JPH0684760U - 磁石ローター - Google Patents

磁石ローター

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JPH0684760U
JPH0684760U JP3112693U JP3112693U JPH0684760U JP H0684760 U JPH0684760 U JP H0684760U JP 3112693 U JP3112693 U JP 3112693U JP 3112693 U JP3112693 U JP 3112693U JP H0684760 U JPH0684760 U JP H0684760U
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cylindrical
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初太郎 米満
健雄 多田
重郎 杉浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒状磁石部品の内周面の形状を工夫するこ
とで円筒状磁石部品と金属製又は樹脂製のシャフト固定
用部品との固着強度を向上させ、回転あるいは振動によ
りシャフト固定用部品が円筒状磁石部品の両開口方向の
いずれからも飛び出さない構造とする。 【構成】 シャフト23を設けた金属製又は樹脂製のシ
ャフト固定用部品22を円筒状磁石部品21の内側に固
定した構造を持ち、円筒状磁石部品21の端部の内径寸
法を、当該端部より内側の内径寸法最大値より小さく形
成し、シャフト固定用部品22を円筒状磁石部品21の
内側に挿入乃至圧入し、シャフト固定用部品22の外周
面と磁石部品21の内周面とを充填材32で結合固定し
た構成である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ステッピング・モーター等の小型モーター、回転センサー、タイマ ー、小型時計等の永久磁石回転子に使用するシャフト付きの磁石ローターに関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来、シャフト付きの磁石ローターは、磁石部品及びシャフトをインサート射 出成型により樹脂で一体化した構造が一般的であった。しかし、磁石部品とシャ フトとの一体化をインサート射出成型で行う場合には、射出成型の樹脂注入の際 に強い衝撃力が発生し、磁石部品がフェライト等のセラミックスであると割れて しまう欠点があった。
【0003】 この欠点を改善するための第1従来例として、本出願人が特開昭63−114 550号で開示した磁石ローターがある。この第1従来例における磁石ローター は、図9の如く、シャフト固定用部品として、径の異なる二重の円筒状部2,3 を同心状に有し、外側の円筒状部2に3個以上の同一高さの突条5を軸方向に細 長く形成した金属部品1を用い、該金属部品1の中心穴8にシャフト9を圧入固 着するとともに、前記外側の円筒状部3を円筒状(円環状)の磁石部品10の内側 に圧入して一体化した構造であった。
【0004】 また、この第1従来例では、円筒状磁石部品10の両端部の内径寸法d1,d2間 に差を設け、内径が一端から他端に向かって減少(図9では上から下に向かって 減少)するごとく形成した円筒状磁石部品10の、内径が大きい開口端部(内径d1 )から、内径が小さい端部(内径d2)に向けて、シャフト9と一体化した二重円筒 状部2,3を有する金属部品1を、円筒状磁石部品10の内側に圧入する構造が 開示されている。また、必要に応じ接着剤6を設ける。
