JPH0678579A - モータイナーシャ推定装置およびオートチューニング方法 - Google Patents
モータイナーシャ推定装置およびオートチューニング方法Info
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- JPH0678579A JPH0678579A JP4284096A JP28409692A JPH0678579A JP H0678579 A JPH0678579 A JP H0678579A JP 4284096 A JP4284096 A JP 4284096A JP 28409692 A JP28409692 A JP 28409692A JP H0678579 A JPH0678579 A JP H0678579A
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Abstract
るとともにチューニング回数を低減したものである。 【構成】 積分要素、加算部および除算部から構成され
るイナーシャ推定部21に速度制御アンプ2のアンプ出
力iA*、モータ速度nMおよび負荷トルク推定オブザー
バ8からの負荷トルク推定値τL∧が入力される。イナ
ーシャ推定部21は上記入力値を演算して出力にイナー
シャ変動量Kを出力する。
Description
ータの慣性モーメント)の推定装置および速度制御アン
プと負荷トルク推定オブザーバのオートチューニング方
法に関するものである。
ゲインの決定方法や最近広く用いられるようになった負
荷トルク推定オブザーバの設計において、モータの慣性
モーメントが明確でないと、正確な調整が不可能とな
り、速度応答にオーバーシュートが発生したり、不安定
な要因となる場合がある。また、エンコーダを用いた速
度制御系では、エンコーダパルス間隔が速度制御周期よ
り長くなるような極低速域の特性改善のために、近年零
速域の速度推定方法の研究が活発に行われている。これ
らの速度推定方法にはモータの慣性モーメントが使用さ
れており、モデルと実機との誤差は速度推定誤差の要因
となり、制御性能の改善効果を劣化させることになる。
た速度制御系を示すブロック図で、1は速度設定値nM
*とモータ速度nMとの偏差をとる偏差部で、この偏差
部1の偏差出力は速度制御アンプ(PI又はPのみ)2
に供給される。速度制御アンプ2の出力iA*は加算部
3の一方の端子に供給され、他方の端子には後述の負荷
トルク推定オブザーバのトルク電流推定値iT∧(以下
推定値の表現には符号∧を付す)が供給される。加算部
3の出力はトルク電流指令iT*として電流制御系4に
供給され、その出力にトルク電流iTを得る。このトル
ク電流iTはトルク係数Kτの定数部5に入力され、そ
の出力にトルク指令τMを得る。このトルク指令τMは偏
差部6で負荷トルクτLと突き合わせ、その偏差出力を
モータ7に供給してモータ7の速度制御を行う。
ク推定オブザーバ8のトルク係数のモデル値Kτ*の定
数部9を介して偏差部10のプラス端に供給される。偏
差部10のマイナス端にはオブザーバゲインL1の定数
部11から出力される負荷トルク推定値τL∧が供給さ
れる。偏差部10の出力はモータのモデル機械時定数T
M*の積分要素部12に入力され、出力にオブザーバ推
定速度nM∧を得る。この推定速度nM∧はモータ速度n
Mとの偏差を偏差部13で得た後、オブザーバゲインL
1の定数部11に入力される。オブザーバゲインL1の
定数部11から出力される負荷トルク推定値τL∧はト
ルク係数のモデル値Kτ*の逆数部14により出力にト
ルク電流推定値iT∧を得る。この推定値iT∧は加算部
3に供給される。
ルク推定オブザーバを用いた速度制御系のブロック図に
おいて、負荷トルク推定オブザーバを用いて外乱補償を
行ったときの負荷トルクの影響とモータイナーシャ変動
の影響について述べる。なお、電流制御系は応答が速い
として無視する。
*以降の関係式を求めると以下のような式になる。
めると、(4)式のようになる。
と、(5)式のようになる。
式のようになる。
係式の(7)式が得られる。
(8)式のようになる。
ロック図は図22のようになる。図22において、オブ
ザーバゲインL1を十分に大きな値に設定すると、負荷
トルクτLからモータ速度nMまでの伝達関数は零と近似
