JPH0688109A - 高炉羽口微粉炭吹き込み方法 - Google Patents

高炉羽口微粉炭吹き込み方法

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JPH0688109A
JPH0688109A JP339591A JP339591A JPH0688109A JP H0688109 A JPH0688109 A JP H0688109A JP 339591 A JP339591 A JP 339591A JP 339591 A JP339591 A JP 339591A JP H0688109 A JPH0688109 A JP H0688109A
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JP
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pulverized coal
blast furnace
tuyere
blowing
oxygen content
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JP339591A
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English (en)
Inventor
Shinichi Suyama
真一 須山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉に吹き込む微粉炭の炭種あるいはその吹
き込み量に応じて微粉炭の吹き込み条件を調整し、微粉
炭の燃焼性を制御してその燃焼率を最適にする。 【構成】 搬送用気体中または/および燃焼制御用気体
中の酸素含有量を独立に変化させ、微粉炭の羽口先端燃
焼率が予め求めた当該高炉における基準値の範囲内とな
る条件で微粉炭を高炉に吹き込む。 【効果】 高炉送風圧力の変動指数の上昇を防ぎ、かつ
羽口の内面での灰分の付着を防止できる。したがって、
安定した高炉操業が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銑鉄製造用の高炉の
羽口から微粉炭を吹き込む方法に係わるもので、特に微
粉炭の炭種あるいは微粉炭の吹き込み量に応じて微粉炭
の燃焼性を制御し、高炉の操業を安定に行うための微粉
炭の吹き込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉におけるコークス使用量を減らすた
め、液体燃料(重油、タールなど)が使用されていた
が、原油価格の高騰に伴い、オールコークス操業に移行
する高炉が増加してきた。しかしオールコークス操業の
場合には、羽口前温度が上昇して操業が不安定になりや
すく、また最大出銑比が抑えられる等の欠点がある。こ
の欠点を解消するとともに、コークス使用量を減らすた
め、燃料として微粉炭を吹き込み、操業の安定と出銑比
の上昇を図っている。
【0003】微粉炭は、高炉の羽口に連設したブローパ
イプの壁を貫通する微粉炭吹き込みノズルを経由し、ブ
ローパイプからの熱風と共に羽口から高炉に吹き込まれ
る。
【0004】微粉炭吹き込みタンクから微粉炭吹き込み
ノズルまでは、通常気体により搬送される。搬送用気体
として、酸素含有量を調整した空気が、または防爆上の
観点から窒素のような不活性ガスが用いられる。更に、
乾燥工程の省略等経済性の観点から特開昭62−267404号
公報に開示されるような熱風炉燃焼廃ガスの利用も提案
されている。
【0005】搬送用気体が空気の場合、微粉炭の粒子近
傍の酸素分率が高いため、微粉炭の燃焼率が高くなる。
搬送用気体が不活性ガスあるいは熱風炉燃焼廃ガスの場
合、微粉炭の粒子近傍の酸素分率が低いため、熱風と搬
送気体および微粉炭が完全に混合するまで着火および燃
焼が遅れ、微粉炭の燃焼率が低くなる。
【0006】一方、微粉炭の種類 (炭種)は、操業時の
在庫炭種の状況、石炭の価格変動に伴う入荷炭種の多様
化に応じて種々異なる。炭種により化学的組成 (揮発
分、灰分量、元素量等) や物理的性状 (粉体特性) が異
なるから、搬送用気体およびその酸素含有量を一定にし
たままで、例えば吹き込む微粉炭の炭種を変更すると微
