JPH0687397A - 自動車用インストルメントパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】エアバッグを内包したインストルメントパネル
でバッグ作動時ディプロイメントドアの開放でフロント
ガラスの損傷やバッグの展開を制限したりすることがな
い様にする。 【構成】ディプロイメントドア１１を構成している芯材
１２の一部に、そのドア強度を低下せしめる脆弱部１７
を設けてディプロイメントドアが開放動作して、該ディ
プロイメントドアがフロントガラス１０に当接したとき
の当接衝撃力を上記脆弱部で吸収し得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のインストルメ
ントパネル内、特に乗用車の助手席側のインストルメン
トパネル内にエアバッグ装置を内装するインストルメン
トパネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のインストルメントパネル
構造としては図１に示す如きものである。すなわち、１
はインストルメントパネル２の裏側に配置されているス
テアリングメンバーであって、このステアリングメンバ
ー１にはブラケット３が溶接手段によって固定されてお
り、さらにこのブラケット３には、インストルメントパ
ネル２内側に収められるエアバッグユニット４が保持さ
れている。

【０００３】またそのエアバッグユニット４の外側には
インストルメントパネル２に形成されているエアバッグ
膨出用開口部５を閉塞するディプロイメントドア６を支
持する支持アーム７と、そのディプロイメントドア６の
閉塞状態を保持する係止部８が取付けられているもので
あって、例えば車体が衝突等により異常な衝撃力の検知
によりエアバッグユニット４内の起爆剤が爆発して、エ
アバッグを膨らませ、その膨らんだエアバッグは、ディ
プロイメントドア６を、ヒンジ部９を境に鎖線で示すよ
うに押し上げて開口部より搭乗者方向へ膨出（飛び出
す）されて搭乗者の安全を図るものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところがかかる構造の
インストルメントパネルにあっては、エアバッグの膨出
を行なうための開口部５を閉塞するためのディプロイメ
ントドア６が設けられているが、この従来のエアバッグ
用ディプロイメントドア６の構造にあっては、エアバッ
グの膨出時におけるその膨出力で、ディプロイメントド
ア６が塑性変形し、インストルメントパネル２上方に向
かって開いた際、そのディプロイメントドア６の先端が
フロントガラス１０に接触し、その反力で跳ね返された
ディプロイメントドア６の作用でバッグの展開を妨げた
り、フロントガラス１０を損傷するという不具合があっ
た。この問題を解決するため、ドア形状を小さく（車両
前後方向の寸法を小さく）することが考えられてきた
が、インストルメントパネル２のバッグ膨出部５を狭め
てしまい、バッグ展開に支障をきたしてしまうという問
題点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はかかる従来の問
題点に着目してなされたもので、ディプロイメントドア
を構成している芯材の一部に、そのドア強度を低下せし
める脆弱部を設けてディプロイメントドアが開放動作し
て、該ディプロイメントドアがフロントガラスに当接し
たときの当接衝撃力を上記脆弱部で吸収し得るようにし
て上記問題点を解消することのできるインストルメント
パネルを提供することにある。

【０００６】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明するが、本実施例の構造と、従来例で説明した
構造との同一部分は、従来例で使用した符号を付してそ
の同一構造部分の構造説明は省略する。

【０００７】すなわち本発明の要旨はディプロイメント
ドア１１の構造に特長を有するものであって、その他の
構造は従来例と同様である。

【０００８】図２，図３においてディプロイメントドア
１１は、硬質樹脂又は金属板よりなる芯材１２と、この
芯材１２の表側に発泡形成されている発泡層１３と、該
発泡層１３の表面に被着されている表皮１４とからなっ
ているが、上記芯材１２の一側端縁部に形成されている
ヒンジ部１５と、その反対側端縁である先端縁１６との
略中間部に、上記ヒンジ部１５と略平行するスリット１
７を設けて、芯材１２に、スリト１７による脆弱部を施
したものである。

【０００９】このように、ディプロイメントドア１１の
芯材１２において、ヒンジ部１５と略平行するスリット
１７による脆弱部を設けることにより、エアバッグ装置
の動作時に、エアバッグの膨出力でディプロイメントド
ア１１は、その内側より押出力を受けて、ヒンジ部１５
が塑性変形し、開口部５が開口する。このとき、ディプ
ロイメントドア１１の先端縁１６がフロントガラス１０
面に接触するがこの接触時における衝撃力で、芯材１２
に設けた脆弱部が折れ曲り変形し、この脆弱部によって
上記フロントガラス１０との衝撃力すなわちディプロイ
メントドアの持つ運動エネルギーが吸収され、これによ
りディプロイメントドア１１が、フロントガラスに跳ね
返えされたりフロントガラスを損傷するといった事故を
未然に防止することができる。

【００１０】上記実施例では、ディプロイメントドア１
１の芯材１２に設けた脆弱部をスリットで形成したがこ
れに限られるものではなく、例えば図４、図５、図６、
に示すように凸条又は凹条のビード１８によって脆弱部
を構成するものであってもよい。またこの実施例では、
ビードの配置は連続した１条のものとなしているが複数
個のビードを複数条に、また非連続に設けるようにして
もよい。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明は、芯材１１上に発
泡層１３、表皮１４の順で形成されるエアバッグ用ディ
プロイメントドア１１において、上記芯材１２の一側端
縁に形成されているヒンジ部１５とその反対側端縁１６
との間に、上記ヒンジ部１５と略平行方向に形成される
脆弱部１７又は１８を設けたインストルメントパネルで
あるから、これによれば上記芯材１２に設けた脆弱部に
よって、上記ディプロイメントドアの開放時において生
じる上記フロントガラス１０との衝撃力すなわちディプ
ロイメントドアの持つ運動エネルギーが吸収され、これ
によりディプロイメントドア１１が、フロントガラスに
跳ね返えされたりフロントガラスを損傷するといった事
故を未然に防止することができるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例のインストルメントパネルを示した構造
説明図。

【図２】本発明実施例のインストルメントパネルを示し
た構造説明図。

【図３】本発明実施例のドア芯材を示した斜視図。

【図４】本発明の他の実施例のドア芯材を示した斜視
図。

【図５】本発明実施例の脆弱部の説明図。

【図６】本発明実施例の脆弱部の説明図。

【符号の説明】

１１…ディプロイメントドア １２…芯材 １３…発泡層 １４…表皮 １５…ヒンジ部 １６…先端縁 １７…スリット １８…ビード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯材（１１）上に発泡層（１３）、表皮
   （１４）の順で形成されるエアバッグ用ディプロイメン
   トドア（１１）において、上記芯材（１２）の一側端縁
   に形成されているヒンジ部（１５）とその反対側端縁
   （１６）との間に、上記ヒンジ部（１５）と略平行方向
   に形成される脆弱部（１７）又は（１８）を設けたこと
   を特徴とする自動車用インストルメントパネル。