JPH0684398B2 - 新規なアンドロステン誘導体及びそれを用いる6‐アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6‐ジエン‐3,17‐ジオンの製造法 - Google Patents

新規なアンドロステン誘導体及びそれを用いる6‐アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6‐ジエン‐3,17‐ジオンの製造法

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JPH0684398B2
JPH0684398B2 JP2230959A JP23095990A JPH0684398B2 JP H0684398 B2 JPH0684398 B2 JP H0684398B2 JP 2230959 A JP2230959 A JP 2230959A JP 23095990 A JP23095990 A JP 23095990A JP H0684398 B2 JPH0684398 B2 JP H0684398B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なアンドロステン誘導体及びそれを用い
る6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐ア
ンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンの製造法に関す
る。
6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アン
ドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンは、ヒト胎盤由来
エストロゲン合成酵素(アロマターゼ)に対し阻害活性
を有し、医薬の分野で利用が期待される。
(従来の技術及び発明の課題) 6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アン
ドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンは、本発明者らが
新規なアンドロステン誘導体を研究開発する過程におい
て見い出した化合物(特開平1-131193号公報参照)であ
って、種々の生理活性、特にヒト胎盤由来エストロゲン
合成酵素(アロマターゼ)活性を阻害する作用を有し、
医薬、特に制ガン剤としての利用開発が期待されてい
る。
従来、本アンドロステン誘導体を製造するには、公知の
アンドロゲンである4-アンドロステン‐3,17-ジオン(4
AD)をアクレモニウム・ストリクタム(Acremonium Str
ictum)NN-106株(微工研菌寄第9143号)等の微生物の
作用により、6β、14α‐ジヒドロキシ‐4-アンドロス
テン‐3,17-ジオンとした後、適当な酸化剤を作用させ
て14α‐ヒドロキシ‐4-アンドロステン‐3,6,17-トリ
オンとし、これを有機溶媒中で酸無水物を反応させて製
造していた。
しかし、この製造方法によると、分離精製に繁雑な手間
が掛り、さらに、14α‐ヒドロキシ‐4-アンドロステン
‐3,6,17-トリオンから得られる6-アルキルカルボニル
オキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン
‐3,17-ジオンの収率は20%と低く、製造上これらの問
題が存在していた。本発明者らは、これらの点に着目
し、いくつかの問題点を解決するべく鋭意検討を行った
ところ、6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキ
シ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを効率よ
く製造できうる新規なアンドロステン誘導体を見出し本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、生理活性作用のある6-アルキルカ
ルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,
6-ジエン‐3,17-ジオンを製造するための新規中間体及
びそれを出発物質として6-アルキルカルボニルオキシ‐
14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-
ジオンを製造する方法に関する。
(課題を解決するための手段) 本発明は、次の構造式(1)で示される3-アルコキシ‐
6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アン
ドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンに関する。
さらに、本発明は、構造式(1)の化合物を用いて次の
反応式に示されるようにして構造式(6)で示される6-
アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンド
ロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを製造する方法に関
する。
(式中、Rは炭素原子数C1〜C5の直鎖または分岐の低級
アルキル基であり、R1は炭素原子C1〜C5の直鎖または分
岐の低級アルキル基またはフェニル基を示す。以下同
じ) 本発明の6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキ
シ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオン(6)
は、公知物質である6β‐アルキルカルボニルオキシ14