できる。つまり、負荷トルク推定オブザーバは外乱抑制
効果があることが判る。また、アンプ出力iA*からモ
ータ速度nMまでの伝達関数GANは次の(9)式で近似
できる。
タ速度nMは、オブザーバのモデル機械時定数TM*に制
約されることになる。以上により、負荷トルク推定オブ
ザーバより得られる負荷トルク推定値τL∧を用いてト
ルク指令τMを補償すると次に示す効果が得られる。
タイナーシャが変化しても、応答はオブザーバモデルで
規定される。
制御周期や速度検出サンプリング時間の制約、検出ノイ
ズ等の影響により限界がある。このため、上述した効果
に対しても制限が生じ、モータイナーシャ変動に対する
ロバスト性が劣化する。そこで、速度制御性能を向上さ
せるためにはイナーシャを推定する必要がある。次に、
負荷トルク推定オブザーバを用いたモータイナーシャ推
定法について検討して見る。図21に示したモータ部分
のみのブロック図を書くと図23のようになる。図23
より(10)式が求まる。
と、(11)式のようになる。
モデルを考えて見ると、次の(12)式が得られる。
が、オブザーバを用いて推定できるものと仮定すると、
(10),(12)式よりイナーシャ変動K=TM/TM
*は次の(13)式のようにして求められる。
図24のモータモデルより得られるオブザーバ速度推定
値nM∧とモータ速度nMとの比よりイナーシャ変動が求
められる。ここで、トルク係数Kτ=Kτ*=1と仮定
して、τM、nM、τL∧の関係を図21より求めると、
図25のようになる。
得られる負荷トルク推定値τL∧は(11)式に示すよ
うな逆システムより負荷トルクを推定し、その後にフィ
ルタを追加することにより求められる。図25より次の
(14)式が得られる。
と、(15)式が得られる。
ャ誤差(TM−TM*)も一定の状態を考えて見る。この
とき、速度変動があると、イナーシャ誤差に比例した変
動量S(TM−TM*)・nMが負荷トルク推定値τL∧に
現れる。つまり、イナーシャ誤差がある状態で、速度の
ステップ応答を行うと、トルク推定値τL∧はイナーシ
ャ誤差により変動することになる。つまり、負荷トルク
τLの推定値としてτL∧を直接用いることはできない。
そこで、速度変化時には、速度変化前の負荷トルク推定
値τL∧をホールドしておいて使用すれば、ほぼ負荷ト
ルクτLを推定することが可能となる。なお、速度変化
の検出法は種々考えられ、例えば、アンプ出力iA*
は、加減速時のみ出力されるので、iA*の変化を検出
することにより、速度変化検出を行うことができる。
次のような方法もある。いま、図22において、トルク
係数Kτは変動しないとしてKτ=Kτ*とする。一
方、機械時定数のノミナル値(モデルの値TM*)と実
際値の比をK=TM/TM*とする。そして、TM*/L
1=Tx*とおいて、図22を変形すると図26のよう
になる。図26より、オブザーバゲインL1の大きさに
制約があると、負荷トルクτLの影響がモータ速度nMに
現れるとともに、アンプ出力iA*からモータ速度nMま
での伝達関数にK=TM/TM*の影響が現れ、速度応答
がモータのモデル機械時定数TM*のみで決定できなく
なる問題がある。
わゆるオートチューニング方法も考えられている。この
オートチューニング方法には大別すると次の2つの方法
がある。
のイナーシャ)を同定し、その結果より制御理論に基づ
いて自動的にゲイン、時定数を決定する方法。
てファジイによるオートチューニングを行う方法。
めに、出力に外乱としての影響が出る問題がある。
(2)の方法はオーバーシュート量、振幅減衰比、整定
時間比等の特徴量を検出して、ファジイ制御により同定
して行く方法であるが、同定するまでのチューニング回
数が多い問題がある。
ので、イナーシャ変動量を直接推定できるようにすると
ともにその推定が短時間でできるようにし、また同定信
号を不要として、チューニング回数を低減したモータイ
ナーシャの推定装置および速度制御アンプと負荷トルク
推定オブザーバのオートチューニング方法を提供するこ
とを目的とする。
記の目的を達成するために、第1発明は速度制御アンプ
の出力およびモータ速度を、積分要素、加算部および除
算部からなるモータイナーシャ推定回路で演算した後、
無負荷のモータイナーシャを推定することを特徴とする
ものである。
