JPH0682465U - 内燃機関用圧力リング - Google Patents

内燃機関用圧力リング

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JPH0682465U
JPH0682465U JP2400793U JP2400793U JPH0682465U JP H0682465 U JPH0682465 U JP H0682465U JP 2400793 U JP2400793 U JP 2400793U JP 2400793 U JP2400793 U JP 2400793U JP H0682465 U JPH0682465 U JP H0682465U
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JP
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outer peripheral
pressure ring
sliding portion
peripheral sliding
coating layer
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JP2400793U
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一憲 日馬
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Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バレルフェース形内燃機関用圧力リングの摩
耗に伴うオイル消費量を低減しスカッフィングを抑制す
る。 【構成】この考案によるバレルフェース形内燃機関用圧
力リング1では、合口2を形成する両端部3付近の各外
周摺動部4に形成された被覆層5の耐摩耗性は各端部付
近以外の外周摺動部4の耐摩耗性より高い。外周摺動部
4に摩耗が進行したとき、両端部3付近ではバレルフェ
ースが潰れて外周摺動部4が全面でシリンダ内壁に当接
せず、十分な面圧が残存するので、圧力リングのオイル
の掻き上げ作用及びスカッフィングを抑制することがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はピストンリング、特に、長時間稼動後のオイルの掻き上げ及び合口 でのスカッフィングを防止できるバレルフェース形内燃機関用圧力リングに関連 する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用圧力リングとして図5に示す平坦面13を有する矩形断面リングの 基本的かつ標準的な形状によって形成されるプレーン形の圧力リング12がある 。近時エンジンの高速化に伴い、プレーン形圧力リング12は油掻き効果の不足 が指摘され、またピストン11の熱膨張、首振りなどにより運転時にシリンダ1 0の内壁に接する圧力リング12の正しい姿勢が崩れる欠点がある。圧力リング 12の幅方向のピストン11の頂部側端部がシリンダ10の内壁に接してピスト ン11の底部側端部がシリンダ10の内壁から離間する状態で圧力リング12が 傾斜する(逆当たり)と、圧力リング12はオイルを掻き下げるよりも逆に掻き あげるようになり、オイル消費量が増加する。
【0003】 また、圧力リング12の側面に対してすべり面を完全な直角をなすように仕上 げることはかなり困難であり、逆当たりによりオイル消費量が増加するおそれが ある。
【0004】 プレーン形圧力リング12の欠点を除くために、図6に示すテーパフェース形 圧力リング12が提案されている。テーパフェース形圧力リング12は非常に高 い面圧による初期なじみ時間の短縮が可能になり、圧力リング12の外周面での 逆当たりを防止することにより油掻き作用が強められる。即ち、従来のプレーン 形状では初期なじみに時間が長くかかり自動車工場でのエンジン組立て後のなら し運転の費用がかさむ難点があった。これに対し、外周面にテーパ14をつけて シリンダとのすべり面の当たり面積を小さくすれば、面圧が高まり運転初期のな じみ性を向上させ、短時間でオイル消費量、ブローバイガス排出量を安定させる ことができる。更に、テーパ14はピストンの上昇行程間にすべり面に油膜を形 成しやすく、下降行程ではオイルを掻き下げる効果がある。
【0005】 しかしながら、テーパフェース形圧力リング12では外周テーパ部にもガス圧 が作用するため、その分だけ背圧の効果を打ち消すことになる。従って、テーパ 角度が大き過ぎるとブローバイガス量が増加する欠点がある。また、テーパ角度 が大きいと、オイル消費量が増加する問題がある。