α‐ヒドロキシ‐4-アンドロステン‐3,17-ジオン(特
開昭63-192797号公報)(11) または6α‐アルキルカルボニルオキシ14α‐ヒドロキ
シ‐4-アンドロステン‐3,17-ジオン(12) を出発物質として製造することができる。すなわち、化
合物(11)または(12)を酸性触媒、例えばパラトルエ
ンスルホン酸・一水和物により3位のカルボニル基をエ
ノール水酸化するとともに、3-4位及び5-6位に共役二重
結合を形成し、次いで、エノールエーテル化剤、例えば
オルトギ酸メチルまたはオルトギ酸エチル等を用い3位
にエノールエーテルを形成する事により、化合物(1)
を製造する。本反応は、化合物(11)または(12)をジ
オキサン、クロロホルム、ジクロルメタンまたはジクロ
ルエタン等の有機溶媒に溶解し、室温または加温下で酸
性触媒及びエノールエーテル化剤を順次添加する事によ
り達成される。生成する化合物(1)は水溶液に反応液
を加える事により沈澱物として得られ、したがって目的
物(1)はロ別採取、乾燥することにより得ることがで
きる。
得られた化合物は式(1)に示す構造を有する。式中R
は、炭素原子C1〜C3の直鎖または分岐の低級アルキルを
示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等を例
示することができる。また、R1は、上記した炭素原子C1
〜C5の直鎖または分岐の低級アルキルばかりではなくベ
ンゾイル基をも示す。
次に化合物(1)から化合物(6)を製造するには、以
下のように行う。
化合物(1)の7位の水素を2,3-ジクロロ‐5,6-ジシア
ノ‐1,4-ベンゾキノンにより脱水素し、3-5位及び5-6位
のそれぞれの二重結合を4-5位及び6-7位にそれぞれ転移
させるとともに、水により3位のアルキルエーテルを加
水分解し、カルボニル基として化合物(6)をえる。
本反応は、化合物(6)を含水有機溶媒に溶解し、これ
に脱水素剤を加え、室温または加温下で脱水素及び転移
反応とエーテル分解反応とを同時に行うことが好まし
い。
得られた化合物(6)は、有機溶媒たとえば酢酸エチ
ル、クロロホルム、ジクロロメタン、エーテル等により
抽出、さらに減圧下で有機溶媒を溜去し得られた反応物
をクロマトグラフィーにより精製し、メタノール、エタ
ノール等の有機溶媒で結晶化する。
本発明の化合物(1)を用いると、約60%以上の高収率
でしかも通常の分離精製により工業的に有利に製造する
事ができる。
次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
実施例1 (1)3-エトキシ‐6-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐
アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(2)の製造。
6β‐アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐4-アンドロステ
ン‐3,17-ジオン1gをジオキサン15mlに溶解し、次いで
パラトルエンスルホン酸・一水和物0.1gを加え10分間攪
拌したのち、オルトギ酸エチル1mlを加えさらに1時間
攪拌したのち、ピリジン1mlを加え反応を停止させた。
本溶液を5℃の水150mlへ除々に加えた。5℃で30分放
置すると3-エトキシ‐6-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ
‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンが沈澱した。沈
澱物をロ別し水50mlで洗浄したのち、減圧下で乾燥する
ことによって本化合物を0.75g(収率69.4%、mp158℃)
得た。
(2)3-エトキシ‐6-プロピオキシ‐14α‐ヒドロキシ
‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(3)の製造。
6β‐プロピオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐4-アンドロス
テン‐3,17-ジオン1gをジオキサン15mlに溶解し、次い
でパラトルエンスルホン酸・一水和物0.1gを加え10分間
攪拌したのち、オルトギ酸エチル1mlを加えさらに1時
間攪拌したのち、ピリジン1mlを加え反応を停止させ
た。本溶液を5℃の水150mlへ徐々に加えた。5℃で30
分放置すると3-エトキシ‐6-プロピオキシ‐14α‐ヒド
ロキシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンが沈澱し
た。沈澱物をロ別し水50mlで洗浄したのち、減圧下で乾
燥することによって本化合物を0.78g(収率72.9%、mp1
42℃)得た。
(3)3-エトキシ‐6-イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキ
シ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンの製造。
6β‐イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキシ‐4-アンドロ
ステン‐3,17-ジオン1gをジオキサン15mlに溶解し、次
いでパラトルエンスルホン酸・一水和物0.1gを加え10分
間攪拌したのち、オルトギ酸エチル1mlを加えさらに1
時間攪拌したのち、ピリジン1mlを加え反応を停止させ
た。本溶液を5℃の水150mlへ徐々に加えた。5℃で30
分放置すると3-エトキシ‐6-イソブチロキシ‐14α‐ヒ
ドロキシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンが沈澱