に負荷トルク推定値をさらに入力したものである。
1,第2積分要素と、第1,第2積分要素の出力を加算
した後、モータ速度で割算したものである。
力と第1積分要素の出力との偏差出力からモータモデル
速度を得るようにしたものである。
ク推定値とを加算してトルク指令を得、このトルク指令
と負荷トルクとの偏差をとってモータのモデル機械時定
数からなる積分要素に入力し、その出力にオブザーバ推
定速度を得、この推定速度とモータ速度とを除算したこ
とを特徴とするものである。
るモータのモデル機械時定数からなる積分要素と、この
積分要素の出力と負荷トルク推定値が入力されるオブザ
ーバゲインの逆数部の出力との偏差からモータ速度を得
るようにしたものである。
の偏差出力をモータのモデル機械時定数からなる積分要
素に入力して、その出力にオブザーバ推定速度を得、こ
の推定速度とモータ速度とを除算したものである。
が入力されるモータのモデル機械時定数からなる積分要
素と、この積分要素の出力と負荷トルク推定値が入力さ
れるオブザーバゲインの逆数部の出力との偏差から得た
モータ速度を与えたものである。
逆数部を設けたものである。
の逆数部を設けたものである。
速度制御アンプおよび負荷トルク推定オブザーバのチュ
ーニングを行うようにしたものである。
ニングも行うようにしたものである。 第13発明は速
度設定値とモータ速度との偏差を増幅する速度制御アン
プと、この速度制御アンプ出力が供給される電流制御系
と、この電流制御系から出力されるトルク電流をトルク
指令としてモータに印加してモータを制御する速度制御
系において、前記電流制御系の出力が供給される負荷ト
ルク推定オブザーバを設け、この負荷トルク推定オブザ
ーバから得られる負荷トルク推定値を速度変化前データ
をラッチして負荷トルク相当値を得、前記速度制御アン
プ出力と負荷トルク相当値との偏差出力をモータの機械
時定数からなる積分要素に入力し、その出力に得られた
オブザーバ速度推定値とモータ速度とを除算部で除算し
たことを特徴とするものである。
定値と負荷トルク相当値の偏差出力をモータの機械時定
数からなる積分要素に入力し、その出力に得られたオブ
ザーバ速度推定値とモータ速度とを除算部で除算したこ
とを設けたものである。
インの逆数部を積分要素と並列に設けて、その出力を積
分要素の出力に加算したことを設けたものである。
偏差を速度制御アンプで増幅したのち、この速度制御ア
ンプ出力を電流制御系に供給し、この電流制御系から出
力されるトルク電流をトルク指令としてモータに印加し
てモータを制御する速度制御方法において、イナーシャ
推定部の出力で速度制御アンプ、負荷トルク推定オブザ
ーバおよびイナーシャ推定部のチューニングを行うよう
にしたことを特徴とするものである。
するに、図21と同一部分は同一符号を付してその説明
を省略する。図1において、21は詳細を後述するイナ
ーシャ推定部で、このイナーシャ推定部21には速度制
御アンプ2のアンプ出力iA*、モータ速度(実速度)
nMおよび負荷トルク推定オブザーバ8からの負荷トル
ク推定値τL∧が入力される。イナーシャ推定部21は
これら入力値を積分要素、加算部、除算部で構成される
演算部によりイナーシャ変動量Kを直接推定する。
チャートを図20に示す。図20では1回の加減速運転
にてイナーシャ推定を行う例を示している。図20にお
いて、モータイナーシャ誤差がある状態で加減速運転を
行うとすると、時点aでnM*が入力され、モータは回
転を始める。このときτL∧推定も開始され、TM*/L
1の時定数で推定が完了する。TMとTM*に誤差がある
ため、τL∧はその誤差分を補償するためτL以上の値と
なる。
停止し、加速完了後の安定したτL∧をτL′として使用
する。
を開始する。減速開始にて、τL′は開始前の値をホー
ルドする。
ナーシャ誤差K又はK−1が出力される。その後、時点
eで減速が完了し、イナーシャ推定も完了する。なお、
ノイズ等を考慮するときにはイナーシャ推定完了後のK
データを数点平均化処理すればよい。
イナーシャ変動量Kの算出法を検討してイナーシャ推定
部21の具体的な実施例を導く。図26より次の(1
6)式が得られる。
(17)式が得られる。
(18)式より得られる。
る具体的な第1実施例を示すと図2のようになる。図2
において、22はアンプ出力iA*が入力される第1積
