JPH0680169U - 超音波探傷器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中に被検体１を浸けて超音波探傷を行う超
音波探傷装置において、水中の気泡や汚れなどによる影
響を可及的に低減する。 【構成】 水槽２内の水をポンプ９によって循環させる
循環路を設けるとともに、その循環路の途中に、水中の
気体を真空ポンプ１２で減圧して除去する脱気装置１１
および水中の固形物を濾過するフィルタ装置１１を設け
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鋼材や複合材といった各種の被検体内部の傷や剥離などの欠陥を非 破壊で検査する超音波探傷器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の超音波探傷器には、超音波の減衰を少なくするために、被検体を水槽に 浸し、水を通して超音波を送受波して探傷を行う、いわゆる、水浸法がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような水浸法では、水の脱気が不十分である場合には、被検体 や探触子に気泡がついて該気泡によって超音波が反射されるので、かかる場合に は、被検体や探触子に付いた気泡を取り除くといった作業を行わねばならず、面 倒である。さらに、水槽の水も時間がたつと汚れやごみなどが生じ、これらによ って、超音波が反射されるといった問題もある。

【０００４】 本考案は、上述の点に鑑みて為されたものであって、水中の気泡や汚れなどに よる影響を可及的に低減した超音波探傷器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上述の目的を達成するために、水槽内に被検体を浸して前記被検 体に水を通して超音波を送波し、その反射波を受波して被検体の欠陥を検出する 超音波探傷器において、前記水槽の水を循環させる循環路を設けるとともに、該 循環路の途中に、水中の気体を除去する脱気装置および水中の固形物を除去する フィルタ装置を設けている。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、水槽の水を循環させ、その途中で脱気を行うとともに、フ ィルタ装置を通して濾過するので、水中の気泡やごみが除去され、検査に悪影響 を及ぼすことがない。

【０００７】

【実施例】

以下、図面によって本考案の実施例について詳細に説明する。

【０００８】 図１は、本考案の一実施例の超音波探傷器の概略構成図である。

【０００９】 この実施例の超音波探傷器は、被検体１を水槽２に浸し、水を通して超音波の 送受波を行って探傷する、いわゆる、水浸法によるものであり、探触子３は、水 槽２の上方に設けられた走査手段４によって、Ｘ方向（左右方向），Ｙ方向（紙 面に垂直方向）およびＺ方向（上下方向）に、走査されるようになっている。

【００１０】 この超音波探傷器は、探触子３を駆動して超音波を送波するとともに、その反 射波を受波する送受波回路５と、受波した信号を画像表示するモニタ６と、送受 波回路５を制御するとともに、探触子３を走査するモータ駆動手段７を制御する 制御回路８とを備えている。

【００１１】 この超音波探傷器は、従来例と同様に、被検体１に超音波を送波し、その反射 波を受波し、そのエコー信号の波形に基づいて、被検体１内部の剥離や傷といっ た欠陥を検出するものである。

【００１２】 この実施例の超音波探傷器では、水中の気泡や汚れなどによる影響を可及的に 低減するために、次のように構成している。

【００１３】 すなわち、水槽２の水をポンプ９によって矢符Ａで示されるように循環させる 循環路を設けており、その循環路の途中に、水中の気体を除去する脱気装置１０ および水中の固形物を除去するフィルタ装置１１を設けている。

【００１４】 この実施例の脱気装置１０は、真空ポンプ１２によって減圧して脱気を行うも のであり、この実施例では、水の循環を停止させ、脱気槽１３の前後のバルブ１ ４，１５を閉じて真空ポンプ１２で脱気槽１３内を減圧し、脱気を行うものであ り、一定時間の脱気が終了すると、前後のバルブ１４，１５を開いて所定時間水 の循環を再開し、同様に脱気を行うものである。

【００１５】 この実施例では、減圧して脱気を行ったけれども、本考案の他の実施例として 、超音波を利用した脱気あるいは適宜の加熱手段を設けて煮沸による脱気を行う ようにしてもよい。

【００１６】 この実施例のフィルタ装置１１は、水槽１６と、該水槽１６の吸い込み端に設 けられたフィルタ１７とからなり、このフィルタ装置１１によって、水中の汚れ やごみなどの固形物を濾過するようにしている。

【００１７】 このような水の循環および脱気は、被検体１の検査の合間を利用して行われる 。

【００１８】 このように、被検体１が浸漬された水槽２の水を循環させて脱気を行うととも に、フィルタ装置１１を通して濾過するようにしているので、水中の気泡やごみ が除去され、したがって、従来例のように、被検体１や探触子３に気泡が付いた り、あるいは、汚れやごみなどによって、超音波が反射されるといったことがな い。

【００１９】 さらに、水の再利用を図ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、被検体が浸けられる水槽の水を循環させる循環 路を設けるとともに、循環路の途中に、水中の気体を除去する脱気装置および水 中の固形物を除去するフィルタ装置を設けているので、水中の気泡やごみが除去 され、従来例のように検査に悪影響を及ぼすことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 被検体 ２ 水槽 ３ 探触子 ９ ポンプ １０ 脱気装置 １１ フィルタ装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽内に被検体を浸して前記被検体に水
   を通して超音波を送波し、その反射波を受波して被検体
   の欠陥を検出する超音波探傷器において、 前記水槽の水を循環させる循環路を設けるとともに、該
   循環路の途中に、水中の気体を除去する脱気装置および
   水中の固形物を除去するフィルタ装置を設けることを特
   徴とする超音波探傷器。