粉炭の燃焼性が変化する。このため、微粉炭の炭種ある
いはその吹き込み量を変更する際には、炭種あるいは吹
き込み量に応じた吹き込み条件とする必要がある。例え
ば、特開平2−54707 号公報には、微粉炭吹き込みノズ
ルの周囲から燃焼制御用ガスを同時に吹き込む方法が開
示されている。しかし、この方法には、微粉炭の燃焼率
が高い場合、その燃焼を抑制することは可能であるが、
微粉炭の燃焼率が低い場合、その燃焼を促進することは
できないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ブローパイプからの熱
風と共に羽口から高炉に吹き込まれた微粉炭は、熱風に
より昇温し、次いで着火して燃焼する。
【0008】微粉炭の燃焼が十分に促進されない場合、
未燃焼の微粉炭が高炉内の充填層に滞留する。未燃焼の
微粉炭が滞留すると高炉内のガスの通気性が悪化した
り、高炉送風圧力が変動したり、あるいは装入物の降下
挙動が変動するので炉況が悪化する。
【0009】一方、微粉炭の燃焼が促進され過ぎた場
合、微粉炭が高炉に入る前に羽口で燃焼して羽口の内面
に灰分が付着したり、高炉送風圧力が変動する。羽口の
内面に灰分が付着すると羽口の実質内径が小さくなり、
微粉炭の吹き込みが困難になって微粉炭の吹き込み量が
羽口毎にばらつくため溶銑成分が変動する。また、高炉
送風圧力が変動すると圧力変動による振動が発生するた
め機器あるいは配管が損傷する。
【0010】本発明の目的は、種々の炭種の微粉炭を羽
口から吹き込む際において、微粉炭の炭種あるいはその
吹き込み量に応じて微粉炭の吹き込み条件を調整し、微
粉炭の燃焼性を制御して微粉炭の燃焼率を最適にするこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
およびの高炉の羽口から微粉炭を吹き込む方法にあ
る。
【0012】 高炉の羽口から吹き込む微粉炭の搬送
用気体中または/および燃焼制御用気体中の酸素含有量
を調整して、微粉炭の羽口先端燃焼率を当該高炉におけ
る基準値の範囲内とする高炉羽口微粉炭吹き込み方法。
【0013】 酸素含有量を調整した微粉炭の搬送用
気体と、微粉炭の燃焼を促進しまたは抑制する燃焼制御
用気体とを独立に吹き込んで、微粉炭の羽口先端燃焼率
を当該高炉における基準値の範囲内とする高炉羽口微粉
炭吹き込み方法。
【0014】羽口先端燃焼率とは、羽口先端における微
粉炭の燃焼率であり、羽口先端で燃焼中の微粉炭をサン
プリングし、そのサンプリング試料を分析して次式から
求める。
【0015】
【数1】
【0016】本発明方法を実際の操業に適用する際の具
体的な手順はつぎのとおりである。 1) 当該高炉または当該高炉を模擬した試験装置の羽口
から吹き込む微粉炭の炭種およびその吹き込み量を一定
にする。
【0017】2) 微粉炭の搬送用気体中の酸素含有量を
変化させて、一定の炭種および吹き込み量の微粉炭を当
該高炉または当該高炉を模擬した試験装置の羽口から吹
き込む。但し、その他の微粉炭吹き込み条件は当該高炉
の微粉炭吹き込み条件と同一にする。
【0018】3) 羽口先端で燃焼中の微粉炭をサンプリ
ングする。そのサンプリング試料を分析し、搬送用気体
中の酸素含有量を変化させたときの微粉炭の羽口先端燃
焼率を予め求める。
【0019】4) 以上の手順に従い、羽口から吹き込む
微粉炭の炭種あるいは吹き込み量を変更して、同様に搬
送用気体中の酸素含有量を変化させたときの微粉炭の羽
口先端燃焼率を予め求める。
【0020】5) 搬送用気体中の酸素含有量を変化させ
て微粉炭の羽口先端燃焼率を予め求めるときに、羽口の
内面に灰分が付着するか否かあるいは高炉送風圧力が変
動するか否かを調べる。その結果から、当該高炉におけ
る微粉炭の羽口先端燃焼率の基準値を予め求める。
【0021】 羽口の内面に灰分が付着し始めたとき
の微粉炭の羽口先端燃焼率を、当該高炉における上限の
基準値とする。
【0022】 高炉送風圧力が変動し始めたときの微
粉炭の羽口先端燃焼率を、当該高炉における下限の基準
値とする。
【0023】6) 実際の高炉操業に際し、当該高炉で使
用する微粉炭の炭種およびその吹き込み量を決定したと
き、微粉炭の羽口先端燃焼率が前記の上限の基準値と下
限の基準値の範囲内となるように、搬送用気体中の酸素
含有量を決定する。その後微粉炭吹き込みノズルから微