分要素で、この第1積分要素22はトルク係数のモデル
値とモータのモデル機械時定数との関係を積分するブロ
ックである。第1積分要素22は上記関係を積分して出
力にモデル速度nM*″を得る。このnM*″は偏差部2
3でモータ速度nMとの偏差をとって第2積分要素24
に入力される。第2積分要素24はオブザーバゲインL
1とモデル機械時定数TM*との関係を積分し、その出
力とnM*とを加算部25で加算する。加算により得ら
れたK・nMの出力は除算部26でモータ速度nMで除し
て、その出力にイナーシャ変動量Kを得る。
ったが、次に負荷時のイナーシャ推定について述べる。
ここでは、負荷トルクτLがある一定値であると仮定す
る。図26より、定常状態ではτL/L1というオフセ
ットを発生するために、アンプ出力iA*はそのオフセ
ット分τL/L1を打ち消すような指令値となり、n
M*′はオフセットを加算した値(nM*′=nM+τL/
L1)となる。このため、nM*′≠nMとなり、前記図
2のイナーシャ推定法が使用できなくなる。
が、負荷トルク推定オブザーバで負荷トルク推定値τL
∧を推定しているため、次にτL∧を用いる方法を考え
る。いま、負荷トルクτLが一定値であれば、加速,運
転を一度実行すれば、負荷トルク推定値τL∧の推定が
完了する。このτL∧をラッチし、τL∧/L1をオフセ
ット値として使用すれば、負荷時のイナーシャ推定が可
能となる。その具体的な第2実施例を図3に示す。図2
と同一部分は同一符号を付して示す。図3において、2
7は負荷トルク推定値τL∧の推定後にラッチするスイ
ッチで、このスイッチ27がラッチすると、その出力τ
L′∧がオブザーバゲインL1の逆数部28に入力され
る。この逆数部28の出力は第1積分要素22の出力と
偏差部29で偏差がとられて、その出力が偏差部23と
加算部25に与えられる。なお、前記τL′∧は加速運
転後の推定完了したτL∧のラッチデータである。
図4のタイミングチャートを用いて述べる。なお、
τL′∧とK算出には1/nMの除算を含むために、nM
=0を考慮した方法を検討する必要がある。図4のタイ
ミングチャートは加減速を数回繰り返してイナーシャ推
定を行う方法を例にとって述べる。図4において、速度
設定が時点a〜c、d〜f、g〜iの間にある設定値n
M*が入力されるとする。このとき、負荷トルクτLはあ
る一定値が印加されているとする。モータ機械時定数
(モータイナーシャ)TMは例えばTM*,2・TM*、
4・TM*と変化すると言える。
TM*のため、良好な速度制御が実行されて、nMのオー
バーシュートは小さい。このとき、負荷トルクオブザー
バが動作し、τL∧推定を開始する。
安定状態でのτL∧をラッチし、相当値τL′∧をホール
ドする。
速停止する。
る。TM=2・TM*のため、速度制御アンプの調整が最
適状態からずれるために、nMのオーバーシュートが大
きくなる。また、イナーシャ誤差を補償するために、オ
ブザーバ出力τL∧が変化する。時点bでホールドした
τL′∧を用いて、図3のK・nMを求める演算を開始す
る。
除算を含むために、オーバーフローが発生する。これを
除去するために、nMがある値以上となる時点eにてK
演算を開始する。
速停止する。このとき、nM=0となることを考慮し
て、K演算を中止する。ただし、Kデータはそれまでの
値をホールドしておく。
る。TM=4・TM*のため、nMのオーバーシュートは
さらに激しくなる。KnM演算を実行する。
と、時点hにてK演算する。
記時点fと同一の動作となる。
の繰り返しによる方法であるが、ある一定回転数におけ
る加減速運転でも同様のイナーシャ推定が可能である。
図5に上記図4の条件におけるイナーシャ推定のシミュ
レーション結果を示す。シミュレーション条件として
は、IM22KW、GD23〔Kgm2〕、定格トルク1
8.2〔Kg・m〕、定格回転数1180〔rpm〕、
速度制御アンプωc=20〔rad/s〕に調整(アン
プPゲインのみ)、速度設定2.5%、負荷トルク5%
に設定した。
前記(10)式〜(13)式より図6の実施例が得られ
る。なお、簡単のため、電流制御系を無視し、トルク係
数Kτ=Kτ*=1とする。図6において、31はiA
*とτL∧とを加算して出力にトルク指令τMを得る加算
部で、加算部31の出力τMは偏差部32のプラス端に
