JPH0688092B2 - クランク軸の成形方法 - Google Patents

クランク軸の成形方法

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JPH0688092B2 JP63286540A JP28654088A JPH0688092B2 JP H0688092 B2 JPH0688092 B2 JP H0688092B2 JP 63286540 A JP63286540 A JP 63286540A JP 28654088 A JP28654088 A JP 28654088A JP H0688092 B2 JPH0688092 B2 JP H0688092B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、クランク軸の成形方法に関し、特には、改善
されたRR鍛造法およびTR鍛造法によるクランク軸の成形
方法に関するものである。
〔従来の技術〕
クランク軸をCGF(Continuous Grain Flow)鍛造する方
法として、RR鍛造法およびTR鍛造法が広く知られてい
る。
これら鍛造法に用いられるRRおよびTR鍛造装置を、第8
図および第9図に例示する。
第8図は、従来のRR鍛造装置の概要説明図であり、その
左方は素材を把持した成形開始時点、右方は成形終了時
点それぞれの状態を示す。
このRR鍛造装置は、図の右方に示すように、クロスヘッ
ド(50)の圧下力Pを、傾斜摺動板(51)を介して、把
持ダイス(53)を備えた一対の摺動台(52)に伝達さ
せ、その圧下力Pの水平方向の分力Fにて、部分加熱さ
れた軸状素材(60)のアーム部を軸方向に圧縮すると共
に、クロスヘッド(50)に連結された上ポンチ(55)に
て素材(60)のピン部を軸直角方向に押し下げて、素材
(60)の単位クランクスロー部を成形する構成とされて
いる。
また、把持ダイス(53)は、クロスヘッド(50)の両側
に設けたダイス押えシリンダ(54)にて一定の把持圧力
を付与される。そして、上ポンチ(55)は、ポンチシリ
ンダ(56)を介してクロスヘッド(50)に連結される一
方、その下方には、アンビルシリンダ(58)を介して台
盤(59)に連結された下ポンチ(57)が設けられてあ
り、成形過程におけるクランク素材(60)のピン部は、
これら上下ポンチ(55)、(57)にて上下より一定圧力
で把持される。
また、上ポンチ(55)の上端および下ポンチ(57)の下
端には、クロスヘッド(50)の下面および台盤(59)の
上面に当接して退没程度を規定する拡径ストッパパ部
(55a),(57a)が設けてあり、これにより上下ポンチ
(55)、(57)はクランク素材(60)ピン部を把持して
限定された範囲で昇降するものとされている。
上記従来のRR鍛造装置による成形方法を、図面を参照し
て概略説明する。
まず、第10図aに示すように、素材(60)のジャーナル
部(61)を対の把持ダイス(53)にて把持し、ピン部
(62)を上下ポンチ(55)(57)にて把持する。
次に、クロスヘッド(50)の圧下にて、対の摺動台(5
3)を内側に駆動し、第10図bに示すように、アーム
部(63)の予備圧縮を行なう。所定量の予備圧縮を行っ
た後に、ポンチシリンダ(56)の設定リリーフ圧を高く
変更して、その後退を停止させることで、上ポンチ(5
5)クロスヘッド(50)の圧下動に直動して圧下させ、
第10図cに示すように、ピン部(62)の押し下げを行
う。このとき、上ポンチ(55)上端に設けた拡径ストッ
パ部(55a)上面とクロスヘッド(50)下面との間に、
第10図aに示すように、所定の間隔Δlが残される。
クロスヘッド(50)圧下が進み、下ポンチ(57が下死点
に達したとき、上ポンチ(55)の圧下が停止すると共
に、ポンチシリンダ(56)が上方に押し戻され、第10図
dに示すように、上ポンチ(55)の拡径ストッパ部(55
a)上面とクロスヘッド(50)下面とが当接して、上記
遊び間隔Δlが解消され、クロスヘッド(50)の圧下が
停止する。また、この遊び間隔Δlが解消されるまでの
間に、軸方向の圧縮が進み、第10図eに示すように、
アーム部(63)の最終圧縮が行われる。
以上のように、この従来のRR鍛造装置によるクランク軸
の成形方法では、アーム部の予備圧縮工程、ピン部
