JPH0676498B2 - 高分子ラテツクス粒子の球状密充填体 - Google Patents

高分子ラテツクス粒子の球状密充填体

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JPH0676498B2
JPH0676498B2 JP61080338A JP8033886A JPH0676498B2 JP H0676498 B2 JPH0676498 B2 JP H0676498B2 JP 61080338 A JP61080338 A JP 61080338A JP 8033886 A JP8033886 A JP 8033886A JP H0676498 B2 JPH0676498 B2 JP H0676498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は高分子ラテックス中でラテックス粒子の凝集反
応、凝固反応を利用して規則性のある配列集合した密充
填体の粒子となし、高分子ラテックスから分離されたの
ち、その粒子内部が更に密充填されたラテックス粒子の
密充填体に関する。
「従来技術と問題点」 従来、乳化重合又は懸濁重合により得られる高分子ラテ
ックスから重合体を回収する方法としては、その分散相
である基本粒子、即ちラテックス粒子が極めて微小体で
あることから、それらラテックス粒子の集合体を形成さ
せて後、精製、乾燥のプロセスを採用するのが普通であ
る。一般にはラテックス中に無機塩類、酸類等の凝固剤
水溶液を加え、又は逆に凝固剤水溶液中にラテックスを
投入して液相中で凝固させ、熱処理等の操作によりスラ
リー状にし後、脱水乾燥を経て粉粒体状で得ている。こ
の方法では、凝固粒子のそのものが軟弱で、取扱いの不
便な粒子を主体にした粒度分布の広い粒子であることか
ら加熱処理をして粒子表面を融着固化する必要がある。
粒子表面が融着固化される為に夾雑物の粒子外への移動
が極端に難しくなり、従って夾雑物を含む純度の悪い粉
体となる。粉体特性は嵩比重の小さな流動性の悪い塵立
ちのしやすい又ブロック化しやすい粉体であり、不定形
で微粉の多い粒度分布の大きい粒子から成っている。
溶媒中へ再分散して、溶液や微分散液を作る目的でこの
粉体を用いた場合、粒子を構成している基本粒子である
ラテックス粒子が加熱処理等により融着している為に、
ラテックス粒子まで十分にばらけることが出来ず、溶解
が難しく、また完全な分散液が作成できないなどの問題
が出る。加えて、夾雑物の混入による品質の低下は避け
られない。また、この粉体を直接用いて射出成形を行お
うとする場合、射出量の低下や生産性の低下が発生した
り、焼け、銀痕、フローマーク等が現出したり物性の低
下が出て、実際上は直接成形出来ない。
このような粉体特性を改良する目的で、凝固による粉体
製造法が種々開発されているが、これらは主として粉体
を製造するプロセス上の問題や粉体をハンドリングする
際の問題の解決を目指しており、上記使用2例に適合す
るような大粒子の製造、不純物の除去、粒内ラテックス
粒子の密充填化等々の課題に対処しうるものではない。
また一方、凝固せずに直接ラテックスを乾燥する方法、
例えばスプレー乾燥や真空乾燥があるが、いずれもラテ
ックス中の不純物が全て粒子中に残留すること、大粒子
の作成、内部密充填化など基本的に解決不可能な問題を
抱えている。
「問題点を解決するための手段」 本発明はかかる実情に鑑み、上記の如き問題を一挙に解
決しうる粒子を提供するものである。
即ち、本発明における粒子の球状密充填体(以下、単に
粒子と記す。)を取得する方法の基本は、 (1)ラテックス粒子が融着、合体する温度(以下軟化
温度とよぶ)より低い温度で、 (1−a)凝固反応によりラテックス粒子が密に充填し
た任意の大きさの球状粒子をつくり、ラテックス中より
取り出し、 (1−b)その凝固粒子を水相に浸漬した後、水相より
取り出し、 (1−c)乾燥して乾燥粒子とする。
(2)必要に応じて、その乾燥粒子をラテックス粒子が
融着する温度以上に保つ(焼結処理とよぶ)ことにより
焼結粒子とすることである。
つまり、(1−a)にて加熱処理をせずに製造上のハン
ドリングに耐えられる強度を有する凝固粒子を得、(1
−b)、(1−c)にてラテックス粒子を更に密充填と
すると同時に、ラテックス粒子間隙があることを利用し
て水溶性不純物、揮発性不純物をそれぞれ取除き、更に
必要に応じて、(2)にて粒子の内部が一様な連続体で
且つ空洞部のない溶融状高密度粒子を得る。更に必要な
らば(1−b)、(1−c)にて望む薬液に浸漬するこ
とで所望物質を一様に含浸させたり、油溶性不純物を抽
出除去することもできる。
本発明はラテックス中に凝固剤を加え、凝固剤の該ラテ
ックス中への拡散を押さえて該ラテックス中へ微小体積
に分散させて点在した凝固種をつくり、しかるのち該点
在する凝固種から凝固剤を該ラテックス中へ自然溶解拡
散させることにより、凝固種を中心として該ラテックス
を凝固せしめて凝固粒子を内部より外部へ成長せしめた
後、凝固粒子として該ラテックスより分離した後水相に
浸漬し、さらに乾燥して製造された粒子を提供し、更に
必要に応じて、乾燥の後または同時に軟化温度以上の温
度で焼結することにより製造された粒子を提供する。
本発明は、凝固粒子をラテックス粒子が融着せずに密充
填した状態(結晶状に規則的な配列をしている状態でも
ある)で得ることを基盤とする発明である。このような
凝固粒子の作成は、先づ第一段階として凝固剤をラテッ
クス中に溶解させずに微小体積に分散して点在させる。
凝固反応速度は一般に極めて速いので、凝固剤が微小体
積としてラテックス中に分散点在する過程で凝固反応が
併行して起こり、凝固剤の微小体積の外周で凝固物が生
成し、その表面を覆う。又、凝固反応が一部進行した凝
固粒子が破壊分割され、ラテックス中に分散点在されて
凝固種となることもある。従って凝固剤が液体や気体の
場合であっても、点在する凝固種は実際的には中心部に
凝固剤を有し、周辺に凝固体を有する固体粒子になると
考えて良い。
次ぎに、第二段階として、中心部の凝固剤が溶解拡散し
外周部の凝固物層を通して内部より出てくると同時に外
表部でラテックスと接し直ちに凝固反応が起こりラテッ
クス粒子が外表面に積層することにより内部より次第に
凝固粒子が成長する。
本発明を実施する際のポイントは第1段階にある。即
ち、第1段階に於いて、 (1)凝固速度が遅くなるに従い外表面で凝固反応を生
じずラテックス相へ拡散して凝固反応を起こすようにな
る。
(2)また外表面で生成した凝固物層が軟弱であれば容
易に凝固物がラテックス相へ分散してしまい、そこで凝
固反応を起こすことになる。
上記(1)、(2)は共にラテックス全体の凝固につな
がり、これは従来の凝固法の形態そのものである。
従って(1),(2)を防止する条件を設定することで
ある。凝固剤が水溶液の場合の濃度が希薄な場合は、
(1)、(2)共に起こり易くなるので濃度は大きい方
が望ましい。また希薄な場合は凝固剤を微小体積にきっ
ちり分散することが難しいので、増粘剤を加えて粘度を