【0005】 また、第2従来例として、本出願人が実願平3−102931号で提案した磁 石ローターを図10に示す。この第2従来例における磁石ローターは、磁石部品 の割れの発生防止や円筒状磁石部品11の外周面中心とシャフト13の中心との 一致の精度を向上させるため、円筒状磁石部品11内周面の金属部品12圧入側 端部に当該円筒状磁石部品11の開口に向けて広がるテーパー面14を形成し、 前記金属部品12の外周に前記テーパー面14に圧接する突部17を3個以上形 成して、前記金属部品12を前記円筒状磁石部品11の内側に圧入し、テーパー 面14に突部17を圧接させ、さらに磁石部品11の内周面と金属部品12の外 周面との隙間に接着剤6を注入して磁石部品11と金属部品12との固定を行っ ている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記第1従来例では、円筒状磁石部品10両端部の内径寸法d1,d2 に差を設けたテーパー状の内周面を形成し、上記第2従来例では、円筒状磁石部 品11の内周面に開口に向けて広がるテーパー面14を形成し、それぞれ該円筒 状磁石部品10,11の内側に金属部品4,12を圧入固定し、接着剤6で磁石 部品10,11と金属部品4,12を接着する構成としているが、それぞれの磁 石ローターは、実際の使用上において以下のような問題点が生じている。
【0007】 前記の従来構造では、回転している磁石ローターのスラスト方向(軸方向)応力 により、磁石部品の内周面開口に向けて広がるテーパー面の開口方向に金属部品 が抜けてしまうことがあった。さらに、加熱と冷却に繰り返しさらされていると 、磁石部品、金属部品、接着剤のそれぞれの熱膨張係数の違いにより、磁石部品 と金属部品との間の圧接部分及び接着部分に剥がれ、がたつきが生じ、そのため 回転している磁石ローターより開口した一方向に金属部品が飛び出しモーターが 止まってしまう欠点があった。
【0008】 本考案は、上記の点に鑑み、円筒状磁石部品の内周面の形状を工夫することで 円筒状磁石部品と金属製又は樹脂製のシャフト固定用部品との固着強度を向上さ せ、回転あるいは振動によりシャフト固定用部品が円筒状磁石部品の両開口方向 のいずれからも飛び出さない構造の磁石ローターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の磁石ローターは、シャフトを設けた金属 製又は樹脂製のシャフト固定用部品を円筒状磁石部品の内側に固定する場合にお いて、前記円筒状磁石部品の端部の内径寸法を、当該端部より内側の内径寸法最 大値より小さく形成し、前記シャフト固定用部品を前記円筒状磁石部品の内側に 挿入乃至圧入し、前記シャフト固定用部品の外周面と前記磁石部品の内周面とを 充填材で結合固定した構成としている。
【0010】 前記磁石部品の両端部の内径寸法は、等しく形成しても、異なるように形成し てもよい。
【0011】 前記シャフト固定用部品は、内周面が前記シャフトを設けた中心穴となる内側 円筒状部と、外側円筒状部とを同心状に備えるものであってもよいし、円柱状で あってもよい。
【0012】 前記シャフト固定用部品は前記磁石部品の内周面に圧接する突部を2個以上有 する場合もある。この場合において、前記突部が前記磁石部品の両端部のうち内 径寸法の小さい方の端部に圧入により圧接されるようにするとよい。
【0013】 前記シャフト固定用部品の外周面にローレットを設ける構成も採用できる。
【0014】
【作用】
本考案の磁石ローターにおいては、円筒状磁石部品の端部の内径寸法を、当該 端部より内側の内径寸法最大値より小さく形成したことにより、円筒状磁石部品 の内周面は中間部より両方の端部に向けて内径寸法が小さくしぼりこまれた部分 を有することになり、円筒状磁石部品の内側に配置された金属製又は樹脂製のシ ャフト固定用部品の一方の外周端部が円筒状磁石部品の端部に向かってしぼりこ まれた内周面に接し、さらにしぼり込まれた内周面に対し充填材で結合固定され ることになるため、衝撃、振動、熱膨張によりシャフト固定用部品が円筒状磁石 部品の内径がしぼりこまれた方向に抜けでることがない。一方、シャフト固定用 部品の反対側の外周端部も、円筒状磁石部品の端部に向かってしぼりこまれた内 周面に対して充填材で結合固定されていることにより、シャフト固定用部品が端 部に向かって抜け出ることを防止している。すなわち、円筒状磁石部品の両開口 方向のいずれにもシャフト固定用部品が抜け出さない構造になっている。
【0015】 また、シャフト固定用部品と円筒状磁石部品が接触乃至圧接する部分が、開口 に向かってしぼりこまれた部分だけに限定されて従来構造よりも挿入乃至圧入距 離が短くてすみ、シャフト固定用部品は抵抗少なく容易に挿入可能で、固着工程 が極めて簡単であり、組立時に大きな衝撃が円筒状磁石部品に加わることが無い ので、円筒状磁石部品の割れが発生しない。
