JPH0678786U - 木材乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 乾燥箱内で所定の水分まで乾燥させた木材
を、乾燥箱内で円滑に外気温まで降下させ、乾燥箱から
取出した際に木材に割れ、曲がり、歪等が発生するのを
防止する。 【構成】 木材を収容する略密閉された乾燥箱１と、乾
燥箱内に気流を発生させる送風装置２と、乾燥箱内を加
熱する間接式の加熱装置３と、乾燥箱内の空気の湿度を
低減させる除湿装置４とを設けてなる木材乾燥機におい
て、前記乾燥箱内を冷却する間接式の冷却装置５を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、木材を人工的に乾燥させる木材乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として図３に示すものがあった。図３において、１は略密閉された 直方体状の乾燥箱であり、前部は扉（図示省略）によって開閉され、この前部側 から台車１４に搭載された木材１５を収容する。上記乾燥箱１内の上部に送風装 置２およびこの送風装置２の下流側に電熱ヒータからなる加熱装置３を配置し、 送風装置２により発生された気流つまり空気を加熱装置３により加熱する。また 、乾燥箱１の外部に除湿装置４を設置し、該除湿装置４により箱内の空気湿度の 上昇を所定値に抑制する。

【０００３】 ８は加熱装置３および除湿装置４を制御する制御装置であり、乾燥工程におい て、送風装置２のスイッチ２ａをオン作動させるとともに、乾燥箱１内に設けた 温度センサ９および湿度センサ１０の測定値を入力して加熱装置３および除湿装 置４のスイッチ３ａ，４ａをオン・オフ作動させ、例えば、乾燥中における乾燥 箱１内の空気の温度を図２の温度特性線１１で示すように約５０℃に保持すると ともに、上記乾燥中における乾燥箱１内の空気の湿度を図２の湿度特性線１２で 示すように約７０％に保持し、これにより乾燥箱１内の木材１５の水分を図２の 水分特性線１３で示すように例えば２０％に達するまで乾燥させる。

【０００４】 また、乾燥箱１の周壁に複数個の通気窓１ａを取付け、乾燥箱１内の木材１５ が所定の水分、例えば２０％に達した際に、加熱装置３および除湿装置３を停止 させた後、上記通気窓１ａを図１の仮想線で示すように開いて外気を導入し、乾 燥箱１内の木材１４の温度を外気温まで降下させる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 上記従来のものは、乾燥箱１内の木材１５を所定の水分まで乾燥させた後に、 通気窓１ａを開作動させて乾燥箱１内に外気を導入、つまり冷却工程に入ると、 図２の下降温度特性線１１ａおよび下降湿度特性線１２ａで示すように、上記乾 燥箱１内の空気の温度と湿度が時間Ｔ３で急激に外気の温度および湿度まで降下 し、雰囲気の急激な変化により木材１５に割れ、曲がり、歪等が発生する欠点が あった。また、これを防止するために、通気窓１ａの開度を外気の温湿度に合わ せて手動により調節するようにしていたが、これは熟練を要する欠点があった。 本考案は上記欠点を解消した新規な木材乾燥機を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、以下の如く構成したものである。即ち、 木材を収容する略密閉された乾燥箱と、乾燥箱内に気流を発生させる送風装置と 、乾燥箱内を加熱する間接式の加熱装置と、乾燥箱内の空気の湿度を低減させる 除湿装置とを設けてなる木材乾燥機において、前記乾燥箱内を冷却する間接式の 冷却装置を設ける構成にしたものである。また、前記送風装置、加熱装置および 除湿装置を作動させて乾燥箱内の木材を乾燥させ、該木材が所定の水分に達した 際に、前記加熱装置を停止させるとともに、前記冷却装置を作動させる制御装置 を設ける構成にしたものである。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図において、図１は本考案の実 施例を示す要部断面正面、図２は特性線図である。図１において、１は台車１４ に搭載された被乾燥用の木材１５を収容する乾燥箱であり、内部に送風装置２、 加熱装置３を設置し、また外部に除湿装置４を設置し、送風装置２により乾燥箱 １内の空気を循環させるとともに、加熱装置３により乾燥箱１内の空気を所定温 度まで加熱し、また、除湿装置４により乾燥箱１内の空気湿度の上昇を所定値に 抑制する。これらは前述した従来のものと略同様の構造となっている。

【０００８】 上記乾燥箱１内の空気を冷却する冷却装置５を設ける。この冷却装置５は乾燥 箱１内上部の空気の循環路上に冷却パイプ６ａを配置し、この冷却パイプ６ａの 一端に地下水または水道水が流通する供給管６ｂを接続し、他端に排水管６ｃを 接続する。また上記供給管６ｂに電磁弁７を取付け、この電磁弁７によって供給 管６ｂを開閉する。なお、上記冷却装置５は外部に水タンクおよび放熱器を設置 し、水タンク内の水を循環させながら放熱器により放熱する循環放熱式の冷却装 置としてもよく、あるいは冷凍機を使用した冷凍機式の冷却装置としてもよい。