上げたり、温度を下げて微小体積の凝固剤が点在するま
でラテックス中への溶解拡散と凝固反応を押さえる等の
工夫が要る。以上のことから凝固剤を固体粉末で用いる
のが最も手軽で確実である。特に凝固剤が液体や気体の
場合は、凝固速度の大きいもの程安定的な操作が得やす
くなる。一般的には酸や配位数の多い多価金属塩程利用
しやすいが、逆に凝固が速過ぎても凝固種をラテックス
中に点在させにくくなる。従って、液体の場合は濃度
を、気体の場合は空気や窒素又は水溶性の炭酸ガスを稀
釈剤として凝固剤の濃度をコントロールする必要が生じ
ることもある。又,凝固剤の冷却による温度調節、増粘
剤添加による粘度調節によって、凝固剤のラテックス中
への分散と反応速度や拡散速度との関係を調整すること
ができる。
同様のことはラテックス濃度に関しても言える。つま
り、希薄になる程、被反応物であるラテックス粒子が凝
固粒子外表面にくる頻度が少なくなり、凝固剤はラテッ
クス相へ拡散してしまい易くなることから(1)が起こ
り、当然凝固物層の固形分濃度が小さくなるので凝固物
層が軟弱化する、つまり(2)が起こることになる。従
って、ラテックス濃度の濃い程、確実に粒子を作ること
ができる。
本発明の粒子を得るための実施態様を更に詳しく説明す
る。
(1)凝固剤が固体の場合; ビーカー中にラテックスを入れ攪拌する。塩類等の粉
末状固体凝固剤を入れ、ラテックス中に分散するように
瞬間的に強攪拌し、直ちに緩い攪拌にする。その状態で
1分〜1時間保持し、攪拌を止めて、ラテックスを篩網
を通し凝固粒子を取り出す。この場合、必要に応じてビ
ーカーを氷水等で冷却する。また、攪拌が弱いと凝固剤
が底に沈澱するので半球状の凝固粒子となる。
アルコール、ケトン類等の水溶性有機溶媒であつて、
凝固剤に対し不溶もしくは難溶性の有機溶媒中に凝固剤
の粉末分散液をつくり、これをラテックスに加える。
(2)凝固剤が液体の場合; ラテックス中に凝固剤を滴下する。
ラテックス中に凝固をスプレイして微粒滴で加える。
ラテックスに凝固剤を一括して加える場合は凝固剤添
加時だけ強攪拌にし、凝固剤を滴状にラテックス中に分
散させた後、緩い攪拌にする。
拡散速度を押さえる為にラテックスと凝固剤を予め冷却
するのが望ましい。分散後は冷却は特に必要ない。拡散
を押さえ分散滴を作る為、凝固剤に増粘剤を加えること
も有効である。
(3)凝固剤が気体の場合; 凝固剤ガスとラテックスを予め冷却しておき、攪拌翼の
下部近傍に加え強攪拌でガスをラテックス中に分散させ
る。
(4)凝固剤がスラリー状もしくは固体含浸状の場合: 通常は固体の場合と同じ方法で良い。
尚、スラリー状とは、例えばラテックスの強攪拌下に希
釈した凝固剤水溶液を加えランダム凝集体を作り凝固ス
ラリーとすることが出来る。また、固体含浸状とは、例
えば凝固剤水溶液中に粉体粒子を浸し、粒子に凝固剤を
しみ込ませた後、濾過して粒子表面上に残る凝固剤水溶
液を液切りした固体等が挙げられる。
又、凝固時の攪拌は凝固種がラテックス中に点在した後
は凝固粒子同志の衝突による合一が妨げられる程度の緩
やかな強さにする。しかし弱過ぎると凝固粒子は沈降し
て互いに接触するので合一することになる。凝固粒子は
常に成長しているので合一しやすい。又、強過ぎる場合
は凝固粒子の合一の他に凝固体粒子の破壊から凝固剤の
溶解拡散を引き起こし従来の凝固反応となり、全体が凝
固する等ランダム結合体となる。特にラテックス濃度が
低い場合、又は凝固力の弱い凝固剤を使用した場合は注
意を要する。このことから、凝固時の液の流れは層流状
態が望ましい。
このように、凝固時の操作条件の設定が本発明の粒子を
得る上でのポイントであるので凝固剤の分散点在速度、
凝固反応速度、凝固剤のラテツクス中への拡散速度の絶
対的な値を得ることができなくても相対的な関係を予め
実験で把握しておくことが必要である。その為には上記
の如き温度、粘度、攪拌速度等の操作条件の変化に対
し、凝固粒子の形成の挙動やラテックスに生じる現象が
定性的にどのような傾向で変化するかを知っておくこと
が必須である。
また本発明における粒子は、その基本粒子であるラテッ
クス粒子が互いに融着合一していない状態で凝固系から
分離されることが必要である。従って、凝固系つまりラ
テックス槽全体の温度はラテックス粒子の軟化温度未満
の低温に保った状態で凝固操作を行わなければならな
い。従って、軟化温度がラテックス温度よりも低い高分
子のラテックスではこの凝固操作を冷却下で行う必要が
生じる。
このようにして得られる凝固粒子は、第1段階である凝
固剤のラテックス中への分散・点在時の直後にもしくは
一部同時に発生する凝固反応が極めて速いことから、粒
子の中心部に僅かのランダムな粗充填部が残ることにな
る。このランダム粗充填部の大きさは凝固速度の速い凝
固剤程大きく、凝固剤が液体の場合は濃度が小さい程大
きくなる傾向にある。又、凝固剤が固体の場合は粒子の
中心部に固体の存在跡の空隙が残る。いずれにしても、
かくの如き粒子中心部の粗充填部や空隙は粒子全体から
すれば極く僅かであるので、全体的には均質な充填物と
見做すことができる。
このような凝固粒子をラテックス中から分離して得るこ
とで、以下に続く操作が可能となり、目的に合わせた粒
子となる。つまり、水溶性不純物、油溶性不純物、揮発
性不純物を除去した高純度粒子、ラテックス粒子まで容
易に再分散しうる粒子、空洞のない溶融体構造を持った
粒子、一様に有用物質を含有する粒子等々であり、その
製造工程のメリット追求はおろか種々の新用途に調整し
うる粒子とすることができる。
本発明の粒子を得るに際しては凝固剤がラテックス中に
溶解することなく高濃度の凝固剤を含有するラテックス
中に点在する状態をまず作り出し、しかる後にラテツク
ス中へ自然拡散を行わしめることにより、凝固反応は凝
固剤のラテックス中への拡散移動が支配する系となる。
こうすることで凝固体中に単位粒子が規則的に配列する
ことになると思われる。加えて、ラテックス粒子が凝固
体として成長する際、ラテックス粒子はエネルギーレベ
ルの低い最密充填配列しようとする挙動が生じるので、
凝固体の粒子密度はラテックスの粒子密度より大きくな
る。その密度の程度は単位粒子の合一強度と配列する時
間的余裕の程度に依存する。つまり、ラテツクス粒子が
凝固反応によつて互いに接触した際、融着合体する強度
が大きければラテックス粒子が緻密配列することができ
ない。これはラテックス粒子の軟化温度と凝固系の温度
のバランスで決まる。また一方、凝固反応速度が遅い
程、また凝固剤の拡散速度が遅い程、ラテックス粒子の
配列時間に余裕が出ることから充填度は大きくなる。ラ
テックス粒子間が全く融着しない場合では、粒子間結合
力はファンデルワールス力の小さな力のみであるが、そ
れらが複数個互いにネットワークを組むことで凝固粒子
の保持力は強いものになる。これはラテックス粒子の互
いに接する粒子数が増える程、つまり凝固粒子内の充填
率が大きくなる程、ラテックス粒子結合に規則性が出、
当然近接粒子数も増加するので保持力は増加する。そし
て、融着合体しなくとも固体として工業的にも十分取扱
えることになる。その必要な強度は凝固粒子の取扱い作
