JPH0685852B2 - フィルタ材の製造方法 - Google Patents

フィルタ材の製造方法

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JPH0685852B2
JPH0685852B2 JP2278487A JP27848790A JPH0685852B2 JP H0685852 B2 JPH0685852 B2 JP H0685852B2 JP 2278487 A JP2278487 A JP 2278487A JP 27848790 A JP27848790 A JP 27848790A JP H0685852 B2 JPH0685852 B2 JP H0685852B2
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filter material
mask
water
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hap
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亨 中島
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ベステクス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、それ自体あるいは他の支持体と共にマスクを
形成するフィルタ材の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来のマスク用フィルタ材は、単に繊維で構成したメッ
シュ層を所定の厚さにしたのみのものがあった。またガ
ス吸着性能を増すために、繊維のみからなるフィルタ材
で活性炭などのガス吸着剤をサンドイッチしてなるもの
があった。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来のフィルタ材は塵埃、異臭ガス成分の吸着能は
向上させることができるが、ウイルス、バクテリア、真
菌、花粉などの病原性あるいは抗原性微粒子はほとんど
吸着できないことが培養試験により確かめられている。
そのため、上記従来のフィルタ材を使用したマスクで
は、手術中手術者の呼気中のウイルス、バクテリア、真
菌などを患者に放散しないとか、患者から飛散してくる
体液液、血液のミストに含まれたウイルス、バクテリ
ア、真菌などを手術者の前でカットすることができない
ため、手術用マスクには向かないという欠点がある。
さらに、スギなどの花粉を遮断することもほとんどでき
ないため、近年とくに問題となっている花粉症用のマス
クとしても利用できないという欠点がある。
本発明はかかる欠点を解消し、手術用マスクや花粉症用
のマスクとして利用できるよう、ウイルス、バクテリ
ア、真菌、花粉など人体に医学的/生化学的に影響を及
ぼす病原性あるいは抗原性微粒子の通過を高性能、高能
率で阻止するフィルタ材の製造方法を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明は、0.5〜30重量パー
セントの多孔性アパタイト顆粒および0.5〜15重量パー
セントの水溶性グルカンを水に分散、溶解してなる処理
液に、繊維製濾材を浸漬したのち、乾燥しヒートセット
することとした。
(作用) 多孔性アパタイトは、高表面活性化して孔内に微粒子を
取り込むほか、イオン結合、水素結合、ファンデルワー
ルス力による、あるいは双極子モーメント間の相互作用
による多様な結合様式とコンホメーションにより、原核
細胞、真菌、花粉などを吸着する。
グルカンの分子中の豊富な水酸基(‐OH)と、真菌、花
粉などの表面糖鎖やムコ多糖体との水素結合により真
菌、花粉などを吸着する。
本発明方法になるフィルタ材は、さらにグルカンやアパ
タイト分子の水酸基などが次々に水素結合していって多
重結合となりネットワークを拡大していく。そして、あ
たかも蜘蛛の巣の糸に獲物がかかるかのように微粒子を
捕獲しやすくなる。
このような上記両物質それぞれの物理化学的構造と物性
による作用、おそび両者の相乗により病原性あるいは抗
原性微粒子を吸着する能力が格段に向上する。
(実施例) 以下、実施例につき説明する。
本発明は、0.5〜30重量パーセントの多孔性アパタイト
顆粒および0.5〜15重量パーセントの水溶性グルカンを
水に分散、溶解してなる処理液に、繊維製濾材を浸漬し
たのち、乾燥しヒートセットする。多孔性アパタイトの
量を上記のように限定したのは、30重量パーセントを越
えると通気性が悪くなり、0.5重量パーセント以下では
抗原性微粒子を吸着する能力に実用性がなくなるからで
ある。同様に水溶性グルカンの量を限定したのも、15重
量パーセントを越えると通気性が悪くなり、0.5重量パ
ーセント以下では抗原性微粒子を吸着する能力が実用上
小さすぎるからである。
繊維製濾材は、天然繊維あるいは合成繊維、あるいはこ