【0006】 他面、図7に示すバレルフェース形圧力リング12が提案されている。最近の エンジンではシリンダ径に比して短いピストンが使用されているが、このような ピストンは首振り運動が大きくなりスカッフィングを起こしやすい。また、エン ジンの軽量化に伴って薄肉鋳造が行われるため、シリンダの熱ひずみによる変形 量が増加し、同じくスカッフィングを起こす例も多い。その対策として提案され たバレルフェース形圧力リング12は、運転初期でのスカッフィング及びブロー バイ防止効果がある。例えばピストンが上昇行程から下降行程に移行するピスト ンの上下死点ではピストンの首振り運動によって圧力リング12の外周上下の隅 角がシリンダ壁に強く当たり、圧力リング12のエッジローディングによるひっ かきを起こす例がある。このようなトラブルを防ぐため、外周面形状を丸く太鼓 状のバレル面15を形成して圧力リング12上下の隅角とシリンダ10の内壁と の接触を防止したバレルフェース形圧力リング12が有効である。しかしながら 、すべり面の湾曲度の値はきわめて微妙でこれが大きい場合はオイル消費量の増 大を招く。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
圧力リング12は合口を拡張してピストン11の溝11aに装着し、ピストン 11をシリンダ10内に配置して内燃機関を組み立てる。ピストン11と共にシ リンダ10内に配置された圧力リング12はシリンダ10の内壁に当接して真円 状になる。このため、圧力リング12の円周に沿う外周摺動部のシリンダ10の 内壁に対する面圧分布は合口付近において最大となる。従って、エンジンの稼動 中に合口付近での外周摺動部の摩耗量が最も多くなっている。
【0008】 合口付近の外周摺動部の摩耗量が最大となる理由は、圧力リング12の円周に 沿う面圧が最大となること、燃焼工程でのガスの吹き抜けに伴い合口以外の部分 より高温になること、燃焼工程での作用、油膜切れによることが考えられる。こ のように従来のピストンリングでは、合口付近の外周摺動部の摩耗に伴うオイル の掻き上げ作用及びスカッフィングを十分に防止することができなかった。
【0009】 そこで、この考案は部分的に異なる被覆層をバレルフェース形内燃機関用圧力 リングの外周摺動部に形成することにより前記の欠点を解消することを目的とす る。
【0010】
【課題を達成するための手段】
この考案によるバレルフェース形内燃機関用圧力リングは、合口を形成する両 端部付近の各外周摺動部に形成された被覆層の耐摩耗性は各端部付近以外の外周 摺動部の耐摩耗性より高い。この考案の実施例では、合口を形成する両端部付近 の各外周摺動部に形成された被覆層はイオンプレーティング又は複合分散メッキ で形成され、各端部付近以外の外周摺動部の被覆層は窒化により形成される。こ の考案の他の実施例では、合口を形成する両端部付近の各外周摺動部に形成され た被覆層はクロムメッキで形成され、各端部付近以外の外周摺動部には被覆層が 形成されない。
【0011】
【作用】
合口を形成する両端部付近の外周摺動部に形成された被覆層の耐摩耗性は他の 部分の外周摺動部を構成する金属の耐摩耗性より高い。このため、外周摺動部に 摩耗が進行したとき、両端部付近ではバレルフェースが潰れて外周摺動部が全面 でシリンダ内壁に当接せず、十分な面圧が残存するので、圧力リングのオイルの 掻き上げ作用及びスカッフィングを抑制することができる。
【0012】
【実施例】
以下、この考案によるバレルフェース形内燃機関用圧力リングの実施例を図1 〜図4並びに図8及び図9について説明する。
【0013】 図1〜図3に示すように、この考案によるバレルフェース形内燃機関用圧力リ ング1では、合口2を形成する両端部3付近の各外周摺動部4に形成された被覆 層5の耐摩耗性は各端部3付近以外の外周摺動部4に形成された被覆層6の耐摩 耗性より大きい。即ち、被覆層5は地金の黒鉛鋳鉄で形成されたリング本体にイ オンプレーティング又は複合分散メッキで形成された場合に、被覆層6は窒化処 理によりリング本体に形成される。イオンプレーティング又は複合分散メッキで 形成された被覆層5は窒化処理により形成された被覆層6より耐摩耗性が高い。 また、被覆層5がクロムメッキにより形成された場合に、被覆層6には被覆層が 形成されない。イオンプレーティング、複合分散メッキ、窒化処理及びクロムメ ッキは公知の方法で処理される。被覆層5の耐摩耗性は合口2を形成する各端部 3から円周方向に沿ってψ=20度以下の角度範囲で形成される。
【0014】 本実施例では合口2を形成する両端部3付近の外周摺動部4に形成された被覆 層5の耐摩耗性は他の部分の外周摺動部に形成された被覆層6の耐摩耗性より高 い。このため、外周摺動部4に摩耗が進行しても、合口2を形成する両端部3付 近でも被覆層5が残存し、シリンダ内壁に対する十分な面圧が確保される。従っ て、両端部3付近では被覆層5が潰れて外周摺動部4が全面でシリンダ内壁に当 接しないので、圧力リングのエッジ形成によるオイルの掻き上げ作用及びスカッ フィングを抑制することができる。
【0015】 図8は本実施例に用いた超高圧摩耗試験機の要部の断面図、図9は図8のA− A線に沿う断面図である。