業によるが、前述の如くラテックス粒子の物性や凝固体
中のラテックス粒子の充填率に依存する。凝固体中のラ
テックス粒子の充填率をとると、その充填率を固形分濃
度で表わすと一般的には10vol%以上、望ましくは20vol
%以上必要で大きい程良い。従つて、凝固体の取扱い面
から、固さや強さに制限がある場合には、凝固すべきラ
テックスを予め濃縮したり凝固反応速度や拡散速度を遅
くする等の工夫をする必要がある。このように充填率の
上つた凝固粒子は保持強度が大きいので、ラテックス中
より分離、洗浄等の物理的操作に対し、変形や破壊を避
けることができる。このようにして得られる凝固粒子中
のラテックス粒子の充填のしかたが規則的であること
は、凝固粒子を割断した面には規則正しい階段状層状の
劈開面から見られることにより、結晶状の構造体になっ
ていることが想定できることから確認できる。
凝固体粒子の大きさと粒度分布はラテックス中に分散し
た凝固剤の一個一個の微小体積の大きさとその分布及び
凝固時間とそのバラツキに依存することになる。本来、
本発明の粒子は微粉の発生の全く心配ない均一な粒度の
揃った粒子である。微粒子を作り度い場合は、凝固力の
小さい凝固剤を小さな微小体積としてラテックス中に分
散点在させると共に短時間に分離してやれば良いことに
なる。一方、大粒子の作成は、その逆を行えば良く、大
きさは自由にコントロールできる。一般的には約200μ
mから1cm程度の直径の粒子を得るのに適している。一
度粒度分布については均一なものを得るのは容易である
が、更に均一度を向上させたい場合はラテツクス中へ分
散させる凝固剤の微小体積の大きさを揃えることと、凝
固時間を均一にすることが望ましく、特に連続操作の場
合は、凝固粒子の凝固装置内での滞留時間を同一にする
工夫がいる。
粒度に関しては、凝固粒子の合一がある。本発明による
凝固粒子はラテックス粒子が規則的配列をし、しっかり
したユニットを形成しているので、凝固成長が停止した
状態では仮にラテックス中での接触によっても合一する
ことはない。ラテックス粒子の軟化溶融温度以下に保持
する限り合一の心配はない。しかし、凝固粒子が周囲の
ラテツクスを凝固して成長している状態では合一合体し
やすく、特に凝固初期に於いては著しい。合一粒子の発
生を防ぐには、凝固成長粒子のラテックス中の密度を減
少したり、攪拌等により凝固粒子に運動エネルギーを与
える等の工夫を要する。極端に強い攪拌は、凝固粒子の
破壊やラテックスー凝固剤系の安定性を損い、ラテック
ス全体を凝固固化させる原因となるので注意を要する。
粒子の成長には層流状態の緩やかな流れが望ましい。
ここで言う緩やかな流れとは固体粒子が攪拌槽の底面に
枕積しない攪拌状態を意味し、具体的には下式で求めら
れる粒子浮遊限界速度以上でかつできるだけ低い攪拌数
で攪拌を行うのが良い。
ここに、nf:粒子浮遊限界速度〔rpm〕 K:係数200〜250,D:槽径〔m〕 dp:固体粒子径〔mm〕,ρc:液相密度〔g/cm3〕 Δρ:粒子密度差〔g/cm3〕,μ:粘性〔cp〕 Vp′,Vp:粒子のかさ容積及び真容積〔cm3〕 上記より明らかな様に粒子浮遊限界速度は槽径や得られ
る固体粒子径の関数となっており、一義的に攪拌数を定
める事はできないが、装置及び得られる固体粒子径等の
条件が定まれば上式より算出される粒子浮遊限界速度を
基準として攪拌数を設定することができる。
このように凝固粒子の大きさは微粉状から塊状まで自由
に決めることができるが、最終的に得る乾燥粒子や焼結
粒子の大きさは、凝固粒子中の含有水量により収縮度を
考慮しなければならない。
このような凝固粒子の作成に関しては処理するラテック
ス粒子の物性が判明しておれば凝固剤種類、性状、攪拌
条件、温度、滞留時間等々の操作要因の採用範囲は選択
できるが、正確には実験により最も望ましい条件を決め
ることになる。この際の重要な考慮すべき点は、前述し
た凝固粒子生成の機構を定性的に明確に理解し、操作要
因の変動に対して凝固粒子がどのように変化するかとい
う挙動を知つておけば実際は十分である。本発明の粒子
を得る際、最も危惧すべき点は分散・点在すべき凝固剤
がラテックス中に一部溶解・拡散し、ラテックス全体の
安定性を阻害して終には全体が凝固することである。通
常の操作においては、これまで述べたラテックス濃度、
凝固剤の種類、形態、濃度や温度、攪拌等の条件を選ぶ
ことで、容易に実施することができる。但し、品質面、
コスト面からの制約が大きく困難が伴う場合には、ラテ
ックスの安定化や装置面での工夫が必要になることも考
えられる。例えばラテックスの安定化に対しては、分散
剤や乳化剤等のラテックス安定剤を添加して、もしくは
添加しつつ凝固することも可能であるし、装置面では凝
固剤の分散点在時の凝固のラテックス中への溶解・拡散
を押さえる為、ラテックスを霧滴化した雰囲気中に凝固
剤を滴下して、外周部を凝固体で覆った凝固種を作成し
た後ラテックス中に回収分散させて、凝固による成長を
行わしめることも可能である。
次に、このようにして得られる凝固粒子はラテックス粒
子がかなり規則性を持って配列しているので、水に浸漬
して攪拌しても、破壊することなく十分な強度を有して
いるので、粒子中に含まれる水溶性不純物を除く工程に
供することができる。つまり、凝固粒子の内部や表面に
存在する凝固剤、重合に用いる各種物質、乳化剤等の水
溶性不純物を除去する為に水中もしくは酸、アルカリ水
溶液等除去すべき不純物の物性に合わせて調整した水相
に浸漬し、必要に応じて浸漬後洗浄する。この場合水相
の温度は軟化温度以下を保つことが必要であるが、その
範囲に於いてできるだけ高温にすることにより凝固粒子
中の水が粒子外部に排出される現象が多々見られ、その
場合は、ラテックス粒子の密充填が進み、粒子の収縮が
起こる。このように凝固粒子の収縮に伴う内部の水の排
斥、水相への拡散により粒内夾雑物の含有量も効果的に
減少せしめることができる。加えて、含有水分量が大巾
に減少することになるので、乾燥時のエネルギーが問題
になる時には省エネルギーの有効な手段になる。同時
に、粒子中のラテックス粒子間隙を通して、酸、アルカ
リによる反応を行わせたり、水溶性夾雑物を容易に取り
除くことができる。逆に粒子の中に一様に所望物質を含
ませたい時は、その水溶液にして、その中に粒子を浸漬
して取り出すことで容易に実現できる。また軟化点以上
の温度で水相で加熱処理する場合は、粒子は表層部から
軟化融着するので内部の水が逃げにくく、表層部は連続
層となるのでもはや十分な収縮は起こり得ず、乾燥後も
粒内に空隙が残ることになる。その程度は表層の融着と
水の散逸の速度のバランスによって決り、その温度が高
い程融着が速く進むので空隙は大きくなる。
そして、次にこの凝固粒子を軟化温度以下に保って乾燥
させると、凝固粒子内のラテックス粒子間に存在してい
た水分が除去されるにつれ、毛細管力が生じ、強い力で
ラテックス粒子を互いに引き寄せる作用により粒子内部
が更に緻密に充填されてほぼ完全な六方最密充填体を形
成する。このことは、この乾燥体を分割する際に自由な
切断面を得ることはできず、劈開面が現れることから結