の押し下げ工程、アーム部の最終圧縮工程の三段階か
らなる成形を実施することができる。
第9図は、従来のTR鍛造装置の概要説明図であり、その
左方は素材を把持した成形開始時点、右方は成形終了時
点それぞれの状態を示す。
このTR鍛造装置は、第9図の右方に示すように、クロス
ヘッド(70)の圧下力Pを、トグルコネクター(71)を
介して、把持ダイス(73)を組み込んだ一対の摺動台
(72)に伝達させ、その圧下力の垂直方向の分力にて把
持ダイス(73)の把持力を得る一方、水平方向の分力F
にて、部分加熱された軸状素材(75)のアーム部を軸方
向に圧縮すると共に、クロスヘッド(70)に連結された
ベンディングフォーク(74)にて素材(75)のピン部を
略直角方向に押し下げて、素材(75)の単位クランクス
ロー部を成形する構成とされてある。また、ベンディン
グフォーク(74)は、上端に設けた係合部(74a)を介
してクロスヘッド(70)に直結されている。
上記従来のTR鍛造装置を用る成形方法は、クロスヘッド
(70)に直結されたベンディングフォーク(74)にてピ
ン部の押し下げが行われ、その成形工程がアーム部の
予備圧縮工程と、ピン部の押し下との二段階からなる
点、および、クロスヘッド(70)と摺動台(72)間の加
圧力伝達手段が異なる点以外は、前記従来のRR鍛造装置
によるもと基本的に同様のものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来のRR鍛造装置によるクランク軸の成形
方法においては、下記の制約がある。
すなわち、アーム部総圧縮量Lとピン部押し下げ量sと
は、第7図のグラフに示す相関にあり、ピン部押し下げ
量sは、当該クランク軸のピン偏心量Sにて規定され、
またアーム部総圧縮量Lは、素材のアーム部の持込み元
長さに規定される。
さらに、ピン部の押し下げが、クロスヘッドの圧下動に
直動された上ポンチの圧下にて果たされ、かつその上ポ
ンチ長さが一定であるため、ピン部の押し下げ過程にお
けるアーム部圧縮量Δl0は、当該RR鍛造装置の傾斜摺動
板の傾斜角度αにて規定され、「ピン部押し下げ量s・
tanα」の式で示される一定値となる。
従って、アーム部の予備圧縮量Δl1と、最終圧縮量Δl2
とを所定の値に設定するには、素材のアーム部の持込み
元長さと外径を調整することが必要となる。
また、前記従来のTR鍛造装置によるクランク軸の成形方
法においても、ピン部の押し下げが、クロスヘッドに直
結されたベンディングフォークの圧下にて果たされ、か
つそのベンディングフォーク長さが一定であるため、ピ
ン部の押し下げ過程におけるピン部押し下げ量sとアー
ム部圧縮量Δl0の比が一定値となり、上記と同様な制約
を受ける。
一方、これら従来のクランク軸の成形方法においては、
アーム部の予備圧縮量Δl1および最終圧縮量Δl2と、ピ
ン部の押し下げ過程におけるピン部押し下げ量sとアー
ム部圧縮量Δl0との相関は、被成形素材の変形挙動を左
右し、その成形による製品の出来ばえに大きな影響を及
ぼす。
従って、これら従来のRRおよびTR鍛造装置でのクランク
軸の成形方法においては、その成形により所期の形状・
寸法の製品を得るには、予め素材のアーム部に加工を加
え、その長さと外径とを調整する予備成形が必要とな
り、また、成形対象とされるクランク軸の形状の如何に
よっては、素材の持込み量を増しておく等の対処を採ら
ざるを得なくなり、これらが、その成形に要する工数の
増加や、材料歩留りの低下を招く大きな要因となってい
た。また、このような問題は、相対的に寸法精度を高め
る必要のある比較的に小型のクランク軸を成形するに際
して、顕著となる。
本発明者等は、これらの問題点を解決すべく、種々の検
討を加えた結果、これら従来のRRおよびTR鍛造装置によ
る成形方法において、一定とされていたピン部の押し下
げ過程におけるアーム部圧縮量とピン部押し下げ量との
相関比を、可変なるものとするとき、成形対象のクラン
ク軸の製品形状にして適する成形が行い得ることに想至
して、これに更に検討を重ね、その成形過程におけるポ
ンチ長さを変可能することで該ポンチ下端の圧下速度を
クロスヘッドの圧下速度と異なるものとし、アーム部圧
縮量とピン部押し下げ量との相関比を、積極的に制御す
るという従来の技術にない観点より本発明をなしたもの
である。
すなわち、本発明は、用いる素材の予備成形を不要ない