与えられる。偏差部32のマイナス端には速度変化前デ
ータをラッチするスイッチ33Sを介して負荷トルク相
当値τL′が与えられる。偏差部32の偏差出力はモデ
ル機械時定数TM*の積分要素33に入力され、出力に
オブザーバ速度推定値nM1∧を得る。この推定値は除算
部34でnMで除算されて出力にイナーシャ変動量Kを
得る。
9)式のようになる。
図7に示す第4実施例のように変形できる。図7は図6
に、積分要素35、オブザーバゲインの逆数部36およ
び偏差部37を追加したもので、偏差部37の偏差出力
にnMを得るものである。
分大きな値と考えると、Tx*=TM*/L1≒0と近
似できる。そこで、(15)式の一次遅れ部を無視する
と、イナーシャ変動量Kは次の(20)式より求められ
る。
施例が図8に示すように得られる。図8において、41
は負荷トルク推定値τL∧と速度変化前データをラッチ
するスイッチ42により得られた負荷トルク相当値(ラ
ッチデータ)τL′との偏差をとる偏差部で、この偏差
部41の出力は積分要素42に入力される。積分要素4
2からはオブザーバ速度推定値nM3∧を得る。この推定
値とnMとを除算部43で除算して出力にイナーシャ変
動量K−1を得る。
が一定の状態なら、負荷トルク推定値τL∧と速度変化
前のτL(ラッチデータτL′)の偏差をモデル時定数T
M*で積分し、実速度nMで除算することにより、イナー
シャ誤差(K−1)が求まる。また、第4実施例でnM
を検出すれば、図9に示す第6実施例のようなイナーシ
ャ推定部が得られる。この第6実施例は第5実施例に積
分要素44、オブザーバゲインの逆数部45および偏差
部46を追加したものである。
L′の検出法について検討して見る。(15)式より明
らかなようにイナーシャ誤差がある状態で加減速運転を
行うと、負荷トルクオブザーバにより推定したトルク推
定値τL∧には、イナーシャ誤差を相殺する補償トルク
分が含まれる。そのため、加減速運転中は、τL∧の安
定データをτL′にホールドしておく必要がある。
モデルTM*を加減速させるトルク指令が出力される。
そのため、このiA*がある値以上にて加減速中と判断
するとよい。iA*のオーバーシュート、アンダーシュ
ートを考慮して、iA*の絶対値をとり、フィルタを通
して平滑化する。|iA|と|iA|Fのオアをとってコ
ンパレータで加減速中の検出を行う。このようにした検
出回路を図10に示す。そして、この図10のタイミン
グチャートを図11に示す。図10,図11により、得
られた加減速中信号により、τL∧をホールドすること
により、安定したτL′を検出することができる。
ータイナーシャ推定部におけるnM1∧とnM3∧は加減速
開始点における実速度nMSからの速度偏差を出力する。
そのため、Kを求めるときに単純にnMで除算すること
ができない。そこで、nMとしては加減速開始点におけ
る初期値nMSを引いた値を用いる必要がある。また、n
M=0の時には除算がオーバーフローするため、除算の
演算はnM′がある値以上で実行する。図12にnM′検
出回路を示す。図12において、51は偏差部、52は
加減速開始時データをホールドするスイッチ、53は除
算部である。なお、第4実施例と第6実施例のものは加
減速時の速度偏差のみを検出するので、加減速開始点に
てnM2∧とnMあるいはnM∧とnMをクリアしておけば
よい。
ションの特性図、図15,図16は第5実施例のシミュ
レーションの特性図である。
る。負荷トルクτLが一定の状態で、また、すでにτL∧
推定が完了していると仮定すると、(15)式のτLに
かかる一次遅れ要素を無視することができる。このと
き、(15)式よりイナーシャ誤差(K−1)は次のよ
うに(21)式により求められる。
(22)式になる。
シャ推定部は前記第5実施例の図8にオブザーバゲイン
の逆数部47と加算部48を追加した図17であり、ま
た、第8実施例のモータイナーシャ推定部は前記第6実
施例の図9にオブザーバゲインの逆数部47と加算部4
8を追加した図18である。
シャ誤差(K−1)の推定時間の高速化を図ることがで
きる。
ーシャ変動量Kを速度制御アンプ2と負荷トルク推定オ
ブザーバ8に与えて、モータ速度制御系のオートチュー
ニング方法について、図19により述べる。
と、実機モータの機械時定数TMは次の(23)式で求
められる。