晶構造を有することが推測されること、また、分割の際
生成する粒子の破片は全て同一形状の単斜晶もしくは六
方晶体と見られる結晶状となること、またラテックス粒
子の充填率が73%以上となること等々より推測される。
このようにラテックス粒子が密充填されるにもかかわら
ず、ラテックス粒子間の間隙は連続的につながった状態
であるので揮発性物質が極めて容易に除去される。これ
は爽雑物に対してのみばかりでなく、粒子内部つまりラ
テックス粒子間隙にある水の乾燥除去も容易に行うこと
ができる。また、粒子を溶解や膨潤させない有機溶媒中
に乾燥粒子を浸漬することで油溶性不純物を容易に除去
できる。また逆に、液体や溶液で混ぜ合わせたり、浸漬
することにより望ましい物質を一様に含有させることが
できる。乾燥粒子中のラテックス粒子は、互いに融着合
体していないので、適度の力を加えることにより最小単
位のラテックス粒子にまで容易に分解させることができ
る。また、溶解や膨潤させる溶媒中に置くと容易に溶解
や分散させ得るし、溶解・膨潤させない液体中にあって
も、強い攪拌下でラテックス粒子にまで分解した微分散
液とすることができる。
乾燥処理に於いて、粒子内部に粗充填部を生じさせたい
場合は、粒内水の散逸速度とラテツクス粒子間の融着速
度のバランスに於いて後者を大きくすれば良く、高温下
で乾燥すれば良い。但し、空気乾燥では恒率乾燥範囲は
材料温度は湿球温度に保たれるので、温度はラテックス
粒子の軟化・融着温度よりもある程度高い高温が必要と
なる。しかし高分子のような熱伝導度の小さい物質では
粒子表層の温度だけが上がるので、温度が上がる程、粒
子に殻が生成する現象が見られる。この現象を避けるに
は過熱水蒸気を用いた乾燥を行えば良い。ここでいう軟
化温度は互いに大気圧下で融着する温度を意味し、一般
には物質の融点と考えて良い。しかし高分子に関しては
明確な融点が見られないことから定義は難しく、同一重
合体であっても重合度やその分布のみでは決まらず、そ
の結晶度や可塑効果を与える夾雑物によっても大きく影
響を受ける。しかし、実際的にはガラス転移点をTg
(℃)とすると、 の範囲になると考えて良い。具体的な本発明の実施に当
たっては、その高分子のTgの概略値が判れば軟化点の概
略値も掴めるので、2〜3の温度を試すことで容易に適
用温度範囲を知ることができる。特に組成によって、ま
た2種以上のラテックスのブレンドによって複数のTgを
有する場合、Tgの最も小さい値を用いるのが良い。しか
し、Tgの高いものであっても、重量比で60%以上の主成
分である場合は、Tgの高い値を用いることができる。軟
化温度以下であっても、低い温度が望ましく、軟化温度
より更に20℃以上低い温度が望ましい。
上式の妥当性は、各種異なる軟化温度の高分子ラテツク
スを用いて、種々の温度にて操作して得た粒子内部を走
査型電子顕微鏡によりラテックス粒子の融着合一の有無
を観察した結果によって確認される(写真6)。このよ
うに、乾燥や加熱処理によって収縮し、緻密化した粒子
を割断すると、粒子の内部には、成長した跡を示す縞模
様や結晶面の規則的な階段状の層状配列が凝固粒子より
も一層明確に現れてくる(写真4)。このように劈開面
と合わせて考えると粒子の収縮は結晶面に沿って行われ
るものと思われる。
次に、必要に応じて、このように凝固粒子を乾燥した
後、ラテックス粒子が互いに溶融合一する軟化温度以上
の高温で焼結処理すると、粒子内部に空隙のない充密粒
子を得ることができる。この処理によって粒子は内部が
均質な溶融状となるので、更に収縮することになる。そ
の結果、粒子は透明感のない白色から透明感を帯びた艶
のある外観を示すようになり、樹脂質のものは透明粒子
になる(写真1、写真3)この焼結操作は乾燥操作と同
時に、つまり連続的に行うことができるので、凝固粒子
のまま、又は前記の加熱処理の後直ちに焼結操作に入る
ことができる。但し、粒子内部に水が残留した状態で粒
子の表面層が融着し連続層になると、粒子内部に空隙を
生じることになるので温度条件を低めにするなどの配慮
を要することは言うまでもない。又、この焼結操作を空
気中で行うことによる材料の酸化が懸念される場合は酸
素を断った雰囲気中、例えば窒素等の不活性ガス中、過
熱水蒸気中、または真空中で処理すれば良い。焼結操作
を行う温度は高分子の分解や酸化等による品質の劣化が
起こらない限り高温である程、迅速に操作を終えること
ができる。また温度・操作時間を組合わせることで粒子
内部のラテックス粒子の融着・溶解状態の程度を容易に
コントロールでき、目的に応じて望ましい状態のものを
調整し、得ることができる。
このような焼結処理により粒子内充密化を可能にするの
は、原料となる乾燥粒子中のラテックス粒子が規則的に
最密充填していることが重要であると思われる。このよ
うに焼結処理を経て得られる粒子は、内部が溶解した均
質な連続層を形成している場合であっても割断する際に
劈開面が現れる。つまり、割断はある特定の面で行われ
易く、他の面では極めて難しい。また焼結前の粒子より
も一層顕著に階段状の層状の結晶構造が現れるし、成長
面と思われる縞模様がより鮮明になる(写真5)。
これに対し、従来の凝固法は種々紹介されているが、そ
れらいづれの方法においても得られる凝固粒子は、ラテ
ックス粒子がランダムに凝集した集合体であり(写真
7)、このような凝固粒子は柔らかく崩れやすいことか
ら、製造にあたって、まず軟化温度以上に加熱するか、
有機溶剤の添加によって粒子を融着固化し、取り扱いに
耐える粒子保持強度を確保しなければならない。従っ
て、粒子はラテックス粒子の融着によって連続層とな
り、ラテックス粒子間隙は塞っている。加えて、粒子表
面は融着層となり、粒子内部からの物質移動は極めて困
難となるので、水層浸漬や乾燥操作時の水溶性不純物、
油容性不純物または揮発成分等の除去は効率が著しく低
下するので、生産性の低下に加え、除去操作中の品質の
劣化が発生して実際上不可能な場合が多い。
一方、粒子は乾燥や焼結によっても十分な収縮がおこら
ないので、粒子内部の密充填体が得られず、粒子内部に
空洞や空隙を多く有する粒子となる。また仮に凝固粒子
を加熱処理をせず乾燥や焼結が行えたとしても、乾燥や
焼結により、ラテックス粒子の再配列による収縮、密充
填化は起こらず、空隙の多い脆く崩れ易い粒子としてし
か得られない。加えて、大粒子で粒径の揃った球状粒子
が得られないので、結果的には嵩比重の小さい流動性の
劣る且つ爽雑物の多い粒子体とならざるを得ない。
このように従来法で得られる粒子は、乾燥後でも液体中
への分散や溶解は非常に難しく、加えて爽雑物による品
質の低下は避けられない。また焼結後でも直接射出成形
を試みると、スクリューへの喰い込み不足による生産性
の著しい低下や射出量不足によるショートショットやフ
ローマーク、焼け現象が現れ、加えて抱込空気や爽雑物
による銀痕の発生、それに伴う成形品の物性の低下が大
きく現れる。
本発明の粒子は、焼結前、後を問わず前記の如く凝固粒
子中心部に凝固初期に生じた僅かのランダム粗充填部分
が十分な収縮せずに空隙として残る(写真2)。これは