しは簡易なものとし、かつ、その持込み量を抑制してな
お、高精度の成形が行い得るクランク軸の成形方法の提
供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成とさ
れている。すなわち、本発明のクランク軸の成形方法
は、部分加熱された丸棒状素材のピン部および該ピン部
両側のアーム部を挟む両側にあるジャーナル部を、一対
の把持ダイスにて把持し、これら把持ダイスを、クロス
ヘッドの圧下に連動させて互いに接近する方向に駆動す
ることで、素材の二つのアーム部を、その軸方向に圧縮
すると共に、これらアーム部間のピン部を、クロスヘッ
ドに連結されたポンチにて、素材の軸直角方向に押し下
げて、単位クランクスロー部を成形するクランク軸の成
形方法において、前記ポンチをクロスヘッドに連結され
る上部とピン部を押し下げる本体部とに上下に2分割す
ると共に、それらの間の成形対象のクランク軸のピン部
偏心量の略1/2とする小ストロークの中間シリンダを介
装し、この中間シリンダを作動させることでピン部の押
し下げ過程におけるポンチを伸縮させて、ピン部押し下
げ量とアーム部圧縮量との相関比を、所定の値に設定
し、ないしは、所定の変動値をもって変化させながら成
形することを特徴とする。
〔作用〕
本発明のクランク軸の成形方法では、ポンチをクロスヘ
ッドに連結される上部とピン部を押し下げる本体部とに
上下に2分割すると共に、それらの間に中間シリンダを
介装し、素材の二つのアーム部を軸方向に圧縮すると共
に、両者間のピン部をクロスヘッドに連結されたポンチ
で押し下げる過程で、その中間シリンダを作動させて該
ポンチを伸縮させるので、すなわちポンチの本体部の圧
下速度を、クロスヘッドの圧下速度と異なるものとする
ので、従来技術では一定とされていたピン部の押し下げ
過程におけるピン部押し下げ量とアーム部圧縮量との相
関比を広範囲に変更することができる。そして、ピン部
の押し下げ過程におけるピン部押し下げ量とアーム部圧
縮量との相関比を、所定の値に設定、ないしは、所定の
変動値をもって変化させることで、その成形過程におけ
る素材の変形挙動を制御し得て、当該クランク軸を精度
良く成形することがきる。
なお、本発明方法において、上下に2分割したポンチの
上部と本体部との間に介装する中間シリンダを、成形対
象のクランク軸のピン部偏心量の略1/2とする小ストロ
ークのものとしたのは、該ポンチを成形対象のクランク
軸のピン部偏心量の1/2を大きく越えて伸縮させなくて
も所期の目的を充分に達成でき、かつ小ストロークであ
るほどその制御が容易となるからである。従って、その
中間シリンダはピン部偏心量の1/2前後でより小なスト
ロークのものを適用する。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1実施例 第1図は本実施例のRR鍛造装置の概要を説明する正断面
図である。
第1図において、(1)はクロスヘッドであって、この
クロスヘッド(1)は、その両下側に一対の傾斜摺動板
(2)を備え、ここでは図示を省略したプレス本体の圧
下ラムにて圧下される。
また、このクロスヘッド(1)の下方には、一対の把持
ダイス(4)を取付けた一対の摺動台(3)が、下アン
ビル(5)上に摺動自在に支持されて配設されてあり、
これら対の摺動台(3)は、対の傾斜摺動板(2)を介
するクロスヘッド(1)の圧下力の水平方向の分力に
て、互いに接近する水平方向に駆動される。
一方、対の把持ダイス(4)は、クロスヘッド(1)の
両側に内設された一対のダイス押えシリンダ(9)によ
り一定の把持圧力を付与される。
(6)は上ポンチであって、この上ポンチ(6)は、対
の摺動台(3)の間の上下方向に配設され、その上端を
ポンチシリンダ(10)を介してクロスヘッド(1)に連
結されてある。また、この上ポンチ(6)は、ポンチシ
リンダ(10)を介してクロスヘッド(1)に連結される
ポンチ上部(6a)と、下端にピン係合部を有する本体部
(6b)とに上下に2分割されると共に、そのポンチ上部
(6a)と本体部(6b)との間に油圧式の中間シリンダ
(7)を着脱可能に介装してなる。また、そのポンチ上
部(6a)の上端には、クロスヘッド(1)の下面に当接
して退没程度を規定する拡径ストッパ部(6c)が設けて
ある。
この上ポンチ(6)の下方には、アンビルシリンダ(1