【0016】 さらに、円筒状磁石部品と金属部品の一体化の際に、磁石部品の中心とシャフ トの中心を一致させながら挿入乃至圧入する作業が容易で、充填材で結合固定す ることによりシャフトの中心精度を維持でき信頼性の向上が図れる。
【0017】
【実施例】
以下、本考案に係る磁石ローターの実施例を図面に従って説明する。
【0018】 図1及び図2は本考案の第1実施例を示している。これらの図に示すように、 磁石ローターは、円筒状(円環状)の磁石部品21が軟質金属製あるいは樹脂製の シャフト固定用部品22を介してシャフト23と一体化された構成となっている 。
【0019】 前記磁石部品21は、例えば、機械的な強度が弱く、内径寸法精度が出しにく い外周極異方性(図2中、点線で示す如く外周面の磁極を結ぶ方向に磁気異方性 が存在するもの)焼結フェライト磁石、外周極異方性希土類金属磁石等の円筒状( 円環状)永久磁石である。この場合、円筒状磁石部品の外周面を研摩加工し、外 周及び内周端縁に面取り25を施すとともに、内周面24を両端部の内径が中心 部の内径より小さくなるように形成する。この内周面24は、図1の円筒状磁石 部品21の縦断面に示すように、中心部(端部より内側部分)より端部に向かって 内径を曲線的に小さくしぼりこんでいる。内周面24の形状は機械加工、成型加 工、成型条件、焼結条件等を適宜選択し所望の寸法にする。円筒状磁石部品21 の両端部の内径寸法は等しくとも異なっていてもよいが、この第1実施例では円 筒状磁石部品21の両端部の内径寸法が概ね等しい場合を図示している。
【0020】 前記シャフト固定用部品22の後端面には円環状の凹部26が形成されていて 、前記円筒状磁石部品21の内周面24に対して圧入により圧接する部分に対応 したシャフト固定用部品22の後端部分が、同心の外側円筒状部27及び内側円 筒状部28で構成されるようになっている。そして、内側円筒状部28の中心に 前記シャフト23が圧入される中心穴29が形成されており、外側円筒状部27 の外周面には、幅0.5mm乃至数mmで軸方向に細長い同一高さ、例えば約0.5mm の突部30が少なくとも2個以上等角度間隔で形成されている。当該突部30は 前述した円筒状磁石部品21内周の端部に向かってしぼりこまれた内周面24の 一部に圧接する。そして、突部30の設けられていない部分は、高温時にシャフ ト固定用部品22が膨張した際に磁石部品21を割らないようにするための逃げ となる。また、シャフト固定用部品22の外周は途中で径が異なっており、突部 30を有する端部側の外周面より突部30のない端部側の外周面の方が径が小さ く、両者の間に段差31が形成されている。これらの両外周面の外径は、磁石部 品21内径より小さく設定されており、磁石部品21の内径寸法が異なっても突 部30を有する端部以外は抵抗なく容易に挿入可能にするとともに、圧入後の充 填材32の注入を容易とする。
【0021】 なお、前記シャフト固定用部品22の突部30を有する端部において、シャフ ト23を囲む内側円筒状部28と突部30を外周に有する外側円筒状部27の径 の異なる2重の同心状円筒状部を有する如く円環状の凹部26を形成しておいた が、これは、シャフト固定用部品22の圧入時に、突部30と内周面24とが圧 接する際の余分な圧力をこの部分が変形することで吸収し、磁石部品21に割れ が発生するのを防止するためのものである。
【0022】 以上のような形状のシャフト固定用部品22は、金属製の場合、アルミ、銅 、亜鉛等の軟質金属の冷間鍛造(インパクト鍛造)や鋳造、ダイカスト等により量 産性よく安価に得ることができ、樹脂製の場合、ナイロン、PPS等の熱可塑性 樹脂の射出成型やエポキシ、フェノール等の熱硬化性樹脂の圧縮成形により量産 できる。また、樹脂製の場合、樹脂とシャフト23の一体成形(射出成形、圧縮 成形等)により同軸度に優れたシャフト固定用部品22を供給できる。
【0023】 前記シャフト23は、例えばステンレス等の円柱状金属棒であり、前記シャフ ト固定用部品22の中心穴29に圧入固着されて、シャフト固定用部品22と一 体化される。シャフト23を一体化したシャフト固定用部品22は、円筒状磁石 部品21の端部から内側に挿入し、磁石部品21の内周面と突部30を圧接させ ることで磁石部品21とシャフト23がシャフト固定用部品22を介して一体化 される。この圧入に際して、シャフト固定用部品22の突部30を有する側と突 部30の無い側のどちらからも圧入してよいが、突部30を有する側から先に圧 入すると固着強度に優れ、突部30の無い側から先に圧入するとシャフト23と 円筒状磁石部品21の同軸度に優れたものが得られる。