従来法による凝固粒子が十分な収縮をしない現象と同一
のものである。又、同じように凝固剤が固体の場合に生
じる中心部の微小空洞は、同じように十分な収縮が為さ
れずに残る。しかし、これら中心部の微小空隙は粒子全
体からみると極く僅かなものであり、全体が緻密充填体
と捉えて差支えない。
本発明に用いられる凝固剤としては、ラテックスを凝固
しうる物質、もしくは予めラテックスに混入した物質と
新たに加えられる物質とが反応等により凝固機能を有す
る物質を作り出すものとがある。
凝固しうる物質は気体状、液体状、固体状のいずれであ
つても良い。また予めラテックスを凝固した凝固スラリ
ーを凝固剤として用いても良い。またその反応として上
記凝固剤を用いて予め凝固したスラリーを同種又は異種
のラテックスの凝固剤として用い、カプセル状の複合体
とすることもできる。また、予め準備した粉粒体に上記
凝固剤を含浸又は混合し凝固剤としてラテックスに加
え、カプセル状の複合体を作ることもできる(この方法
は予め凝固種を作つておくことと同じ) 液体もしくは固体の状態で用いられる凝固剤は例えば、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化ナ
トリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、沃化カリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、塩化カルシウム、硫酸第1鉄、硫酸マグネシウム、
硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化バリウム、塩化第1鉄、塩化マ
グネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、硫酸アルミニウ
ム、カリウム、ミヨウバン、鉄ミヨウバン等の無機塩
類、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の無機酸類、苛性ソー
ダ、苛性カリ、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム
等の無機アルカリ類、酢酸、蟻酸等の有機酸類、酢酸ナ
トリウム、酢酸カルシウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カシ
ウム等の有機酸の塩類であって、単独又は混合物の固
体、液体、水溶液もしくは水溶性有機容媒の溶液があ
る。固体を難溶性且つ水溶性の有機溶媒中に分散させて
スラリー状で加えても良い。
本発明の対象となり得るラテックスは凝固により固体状
で回収しうる粒子から成るものであればなんでも良く、
分散相であるラテックス粒子の大きさに制限を受けるこ
とはない。
ここで、固体とは固体として挙動する物、取り扱うこと
のできる物の意味であり、弾性体であるゴム状物質や高
粘度のゲル状可塑物質も当然適用範囲に含まれる。常温
で流動性を示す凝固体であつても冷却によつて固体とな
るものは冷却下で操作することで適用できる。例えば次
の様なものがあり、実質上乳化重合又は懸濁重合で得ら
れた樹脂状で回収し得るほとんど全ての高分子ラテック
スを対象とし得る。
次のモノマー群から選ばれた1種又は2種以上のモノマ
ーを主成分とする単量体組成物を重合又は共重合又はグ
ラフト重合させた重合体ラテックスの単独又は混合ラテ
ックスが対象となり得る。但し、重合し得ないものを除
くのは当然である。スチレン、モノクロロスチレン、ジ
クロロスチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香
族;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル
シアン化物;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート等のアクリルエステル;メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート等のメタクリルエステル;塩化ビニル、臭化ビ
ニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデ
ン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビ
ニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン;アリルメタクリレート、ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジ
ルメタクリレート等の架橋モノマー。
更に、本発明に於いて以下に示す高分子ラテックスは特
に好適に使用され得る。
(1)アクリロニトリルモノマー20〜80部と、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンの1
種又は2種以上の混合物20〜80部と易染性モノマー0〜
10部とから成る単量体を重合して得られる高分子ラテッ
クス。
(2)スチレン0〜50wt%(重量%、以下他種%と記さ
ない限り%はwt%とする)、ブタジエン50〜100%より
成るブタジエン系重合体ラテックス。
(2′)(2)のブタジエン系重合体ラテックス20〜80
部の存在下にアクリルエステル0〜50%、メタクリルエ
ステル0〜100%、ビニル芳香族0〜90%、ビニルシア
ン化物0〜90%及び他の共重合可能な単量体0〜20%よ
りなる単量体20〜80部を重合して得られる高分子ラテッ
クス。
(3)スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%、アク
リルエステル0〜30%より成るゴム状重合体ラテックス
0〜20部の存在下に、メチルメタクリレート0〜100
%、メチルメタクリレートを除く他のメタクリルエステ
ル又はアクリルエステル0〜60%、ビニル芳香族0〜90
%、ビニルシアン化物0〜90%より成る単量体80〜100
部を重合して得られる高分子ラテックス。
(4)スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%より成
るブタジエン系重合体10〜90部の存在下に、ビニル芳香
族、メタクリルエステル、アクリルエステル、ビニルシ
アン化物の中から選ばれた1種又は2種以上の単量体を
10〜90部重合させたグラフト共重合物(A)0〜50部
と、α−メチルスチレン0〜70モル%を含み、ビニル芳
香族、メタクリルエステル、アクリルエステル、アクリ
ル酸、ビニルシアン化物の中から選ばれた1種又は2種
以上の単量体を30〜100モル%含む単量体を重合させた
重合物(B)50〜100部との混合ラテックス。
(5)アクリルエステル40〜100%と、ビニル芳香族、
ビニルシアン化物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸
ビニル、又は共役ジオレフインの中から選ばれた1種又
