JPH0677396U - 高温用スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高温度の使用環境に耐える。 【構成】円錐形振動板と、 コルゲーションエッジ部又は
ダストキヤップとの接合部を金属纒綴針で一体に纒綴し
た構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、騒音の位相と逆位相の音を発生することにより、騒音を減少するア クティブ消音装置に使用されるスピーカであって、高温雰囲気での使用に耐える 高温用スピーカに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の高温度に耐えることを目的として設計された通常の消音用スピー カには、図５に示した特開平４−１８６９９８号「高温用スピーカーユニット」 の公報の第３図のように、紙製の円錐形振動板８とボイスコイルボビン７とダス トキヤップ９とをそれぞれ接着剤で接合した構造がある。

【０００３】 従来この種の消音用スピーカは、消音効果の高い通気ダクトの内部等、通気音 の音圧レベルの極めて高い、狭隘な部位に取り付けられて、 排気音の音圧に負け ない逆の音圧を発生して、 音圧干渉作用によって消音を行うので、 したがって、 従来のスピーカとは格段苛酷な環境条件下で過大負荷で使用される上に、 通気ダ クトの高温度に曝されるので、 図５に示すように振動板８、 ダストキヤップ９等 の振動部材そのもの、 及びそれらの各接合部は更に苛酷な条件を担うことになる。 したがって、振動板８、 エッジ部、 ダストキヤップ９、 あるいは更にボイスコ イルボビン７等が変形したり、 それらを接合する接着剤が軟化して、 接着が剥離 して各部材が分解するに至ることがあり、その早急な解決が欲求されるところで ある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、前記の従来のこの種の高音用スピーカにあっては、スピーカ組み 立て工程において、振動板８とボイスコイルボビン７、あるいは振動板８とダス トキヤップ９とを接着剤で接着する構造が用いられていたので、接合部が振動や 高い温度に曝されるために、弛緩して、極端な場合紙振動板８とコルゲーション エッジ部、あるいは振動板８とダストキヤップ９とが遊離して分解してしまうと いう問題もあった。

【０００５】 そこで、本考案は、このような従来の高温用スピーカが有していた課題を解決 するために、図１乃至４に示すように、スピーカ組み立て予備工程において、振 動板(1)とコルゲーションエッジ部(1a)あるいはダストキヤップ(3)とをそれらの 接合部において、 円周状に金属纒綴針(4)で一体に纒綴して結合することによっ て、 耐熱性の高度化、 精度の精密化と、品質と経済性の向上、寿命の長期化を図 ることを目的とし、組み立ての容易さを実現することができる高温用スピーカを 提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

該目的を達成するための本考案の構成を、実施例に対応する図１乃至図４を用 いて説明すると、本考案は、円錐形振動板(1)と、 コルゲーションエッジ部(1a) 又はダストキヤップ(3)との接合部をステイプラの金属針のような纒綴針(4)で一 体に纒綴した高温用スピーカである。

【０００７】

【作用】

本考案の高温用スピーカは、このような構造としたものであるから、予備加工 工程で、金属纒綴針(4)で一体に纒綴しておくだけの簡易な加工によって、従来 のスピーカの組み立てラインをそのまま使用して、何等特別の熟練を要すること なく組み立てることができる。その結果、スピーカ製造コストも何等高騰するこ となく、経費面に好都合なばかりでなく、その耐熱性、品質、寿命の向上を図る ことができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図中、図１及び図２は、本考案の実施例を示す図であって、図１はガラス繊維 の織布にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを含浸し、風乾後、耐熱性の高 いエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸を硬化剤としたエポキシ樹脂を含浸 し、２００℃で６０分間加熱乾燥した素材を振動板形状に成形した後、２００℃ で６０分間加熱して硬化せしめて完成した熱変形温度約１９０℃の円錐形振動板 (1)の周縁部と、ポリメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維よりなり開口率 約７０％の織布に前記耐熱性エポキシ樹脂のトルエン希釈液（２０％）を含浸し て、風乾後、１５０℃で２時間加熱乾燥した素材を所定形状に成形したコルゲー ションエッジ部(1a)とを、纒綴機によって、 金属纒綴針(4)を円周状に連ねて一 体に纒綴縫合した高温用スピーカである。

【０００９】 図３及び図４は、前記の振動板(1)の内周部と、そのスピーカと同一の材料に より、又同一の工程によりドーム状に形成されたダストキヤップ(3)の周縁部と を纒綴機によって、 金属纒綴針(4)を円周状に連ねて一体に纒綴縫合した高温用 スピーカである。

【００１０】 なお、 本考案は前記した金属纒綴針(4)で円周状に連ねて一体に纒綴縫合した 接合部において、 予備加工として接着剤による接着を下地に施すことは、 何等本 考案の実施の妨げになるものではない。

【００１１】 以上本考案の代表的と思われる実施例について説明したが、本考案は必ずしも これらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本考案にいう前記の構成要 件を備え、かつ、本考案にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内に おいて適宜改変して実施することができるものである。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から既に明らかなように、本考案高温用スピーカは、前記のような 構成としたものであるから、 スピーカ組み立て予備加工工程において、振動板(1 )とコルゲーションエッジ部(1a)、 金属纒綴針(4)で一体に纒綴しておくだけの簡 易な加工によって、従来のスピーカの組み立てラインをそのまま使用して、何等 特別の熟練を要することなく組み立てることができて、 組み立て工程の簡略化と 、組み立ての容易さが実現できて、 スピーカ製造コストも何等高騰することなく 、経費面に好都合なばかりでなく、製品精度の高度化と、品質と経済性の向上、 寿命の長期化を実現することができるとともに、 何にも増して金属纒綴針(4)に より耐熱性が著しく強化されることは勿論、 その耐熱性、品質、寿命の向上を図 ることができる効果を享受できるものであるから、従来のものには期待すること が出来ない顕著な効果を有するに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本第１考案の実施例の断面図。

【図２】本第１考案の実施例の平面図。

【図３】本第２考案の実施例の断面図。

【図４】本第２考案の実施例の平面図。

【図５】従来例を示す特開平４−１８６９９８号公報の
第３図。

【符号の説明】

(1) 振動板 (1a) コルゲーションエッジ部 (2) ボイスコイルボビン (3) ダストキヤップ (4) 金属纒綴針

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円錐形振動板(1)と、 コルゲーションエッ
   ジ部(1a)の接合部を金属纒綴針(4)で一体に纒綴した高
   温用スピーカ。
2. 【請求項２】円錐形振動板(1)と、 ダストキヤップ(3)の
   接合部を金属纒綴針(4)で一体に纒綴した高温用スピー
   カ。