【0024】 この圧入の際、シャフト固定用部品22の外側円筒状部27に形成された突部 30は、磁石部品21の内部に圧接され、磁石部品21に強い力を及ぼすが、突 部30の変形及び外側円筒状部27の変形により応力が吸収され磁石部品21の 割れ発生の恐れがほとんどない。
【0025】 円筒状磁石部品21とシャフト固定用部品22の圧入固定後、圧接部分の反対 側の円筒状磁石部品21の端部開口より、充填材32、例えば熱硬化性樹脂接着 剤、常温硬化性樹脂接着剤、低融点金属充填材を注入し、前記円筒状磁石部品2 1の内周面とシャフト固定用部品22の外周面とを結合固着する。
【0026】 また、上述のシャフト固定用部品22の圧入固着操作及び充填材32の注入操 作を、円筒状磁石部品21の外周面位置決め治具とシャフト23の軸位置決め治 具を用い、円筒状磁石部品21の外周面を基準とし、該外周面中心とシャフト2 3の中心とを一致させた状態で実行することにより、シャフト23の中心精度を 向上させることができる。
【0027】 さらに、圧入固着操作により円筒状磁石部品21とシャフト23の同軸度を確 保した後、次工程にて充填材32を注入し、磁石部品21とシャフト固定用部品 22を固着してもよい。円筒状磁石部品21の端部の内径寸法より中心部の内径 寸法を大きく設定しているため、シャフト固定用部品22の圧入に伴う圧接部分 が少なく、圧入固着操作時の圧接に起因するシャフト23の中心ずれが無く、よ り高い同軸度が得られる。
【0028】 以上のように、本考案の第1実施例によれば、両端部の内径が中心部より曲線 的に小さくしぼりこまれた内周面24を有する円筒状磁石部品21を用い、シャ フト23と一体化されたシャフト固定用部品22を前記円筒状磁石部品21に圧 入するとともに、円筒状磁石部品21の内周面24とシャフト固定用部品22の 外周面との間隙に充填材32を充填硬化して、円筒状磁石部品21とシャフト固 定用部品22とを一体化しているので、磁石ローターの回転、振動、衝撃、熱膨 張によりシャフト固定用部品22が円筒状磁石部品21のいずれの開口からもス ラスト方向に抜けて飛び出すのを抑えることができ、一方の開口に向けてのみテ ーパー面が設けられていた従来構造と比較して、回転、振動、衝撃、熱膨張に対 する耐久性が向上している。さらに、円筒状磁石部品21の内周面とシャフト固 定用部品22の外周面との圧接部分が、円筒状磁石部品22の内周面24の形状 から一部に限定され、短くなるように設定されているので、シャフト23を有す るシャフト固定用部品22の円筒状磁石部品21への圧入固着時において、円筒 状磁石部品21へ加わる応力が小さいため割れやひびといった円筒状磁石部品2 1の破損を防止できるとともに、円筒状磁石部品21外周面の中心とシャフト2 3の軸の中心とを一致させる操作が容易になるため両者の同軸度をより高い精度 にできる。さらに、圧入工程で得た高い同軸度を充填材32により補強固定して いるので、衝撃等に対して極めて優れており、信頼性が向上する。
【0029】 図3は本考案の第2実施例を示しており、中心部より端部に向かって内径を直 線的に小さくしぼりこんで形成した内周面24Aを有する円筒状磁石部品21A を用いた例である。内周面24Aの形状は機械加工、成型加工、成型条件、焼結 条件等を適宜選択し所望の寸法にする。なお、この第2実施例においては、前記 第1実施例で施した面取り25は省略してあるが、その他の構成及び作用効果は 第1実施例と同様である。
【0030】 図4は本考案の第3実施例を示しており、上記第2実施例では、円筒状磁石部 品の最大内径寸法位置を中心位置に設定したが、この第3実施例では、最大内径 寸法位置を一方の端部に近い位置にして形成した内周面24Bを有する円筒状磁 石部品21Bを用いた構成である。この場合、円筒状磁石部品21B端部のシャ フト固定用部品22が圧接する部分より遠い位置に円筒状磁石部品21Bの内周 面24Bの最大寸法位置があるので、シャフト固定用部品22が圧接する部分に おける磁石部品21Bの開口端部へ向かうテーパーがより緩やかな傾斜になり、 シャフト固定用部品22圧入時に急激な圧接応力が磁石部品21Bに加わらず、 該円筒状磁石部品21Bの割れる恐れが少ない。なお、その他の構成及び作用効 果は前記第1実施例と同様である。