粉炭と酸素含有量を調整した搬送用気体を吹き込む。微
粉炭吹き込みノズルは搬送用気体と燃焼制御用気体を独
立に吹き込める構造になっているので、搬送用気体のみ
で必要な酸素量を供給できない場合には、同時に所定の
酸素含有量の燃焼制御用気体を独立に吹き込む。
【0024】7) 酸素含有量を調整した搬送用気体で微
粉炭を吹き込んで高炉を操業しているときに、さらにそ
の燃焼を抑制したい場合、あるいはその燃焼を促進した
い場合、微粉炭吹き込みノズルから燃焼制御用気体を独
立に吹き込む。
【0025】
【作用】本発明方法の特徴は、搬送用気体中の酸素含有
量を変化させて微粉炭の羽口先端燃焼率を予め求め、さ
らに当該高炉におけるその上限の基準値および下限の基
準をも予め求めておき、実際の高炉操業に際して、微粉
炭の炭種およびその吹き込み量を決定したとき、微粉炭
の羽口先端燃焼率を当該高炉の上限の基準値と下限の基
準値の範囲内として、微粉炭の燃焼に必要な酸素量を適
正に供給することにある。また高炉の操業中に、さらに
微粉炭の燃焼を抑制したい場合、あるいはその燃焼を促
進したい場合、同時に燃焼制御用気体を独立に吹き込む
ことにある。
【0026】当該高炉を模擬したレースウェイ燃焼試験
炉(炉床径が2000mm、羽口径が65mm、羽口〜ストックレ
ベルまでが2000mm)を用いて、微粉炭の羽口先端燃焼率
と当該高炉におけるその上限の基準値および下限の基準
値を予め求めた例を示し、実際の高炉操業に適用できる
ことを以下に説明する。
【0027】図1は、後述する実施例の高炉の羽口から
吹き込んだ微粉炭の羽口先端燃焼率と当該高炉における
その上限の基準値および下限の基準を示している。その
横軸は、搬送用気体中の酸素含有率を示し、酸素含有率
が0%のときは搬送用気体が窒素であることを意味し、
酸素含有率が21%のときは搬送用気体が空気であること
を意味する。その縦軸は、微粉炭の羽口先端燃焼率を示
す。図1では、揮発分(Volatile Matter 、以下、これ
を「VM」と記載する)が36%の微粉炭aとVMが18%の微
粉炭bをそれぞれ100kg/pig.ton (以下、「kg/pig.to
n」を「kg/p.t」と記載する)吹き込んだ時の搬送用気
体中の酸素含有率と微粉炭の羽口先端燃焼率との相関を
示していることになる。
【0028】また図1は、当該高炉における微粉炭の羽
口先端燃焼率の上限の基準値および下限の基準値をも示
している。上限の基準値とは、羽口の内面に灰分が付着
し始めたときの微粉炭の羽口先端燃焼率であり、微粉炭
の羽口先端燃焼率がこの上限の基準値以上になると常に
羽口の内面に灰分が付着する。下限の基準値とは、高炉
送風圧力が変動し始めたときの微粉炭の羽口先端燃焼率
であり、微粉炭の羽口先端燃焼率がこの下限の基準値以
下になると常に高炉送風圧力が変動する。
【0029】図1から、搬送用気体中の酸素含有率によ
り微粉炭の羽口先端燃焼率が変化すること、微粉炭の炭
種によりその羽口先端燃焼率のレベルに差があること、
さらに搬送用気体中の酸素含有率の適正な範囲が微粉炭
の炭種毎に異なることがわかる。すなわち、微粉炭の炭
種を変更し、搬送用気体中の酸素含有率を一定にしたま
までは、微粉炭の羽口先端燃焼率が異なってくる。した
がって、羽口の内面に灰分が付着したりあるいは高炉送
風圧力が変動するのを防止するために、搬送用気体中の
酸素含有率を適正に調整しなければならないこともわか
る。
【0030】図2および図3は、微粉炭吹き込みノズル
から微粉炭と酸素含有量を調整した搬送用気体を吹き込
んだ場合と、それに加えて同時に微粉炭の燃焼を促進し
または抑制する燃焼制御用気体を独立に吹き込んだ場合
との微粉炭の羽口先端燃焼率の比較を示している。
【0031】図2は、VMが36%の微粉炭aを100kg/p.t
と酸素含有率を変化させた搬送用気体を吹き込んだ場合
と、それに加えて同時に燃焼制御用気体として窒素(酸
素含有率が0%)を独立に供給した場合との微粉炭の羽
口先端燃焼率の比較である。
【0032】燃焼制御用気体として窒素を独立に供給す
ると微粉炭の羽口先端燃焼率を低下させ、微粉炭の燃焼
を抑制することがわかる。
【0033】図3は、VMが18%の微粉炭bを100kg/p.t
と酸素含有量を変化させた搬送用気体を吹き込んだ場合
と、それに加えて同時に燃焼制御用気体として酸素が多
