JPH0684346U - 洗浄液送液装置及びそれを用いた分析装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 圧力を持った不活性ガス源と、密閉された耐
圧性の洗浄液容器と、送液管と、流量調節器とから構成
され、不活性ガスの圧力によって洗浄液を洗浄槽に送
る。 【効果】 洗浄液が有機溶媒の時などの爆発性蒸気を発
するものであっても安全に、かつ、接液部を耐食性のあ
るものにより構成することにより、耐食性を持って安価
に、洗浄液を送液することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

液体試料を機械的に適宜選択して供給するオートサンプラーと、オートサンプ ラーから試料を供給されて分析を行なう分析装置（例えば、プラズマ発光分光分 析装置、プラズマ質量分析装置や原子吸光分析装置）に関し、特にそのうち、オ ートサンプラーの洗浄液の送液装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

試料を送液する送液ポンプを用いて洗浄液を送液する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

試料を送液する送液ポンプは、高精度・高耐久性・高耐食性が要求されるため 、特に、有機溶媒を送液しようとする場合には、非常に高価であり、メンテナン スコストも大きい。

【０００４】 例えば、チューブをしごいてチューブ内の液体を送液するチューブポンプを用 いる場合には、有機溶媒に侵されない材質のチューブは高価であり、劣化に伴う 交換が必要なためメンテナンスコストも大きい。接液部をすべて弗素樹脂にした ポンプも高価であり、接液部の劣化に伴う部品の交換など、メンテナンスコスト も大きい。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

試料の送液の場合は試料が適宜交換されるため、途中に空気が入ってもよいよ うに自吸式の送液ポンプが不可欠である。一方、洗浄液の場合は同じ液を常に一 定の割合で供給すればよいので、必ずしも自吸式の送液ポンプである必要はない 。また、試料が分析装置に供給される量よりも、やや多い量の洗浄液を送液すれ ば、送液量の多寡にそれほどの精度は要求されない。 そこで、洗浄液を密閉し た容器の中にいれ、アルゴン・窒素等の不活性ガスを用いて、五十キロパスカル （０．５重力キログラム毎平方センチメートル）程度の圧力を加えることにより 送液する。送液量は、送液管の途中に挿入した流量調節器で調節する。

【０００６】

【作用】

洗浄液は、洗浄液容器に加えられた圧力により送液されるとともに、流量調節 器で流量を調節されて洗浄槽に供給される。

【０００７】

【実施例】

以下実施例に基づき、詳細に説明する。 図１は、本考案の実施例である。通常は不活性ガス６の供給圧力は、五百〜千 キロパスカル（約五〜十重力キログラム毎平方メートル）程度であるので、本実 施例では圧力調整器７と圧力計５を用いて、試料の送液に必要な程度の適当な圧 力（五十キロパスカル程度）に下げる。これにより、耐圧性の低い容器８を使用 することができる。圧力調整せずに高圧のまま加えるとともに、容器８や流量調 節器１３などの耐圧性を大きくするなどの適当な安全策を講じることもできる。

【０００８】 圧力調整されたガスは、四方弁４を挿入された送気管１１を通って容器８に供 給される。この四方弁４は、本考案の送液装置を用いないときに、容器８内の圧 力を抜くものであり、ガス逃がし口４ａの先端には、周囲雰囲気が容器８内に混 入することの無いように逆止弁３が取り付けられている。四方弁４のかわりに逃 がし弁などの適当な手段をもうけてもよい。容器８内には、洗浄液９が入れられ ており、送気管１１の接続口１１ａは、洗浄液９と接しないように容器８の上部 に設けられる。これにより、容器８内の圧力を抜く場合にも洗浄液９が四方弁４ から逆流しない。

【０００９】 試料を送る送液管１０の接続口１０ａは、洗浄液９をできるだけ残さぬように 、容器８の下部に設けられる。図１では、洗浄液９の販売時の容器がそのまま用 いられるように、容器８の上部から送液管１０が挿入されているが、容器８の下 部に直接送液管１０を接続する構成としても構わない。密閉された容器８に圧力 が加えられるため、洗浄液９は送液管１０から押し出されるようにして送液され る。送液される液量は、洗浄液９の消費を抑えるために、必要最小限であること が望ましい。そこで、送液管１０の、容器８と図示しない洗浄槽１の間に流量調 節器２を挿入する。これにより、必要最小限の液量が図示しない洗浄槽１に送液 される。

【００１０】 上記の内、送気管１１と送液管１０は、各部を直接つなぐことにより、一部ま たは全部を省略してもよい。

【００１１】

【考案の効果】

プラズマ発光分析装置・プラズマ質量分析装置・原子吸光分析装置などの分析 装置ではアルゴンガス・窒素ガスなどの不活性ガスを使用するので、その不活性 ガスを用いることにより、洗浄液が有機溶媒の時などの爆発性蒸気を発するもの であっても安全に、かつ、接液部を耐食性のあるものにより構成することにより 、耐食性を持って安価に、洗浄液を送液することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す模式図である。

【図２】従来の実施例を示す模式図である。

【符号の説明】 １ 洗浄槽 ２ 流量調節器 ３ 逆止弁 ４ 四方弁 ４ａ ガス逃がし口 ５ 圧力計 ６ 不活性ガス ７ 圧力調節器 ８ 洗浄液容器 ９ 洗浄液 １０ 送液管 １０ａ 接続口 １１ 送気管 １１ａ 接続口 １２ 送液ポンプ １３ ポンプ調節器

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧力を持って不活性ガスを収納した不活
   性ガス源と、前記不活性ガス源と送気管にて配管されて
   おり、洗浄液を収納し、そして耐圧性の容器からなる洗
   浄液容器と、耐食性の材質で構成された送液管と、弗素
   樹脂などの耐食性の材質で構成された流量調節器とから
   構成され、不活性ガスの圧力によって洗浄液を洗浄槽に
   送ることを特徴とする洗浄液送液装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の洗浄液送液装置を備え
   たことを特徴とするオートサンプラー。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のオートサンプラーを備
   えたことを特徴とする分析装置。