【0031】 図5は本考案の第4実施例を示しており、前記第1実施例では、円筒状磁石部 品の最大内径寸法位置を中心位置に設定したが、この第4実施例では、最大内径 寸法位置を一方の端部に近い位置にして、そこから開口端部に向かって内径を曲 線的にしぼりこんだ内周面24Cを有する円筒状磁石部品21Cを用いた構成で ある。この場合、上記第3実施例と同様に、シャフト固定用部品22が圧接する 部分における磁石部品21Cの開口端部へ向かうテーパーをより緩やかな傾斜に することができ、同様の効果が得られる。なお、その他の構成及び作用効果は前 記第1実施例と同様である。
【0032】 図6は本考案の第5実施例を示す。これは、シャフト固定用部品22を円筒状 磁石部品21Dに圧入する時、より強い固着強度が要求される場合の構成であり 、円筒状磁石部品21Dは最大内径寸法位置を端部に近い位置にして、そこから 開口端部に向かって内径を直線的に小さくしぼりこんだ内周面24Dを有し、か つ開口両端の内径寸法D1,D2の差を大きく設定してある。この場合、シャフト 固定用部品22の圧入において、磁石部品21Dの内径寸法の大きい側(図6で は下端D2)の開口から、突部30を有する側を先にしてシャフト固定用部品22 を圧入するとよい。この際、突部30が円筒状磁石部品21Dの一方の開口端部 に接することなく他方の端部側に圧入することができる。これによると、前記第 1乃至第4実施例では、円筒状磁石部品21,21A乃至21Cの開口両端の内 径は略同径であったので、突部30を有する側を先にしてシャフト固定用部品2 2を圧入する場合、他方の端部に届く前に突部30及び外側円筒状部27が応力 で変形する可能性があったが、第5実施例の円筒状磁石部品21Dでは、突部3 0が一方の開口端部に接することなく他方の端部側に圧入することができるので 、その端部における圧接がより強いものになり、固着強度がより向上する。その 他の構成及び作用効果は前記第1実施例と同様である。
【0033】 なお、円筒状磁石部品21Dの内周面24Dは、前記第3実施例の内周面24 Bと同様に、最大内径寸法が圧接端部より遠い端部に偏寄しており、かつ内周面 は直線的にしぼりこまれた形状になっているが、他の第1及び第4実施例であげ られた曲線的にしぼりこむ形状の内周面としてもよい。
【0034】 また、第1乃至第5実施例では、円筒状磁石部品の内周に2重円筒状のシャフ ト固定用部品22を圧入する場合を例示したが、円筒状磁石部品の内周にシャフ ト固定用部品22をがたつきなく挿入する構成としてもよく、充填材を併用する ことで円筒状磁石部品とシャフト固定用部品との固着強度を充分確保することが できる。
【0035】 図7は本考案の第6実施例を示す。これは、最大内径寸法位置を一方の端部に 近い位置にして、そこから開口端部に向かって内径を曲線的にしぼりこんだ内周 面24Eを有する円筒状磁石部品21Eと、円柱状でかつ外周面に突部を設けな い軟質金属製又は樹脂製シャフト固定用部品22Aとを用いる構成である。この 場合、前述した各実施例のような、圧入時に突部及び外側円筒状部の変形による 吸収がないので、円筒状磁石部品21Eの内周面との圧接部分が少なくなるよう に、具体的にはシャフト固定用部品22Aの外形寸法を小さめに、磁石部品21 Eの内径寸法を大きめに設定する。この場合には、圧接部分が少なくなるので固 着強度は弱いが、同軸度が優れているので、固着強度を充填材32で補強し、高 同軸度の磁石ローターを提供できる。なお、シャフト固定用部品22Aは中心穴 29を有し、ここにシャフト23が圧入により一体化されている。この構成では 、シャフト23を一体化してなるシャフト固定用部品22Aの磁石部品21Eへ の圧入工程の前に、充填材32を磁石部品21Eの内周面24Eに予め充填して おき、シャフト固定用部品22A圧入後、充填材32を硬化させる。