した。沈澱物をロ別し水50mlで洗浄したのち、減圧下で
乾燥することによって本化合物を0.72g(収率67.3%、m
p164℃)得た。
(4)3-エトキシ‐6-ベンゾイルオキシ‐14α‐ヒドロ
キシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンの製造。
6β‐ベンゾイルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐4-アンド
ロステン‐3,17-ジオン1gをジオキサン15mlに溶解し、
次いでパラトルエンスルホン酸・一水和物0.1gを加え10
分間攪拌したのち、オルトギ酸エチル1mlを加えさらに
1時間攪拌したのち、ピリジン1mlを加え反応を停止さ
せた。本溶液を5℃の水150mlへ徐々に加えた。5℃で3
0分放置すると3-エトキシ‐6-ベンゾイルオキシ‐14α
‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンが
沈澱した。沈澱物をロ別し水50mlで洗浄したのち、減圧
下で乾燥することによって本化合物を0.68g(収率63.6
%、mp177℃)得た。
第1表に実施例(1)〜(4)によって得られた化合物
(2)〜(5)の理化学的性質を示す。
(5)3-エトキシ‐6-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐
アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(2)から6-アセ
トキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン
‐3,17-ジオン(7)の製造。
3-エトキシ‐6-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンド
ロスト‐3,5-ジエン‐17-オン400mgを95%含水アセトン
40mlに溶解し、ついで2,3-ジクロロ‐5,6-ジシアノ‐1,
4-ベンゾキノン454mgを溶解した95%含水アセトン8mlを
加え60分攪拌したのち、本反応液を減圧下40℃で10mlま
で濃縮し、濃縮液を飽和食塩水100mlに加えたのち、酢
酸エチル100mlで2回抽出した。えられた酢酸エチル溶
液は無水硫酸ナトリウム20gを加え脱水処理した。無水
硫酸ナトリウムをロ別除去したのち、酢酸エチル溶液
は、減圧下、40℃で酢酸エチルを溜去し、粗ステロイド
画分を得た。次いで、シリカゲルクロマトグラフィーに
より精製した。先ず、シリカゲル40gを酢酸エチル:ヘ
キサン=1:1の溶液60mlに懸濁し、ガラス製カラム(2
×50cm)に詰め、次いで粗ステロイドに画分を酢酸エチ
ル2mlに溶解した溶液をカラム上部にのせたのち、酢酸
エチル:ヘキサン=1:1の溶液500mlでクロマトグラフィ
ーを行い反応成績体6-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐
アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを分画分取し
た。分取した溶液は、減圧下、40℃で溶媒を溜去して目
的化合物の結晶を得た。この結晶物を60℃のエタノール
2mlに溶解し室温で4時間放置すると、目的化合物がmp2
32℃の結晶276mg(収率74.7%)で得られた。得られた6
-アセトキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-
ジエン‐3,17-ジオンの物理化学的諸性質を調べたとこ
ろ、特開平1-131193号公報に記載される化合物と同様
の性質を示した。
(6)3-エトキシ‐6-プロピオキシ‐14α‐ヒドロキシ
‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(3)から6-プ
ロピオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジ
エン‐3,17-ジオン(8)の製造。
3-エトキシ‐6-プロピオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アン
ドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン400mgを95%含水アセト
ン40mlに溶解し、ついで2,3-ジクロロ‐5,6-ジシアノ‐
1,4-ベンゾキノン454mgを溶解した95%含水アセトン8ml
を加え60分攪拌したのち、本反応液を減圧下40℃で10ml
まで濃縮し、濃縮液を飽和食塩水100mlに加えたのち、
酢酸エチル100mlで2回抽出した。得られた酢酸エチル
溶液は無水硫酸ナトリウム20gを加え脱水処理した。無
水硫酸ナトリウムをロ過し、除去したのち、酢酸エチル
溶液は、減圧下、40℃で酢酸エチルを溜去し、粗ステロ
イド画分を得た。次いで、シリカゲルクロマトグラフィ
ーにより精製した。先ず、シリカゲル40gを酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1の溶液60mlに懸濁し、ガラス製カラ
ム(2×50cm)に詰め、ついで粗ステロイド画分を酢酸
エチル2mlに溶解した溶液をカラム上部にのせたのち、
酢酸エチル:ヘキサン=1:1の溶液500mlでクロマトグラ
フィーを行い反応成績体6-プロピオキシ‐14α‐ヒドロ
キシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを分画
分取した。分取した溶液は、減圧下、40℃で溶媒を溜去
することによって目的化合物の結晶を得た。この結晶物
を60℃のエタノール2mlに溶解し室温で4時間放置する
