JPH0684044U - 防振ブッシュ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用手動変速機の、シフトレバーとトラ
ンスミッション側のアームを弾性的に接続する防振ブッ
シュについて、セレクト方向ｘについてのシフトフィー
リングを向上させる。 【構成】 アウタースリーブ２に設けられた内向きの凸
部７，８とインナースリーブ１に設けられた凹部９，１
０の組合わせよりなり、シフト方向ｙに沿って複数が配
置され、インナースリーブ１とアウタースリーブ２がセ
レクト方向ｘに相対変位するのを制限するストッパ５，
６を設けて、作動時にガタが生じるのを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、防振ブッシュの改良に関する。本考案の防振ブッシュは主に自動車 用の手動変速機において、シフトレバーとトランスミッション側のアームを弾性 的に接続するために用いられる。

【０００２】

【従来の技術】

図５に示すような自動車用の手動変速機において、搭乗者が操作するシフトレ バー５１とこのシフトレバー５１に連動するトランスミッション側のアーム５２ は防振ブッシュ５３を介して弾性的に接続されている（実開昭６３−１１９１２ ４号公報参照）。

【０００３】 シフトレバー５１はその大球部５１ａを車体側のソケット５４に回転自在に支 持されてこの大球部５１ａを支点として揺動し、またその下端の作用点に設けた 小球部５１ｂに球面ブッシュ５５および防振ブッシュ５３を介してアーム５２を 弾性的に接続している。防振ブッシュ５３は球面ブッシュ５５の外周側に嵌着さ れたインナースリーブ５６と、アーム５２の嵌着部５２ａの内周側に嵌着された アウタースリーブ５７と、両スリーブ５６，５７を接続したゴム状弾性材製の弾 性体５８とを有しており、シフト時の衝撃やミッション側の振動が搭乗者の手元 へ伝わることがないように、これらを弾性体５８の弾性によって吸収する作用を 奏する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この種の防振ブッシュ５３において、弾性体５８の弾性を利用した吸振作用が 要求されるのはシフトレバー５１をシフト方向へ揺動させたときであって、この シフト方向と直交する向きのセレクト方向については、インナースリーブ５６と アウタースリーブ５７が大きく相対変位しないことが望ましい。しかしながらこ の点に関して上記従来技術には、セレクト方向についてのインナースリーブ５６ とアウタースリーブ５７の相対変位が大きく、この相対変位が作動時にガタとな って現われるために、シフトフィーリングが良くない問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され たものであって、この目的を達成するため、インナースリーブ、アウタースリー ブ、セレクト方向に沿って複数が配置され、前記インナースリーブと前記アウタ ースリーブを接続した弾性体、ならびに前記アウタースリーブに設けられた内向 きの凸部と前記インナースリーブに設けられた凹部の組合わせよりなり、シフト 方向に沿って複数が配置され、前記インナースリーブと前記アウタースリーブが セレクト方向に相対変位するのを制限するストッパとよりなる防振ブッシュを提 供する。

【０００６】

【作用】

上記構成を有する本考案の防振ブッシュにはストッパがあり、このストッパに よりインナースリーブとアウタースリーブがセレクト方向に相対変位するのが制 限される。またこのストッパをアウタースリーブに設けた凸部とインナースリー ブに設けた凹部の組合わせよりなるものとしたために、ストッパを設けても部品 点数が増加することがない。

【０００７】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００８】 図１ないし図４に示すように、インナースリーブ１とこのインナースリーブ１ の外周側に配置されたアウタースリーブ２が、セレクト方向（矢示ｘ）に沿って 一対が配置されたゴム状弾性材製の弾性体３，４を介して弾性的に接続されると ともに、シフト方向（矢示ｙ）に沿って一対が配置されたストッパ５，６によっ てセレクト方向（矢示ｘ）に相対変位するのが制限されている。ストッパ５，６ はそれぞれアウタースリーブ２の周壁の一部を内向きに突出させた凸部７，８と インナースリーブ１に穿設した凹部９，１０の組合わせよりなり、インナースリ ーブ１とアウタースリーブ２のセレクト方向（矢示ｘ）についての相対変位を所 定量ａまでに制限するようになっている。したがってこの構造によれば、セレク ト方向（矢示ｘ）についてのインナースリーブ１とアウタースリーブ２の相対変 位が所定量ａまでに制限され、作動時にガタが生じるのが防止されるために、こ れに伴ってシフトフィーリングを向上させることができる。

【０００９】 またストッパ５，６をアウタースリーブ２に設けた凸部７，８とインナースリ ーブ１に設けた凹部９，１０の組合わせよりなるものとしたために、ストッパ５ ，６を設けても部品点数が増加することがなく、製造コストが大幅に上昇するこ とがない。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は以下の効果を奏する。すなわち、ストッパによりセレクト方向につい てのインナースリーブとアウタースリーブの相対変位を所定量までに制限し、作 動時にガタが生じるのを防止したために、同方向についてのシフトフィーリング を向上させることができる。またストッパをアウタースリーブに設けた凸部とイ ンナースリーブに設けた凹部の組合わせよりなるものとしたために、ストッパを 設けても部品点数が増加することがなく、製造コストが大幅に上昇することがな い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る防振ブッシュの正面図

【図２】図１におけるＡ−Ａ線断面図

【図３】図１におけるＢ方向矢視図

【図４】図２におけるＣ−Ｃ線断面図

【図５】従来例に係る防振ブッシュを装着した手動変速
機の説明図

【符号の説明】

１ インナースリーブ ２ アウタースリーブ ３，４ 弾性体 ５，６ ストッパ ７，８ 凸部 ９，１０ 凹部 ｘ セレクト方向 ｙ シフト方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インナースリーブ（１）、アウタースリ
   ーブ（２）、セレクト方向（ｘ）に沿って複数が配置さ
   れ、前記インナースリーブ（１）と前記アウタースリー
   ブ（２）を接続した弾性体（３）（４）、ならびに前記
   アウタースリーブ（２）に設けられた内向きの凸部
   （７）（８）と前記インナースリーブ（１）に設けられ
   た凹部（９）（１０）の組合わせよりなり、シフト方向
   （ｙ）に沿って複数が配置され、前記インナースリーブ
   （１）と前記アウタースリーブ（２）がセレクト方向
   （ｘ）に相対変位するのを制限するストッパ（５）
   （６）とよりなる防振ブッシュ。