量に含有する気体を供給した場合との微粉炭の羽口先端
燃焼率の比較である。燃焼制御用気体として酸素が多量
に含有する気体を独立に供給すると微粉炭の羽口先端燃
焼率を上昇させ、微粉炭の燃焼を促進することがわか
る。供給する燃焼制御用気体の酸素含有率が50%、さら
に 100%と増加する程、微粉炭の燃焼を促進する効果が
大きいこともわかる。
【0034】通常、搬送用気体中の酸素含有率のみを変
化させて、微粉炭の羽口先端燃焼率を調整するが、図2
および図3に示すように微粉炭吹き込みノズルから同時
に燃焼制御用気体を吹き込むことも効果的である。ま
た、防爆上の理由から、搬送用気体中の酸素含有量を制
限しなければならないときに、同時に微粉炭吹き込みノ
ズルから酸素を含有する燃焼制御用気体を独立に供給
し、全体として微粉炭の燃焼に必要な酸素を適正に供給
して、微粉炭の羽口先端燃焼率を調整することも可能で
ある。微粉炭の搬送用気体と、微粉炭の燃焼制御用気体
とを独立に吹き込む方法には、例えば後述の実施例の図
7で説明するような二重管の構造を有する微粉炭吹き込
みノズルを使用してもよいし、または搬送用気体の供給
管と燃焼制御用気体の供給管が隣接した構造を有する微
粉炭吹き込みノズルを使用してもよい。
【0035】搬送用気体として、空気、窒素あるいは酸
素が、酸素含有量の調整を容易にする意味で好ましい。
また燃焼制御用気体としては、特に限定しないが、微粉
炭の燃焼性を抑制するときには窒素が、微粉炭の燃焼性
を促進するときには空気または酸素を多量に含有する気
体が望ましい。
【0036】
【実施例】図6はこの実施例における高炉羽口微粉炭吹
き込み方法を示す概念図である。
【0037】ヤードに積んである石炭1を、石炭ホッパ
ー2に貯蔵し、その後ロータリーフィーダー3から所定
量を粉砕機4に供給し、粉砕し、混合する。次いで粉砕
機4に併設する熱風炉5から供給する熱風によって乾燥
させ、微粉炭とする。所定粒度、所定含水率の微粉炭
は、微粉炭用サービスホッパー6に貯蔵された後、微粉
炭吹き込みタンク7内で加圧される。一方、搬送用気体
は、空気8 、窒素9および酸素10のタンクから供給され
るが、その酸素含有率は供給装置11−1〜11−3により
調整される。酸素含有率が調整された搬送用気体は、混
合機12−1で混合され、微粉炭吹き込みタンク7内で加
圧された微粉炭を微粉炭吹き込みノズル16まで気体搬送
する。微粉炭吹き込みノズル16まで気体搬送された微粉
炭は、ブローパイプ13からの熱風と共に羽口15から高炉
14(内容積2700m3) に吹き込まれる。
【0038】微粉炭吹き込みノズル16は図7に示すとお
り二重管構造になっており、その内管16−1から微粉炭
と酸素含有率を調整した搬送用気体(X)が、さらにそ
の外管16−2から燃焼制御用気体(Y)が吹き込まれ
る。燃焼制御用気体は、搬送用気体である空気8 、窒素
9および酸素10のタンクから供給されるが、その酸素含
有率は供給装置11−4〜11−6により調整される。酸素
含有率が調整された燃焼制御用気体は、混合機12−2で
混合され、搬送用気体とは独立に微粉炭吹き込みノズル
16−2へ供給される。
【0039】本実施例では、微粉炭の炭種としてVMが36
%の炭種a、VMが18%の炭種b、VMが43%の炭種cを使
用した。その粒度を200mesh の微粉炭が約70重量%含有
するものとし、その含水率を0.5 %以下とした。
【0040】高炉への微粉炭の吹き込みに先立って、ま
ず第一に、吹き込みに使用した微粉炭の羽口先端燃焼率
を予め求めた。その方法は以下のとおりである。搬送用
気体中の酸素含有率を0〜25%の範囲で変化させ、前記
の粒度と含水率を有する微粉炭を50kg/p.t、100kg/p.t
および200kg/p.t の吹き込み量毎に、前述のレースウェ
イ燃焼試験炉の羽口から吹き込んだ。羽口先端で燃焼中
の微粉炭をサンプリングし、そのサンプリング試料を分
析して微粉炭の羽口先端燃焼率を求めた。その結果を図
1、図4および図5に示す。
【0041】次いで第二に、本高炉における微粉炭の羽
口先端燃焼率の基準値を予め求めた。その方法は以下の
とおりである。微粉炭の羽口先端燃焼率を予め求めると
きに、羽口の内面に灰分が付着するか否かあるいは高炉
送風圧力が変動するか否かを調べた。羽口の内面に灰分