と、目的化合物がmp265℃の結晶241mg(収率65.1%)で
得られた。得られた6-プロピオキシ14α‐ヒドロキシア
ンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンの物理化学的諸
性質およびアロマターゼ阻害活性を調べたところ、特開
平1-131193号公報に記載される化合物と同様の性質を
示した。
(7)3-エトキシ‐6-イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキ
シ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(4)から6-
イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,
6-ジエン‐3,17-ジオン(9)の製造。
3-エトキシ‐6-イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキシ‐ア
ンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン400mgを95%含水アセ
トン40mlに溶解し、ついで2,3-ジクロロ‐5,6-ジシアノ
‐1,4-ベンゾキノン454mgを溶解した95%含水アセトン8
mlを加え60分攪拌したのち、本反応液を減圧下40℃で10
mlまで濃縮し、濃縮液を飽和食塩水100mlに加えたの
ち、酢酸エチル100mlで2回抽出した。得られ酢酸エチ
ル溶液は無水硫酸ナトリウム20gを加え脱水処理した。
無水硫酸ナトリウムをロ別除去したのち、酢酸エチル溶
液は減圧下、40℃で酢酸エチルを溜去し、粗ステロイド
画分を得た。次いでシリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製した。先ず、シリカゲル40gを酢酸エチル:ヘキ
サン=1:1の溶液60mlに懸濁し、ガラス製カラム(2×5
0cm)に詰め、ついで粗ステロイド画分を酢酸エチル2ml
に溶解した溶液をカラム上部にのせたのち、酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1の溶液500mlでクロマトグラフィーを
行い反応成績体6-イソブチロキシ‐14α‐ヒドロキシ‐
アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを分画分取し
た。分取した溶液は、減圧下、40℃で溶媒を溜去し、目
的化合物を結晶の形で得た。この結晶を60℃のエタノー
ル2mlに溶解し室温で4時間放置すると、目的化合物がm
p265℃の結晶235mg(収率63.3%)で得られた。得られ
た6-イソブチロオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロス
ト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンの物理化学的諸性質およ
びアロマターゼ阻害活性を調べたところ、特開平1-1311
93号公報に記載される化合物と同様の性質を示した。
(8)3-エトキシ‐6-ベンゾイルオキシ‐14α‐ヒドロ
キシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オンから6-ベン
ゾイルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-
ジエン‐3,17-ジオン(10)の製造。
3-エトキシ‐6-ベンゾイルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐
アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン400mgを95%含水ア
セトン40mlに溶解し、ついで2,3-ジクロロ‐5,6-ジシア
ノ‐1,4-ベンゾキノン454mgを溶解した95%含水アセト
ン8mlを加え60分攪拌したのち、本反応液を減圧下40℃
で10mlまで濃縮し、濃縮液を飽和食塩水100mlに加えた
のち、酢酸エチル100mlで2回抽出した。得られた酢酸
エチル溶液は無水硫酸ナトリウム20gを加え脱水処理し
た。無水硫酸ナトリウムをロ別除去したのち、酢酸エチ
ル溶液は、減圧下、40℃で酢酸エチルを溜去し、粗ステ
ロイド画分を得た。次いで、シリカゲルクロマトグラフ
ィーにより精製した。先ず、シリカゲル40gを酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1の溶液60mlに懸濁し、ガラス製カラ
ム(2×50cm)に詰め、ついで粗ステロイド画分を酢酸
エチル2mlに溶解した溶液をカラム上部にのせたのち、
酢酸エチル:ヘキサン=1:1の溶液500mlでクロマトグラ
フィーを行い反応成績体6-ベンゾイルオキシ‐14α‐ヒ
ドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを
分画分取した。分取した溶液は、減圧下、40℃で溶媒を
溜去することによって目的化合物の結晶を得た。この結
晶物を60℃のエタノール2mlに溶解し室温で4時間放置
すると、目的化合物がmp265℃の結晶217mg(収率58.1
%)で得られた。得られた6-ベンゾイルオキシ‐14α‐
ヒドロキシ‐アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオン
の物理化学的諸性質およびアロマターゼ阻害活性を調べ
たところ、特開平1-131193号公報に記載される化合物
と同様の性質を示した。
先に本発明者らの出願した特開平1-131193号公報に記載
される6,14α‐ジヒドロキシ‐アントロスト‐4,6,-4-