1)を介して下アンビル(5)に連結された下ポンチ
(8)が配設されてある。また、この下ポンチ(8)の
下端には、下アンビル(5)の下面に当接して退没程度
を規定する拡径ストッパ部(8a)が設けてある。
そして、ポンチシリンダ(10)はクロスヘッド(1)
に、アンビルシリンダ(11)は下アンビル(5)に、そ
れぞれ一体に内設されてあり、これらポンチシリンダ
(10)とアンビルシリンダ(11)とにより、上下ポンチ
(6)、(8)間に一定の把持圧力が付与される。
一方、上ポンチ(6)の中間シリンダ(7)は、ここで
は図示を省略した油圧装置に接続されてあり、また、そ
の油圧装置は、クロスヘッド(1)の圧下動を検出し
て、その圧下動に応じて圧油の供給・排出量を増減させ
る制御機構を備えており、この中間シリンダ(7)は、
この構成のもとで、クロスヘッド(1)の圧下動に応じ
て作動し、その圧下動に対して任意の比をもって当該上
ポンチ(6)を伸縮させることのできるものとされてあ
る。
上記構成の本実施例のRR鍛造装置によるクランク軸の成
形は、部分加熱された丸棒状素材(12)のピン部および
該ピン部両側のアーム部を挟む両側にあるジャーナル部
を、対の把持ダイス(4)にて把持し、これら把持ダイ
ス(4)を取付けた対の摺動台(3)を、クロスヘッド
(1)の圧下に連動させて互いに接近する方向に駆動す
ることで、素材(12)の二つのアーム部を、その軸方向
に圧縮すると共に、これらアーム部間のピン部を、クロ
スヘッド(1)に連結された上ポンチ(6)にて、素材
(12)の軸直角方向に押し下げて、単位クランクスロー
部を成形し、これを順次繰り返すことでクランク軸を成
形を完了するものである。また、そのピン部の押し下げ
過程において、中間シリンダ(7)を、クロスヘッド
(1)の圧下動に対応して作動させ、その圧下動に対し
て任意の比をもって上ポンチ(6)を伸縮させること
で、該上ポンチ(6)の本体部(6b)の圧下速度クロス
ヘッド(1)の圧下速度と異なるものとし、素材(12)
のピン部押し下げ量とアーム部圧縮量との相関比を、所
定の値に設定して、または、所定の変動値にて変化させ
ながら成形する。
すなわち、本実施例のRR鍛造装置によるクランク軸の成
形においては、アーム部の予備圧縮工程、ピン部の
押し下げ工程、アーム部の最終工程の三段階からなる
成形を実施することができ、更に、ピン部の押し下げ
工程における素材のピン部押し下げ量とアーム部圧縮量
との相関比を任意に設定することで、アーム部の予備
圧縮工程およびアーム部の最終圧縮工程における圧縮
率広範囲に調整することができる。
本実施例のRR鍛造装置によるクランク軸の具体的な成形
例を以下に述べる。
第3図aおよびそのA−A断面図である第3図bに示す
形状のクランクスロー部を有するクランク軸を成形し
た。
従来、この種の形状のクランク軸の成形では、第3図a
の斜線部fで示すバリ発生または斜線部a2および斜線部
a1で示す欠肉の発生が問題とされていたので、本成形に
先立ち、ストレートな丸棒な供試材とし、バリfおよび
欠肉a1、a2の発生と、予備圧縮率および最終圧縮率との
関係を調べた。
まず、ピン部押し下げ過程におけるアーム部圧縮量を調
整して、最終圧縮率(アーム部の総圧縮量に対する最終
圧縮量の比率)を0%とし、予備圧縮率を(アーム部の
総圧縮量に対する予備圧縮量の比率)0〜80%に変化さ
せて成形したところ、第4図aに示すように、予備圧縮
率の増加に伴い、バリfの量が増大すると共に欠肉a1
増大した。一方、予備圧縮率を0%とし、最終圧縮率を
0〜50%に変化させて成形したところ、第4図bに示す
ように、最終圧縮率の増加に伴い、バリfの量が減少
し、続いて欠肉a2が増大した、また、欠肉a1は一旦皆無
になった後に増大した。
次に、ピン部押し下げ過程でのアーム部圧縮量をアーム
部総圧縮量に対して30%に調整して、予備圧縮率と最終
圧縮率とを逆関係にて0〜70%に変化させて成形したと
ころ、第4図cに示すように、欠肉a1,a2共に発生せ
ず、かつ、バリfの発生が皆無ないしは僅少な領域が存
在することが確認できた。また、その領域での成形を達
成するために必要な上ポンチ(6)の伸縮量、すなわち
中間シリンダ(7)の有効ストロークは、当該クランク
軸のピン部偏心量の1/2を大きく越えることがなく、1/2
前後の小さなストロークで対応可能であることも確認す