プゲインとオブザーバのモデル機械時定数を調整するこ
とにより、速度制御系のオートチューニングが可能とな
る。次にその方法を述べる。
整法は次のように行われている。
での折点角周波数である。
は、もっと大きな値に調整する。
定できるので、(23)式を(24)式に代入すること
により、速度制御アンプのゲインKpを決定することが
できる。これにより、モータイナーシャが変動しても、
速度制御系の応答を要求される応答周波数に調整するこ
とが可能となる。
外乱抑制を行うと、オブザーバにより等価的に速度制御
アンプに直列にPI要素が現れるので、速度制御アンプ
をゲインKpのみの構成としてもよい。このときは、速
度応答のオーバーシュートを小さくすることが可能とな
る。
換すればよい。つまり、TM*をK倍することにより、
オブザーバ部のモデル機械時定数のチューニングを行う
ことができる。
ているので、(23)式より求めたTMに置換すること
によりチューニングを行うことができる。
ャ変動量Kにはフィルタを挿入して、Kを滑らかに変化
させる。これにより運転中のチューニングをスムーズに
行うことが可能となる。
示した第1実施例では、負荷トルク推定オブザーバの負
荷トルク推定値iT∧を速度制御アンプ出力iA*と加算
して、最終的にトルク電流指令iT*を出力している。
この手段は外乱抑制効果やイナーシャ変動のロバスト性
等の効果を有するが、イナーシャ推定だけに限定すれ
ば、トルク推定値を速度制御アンプ出力に加算する必要
はない。そこで、従来の速度制御系に負荷トルク推定オ
ブザーバをイナーシャ推定のためのみ付加したものが、
第9実施例である。第9実施例を図27により述べる。
図27において、加算部3を省いて速度制御アンプ出力
をトルク電流指令iT*として電流制御系4に入力す
る。
示すもので、この図28においても加算部3を省いて速
度制御アンプ出力をトルク電流指令iT*として電流制
御系4に入力する。図27および図28の方式では、速
度制御アンプ出力iA*は加減速時の加減速トルク補償
を行い、かつ負荷トルクτLの補償も兼ねることにな
る。そのため、負荷トルクτLが印加されている場合、
速度制御アンプ出力iT*にベース分として負荷トルク
τL分が出力されることになる。このため、図10に示
すような速度制御アンプ出力iA*を使用した加減速検
出が不可能となる。(特に、図21に示す負荷トルク推
定値τL∧が負荷トルクτLを補償するために、加減速中
以外は速度制御アンプ出力iA*はほぼ零となる。)そ
こで、図27、図28に示した速度制御系を構成すると
きは、一例として図29Aに示すように加減速中の検出
回路に変更する必要がある。図29Aにおいて、60は
変化率検出回路で、この回路60にはモータ速度nMと
変化率設定値とが入力され、出力には加減速中の信号が
送出される。また、図29Bはモータ速度nMと加減速
中検出信号との関係を示すタイムチャートである。な
お、図30はイナーシャ推定回路を変形した第10実施
例を示すものである。このイナーシャ推定回路としては
図8、図13の場合も考えられる
速度制御アンプ出力、負荷トルク推定値および実速度を
入力してイナーシャ変動量を直接推定することができる
ようになるとともに、イナーシャ推定を短時間に行うこ
とができる。また、イナーシャ変動量を推定することに
より、速度制御アンプと負荷トルク推定オブザーバのオ
ートチューニングを少ない回数で行うことができる利点
がある。
図。
図。
特性図。
図。
図。
図。
図。
ク図。
ク図。
すブロック図。
のブロック図。
ック図。
タイムチャート。
Claims (16)
- 【請求項1】 速度設定値とモータ速度との偏差を増幅
する速度制御アンプと、この速度制御アンプの出力と負
荷トルク推定オブザーバにより得られたトルク電流推定
値とを加算する加算部と、この加算部の加算出力が供給
される電流制御系と、この電流制御系から出力されるト
ルク電流をトルク指令としてモータに印加してモータを
制御する速度制御系において、 前記速度制御アンプの出力およびモータ速度を、積分要
素、加算部および除算部からなるモータイナーシャ推定
部に入力して演算し、無負荷のモータイナーシャを推定
することを特徴とするモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項2】 前記負荷トルク推定オブザーバから得ら