【0036】 この第6実施例では、シャフト固定用部品22Aとして、回転中心に対して対 称性を持つ円柱状ものを用いているので、磁石ローターの重量バランスが良く、 磁石ローターの回転むらを防止することができる。
【0037】 なお、円筒状磁石部品21Eの内周面24Eの形状は、前記第1乃至第4実施 例であげた形状に変更してもよい。
【0038】 図8は、本考案の第7実施例を示す。これは、最大内径寸法位置を一方の端部 に近い位置にして、そこから開口端部に向かって内径を曲線的にしぼりこんだ内 周面24Eを有する円筒状磁石部品21Eと、円柱状でかつ外周面にローレット (小さな凹凸模様)40を設けた軟質金属製又は樹脂製シャフト固定用部品22 Bとを用いる構成である。この円柱状シャフト固定用部品22Bの外周面にロー レット加工を施すことにより、磁石部品とシャフト固定用部品間の充填材による 固着強度をさらに向上することができる。なお、シャフト固定用部品22Bの外 形寸法と磁石部品21Eの内径寸法との関係などの構成及びその他の作用効果は 、上記第6実施例と同様である。
【0039】 なお、第6及び第7実施例では、円筒状磁石部品の内周に円柱状シャフト固定 用部品22A,22Bを圧入する場合を例示したが、円筒状磁石部品の内周に円 柱状シャフト固定用部品をがたつきなく挿入する構成としてもよく、充填材を併 用することで円筒状磁石部品とシャフト固定用部品との固着強度を充分確保する ことができる。
【0040】 また、第1乃至第5実施例の突部30の代わりにシャフト固定用部品22の外 周面にローレットを形成する構造も可能であり、また第7実施例のローレット4 0の代わりに円筒状磁石部品21Eの内周面に圧接する2個以上の突部を円柱状 シャフト固定用部品22Bに形成する構造を採用することもできる。
【0041】 また、前記第2乃至第7実施例においては、円筒状磁石部品21A乃至21E の外周及び内周端縁に面取りを施さない構成としているが、前記第1実施例と同 様に面取りを施す構成としてもよい。
【0042】 また、前記各実施例において、前記シャフト固定用部品22,22A,22B の先端縁(突部30を有する側が圧入時の先端側の場合、該突部30も含む)をテ ーパー面となる如く面取りを施した形状とする構成としてもよい。この面取りを 施すことにより、シャフト固定用部品22,22A,22Bの磁石部品21,2 1A乃至21Eに対する圧入作業を容易にするとともに、充填材32を効果的に 注入可能である。また、各シャフト固定用部品22,22A,22Bの前記中心 穴29の内周面の両端縁もテーパー面となる如く面取りを施した形状とする構成 としてもよい。これは、シャフトを中心穴に圧入しやすくするとともに中心穴出 口にばりが飛び出ないようにするためのものである。
【0043】 以上本考案の実施例について説明してきたが、本考案はこれに限定されること なく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には 自明であろう。
【0044】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の磁石ローターによれば、両端部の内径が中間部 より小さくしぼりこまれた内周面を有する円筒状磁石部品を用い、シャフトと一 体化されたシャフト固定用部品を円筒状磁石部品に挿入乃至圧入し、かつ円筒状 磁石部品の内周面とシャフト固定用部品の外周面との間隙に充填材を充填硬化し て、円筒状磁石部品とシャフト固定用部品とを一体化する構成により、次の通り の効果を得ることができる。 (1) 磁石ローターの回転、振動、衝撃によりシャフト固定用部品が円筒状磁 石部品の開口端部からスラスト両方向に抜けて飛び出すのを抑えることができ、 従来構造と比較して回転振動に強い磁石ローターが得られる。また、熱衝撃(加 熱と冷却の繰り返し付与)が加わったとき、シャフト固定用部品、円筒状磁石部 品、充填材の膨張係数の差による各部品の剥がれ、がたつきの発生を防止し、ス ラスト両方向へのずれを防止できるので、安定した回転を保持できる磁石ロータ ーが得られる。 (2) 円筒状磁石部品の両端部の内径が中間部より小さくしぼりこまれた内周 面としたので、円筒状磁石部品の内周面とシャフト固定用部品の外周面との接触 乃至圧接部分が、短くなり、シャフト固定用部品の円筒状磁石部品への挿入乃至 圧入固着時において、円筒状磁石部品へ加わる応力が小さいため割れやひびとい った円筒状磁石部品の破損を防止できるとともに、円筒状磁石部品の外周面に対 するシャフトの軸出しが容易になるため両者の同軸度をより高い精度にでき、高 同軸度磁石ローターが得られる。 (3) 挿入乃至圧入工程で得た高い同軸度を充填材により補強固定しているの で、衝撃に対して極めて優れた高同軸度磁石ローターが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る磁石ローターの第1実施例を示す