が付着し始めたときの微粉炭の羽口先端燃焼率を、本高
炉における上限の基準値とした。また、高炉送風圧力が
変動し始めたときの微粉炭の羽口先端燃焼率を、本高炉
における下限の基準値とした。その結果を図1、図4お
よび図5に併記した。
【0042】本実施例の各試験Noにおける微粉炭の炭種
とその吹き込み量、微粉炭の搬送用気体の種類とその酸
素含有率、微粉炭の燃焼制御用気体の種類とその酸素含
有率および微粉炭の羽口先端燃焼率を表1に記載し、そ
の吹き込み条件下で微粉炭を高炉に吹き込んだ結果を表
1に併記した。高炉送風圧力の変動指数を、一定期間内
の送風圧力の変動量を基準化して求め、羽口の内面で灰
分が付着する回数を、羽口の覗き窓からカメラで観察し
て求めた。
【0043】
【表1】
【0044】試験No.1〜3 の場合の微粉炭の羽口先端燃
焼率は図1からそれぞれ30%、37%および26%であり、
図1に示す基準値の範囲内である。この吹き込み条件下
で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、高炉送風圧力の変
動指数が上昇したり、羽口の内面で灰分が付着すること
を防止できた。
【0045】試験No.4は、試験No.3と比較して微粉炭の
吹き込み量を半分にした場合である。試験No.3の搬送用
気体のままでは微粉炭の燃焼が促進させられる。微粉炭
の燃焼を抑制するため、試験No.3の搬送用気体に窒素を
追加し、搬送用気体中の酸素含有率を5%とした。その
場合の微粉炭の羽口先端燃焼率は図4から23%であり、
図4に示す基準値の範囲内である。この吹き込み条件下
で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、高炉送風圧力の変
動指数が上昇したり、羽口の内面で灰分が付着すること
を防止できた。
【0046】試験No.5は、爆発しやすい炭種cを200kg/
p.t 吹き込んだ場合である。防爆上の理由により、搬送
用気体中の酸素含有率を25%に制限する必要があったた
め、微粉炭吹き込みノズルの外管から酸素含有量が35%
の燃焼制御用気体を同時に吹き込んで微粉炭の燃焼の促
進を図った。搬送用気体と燃焼制御用気体を含めた状態
の酸素含有率は30%になる。その場合の微粉炭の羽口先
端燃焼率は図5から25%であり、図5に示す基準値の範
囲内である。この吹き込み条件下で微粉炭を高炉に吹き
込んだところ、高炉送風圧力の変動指数が上昇したり、
羽口の内面で灰分が付着することを防止できた。
【0047】試験No.6は、試験No.1と比較して微粉炭の
搬送用気体を空気に変更した場合である。搬送用気体中
の酸素含有率が試験No.1より増加し、21%になる。その
場合の微粉炭の羽口先端燃焼率は図1から47%であり、
図1に示す上限の基準値よりも高い。この吹き込み条件
下で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、高炉送風圧力の
変動指数が上昇し、かつ羽口の内面で灰分の付着が5回
/月観察された。
【0048】試験No.7は、試験No.1と比較して微粉炭の
吹き込み量を二倍に増加した場合である。試験No.1の搬
送用気体のままでは微粉炭の燃焼が抑制される。その場
合の微粉炭の羽口先端燃焼率は図5から 5%であり、図
5に示す下限の基準値よりも低い。この吹き込み条件下
で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、羽口の内面で灰分
の付着は観察されなかったものの、高炉送風圧力の変動
指数が上昇した。
【0049】試験No.8は、試験No.3と比較して微粉炭の
搬送用気体を窒素に変更した場合である。搬送用気体中
の酸素含有率が試験No.3より減少し、0%になる。その
場合の微粉炭の羽口先端燃焼率は図1から10%であり、
図1に示す下限の基準値よりも低い。この吹き込み条件
下で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、羽口の内面で灰
分の付着は観察されなかったものの、高炉送風圧力の変
動指数が上昇した。
【0050】試験No.9は、試験No.3と比較して微粉炭の
吹き込み量を半分に減少した場合である。試験No.3の搬
送用気体のままでは微粉炭の燃焼が促進させられる。そ