は2種以上の単量体を0〜60%と、架橋剤0〜10%とを
重合して得られるゴム重合体5〜85部の存在下に、メタ
クリルエステル、ビニルシアン化物、アクリルエステ
ル、ビニル芳香族及びこれらと共重合可能な単量体より
選ばれた単量体の1種又は2種以上を15〜95部重合して
得られる高分子ラテックス。
(6)塩化ビニリデン40〜100部と、ビニル芳香族、ビ
ニルシアン化物、アクリルエステル、メタクリルエステ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、架橋モノマーの中から選ばれる1種又は2種以上の
単量体0〜60部を重合して得られる高分子ラテックス。
(7)塩化ビニル40〜100部、ビニルシアン化物0〜20
部と、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、
アクリルエステル、メタクリルエステル、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、架橋モノマー
の中から選ばれる1種又は2種以上の単量体の0〜60部
を重合して得られる高分子ラテックス。
「作用・効果」 このようにして得られる粒子は次の如き特徴を有する; (1)無機塩類及び有機物の水溶性夾雑物、油溶性夾雑
物や残留モノマーをはじめとする揮発性有機溶剤の除去
が容易である。つまり高純度の粒子として回収できる。
焼結操作までは粒子中のラテックス粒子間間隙が閉塞せ
ず連続的につながつた状態が保てる為、水中もしくは酸
アルカリ等の溶液、更にはアルコールやケトン類等の有
機溶媒への浸透作業や洗浄作業による水溶性夾雑物、油
溶性夾雑物の抽出、洗浄による除去が容易である。又、
乾燥操作又は水相分散状でのエアレーション等によるス
トリッピング操作に於いて、極めて速い揮発性成分の除
去が実現するので高沸点揮発性物質の除去も容易とな
る。このように、本発明により得られる粒子は極めて高
純度のものとすることができる。
(2)水溶性物質、油溶性物質、液体物質を粒子の内部
まで均一に含浸させることができる。
水相浸漬時や乾燥粒子を溶いて、粒子全体がラテックス
粒子間の間隙を有していることを利用して、溶液にした
り、液体にして粒子と接触させることで、容易に望む物
質を含浸させることができる。含浸させる物質は、当然
以降の乾燥や焼結の工程で飛散や分解されないことが前
提となるし、また媒体液は逆に揮発や分解等で取り除か
れる必要があろう。また媒体液はラテックス粒子間隙を
塞がないよう、粒子を溶解ないし強く膨潤させないこと
が望まれる。
(3)溶媒中への分散、溶解が容易である。
一旦乾燥した粒子を水溶液中や有機溶媒中へ分散又は溶
解する用途において、その分散速度、溶解速度が速く、
且つ分散粒子を均一な基本粒子であるラテックス粒子と
して微分散可能とすることができる。
通常、高分子を有機溶媒中へ溶解する場合も、低温にす
るなど溶媒の溶解力を下げ、まず溶媒中に粒子を均一分
散した後、昇温するなどして溶解する方法が採られる。
本発明の粒子は溶媒がラテックス粒子間の間隙を浸透す
ることでラテックス粒子が互いに融着していないことか
ら撹拌等により適度な力を加えることで容易にラテック
ス粒子にまでバラバラにし溶媒中へ分散することができ
る。
(4)粒子は優れた物性及び特徴を有する。
乾燥によって得られる粒子は、ラテックス粒子の全く融
着合一していないものであるにもかかわらず、ラテック
ス粒子が密充填しているので十分に形態保持強度があ
り、通常の輸送、貯蔵等の物理操作に粒子が崩壊するこ
となく耐え得る。また、粒体の嵩比重も従来品よりも大
きくなり、流れが大巾に改善される。また微分の発生が
全くなくなることからも、粒体取扱が便利になる。この
ように包装費、運送費の削減、貯槽内でのブロッキング
やブリッジ問題の解消、トラックローリーやバルク輸
送、サイロ貯蔵も可能にするに加え、高分子の場合では
加工、成型時の作業性、粉塵による環境の著しい改善や
加工時の自動化の実現などコスト面ばかりでなく、高分
子加工成形に於いては均質なゲル化が得られることよ
り、成形品のフイッシュ・アイなどの一部未ゲル粒子の
発生を防ぎ均質な成形品、高品質の製品を安定に生産す
ることができる。
(5)ペレット化工程を省略して直接射出成形が可能と
なる。
焼結処理によって得られる粒子は、加工成形機を通して
得られる溶融体であペレットや成形品と同程度の充密体
になるので高密度の重い粒体となる。
このようにして得られる粒体は、上記メリットに加え
て、従来粒子空隙量や夾雑物が原因の射出成形体の表面
状態粗悪化の故にペレット化工程を必要としていた乳化
重合体の欠点を全面的に解消し、直接射出成形を可能に
する等により、一層大きな省エネ、省力、省コスト等の
メリットも期待できる。
「実施例」 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明するが、
本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
尚、以下の説明で%は特にことわりがない限り重量%を
意味する。
実施例1 ブタジエン重合体上にスチレン、アクリロニトリル及び
メチルメタクリレートの混合物をグラフト共重合させた
高分子ラテックスであつて、ブタジエン60%、メチルメ
タクリレート10%、アクリロニトリル10%およびスチレ
ン20%より成る高分子ラテックス(A)35%と、α−メ
チルスチレン20%、アクリロニトリル25%およびスチレ
ン55%より成るホモ共重合体高分子ラテックス(B)65
%を混合した軟化温度105℃の高分子ラテックスであつ
て、そのラテックス中の固形分濃度が30%、温度30℃の
高分子ラテックスを10のステンレス製容器に6と
り、d/D=0.5の掻揚げ3枚プロペラ羽根を用い、200rpm
にて室温(約24℃)で攪拌した。凝固剤として粒状食塩
(粒径0.2〜0.5mm)をこれに添加して分散させ、約10秒
後、回転数を60rpmとし、ゆるやかに攪拌しながら20分
間処理した。
次いで、該高分子ラテックスから60メッシュ篩を通して
凝固粒子を分離し、更に60℃の温水中に30分間浸漬した
後100メッシュの篩を通して凝固粒子を取り出し水洗、
ヌッチエによる脱水を行った後、箱型乾燥機を用い60℃
にて約2時間乾燥した。さらに窒素雰囲気中で140℃で3
0分間の焼結処理を行った。
乾燥により得られた粒子は写真1に見られる如く、白色
の真球状の粒子であり嵩比重0.49(g/cm3)、粒度分布
6−16メッシュ96%平均粒径2.3mmの粒度の揃ったもの
であった。粒子を割断した粒子内部は写真2に見られる
如く、粒子中央部に少量の凝固剤痕跡の粗充填部分を除
くと高密充填している。また、水溶性イオウ化合物はラ
テックス中に0.87%含有されていたものが900ppm(いず
れも対樹脂当たりの重量濃度、以下同様)に減少してお
り、残留αメチルスチレンモノマーは、ラテックス中の
1.7%から75ppmに減少している。
なお分離したラテックス中には微粒の凝固粒子は一切混
入していなかった。この粒子を稀薄石鹸水に入れ室温に