正断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】本考案の第2実施例を示す正断面図である。
【図4】本考案の第3実施例を示す正断面図である。
【図5】本考案の第4実施例を示す正断面図である。
【図6】本考案の第5実施例を示す正断面図である。
【図7】本考案の第6実施例を示す正断面図である。
【図8】本考案の第7実施例を示す一部を省略した正断
面図である。
【図9】第1従来例を示す正断面図である。
【図10】第2従来例を示す正断面図である。
【符号の説明】
1 金属部品 9,13,23 シャフト 10,11,21,21A乃至21E 円筒状磁石部品 22,22A,22B シャフト固定用部品 24,24A乃至24E 内周面 25 面取り 27 外側円筒状部 28 内側円筒状部 29 中心穴 30 突部 32 充填材 40 ローレット

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトを設けた金属製又は樹脂製のシ
    ャフト固定用部品を円筒状磁石部品の内側に固定する磁
    石ローターにおいて、前記円筒状磁石部品の端部の内径
    寸法を、当該端部より内側の内径寸法最大値より小さく
    形成し、前記シャフト固定用部品を前記円筒状磁石部品
    の内側に挿入乃至圧入し、前記シャフト固定用部品の外
    周面と前記磁石部品の内周面とを充填材で結合固定した
    ことを特徴とする磁石ローター。
  2. 【請求項2】 前記磁石部品の両端部の内径寸法を等し
    く形成した請求項1記載の磁石ローター。
  3. 【請求項3】 前記磁石部品の両端部の内径寸法が異な
    るように形成した請求項1記載の磁石ローター。
  4. 【請求項4】 前記シャフト固定用部品は、内周面が前
    記シャフトを設けた中心穴となる内側円筒状部と、外側
    円筒状部とを同心状に備えるものである請求項1,2又
    は3記載の磁石ローター。
  5. 【請求項5】 前記シャフト固定用部品が円柱状である
    請求項1,2又は3記載の磁石ローター。
  6. 【請求項6】 前記シャフト固定用部品は前記磁石部品
    の内周面に圧接する突部を2個以上有するものである請
    求項1,2,3,4又は5記載の磁石ローター。
  7. 【請求項7】 前記磁石部品は両端部の内径寸法が異な
    るものであり、かつ前記突部が前記磁石部品の両端部の
    うち内径寸法の小さい方の端部に圧入により圧接されて
    いる請求項6記載の磁石ローター。
  8. 【請求項8】 前記シャフト固定用部品の外周面にロー
    レットを設けた請求項1,2,3,4又は5記載の磁石
    ローター。
JP3112693U 1993-05-18 1993-05-18 磁石ローター Withdrawn JPH0684760U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018501774A (ja) * 2015-01-15 2018-01-18 ハナム電気株式会社Ha Nam Electricity Co., Ltd. モーターのローター

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JP2018501774A (ja) * 2015-01-15 2018-01-18 ハナム電気株式会社Ha Nam Electricity Co., Ltd. モーターのローター

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