れらの複合系で構成した織布、不織布あるいは綿状の繊
維体からなる。
多孔性アパタイトとしては、その表面を被吸着微粒子の
サイズと同等または大なるポア径を付与して多孔性に形
成したハイドロキシカルシウムアパタイト(以下「HA
P」という)、またはフッ化アパタイト(以下「FAP」と
いう)、HAPとFAPの混合体のいずれかを顆粒にしたもの
が最適である。この多孔性アパタイトを作るには、焼結
前にポリビニルアルコールなどのガス発生物質を混入す
ればよい。このHAP、FAPといった高表面活性化された無
機粒子は、小型のバクテリア(原核細胞)、ウィルス
(DNA,RNA)などの抗原性を持つ類似の核酸分子を捕獲
吸着する。
水溶性グルカンとしては、例えば分子量3万〜30万程度
のトリオースを用いる。トリオースはそれ自体が飛来通
過する病原性あるいは抗原性微粒子を捕獲吸着するほ
か、繊維表面との結合の仲介をする分子でもある。トリ
オースは、分子中に豊富に水酸基をもち、胞子、花粉、
真菌といった表面が糖鎖やムコ多糖体でおおわれた構造
の粒子を水素結合などの作用により捕獲吸着する。
さらに上記多孔性アパタイト、水溶性グルカンの二要素
の他に第3の要素として、繊維間と上記二要素との結合
性を強固にするため、低分子量のポリビニルアルコール
などを加えてもよい。第4の要素としてZn,Cu,Agなどの
抗菌性の強い金属を、HAPのCaと置換したりHAPの結晶格
子間に挿入した、いわゆる抗菌性HAPを混入して、抗菌
性を増してもよい。
以上の方法により作製したフィルタ材を使用したマスク
は、呼吸のようにフィルタ材中を通過する気体の速度が
速いものでも、病原性あるいは抗原性微粒子を確実に捕
獲吸着できる。
より具体的に本発明の好ましい実施例を以下に例示す
る。
ポリエステルファイバとセルロースファイバの混合系で
作った不織布(厚さ1mm)を、分子量約10万のトリオー
ス・グルカンの0.5〜15重量パーセント水溶液中に、0.5
〜30重量パーセントのHAP顆粒を加え分散した溶液中に
浸し、グルカンとHAPを繊維表面に充分に吸着させたの
ち、約150℃でヒートセットする。そののち10cm×5cmに
切断してマスク要素片として用いる。
上記HAP顆粒は、CaとPの化学量論比Ca/Pが1.0以上好ま
しくは1.67のもので、焼結して表面を多孔性にしたもの
で、中心粒径50ミクロンの粒径分布を持ち、1グラム当
りの表面積約10m2である。かかるHAP顆粒を実施例では
約3重量パーセントとし、トリオース・グルカンは3重
量パーセントとした。
HAPが弱い水素結合や静電結合等で結合しているだけで
は、折り曲げを繰り返すうちに結合が切れやすくなる。
ヒートセットは、繊維のネットワーク構造を加熱プレス
して構造を密にしてこの切れやすい結合を物理的に補強
するものである。ヒートセットにより結合水は抜け出さ
ず、自由水のみ追い出されるので、マスクとしての吸着
能が向上するという効果もある。
こうしてなるフィルタ材を、10cm×5cmに切断してマス
ク要素片とする。人の呼吸時の標準流量40dm3/分に合わ
せた流量で1cm3中約4個の枯草菌を分散して作った汚染
ミストモデルを用いて、このマスク要素片を通過阻止性
能をテストした。相対湿度70%、洗浄度クラス10000の
空間でのテストで、1時間積分通過量中通過菌数は1個
以下を実現した。これは概算換算でクラス1000以下の清
浄空間を意味するもので、効果は驚くべきものである。
一般的に、クラス10000の居住空間では粒径0.2〜30ミク
ロンのバクテリアは1m3中に数十個と言われているの
で、実際上の条件ではほとんど通過菌は存在しないと見
てよい。また、さらに阻止能を上げるには、フィルタ材
を二重に重ねるとよい。
本発明方法になるフィルタ材は、微粒子吸着性能が非常
に優れているので、マスク以外の各種の目的のフィルタ
材としても有用である。
(発明の効果) 本発明は以上のごとき多孔性アパタイトおよびグルカン
をフィルタ材にコーティングするので、医用などの厳し
い条件下で、また花粉症などの季節的悪条件下で飛来す
る病原性あるいは抗原性微粒子を効果的に捕獲し、高機
能のマスキング/フィルタリング効果を発揮するので、
マスク材として有用であるという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5〜30重量パーセントの多孔性アパタイ
    ト顆粒および0.5〜15重量パーセントの水溶性グルカン
    を水に分散、溶解してなる処理液に、繊維製濾材を浸漬
    したのち、乾燥しヒートセットすることを特徴とするフ
    ィルタ材の製造方法。
JP2278487A 1990-10-17 1990-10-17 フィルタ材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0685852B2 (ja)

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