れた負荷トルク推定値を前記モータイナーシャ推定部に
入力して演算し、負荷時のモータイナーシャを推定する
ようにした請求項1記載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項3】 前記モータイナーシャ推定部は速度制御
アンプの出力が入力されるトルク係数とモータモデル機
械時定数との関係を有する第1積分要素と、この第1積
分要素の出力に得られるモータモデル速度とモータ速度
との偏差出力が供給され、オブザーバゲインとモデル機
械時定数との関係を有する第2積分要素と、この第2積
分要素と第1積分要素とを加算し、その加算値をモータ
速度で除算する除算部とを設けたことを特徴とする請求
項1記載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項4】 負荷トルク推定値が供給されるオブザー
バゲインの逆数部と、この逆数部の出力と前記第1積分
要素の出力との偏差から速度設定値を得るようにした請
求項3記載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項5】 速度制御アンプ出力と負荷トルク推定値
とを加算してトルク指令を得、このトルク指令と負荷ト
ルクとの偏差をとって、モータのモデル機械時定数から
なる積分要素に入力し、その出力にオブザーバ推定速度
を得、この推定速度とモータ速度とを除算部で除算した
ことを特徴とする請求項1記載のモータイナーシャ推定
装置。 - 【請求項6】 速度制御アンプ出力が入力されるモータ
のモデル機械時定数からなる積分要素と、この積分要素
の出力と負荷トルク推定値が入力されるオブザーバゲイ
ンの逆数部の出力との偏差からモータ速度を得てなるこ
とを特徴とする請求項5に記載のモータイナーシャ推定
装置。 - 【請求項7】 負荷トルク推定値と負荷トルク相当値の
偏差出力をモータの機械時定数からなる積分要素に入力
し、その出力に得られたオブザーバ速度推定値とモータ
速度とを除算部で除算したことを特徴とする請求項1記
載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項8】 負荷トルク推定値と負荷トルク相当値の
偏差出力をモータの機械時定数からなる積分要素に入力
し、その出力にオブザーバ速度推定値を得、速度制御ア
ンプ出力が入力されるモータのモデル機械時定数からな
る積分要素と、この積分要素の出力と負荷トルク推定値
が入力されるオブザーバゲインの逆数部の出力との偏差
からモータ速度を得、前記オブザーバ速度推定値とモー
タ速度とを除算部で除算したことを特徴とする請求項1
記載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項9】 オブザーバゲインの逆数部を積分要素と
並列に設けてその出力を積分要素の出力に加算したこと
を特徴とする請求項7に記載のモータイナーシャ推定装
置。 - 【請求項10】 オブザーバゲインの逆数部をオブザー
バ速度推定値を得る積分要素と並列に設けてその出力を
その積分要素に加算したことを特徴とする請求項8に記
載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項11】 イナーシャ推定部の出力で速度制御ア
ンプおよび負荷トルク推定オブザーバのチューニングを
行うようにした請求項1記載のオートチューニング方
法。 - 【請求項12】 イナーシャ推定部の出力で速度制御ア
ンプ、負荷トルク推定オブザーバおよびイナーシャ推定
部のチューニングを行うようにした請求項1記載のオー
トチューニング方法。 - 【請求項13】 速度設定値とモータ速度との偏差を増
幅する速度制御アンプと、この速度制御アンプ出力が供
給される電流制御系と、この電流制御系から出力される
トルク電流をトルク指令としてモータに印加してモータ
を制御する速度制御系において、前記電流制御系の出力
が供給される負荷トルク推定オブザーバを設け、この負
荷トルク推定オブザーバから得られる負荷トルク推定値
を速度変化前データをラッチして負荷トルク相当値を
得、前記速度制御アンプ出力と負荷トルク相当値との偏
差出力をモータの機械時定数からなる積分要素に入力