て振盪後放置した。放置後40分後に粒子はラテックス粒
子に再分散した。
また、焼結により得られた粒子は写真3に示す如く透明
感と光沢のある真珠様の嵩比重0.66(g/cm3)の重い高
密充填した粒子であった。粒子中のイオウ化合物は780p
pm、残留α−メチルスチレンは30ppmであった。
この粒子を直接射出成形したところ、ペレットと同等の
成形性が得られ、また着色の少ない、耐衝撃性の大きい
ペレットからの成形品を凌ぐ物性が得られた。
比較例1 実施例1において、凝固剤の添加後回転数を下げず、初
期設定のままの200rpmとして同様の操作を行ったとこ
ろ、約15分後から全体の凝固が始まり、18分後には、ビ
ーカー内のラテックスは全て凝固・固化してしまい、粒
子化は出来なかった。この凝固体に水を加え15%固形分
濃度のスラリーとして流動性を与え、耐圧オートクレー
ブで攪拌しながら120℃に30分間加温し、ヌッチェで脱
水、水洗後90℃で2時間半乾燥した。
この粉体は270メッシュパス42%、270メッシュ〜60メッ
シュ33%、の微粉の多い不定形粒子よりなる粉体で嵩比
重0.43であった。またイオウ化合物0.64%残留α−メチ
ルスチレン1.2%を含有していた。これは、もはや水中
に再分散できず、また直接射出成形に供することはでき
なかった。
実施例2 スチレンとメチルメタクリレートの混合物を、スチレン
とブタジエンの共重合体上にグラフト共重合させた高分
子ラテックスであって、スチレン35%、メチルメタクリ
レート30%、ブタジエン35%より成り、固形分濃度30%
の軟化温度55℃の高分子ラテックスを500mlビーカーに3
00mlとって氷水で外部から5℃に冷却し、d/D=0.5の掻
揚げ3枚プロペラ羽根を用い、100rpmでゆるやかに攪拌
し、凝固剤として5℃に冷却した濃塩酸溶液(約35%)
をピペツトにて滴下した。
そのまま約10分間処理後60メッシュ篩で高分子ラテック
スから凝固粒子を分離し、更に40℃の水中に浸漬しNaOH
にてPH=5.0に調整後10分間攪拌した。水洗ヌッチェに
よる脱水を行った後箱型乾燥器を用い40℃にて約4時間
乾燥した。さらに窒素雰囲気中で120℃で40分間の焼結
処理を行った。
乾燥により得られた粒子は平均粒径4.2mmで白色の嵩比
重0.44(g/cm3)の粒子内部に空隙のほとんどない高充
密化された真球状であった。この粒子約1gを100ml三角
フラスコに入れた20mlのジクロルメタンに入れ、室温で
振盪機で攪拌したところ、2分後には均一な溶液が得ら
れた。乾燥によって残留スチレンモノマーは750ppmから
10ppm以下に減少した。
一方、焼結粒子は高充密化された真珠様の光沢のある嵩
比重0.55(g/cm3)のものであった。
比較例2 実施例2に於いて、ラテックス温度を60℃にて凝固し
た。塩酸を加えると同時に大きな不定形の魂が発生し、
粒径が不揃いの凝固粒子となった。また乾燥にて粒子が
十分収縮せず、内部に空洞の多い粒子となった。
実施例3 ブタジエン共重合体上にスチレンとアクリロニトリル混
合物をグラフト共重合させたラテックスであって、ブタ
ジエン65%、アクリロニトリル10%およびスチレン25%
より成る高分子ラテックス(A)30%と、α−メチルス
チレン70%、メチルメタクリレート10%およびアクリロ
ニトリル20%より成るホモ共重合体高分子ラテックス
(B)70%を混合した軟化温度112℃の高分子ラテック
スであって、そのラテックス中の固形分濃度が30%、温
度30℃の高分子ラテックスを10のステンレス製容器に
6とり、d/D≒0.5の掻き揚げ3枚プロペラ羽根を用い
200rpmで強攪拌し、30%塩化カルシウム水溶液を添加し
て分散させ、約10秒後回転数を60rpmとし、ゆるやかに
攪拌しながら10分間処理した。
次いで、60メッシュ篩を用いて高分子ラテックスから凝
固粒子を分離し、更に10のステンレス製容器に6の
水を入れ、80℃で60分間緩やかな攪拌を行った。その後
水洗、ヌッチェによる脱水を行った後、箱型乾燥器によ
り90℃で3時間乾燥した。濾液は悪臭を有する程汚れた
状態であった。脱水後の粒子の含水率は温水浸漬前の64
%から47%に減少した。又、温水浸漬前後の粒子中の塩
素イオンと硫酸イオン量をイオンクロマトグラフで定量
したところ、各々温水浸漬前の1.3%から0.3%、0.7%
から0.1%以下(%は乾燥粒子重量換算)と著しく減少
した。得られた乾燥粒子は色白で嵩比重0.48(g/cm3
の平均粒径4.5mmの粒度のそろった高充密化された真球
状の粒子であった。
また、乾燥粒子をガスクロマトグラフで残留αメチルス
チレン量を測定したところ温水浸漬後の1.9%から120pp
mに著しく減少していた。
この乾燥粒子を割断して粒子内部を見ると写真4の如き
劈開面に沿った階段状の割断面が現れていた。
さらに窒素雰囲気中で140℃で30分の焼結処理を行った
ところ、粒子は更に収縮し、平均粒径3.1mmで粒内空隙
量のほとんどない、高充密化された粒体が取得出来た。
得られた粒体は嵩比重0.65(g/cm3)で真珠様の光沢を
持った透明感の強い粒子であった。
この焼結粒子の割断面には一層明確な階段状が現れてお
り、劈開面とともに、極めて緻密に充填している様子が
わかる(写真5) この粒子を用いて直接射出成形したところ、ペレットと
同等の成形性と加工物性が得られた。
比較例3 実施例3において、高分子ラテックスの固形分濃度を3
%として同様の操作を行い、2分後分離したところ凝固
粒子は形成されたもののやわらかくて保持力が極めて乏
しいため、篩を用いて高分子ラテックスと凝固粒子を分
離する際、粒子が壊れてしまった。ところが約5分後か
ら、ラテックス全体が凝固をはじめ全体が粘稠な寒天状
凝固体になった。
実施例4 実施例3と同一組成の高分子ラテックスであって、その
ラテックス中の固形分濃度が30%、温度30℃のラテック
スを10のステンレス製容器に6とり、d/D≒0.5の掻
き揚げ3枚プロペラ羽根を用い100rpmで攪拌し、凝固剤
として35%HCI水溶液を2〜3mmφの液滴にして添加して
分散させ、約3秒後回転数を50rpmとしゆるやかに攪拌
しながら20分間処理した。
次いで、60メッシュ篩を用いて高分子ラテックスから凝
固粒子を分離し、室温にて、水中に浸漬し、水酸化カル
シウムでpHを8.0に調整した後30分間攪拌下で保った。
そして水洗、ヌッチェによる脱水を行った後、箱型乾燥
器により90℃3時間乾燥した。さらに窒素雰囲気中で14
0℃40分間の焼結処理を行ったところ、充密化された粒
径6〜12mmφの粒子を取得出来た。得られた粒体は嵩比
重0.61(g/cm3)に真珠様の光沢を持った透明感の強い
粒子であった。この粒子中のイオウ化合物は720ppm、塩
素イオンは0.6%、残留α−メイルスチレンは220ppmで
あった。この粒子を直接射出成形したところ実施例3と
同等の良好な結果を得た。
比較例4 実施例4において、凝固粒子を浸漬処理せずに乾燥、焼
結処理を行った。得られた粒子は実施例4と変らなかっ
たが、粒子中のイオウ化合物は0.66%、塩素イオンは3.