ることができた。
この調査結果に基づき、本実施例のRR鍛造装置にて、ス
トレートな丸棒を素材として用い、かつ、予備圧縮率を
46%、最終圧縮率を20%に設定して、上記の形状のクラ
ンク軸を成形した。
また、上ポンチ(6)中間シリンダ(7)としては、当
該クランク軸のピン部偏心量の約1/2とする小さなスト
ロークのものを介装した。
得られたクランク軸は、欠肉a1,a2がなく、かつ、バリ
fも極少にしか認められれない良好なる形状のものであ
った。
なお、当該形状のクランク軸は、従来のRR鍛造装置によ
る成形では、予備成形を加えて段付軸状とされた素材を
用い、予備圧縮率を26%、最終圧縮率を0%ににて成形
されていた。この従来の成形によるものと比較して、本
実施例のものは、その材料歩留りを19%向上させると共
に、素材の機械加工費を大幅に削減することができた。
また、本実施例と同じ形状の素材を用い、従来のRR鍛造
装置にて成形した比較例においては、アーム部の外縁に
欠肉a1が発生した。
次いで、第5図aおよびそのA−A断面図である第5図
bに示す形状のクランクスロー部を有するクランク軸を
成形した。
この形状のクランク軸について、前述と同様に、欠肉が
発生せず、かつ、バリの発生が皆無ないしは僅少となる
領域を確認し、その結果に基づき、本実施例のRR鍛造装
置にて、ストレートな丸棒を素材として用い、予備圧縮
率を0%、最終圧縮率を10%に設定して成形した。
得られたクランク軸は、欠肉がなく、かつ、バリも極少
にしか認められない、良好なる形状のものであった。
なお、当該形状のクランク軸は、従来のRR鍛造装置によ
る成形では、予備成形を加えて段付軸状とされた素材を
用い、予備圧縮率を51%、最終圧縮率を0%ににて成形
されていた。この従来の成形によるものと比較して、本
実施例のものは、その材料歩留りを10%向上させると共
に、素材の機械加工費を大幅に削減することができた。
また、この実施例と同一形状の素材を用い、従来のRR鍛
造装置にて成形した比較例においては、第5図a中の矢
印Bで示すアーム部の外側面に、素材の折れ込みによる
欠陥が発した。
以上述べたように、本発明の成形方法によれば、その成
形過程における予備圧縮率および最終圧縮率を、当該ク
ランク軸の成形に最適な関係に設定し得て、素材の予備
成形を不要ないしは簡易なものとしてなお、精度良く成
形することができ、その歩留りの向上および加工費の低
減が図れる。
更に、例えば、第6図のグラフ中の曲線Aおよび曲線B
で例示するように、その成形過程における素材のアーム
部圧縮量とピン部押し下げ量との相関比を、変化させな
がら成形することで、各種形状のクランク軸を、より精
度良く成形することが可能となる。
また、本実施例のRR鍛造装置においては、上ポンチ
(6)の中間シリンダ(7)が、着脱可能に介装されて
あるので、当該装置を中間シリンダの付設有無の二態様
のいずれかに、任意に変換することができ、その機能が
限定されることがない。また、このことは、本実施例の
構成が、既設のRR装置にも容易に適用できることを意味
する。
なお、本実施例においては、上ポンチ(6)の中間シリ
ンダ(7)を着脱可能に設けたが、この中間シリンダ
(7)は、例えば、当該上ポンチ(6)のポンチ上部
(6a)または本体部(6b)のいずれか一方に一体に組み
込まれても良いことは言うまでもない。
第2実施例 第2図は本実施例のTR鍛造装置の概要を説明する要部を
切欠いた正面図である。
第2図において、(21)はクロスヘッドであって、この
クロスヘッド(21)は、その両下側に一対のトグルコネ
クター(22)を回動可能に設け、ここでは図示を省略し
たプレスにて圧下される。
クロスヘッド(21)の下方には、一対の把持ダイス(2
4)を取付けた一対の摺動台(23)が、下アンビル(2
5)上に摺動自由に支持されて配設されてあり、また、
対のトグルコネクター(22)の下端は、対の把持ダイス
(24)に回動可能に連接されてある。
これら対の摺動台(23)と把持ダイス(24)とは、対の
トグルコネクター(22)を介するクロスヘッド(21)の
圧下力の水平方向の分力にて、互いに接近する水平方向
に駆動される一方、垂直方向の分力にて把持ダイス(2
4)の把持力を付与される。
(26)はベンディングフォークであって、このベンディ
ングフォーク(26)は、上端をクロスヘッド(21)に直
