬化剤を併用する方法も好ましい。
カツプリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β
−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのアミノシランおよびγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポ
キシシランが特に好ましく使用できる。
本発明の製造法におけるガラス繊維の添加量は、芳香族
ポリエステル100重量部に対して3〜200重量部であり、
5〜100重量部であることが好ましい。
本発明の方法においては芳香族ポリエステルの耐衝撃性
を向上させるために、(C)メルトフローレートが0.05
〜100の範囲にあるエチレンと炭素数3以上のα−オレ
フインからなる共重合体またはエチレン、炭素数3以上
のα−オレフインおよび非共役ジエンからなる共重合体
(以下両者を総称して未変性オレフイン系共重合体とい
う)に対し、0.01〜20重量%の不飽和エポキシ単量体を
グラフト反応させて得た変性オレフイン系共重合体を使
用する。
未変性オレフイン系共重合体における炭素数3以上のα
−オレフインとはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などであ
り、プロピレンおよびブテン−1が好ましく使用でき
る。また、非共役ジエンとは5−メチリデン−2−ノル
ボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビ
ニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボ
ルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−
クロチル−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−2−
ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−2
−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−メタクリルノル
ボルネン、5−メチル−5−ビニルノルボルネンなどの
ノルボルネン化合物、ジシクロペンタジエン、メチルテ
トラヒドロインデン、4,7,8,9−テトラヒドロインデ
ン、1,5−シクロオクタジエン、1,4−ヘキサジエン、イ
ソプレン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、11−エチ
ル−1,11−トリデカジエンなどであり、好ましくは5−
メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジ
エンなどが使用できる。
エチレンと炭素数3以上のα−オレフインからなる未変
性オレフイン系共重合体におけるエチレンと炭素数3以
上のα−オレフインの共重合体比は40/60〜99/1(モル
比)が好ましく、特に70/30〜95/5(モル比)であるこ
とが好ましい。
エチレン、炭素数3以上のα−オレフインおよび非共役
ジエンからなる未変性オレフイン系共重合体における炭
素数3以上のα−オレフインの共重合量は1〜60モル%
であることが好ましく、特に好ましくは5〜40モル%で
あり、非共役ジエンの共重合量は0.1〜20モル%である
ことが好ましく、特に0.5〜10モル%であることが好ま
しい。
また、未変性オレフイン系共重合体のメルトフローレー
トは、0.05〜100の範囲、好ましくは0.5〜30の範囲にあ
ることが必要であり、この範囲外の場合には芳香族ポリ
エステルの耐衝撃性の改良効果が小さい。ここにおいて
メルトフローレートはASTM D−1238−65T(測定温度190
℃)にしたがつて測定した値であり、単位はg/10分であ
る。
未変性オレフイン系共重合体の具体例としてはエチレン
/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重
合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合体などが好ましく挙げられ、中でも非共
役ジエンを含有しないエチレン/プロピレン共重合体お
よびエチレン/ブテン−1共重合体が耐熱性がよく、よ
り好ましく使用できる。
前記の未変性オレフイン系共重合体にグラフト反応させ
て変性オレフイン系共重合体を得る不飽和エポキシ単量
体とは、次の一般式(III)で示される不飽和グリシジ
ルエステル類、一般式(IV)で示されるグリシジルエー
テル類、一般式(V)で示されるエポキシアルケン類や
p−グリシジルスチレン類などである。
(ただし、式中R1〜R3は各々、少なくともエチレン性不
飽和結合を1個有する炭化水素基であり、R4は水素また
は炭素数1〜6のアルキル基である) 具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリ
シジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエス
テル、ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステル、テ
トラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、2−メチル
アリルグリシジルエーテル、ビニル−グリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシ−3−メチル
−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、p
−グリシジルスチレンなどが挙げられ、なかでもメタク
リル酸グリシジルが好ましく使用できる。これらの不飽
和エポキシ単量体は2種以上を併用してもよい。
不飽和エポキシ単量体のグラフト反応量は、0.01〜20重
量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましい。不飽
和エポキシ単量体のグラフト反応量が0.01重量%未満の
場合には耐衝撃性の改善が十分でなく、20重量%を越え
た場合には、芳香族ポリエステルの耐熱性が損なわれる
などいずれの場合も好ましくない。なおここでいうグラ
フト反応とは、不飽和エポキシ単量体が未変性オレフイ
ン系共重合体と化学的に結合することを意味する。
変性オレフイン系共重合体の製造は、通常の方法、例え
ば、メルトフローレート0.01〜100の未変性オレフイン
系共重合体に不飽和エポキシ化合物と開始剤として有機
過酸化物を未変性オレフイン系共重合体に対して0.01〜
5重量%添加し、150〜250℃で溶融混練することによつ
て容易に製造することができる。ただし、未変性オレフ
イン系共重合体のうち、非共役ジエンを共重合体成分に
持つものについてのグラフト反応は、有機過酸化物を用
いず、残存炭素−炭素二重結合への熱的付加(エン反
応)を利用し、不飽和エポキシ化合物を添加し、200〜3
00℃で溶融混練し製造するのが好ましい。溶融混合する
場合の装置としては、スクリユー押出機、バンバリーミ
キサーなどを用いることができる。
変性オレフイン系共重合体の製造に開始剤として有機過
酸化物を用いる場合、分子量140以上のものが好まし
い。具体的には、tert−ブチルクミルパーオキサイド、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、α,α′−ジ(tert−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどである。
変性オレフイン系共重合体の添加量は、芳香族ポリエス
テル100重量部に対して1〜100重量部であり、2〜50重
量部が好ましい。添加量が1重量部未満の場合は耐衝撃
性の改良効果が小さく、100重量部を越えた場合は芳香
族ポリエステルの機械的性質をかえつて損なう傾向があ
る。
なお、本発明の製造法で得られる樹脂組成物に対して、
エポキシ化合物とカルボン酸との反応を促進する化合物
をさらに添加する場合には芳香族ポリエステルの耐衝撃
性を一層改良できるという効果が得られる。これらの化
合物としては、トリフエニルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フエノールなどの3級アミ
ン、トリフエニルホスフアイト、トリイソデシルホスフ
アイトなどの亜リン酸エステル、トリフエニルアリルホ
スホニウムブロマイドなどのホスホニウム化合物、トリ
フエニルホスフインなどの3級ホスフイン、ステアリン
酸リチウム、ステアリン酸カルシウムなどのカルボン酸
金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5
−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなど
のスルホン酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの硫
酸エステル塩などが挙げられ、これらはポリエステル10
0重量部に対し0.001〜5重量部添加されるのが好まし
い。
また、少量の他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド、
ポリアセタール、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、
ポリスルホン、ポリフエニレンオキサイドなど)を添加
することもできる。
本発明組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば
芳香族ポリエステル、多官能エポキシ化合物で表面処理
したガラス繊維、変性オレフイン系共重合体および必要
に応じて他の添加剤をドライブレンド後、溶融混合する
方法が挙げられる。
本発明により製造したポリエステル樹脂組成物は射出成
形、押出成形などの通常の方法で容易に成形することが
可能であり、得られた成形品は優れた性能を発揮する。
<実施例> 以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳述する。
なお、以下の実施例においてメルトフローレートをMFR
と略す。
参考例1(変性オレフイン系共重合体Aの製造) MFR1.9のエチレン/プロピレン共重合体(プロピレンの
共重合量26モル%)100重量部に対してメタクリル酸グ
リシジル2重量部および有機過酸化物である2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