【０００９】 上記加熱装置３、除湿装置４および冷却装置５は、制御装置８によって以下の 如く制御される。即ち、乾燥工程においては、冷却装置５の電磁弁７をオフ作動 （遮断）、送風装置２のスイッチ２ａをオン作動させるとともに、乾燥箱１内に 設けた温度センサ９および湿度センサ１０の測定値（信号）を入力して、該測定 値が、例えば５０℃、７０％以下の場合には加熱装置３および除湿装置４のスイ ッチ３ａ，４ａをオン作動させ、また上記測定値が、５０℃、７０％以上になる と上記加熱装置３および除湿装置４のスイッチ３ａ，４ａをオフ作動させ、上記 乾燥工程における乾燥箱１内の空気の温度および湿度を、図２の温度特性線１１ 、湿度特性線１２で示すように約５０℃および約７０％に保持し、これにより乾 燥箱１内の木材１５の水分を図２の水分特性線１３で示すように例えば２０％に 達するまで乾燥させる。この乾燥工程の時間Ｔ１は予め設定したタイマー回路（ 図示省略）により行う。なお、上記温度センサ９および湿度センサ１０の設定温 度および設定湿度は、木材１５の種類によって適宜設定する。

【００１０】 次に上記乾燥工程が終了すると、冷却工程を開始する。即ち、上記加熱装置３ のスイッチ３ａをオフ作動、送風装置２のスイッチ２ａをオン作動（続行）させ るとともに、電磁弁７を予め設定した時間間隔で間欠的にオン・オフ作動させて 冷却パイプ６ａ内に冷却水を間欠的に流通させ、温度センサ９の測定値が外気温 、例えば２０℃に達すると、上記電磁弁７をオフ作動させる。上記電磁弁７のオ ン・オフ作動の間隔、つまり冷却装置５の冷却能力は、図２の下降温度特性線１ １ｂで示すように、乾燥箱１内の空気の温度が外気温（２０℃）に達するまでの 時間Ｔ２が約２４時間になる如く設定する。なお、上記冷却装置５の冷却能力、 即ち冷却工程の時間Ｔ２は木材１５の種類によって適宜設定する。

【００１１】 また、上記冷却工程においては、乾燥箱１内に設けた湿度センサ１０の測定値 が、例えば７０％以下の場合には除湿装置４のスイッチ４ａをオン作動させ、ま た上記測定値が、７０％以上になると上記除湿装置４のスイッチ４ａをオフ作動 させ、これにより上記冷却工程における乾燥箱１内の空気の湿度を、図２の湿度 特性線１２ｂで示すように約７０％に保持し、この状態で乾燥箱１内の木材１５ の温度を外気温まで降下させる。なお、上記冷却工程における除湿装置４の作動 は停止させるようにしてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は乾燥箱内で所定の水分まで乾燥させた 木材の温度を、乾燥箱内で該乾燥箱内の空気の湿度を低下させることなく外気温 まで降下させることができ、乾燥された木材を乾燥箱から取出した際に、割れ、 曲がり、歪等が発生しなくなるとともに、乾燥後の木材の冷却が熟練を要するこ となく容易に行える効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部断面正面である。

【図２】図２は木材の水分および乾燥箱内の温湿度の特
性線図である。

【図３】従来例を示す要部断面正面である。

【符号の説明】

１ 乾燥箱 ２ 送風装置 ２ａ スイッチ ３ 加熱装置 ３ａ スイッチ ４ 除湿装置 ４ａ スイッチ ５ 冷却装置 ６ａ 冷却パイプ ６ｂ 供給管 ６ｃ 排水管 ７ 電磁弁 ８ 制御装置 ９ 温度センサ １０ 湿度センサ １１ 温度特性線 １１ｂ 下降温度特性線 １２ 湿度特性線 １２ｂ 冷却工程の湿度特性線 １３ 木材水分特性線 １４ 台車 １５ 木材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木材を収容する略密閉された乾燥箱と、
   乾燥箱内に気流を発生させる送風装置と、乾燥箱内を加
   熱する間接式の加熱装置と、乾燥箱内の空気の湿度を低
   減させる除湿装置とを設けてなる木材乾燥機において、
   前記乾燥箱内を冷却する間接式の冷却装置を設けたこと
   を特徴とする木材乾燥機。
2. 【請求項２】 前記送風装置、加熱装置および除湿装置
   を作動させて乾燥箱内の木材を乾燥させ、該木材が所定
   の水分に達した際に、前記加熱装置を停止させるととも
   に、前記冷却装置を作動させる制御装置を設けたことを
   特徴とする請求項１記載の木材乾燥機。