エン‐3,17-ジオンから6-アルキルカルボニルオキシ‐1
4α‐ヒドロキ‐アントロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオ
ンを製造する方法と本発明の前記出発物質から3-アルコ
キシ‐6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ
‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐in-オンを経由して前記
出発物質を製造する方法との収率を算出すると次の表に
示すとおり、本発明の方法が収率においていちじるしく
優れている。
(発明の効果) 本発明の3-アルコキシ‐6-アルキルカルボニルオキシ‐
14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オ
ンは、新規なアンドロステン誘導体であって、6-アルキ
ルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アンドロスト
‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンの製造中間体として有用で
ある。
また、本発明の方法によると比較的簡単な操作によって
6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐アン
ドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオンを高収率で業的有
利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の化合物の中で代表的な3-エトキシ‐6-
プロピオキシ‐14-αヒドロキシ‐アンドロスト‐3,5-
ジエン‐17-オンの紫外部吸収スペクトル、第2図は赤
外吸収スペクトル、第3図は13CNMRスペクトル、第4図
はプロトンNMRスペクトルをそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−131193(JP,A) 特開 昭62−283993(JP,A) 特開 昭60−69096(JP,A) 特開 昭59−148799(JP,A) フィーザー著「ステロイド 下」 丸善 株式会社発行(昭和39年) P.570

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構造式(1)で示される3-アルコキシ
    ‐6-アルキルカルボニルオキシ‐14α‐ヒドロキシ‐ア
    ンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン。 (式中、Rは炭素原子数1〜3の直鎖または分岐の低級
    アルキルであり、R1は炭素原子数1〜3の直鎖または分
    岐の低級アルキルまたはフェニルを示す。以下同じ)
  2. 【請求項2】3-エトキシ‐6-アセトキシ‐14α−ヒドロ
    キシ−アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(2)であ
    る請求項(1)に記載の化合物。
  3. 【請求項3】3-エトキシ‐6-プロピオキシ‐14α−ヒド
    ロキシ−アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(3)で
    ある請求項(1)に記載の化合物。
  4. 【請求項4】3-エトキシ‐6-イソブチロキシ‐14α−ヒ
    ドロキシ−アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン(4)
    である請求項(1)に記載の化合物。
  5. 【請求項5】3-エトキシ‐6-ベンゾイルオキシ‐14α−
    ヒドロキシ−アンドロスト‐3,5-ジエン‐17-オン
    (5)である請求項(1)に記載の化合物。
  6. 【請求項6】請求項(1)に記載の化合物(1)に2,3-
    ジクロロ‐5,6-ジシアノ‐1,4-ベンゾキノンを作用させ
    次式(6)で示される化合物、6-アルキルカルボニルオ
    キシ‐14α−ヒドロキシ−アンドロスト‐4,6-ジエン‐
    3,17-ジオンを製造する方法。 (ただし式中R及びR1は請求項1記載の基と同一の基を
    示す。)
  7. 【請求項7】化合物(6)が6-アセトキシ‐14α−ヒド
    ロキシ−アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオン
    (7)である請求項(6)に記載の化合物の製造法。
  8. 【請求項8】化合物(6)が6-プロピオキシ‐14α−ヒ
    ドロキシ−アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオン
    (8)である請求項(6)に記載の化合物の製造法。
  9. 【請求項9】化合物(6)が6-イソブチロキシ‐14α−
    ヒドロキシ−アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジオン
    (9)である請求項(6)に記載の化合物の製造法。
  10. 【請求項10】化合物(6)が6-ベンゾイルオキシ‐14
    α−ヒドロキシ−アンドロスト‐4,6-ジエン‐3,17-ジ
    オン(10)である請求項(6)に記載の化合物の製造
    法。
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フィーザー著「ステロイド下」丸善株式会社発行(昭和39年)P.570

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