(開始剤)0.6重量部とを窒素を流通したヘンシエルミ
キサーに仕込み、5分間撹拌して均一な混合物を作つ
た。この混合物をL/D28で先端ダルメージタイプのスク
リユーを装備した40mmφ押出機を使用して、スクリユー
回転数60rpm、シリンダー温度200℃の条件で押し出し、
変性オレフイン系共重合体のペレツト(A)を得た。
このペレツトを粉砕後、ソツクスレー抽出器を用い、未
反応のメタクリル酸グリシジルをアセトンで20時間抽出
処理した。さらにペレツトを乾燥後、赤外吸収スペクト
ルを測定し、メタクリル酸グリシジルのグラフト反応量
の定量を行つた。その結果、メタクリル酸グリシジルが
1.4重量%グラフト反応していることがわかつた。
参考例2(変性オレフイン系共重合体B〜Dの製造) 参考例1と同様にして表1に示した各種の未変性オレフ
イン系共重合体に対してメタクリル酸グリシジルのグラ
フト反応を行い、変性オレフイン系共重合体(B〜D)
を得た。ただし、共重合成分に非共役ジエンを含むもの
(C、D)については、変性時に開始剤である有機過酸
化物を使用しなかつた。
結果を表1に示す。
参考例3(変性オレフイン系共重合体E、Fの製造) 比較のために参考例1で使用した未変性オレフイン系共
重合体に対して、グラフト反応成分として無水マレイン
酸、マレイミドを各々添加し、表1に示した有機過酸化
物の使用量以外は参考例1と同様にして変性オレフイン
系共重合体(E、F)を得た。
結果を表1に示す。
実施例1〜4,比較例1〜6 相対粘度1.48のポリブチレンテレフタレート100重量部
に対して、表面をアミノシランで処理した後に、ビスフ
エノールA型エポキシ樹脂(ガラス繊維当り1重量%)
で集束したガラス繊維(3mm長チヨツプストランド)20
重量部および参考例1で製造した変性オレフイン系共重
合体A10重量部をドライブレンドし、250℃に設定した内
径40mmの単軸スクリユーベント付押出機により溶融混合
−ペレツト化した。次に得られたペレツトを250℃に設
定した5−オンスのスクリユーインライン型射出成形機
を使用して成形し、離型性を評価すると共にASTMの1号
ダンベル、1/2″幅アイゾツト衝撃試験片、曲げ試験片
を作成し、23℃、−30℃におけるアイゾツト衝撃試験、
23℃における引張試験および曲げ試験を行つた。またペ
レツトの一部を用いてMFRの測定を行つた。結果を表2
に示す。
また、参考例2で製造した変性オレフイン系共重合体
(B〜D)添加の例(実施例2〜4)、比較のために変
性オレフイン系共重合体未添加の例(比較例1)、参考
例3で製造した変性オレフイン系共重合体(E、F)を
溶融混合した例(比較例2、3)、エチレン/メタクリ
ル酸グリシジル共重合体(90/10重量比、MFR=3)10重
量部を溶融混練した例(比較例4)、未変性オレフイン
系共重合体を添加した例(比較例5)、さらにガラス繊
維の表面処理剤にエポキシ化合物の代りに酢酸ビニル樹
脂、アクリル樹脂を使用した例(比較例6、7)につい
ても結果を表2に示す。
表2の結果から本発明の製造法で得られた樹脂組成物
は、引張強さ、破断伸び、曲げ弾性率および曲げ応力に
代表される剛性、ノツチ付アイゾツト衝撃値に代表され
る耐衝撃性、さらに低温での耐衝撃性、MFRに代表され
る成形流動性、離型性が均衡して優れたものであること
がわかる。
また、オレフイン系重合体を添加しない比較例1は、ノ
ツチ付アイゾツト衝撃値に代表される耐衝撃性が劣り、
離型性も不満足であつた。
また、未変性オレフイン系重合体の変性剤として、不飽
和エポキシ単量体以外のものを用いた比較例2、3も耐
衝撃強度が劣るものであつた。
オレフイン系重合体としてエチレン/メタクリル酸グリ
シジルを使用したものは、MFRに代表される成形流動性
が劣り、さらに離型性も不良であつた。
比較例5では、未変性オレフイン系共重合体を使用した
が、耐衝撃性に欠けるものであつた。
また、ガラス繊維の表面処理剤として、多官能エポキシ
化合物以外のものを使用した比較例6、7は、引張強
さ、破断伸び、曲げ弾性率および曲げ応力に代表される
剛性、耐衝撃性が不満足なものであり、さらに成形流動
性、離型性も不満足なものであつた。
<発明の効果> 本発明の製造法により得られた樹脂組成物は、耐衝撃性
および低温時の耐衝撃性が良好で、剛性、成形流動性、
離型性が均衡して優れており、電気・電子部品、自動車
部品などとして有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリエステル100重量部に対
    して、(B)ガラス繊維に対して0.01〜10重量%の多官
    能エポキシ化合物で表面処理されたガラス繊維3〜200
    重量部、および(C)メルトフローレートが0.05〜100
    の範囲にあるエチレンと炭素数3以上のα−オレフイン
    からなる共重合体またはエチレン、炭素数3以上のα−
    オレフインおよび非共役ジエンからなる共重合体に対し
    て0.01〜20重量%の不飽和エポキシ単量体をグラフト反
    応させて得た変性オレフイン系共重合体1〜100重量部
    を配合することを特徴とするガラス繊維強化ポリエステ
    ル樹脂組成物の製造法。
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