の場合の微粉炭の羽口先端燃焼率は図4から48%であ
り、図4に示す上限の基準値よりも高い。この吹き込み
条件下で微粉炭を高炉に吹き込んだところ、高炉送風圧
力の変動指数が上昇し、かつ羽口の内面で灰分の付着が
2.5回/月観察された。
【0051】上記のとおり、予め求めた基準値の範囲内
の羽口先端燃焼率をもつ微粉炭を吹き込めば、高炉送風
圧力の変動指数が上昇したり、羽口の内面で灰分が付着
することを防止できることがわかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、微粉炭の炭種あ
るいはその吹き込み量に応じて搬送用気体中または/お
よび燃焼制御用気体中の酸素含有率を制御するため、微
粉炭の羽口先端燃焼率を最適にできる。したがって、高
炉送風圧力の変動指数が上昇したり、羽口の内面で灰分
が付着するのを防止できるため、安定した高炉操業を実
施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微粉炭aと微粉炭bをそれぞれ100kg/p.t 吹き
込んだ時の搬送用気体中の酸素含有率と微粉炭の羽口先
端燃焼率との相関を示した図である。
【図2】微粉炭aとその搬送用気体を吹き込んだ場合
と、それに加えて同時に微粉炭aの燃焼制御用気体を独
立に吹き込んだ場合との微粉炭の羽口先端燃焼率の比較
を示している。
【図3】微粉炭bとその搬送用気体を吹き込んだ場合
と、それに加えて同時に微粉炭bの燃焼制御用気体を独
立に吹き込んだ場合との微粉炭の羽口先端燃焼率の比較
を示している。
【図4】微粉炭bを50kg/p.t吹き込んだ時の搬送用気体
中の酸素含有率と微粉炭の羽口先端燃焼率との相関を示
した図である。
【図5】微粉炭aと微粉炭cをそれぞれ200kg/p.t 吹き
込んだ時の搬送用気体中の酸素含有率と微粉炭の羽口先
端燃焼率との相関を示した図である。
【図6】本発明の実施例において、搬送用気体中または
/および燃焼制御用気体中の酸素含有率を制御して高炉
の羽口から微粉炭を吹き込む方法を示す概念図である。
【図7】同じく実施例で使用した微粉炭吹き込みノズル
の縦断面形状を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1は石炭、2は石炭ホッパー、3はロータリーフィーダ
ー、4は粉砕機、5は熱風炉、6は微粉炭用サービスホ
ッパー、7は微粉炭吹き込みタンク、8は空気、9は窒
素、10は酸素、11−1〜6は供給装置、12−1〜2は混
合機、13はブローパイプ、14は高炉、15は羽口、16は微
粉炭吹き込みノズル、16−1は微粉炭吹き込みノズルの
内管、16−2は微粉炭吹き込みノズルの外管である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の羽口から吹き込む微粉炭の搬送用
    気体中または/および燃焼制御用気体中の酸素含有量を
    調整して、微粉炭の羽口先端燃焼率を当該高炉における
    基準値の範囲内とすることを特徴とする高炉羽口微粉炭
    吹き込み方法。
  2. 【請求項2】 酸素含有量を調整した微粉炭の搬送用気
    体と、微粉炭の燃焼を促進しまたは抑制する燃焼制御用
    気体とを独立に吹き込んで、微粉炭の羽口先端燃焼率を
    当該高炉における基準値の範囲内とすることを特徴とす
    る高炉羽口微粉炭吹き込み方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110014585A (ko) * 2008-05-23 2011-02-11 풀 부르스 에스.에이. 고로로 미분탄을 공급하는 방법
JP2014031568A (ja) * 2012-07-12 2014-02-20 Jfe Steel Corp 高炉操業方法
JP2014084472A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Jfe Steel Corp 高炉操業方法
JP2014133943A (ja) * 2012-12-14 2014-07-24 Jfe Steel Corp 酸素富化率設定方法及び高炉操業方法

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