し、その出力に得られたオブザーバ速度推定値とモータ
速度とを除算部で除算したことを特徴とするモータイナ
ーシャ推定装置。 - 【請求項14】 負荷トルク推定値と負荷トルク相当値
の偏差出力をモータの機械時定数からなる積分要素に入
力し、その出力に得られたオブザーバ速度推定値とモー
タ速度とを除算部で除算したことを特徴とする請求項1
3記載のモータイナーシャ推定装置。 - 【請求項15】 オブザーバゲインの逆数部を積分要素
と並列に設けて、その出力を積分要素の出力に加算した
ことを特徴とする請求項14記載のモータイナーシャ推
定装置。 - 【請求項16】 速度設定値とモータ速度との偏差を速
度制御アンプで増幅したのち、この速度制御アンプ出力
を電流制御系に供給し、この電流制御系から出力される
トルク電流をトルク指令としてモータに印加してモータ
を制御する速度制御方法において、イナーシャ推定部の
出力で速度制御アンプ、負荷トルク推定オブザーバおよ
びイナーシャ推定部のチューニングを行うようにしたこ
とを特徴とするオートチューニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4284096A JPH0678579A (ja) | 1992-06-26 | 1992-10-22 | モータイナーシャ推定装置およびオートチューニング方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-168126 | 1992-06-26 | ||
JP16812692 | 1992-06-26 | ||
JP4284096A JPH0678579A (ja) | 1992-06-26 | 1992-10-22 | モータイナーシャ推定装置およびオートチューニング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0678579A true JPH0678579A (ja) | 1994-03-18 |
Family
ID=26491955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4284096A Pending JPH0678579A (ja) | 1992-06-26 | 1992-10-22 | モータイナーシャ推定装置およびオートチューニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0678579A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998028837A1 (fr) * | 1996-12-20 | 1998-07-02 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki | Regulateur de moteur |
WO2002049201A1 (fr) * | 2000-12-14 | 2002-06-20 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Dispositif d'evaluation des constantes d'une machine |
JP2008148402A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電力変換装置 |
CN103580574A (zh) * | 2012-07-25 | 2014-02-12 | 东芝施耐德变换器公司 | 电动机控制装置 |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP4284096A patent/JPH0678579A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6157156A (en) * | 1996-12-20 | 2000-12-05 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki | Motor controller |
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