【0016】 ステータホルダ21に取外し可能に取付けられた直径80mm×厚さ10mmの研 磨仕上げを施した円板22の中央には裏側から注油孔23を通して潤滑油が注油 される。図示しない油圧装置によって図中右方に向かう押圧力Pがステータホル ダ21に作用される。円板22に相対向して配置されたロータ24は、図示しな い駆動装置によって所定速度で回転される。ロータ24の円板22に対する端面 に取付けられた試験片保持具25には、試験片30が4個取外し可能に同心円状 かつ等間隔に取り付けられる。試験片30は、表面処理層を形成した5mm角の正 方形端面を摺動面として円板22に対して摺動自在に取付けられる。
【0017】 ステータホルダ21に所定の押圧力Pをかけることにより所定の面圧で円板2 2と試験片30とを接触させた後、注油孔23から所定給油速度で摺動面に給油 しながらロータ24を回転させる。一定時間毎にステータホルダ21に作用する 圧力を段階的に増加し、ロータ24の回転によって試験片30と円板22との間 に摩擦を発生する。この超高圧摩耗試験機に対する試験条件は、摩擦速度:8m /秒、円板22の材質:シリンダライナ用鋳鉄FC25、接触面圧:20kg/ 平方センチメートルより3分毎にスカッフィング発生まで10kg/平方センチ メートルづつ増圧、各面圧に3分間保持、潤滑油:モータオイル#30、油温: 80℃、供給量:400cc/分である。スピンドル26を介してステータホルダ 21に生ずるトルクTをロードセル27に作用させ、トルクTの変化を動歪計8 で読み取り記録計9に記録する。トルクTが急激に上昇したときにスカッフィン グが発生したものとして、この時の接触面圧を基準として耐スカッフ性の良否を 判断する。この結果、スカッフィング発生面圧(kg/平方センチメートル)は 、イオンプレーティング:175、窒化処理:120、複合分散メッキ:133 、クロムメッキ:110、未処理地金(黒鉛鋳鉄):75であった。
【0018】 図4は、気筒内径56ミリメートルの1気筒4サイクル空冷汎用エンジンにこ の考案による圧力リング及び従来の圧力リングを実装したエンジンを稼動した結 果得られたオイル消費率のグラフである。図4に示すように、この考案によるバ レルフェース形内燃機関用圧力リングのオイル消費率Aは、150時間経過後に 従来の圧力リングのオイル消費率Bに比べて、約20%少ないことが判明した。
【0019】
【考案の効果】
この考案では長時間稼動されるバレルフェース形内燃機関のオイル消費量を減 少しかつスカッフィングを抑制できるので、オイルを節約できかつ保守及び点検 を省略できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案によるバレルフェース形内燃機関用
圧力リングの平面図
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図
【図3】 図1のB−B線に沿う断面図
【図4】 オイル消費率を示すグラフ
【図5】 従来のプレーン形ピストンリングの断面図
【図6】 従来の被覆層形ピストンリングの断面図
【図7】 従来のバレルフェース形ピストンリングの断
面図
【図8】 超高圧摩耗試験機の要部の断面図
【図9】 図8のA−A線に沿う断面図
【符号の説明】
1・・バレルフェース形内燃機関用圧力リング、2・・
合口、3・・端部、4・・外周摺動部、5、6・・被覆
層、

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合口を形成する両端部付近の各外周摺動
    部に形成された被覆層の耐摩耗性を各端部付近以外の外
    周摺動部の耐摩耗性より高くしたことを特徴とするバレ
    ルフェース形内燃機関用圧力リング。
  2. 【請求項2】 合口を形成する両端部付近の各外周摺動
    部に形成された被覆層をイオンプレーティング又は複合
    分散メッキで形成し、各端部付近以外の外周摺動部の被
    覆層を窒化処理により形成した「請求項1」に記載のバ
    レルフェース形内燃機関用圧力リング。
  3. 【請求項3】 合口を形成する両端部付近の各外周摺動
    部に形成された被覆層をクロムメッキで形成し、各端部
    付近以外の外周摺動部には被覆層を形成しない「請求項
    1」に記載のバレルフェース形内燃機関用圧力リング。
JP2400793U 1993-05-10 1993-05-10 内燃機関用圧力リング Pending JPH0682465U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510280A (ja) * 2009-11-10 2013-03-21 フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー ピストンリング
JP2018127679A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 株式会社神戸製鋼所 成膜装置および成膜物の製造方法
WO2019208551A1 (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 株式会社神戸製鋼所 成膜装置及び成膜方法

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