結されて、対の摺動台(23)の間の上下方向に配設され
ている。また、このベンディングフォーク(26)は、上
端に設けた係合部を介してクロスヘッド(21)に直結さ
れるフォーク上部(26a)と、下端にピン係合フォーク
を有する本体部(26b)と上下に2分割されると共に、
そのフォーク上部(26a)と本体部(26a)との間に油圧
式の中間シリンダ(27)を着脱可能に介装してなる。
また、このベンディングフォーク(26)の下方には、下
アンビル(25)上に取付けられた下ピンダイイス(28)
が配設されてある。
一方、ベンディングフォーク(26)の中間シリンダ(2
7)は、ここでは図示を省略した油圧装置に接続され、
また、その油圧装置は、前述の第1実施例のものと同じ
制御機構を備えるものとされており、この中間シリンダ
(27)は、この構成のもとで、クロスヘッド(21)の圧
下動に応じて作動し、その圧下動に対して任意の比をも
って当該ベンディングフォーク(26)を伸縮させること
のできるものとされている。
上記構成の本実施例のTR鍛造装置では、前述の第1実施
例と同様に、ピン部の押し下げ過程でベンディングフォ
ークを伸縮させて、ピン部押し下げ量とアーム部圧縮量
との相関比を変更し、その成形過程における予備圧縮率
および最終圧縮率を対象とされるクランク軸の成形に適
するように設定または変化させ、それによって、用いる
素材の予備成形を不要ないしは簡易なものとしてなお、
精度良く成形することができ、その歩留りの向上および
加工費の低減が図れる。
〔発明の効果〕 以上に述べた如く、本発明に係るクランク軸の成形方法
によれば、その成形過程おける形状制御能力を高めるこ
とができて、用いる素材の予備成形を不要ないしは簡易
なものとし、かつ、その持込み量を制御してなお、高精
度の成形が可能となり、もって、その加工工数の低減、
歩留り向上および寸法精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例のRR鍛造装置の説明図、 第2図は本発明の第2実施例のTR鍛造装置の説明図、 第3図aは本発明の実施例のクランク軸の形状を示す
図、第3図bは第3図aのA−A断面図、 第4図a乃至第4図cは本発明の実施例に関わる説明
図、 第5図aは本発明の実施例のクランク軸の形状を示す
図、第5図bは第3図aのA−A断面図、 第6図は本発明に関わる説明図、 第7図は従来技術に関わる説明図、 第8図は従来のRR鍛造装置の説明図、 第9図は従来のTR鍛造装置の説明図、 第10図a乃至第10図eは従来のRR鍛造装置に関わる成形
工程説明図である。 (1)……クロスヘッド、(2)……傾斜摺動板、
(3)……摺動台、(4)……把持ダイス、(5)……
下アンビル、(6)……上ポンチ、(6a)……ポンチ上
部、(6b)……本体部、(6c)……拡径ストッパ部、
(7)……中間シリンダ、(8)……下ポンチ、(8a)
……拡径ストッパ部、(9)……素材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分加熱された丸棒状素材のピン部および
    該ピン部両側のアーム部を挟む両側にあるジャーナル部
    を、一対の把持ダイスにて把持し、これら把持ダイス
    を、クロスヘッドの圧下に連動させて互いに接近する方
    向に駆動することで、素材の二つのアーム部を、その軸
    方向に圧縮すると共に、これらアーム部間のピン部を、
    クロスヘッドに連結されたポンチにて、素材の軸直角方
    向に押し下げて、単位クランクスロー部を成形するクラ
    ンク軸の成形方法において、前記ポンチをクロスヘッド
    に連結される上部とピン部を押し下げる本体部とに上下
    に2分割すると共に、それらの間の成形対象のクランク
    軸のピン部偏心量の略1/2とする小ストロークの中間シ
    リンダを介装し、この中間シリンダを作動させることで
    ピン部の押し下げ過程におけるポンチを伸縮させて、ピ
    ン部押し下げ量とアーム部圧縮量との相関比を、所定の
    値に設定し、ないしは、所定の変動値をもって変化させ
    ながら成形することを特徴とするクランク軸の成形方
    法。
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