7%もあり、爽雑物の多い粒子であった。
この粒子を用いて直接射出成形したところ、成形体の表
面に多数の銀痕が発生した。実施例5 実施例3と同一組成の高分子アテックスを蒸留水にて稀
釈し、そのラテックス中の固形分濃度を20%に調整した
後、このラテックスを500mlビーカーに300mlとり、氷水
により液温5℃まで冷却し、d/D≒0.5の掻き揚げ3枚プ
ロペラ羽根を用い1300rpmで強攪拌し、凝固剤として5
℃に冷却した8%塩化カルシウム水溶液を添加して分散
させ、約10秒後回転数を100rpmとしてゆるやかに攪拌し
ながら1分30秒間処理した。
次いで、100メッシュ篩を用いて高分子ラテックスから
凝固粒子を分離し、室温にて水に浸漬し、攪拌下で30分
間保持した後、水洗、ヌッチェによる脱水を行った。そ
して、箱型乾燥器により90℃3時間乾燥した。さらに窒
素雰囲気中で140℃40分間の焼結処理を行ったところ透
明性の高い高充密化されて嵩比重0.64(g/cm3)、48〜8
0メッシュが83%の微小粒子を取得出来た。
比較例5 実施例5において、初期回転数を100rpmとし、同様の操
作を行ったところ、取得した凝固粒子はダルマ状で合一
したものが多く、流動性が悪いのに加え、嵩比重は0.55
(g/cm3)まで低下した、しかも、攪拌機の羽根に凝固
体の付着が見られた。
実施例6 アクリロニトリルと塩化ビニルの混合物を共重合させた
高分子ラテックスであってアクリロニトリル50%、塩化
ビニル50%より成り固形分濃度25%で軟化温度86℃の高
分子ラテックスを500mlビーカーに300mlとり、常温に於
いてd/D≒0.5の掻き揚げ3枚プロペラ羽根を用い400rpm
で強攪拌し、凝固剤として塩化カルシウム粉末をこれに
添加して分散させ、約10秒後回転数を100rpmとし、ゆる
やかに攪拌しながら10分間処理した。
次いで60メッシュ篩を用いて高分子ラテックスから凝固
粒子を分離し、常温にて水中に浸漬して30分間攪拌下で
保った後、水洗、ヌッチェによる脱水を行った。そし
て、箱型乾燥器を用い、45℃で約4時間乾燥した。
乾燥により得られた粒子は粒径2.6mmの粒度を揃った白
色の高充密化された真球状であった。この粒子を約5gと
り−15℃に冷却した20mlのアセトン中に加えて手で振盪
したところ、5分後には均一な分散状態が得られた。
実施例7 塩化ビニールのみを懸濁重合させた固形分35%の高分子
ラテックスを500mlビーカーに300mlとり、d/D≒0.5の掻
き揚げ3枚プロペラ羽根を用い、400rpmにて室温で攪拌
した。凝固剤として塩化カルシウム粉末をこれに添加し
て分散させ約10秒後回転数を100rpmとし、緩やかに攪拌
しながら5分間処理した。次いで、該高分子ラテックス
から60メッシュ篩を通して凝固粒子を分離し、該メッシ
ュ上で水流をかけて浸漬水洗した後、すばやく水切りを
行った。箱型乾燥機を用い50℃にて約3時間乾燥を行っ
たところ、直径約2mmの高充密化された白色真球状粒子
が得られた。この粒子は指で強く揉むと容易にラテック
ス粒子(直径0.5〜1.0μm)の微粉体にすることができ
た。またこの粒子50gをDOP(フタル酸ジオクチル)50mg
の中に入れビーカー中で混合したところ5分後には均一
な分散液が得られた。
この粒子の割断面は写真6に見られる如く、ラテックス
粒子は互いに融着せず、しかも緻密に充填した粒子内部
を示していた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)乳化重合又は懸濁重合により製造さ
    れた高分子ラテックス中に、ラテックス粒子の融着合一
    する温度(軟化温度)より低い温度で凝固剤を加え、該
    凝固剤が該高分子ラテックスに溶解拡散する前に該凝固
    剤を微小体積に分散して該高分子ラテックス中に点在さ
    せ、 (B)点在した該凝固剤から該ラテックス中に凝固剤を
    溶解拡散させることにより該凝固剤を中心としてその外
    表面でラテックス粒子を凝固させて内部から外部へ凝固
    粒子を成長させ、ラテックス粒子が規則性を持つて充填
    した任意の大きさの球状粒子とし、 (C)該凝固粒子を該高分子ラテックスより分離して凝
    固粒子を得、 (D)ラテックス粒子の軟化温度より低い温度に該凝固
    粒子の温度を保った状態で水相に浸漬し、 (E)ラテックス粒子の軟化温度より低い温度で乾燥す
    ることにより凝固粒子を構成するラテックス粒子が融着
    しない状態で密充填した高分子ラテックス粒子の球状密
    充填体。
  2. 【請求項2】(A)における該高分子ラテックス中に凝
    固剤を添加する際の該ラテックス温度が、該軟化温度よ
    り20℃以上低い温度である特許請求の範囲第1項記載の
    球状密充填体。
  3. 【請求項3】(A)乳化重合又は懸濁重合により製造さ
    れた高分子ラテックス中に、ラテックス粒子の融着合一
    する温度(軟化温度)より低い温度で凝固剤を加え、該
    凝固剤が該高分子ラテックスに溶解拡散する前に該凝固
    剤を微小体積にして該高分子ラテックス中に点在させ、 (B)点在した該凝固剤から該ラテックス中に凝固剤を
    溶解拡散させることにより該凝固剤を中心としてその外
    表面でラテックス粒子を凝固させて内部から外部へ凝固
    粒子を成長させ、ラテックス粒子が規則性を持つて充填
    した任意の大きさの球状粒子とし、 (C)該凝固粒子を該高分子ラテックスより分離して凝
    固粒子を得、 (D)ラテックス粒子の軟化温度より低い温度に該凝固
    粒子の温度を保った状態で水相に浸漬し、 (E)ラテックス粒子の軟化温度より低い温度で乾燥す
    ることにより凝固粒子を構成するラテックス粒子が融着
    しない状態で密充填した粒子をさらにラテックス粒子の
    軟化温度以上で加熱溶融して得た、ラテックス粒子が粒
    子内部に空隙のない状態で緻密かつ均質に充密した内部
    構造をもつ高密度の高分子ラテックス粒子の球状密充填
    体。
  4. 【請求項4】(A)における該高分子ラテックス中に凝
    固剤を添加する際の該ラテックス温度が、該軟化温度よ
    り20℃以上低い温度である特許請求の範囲第3項記載の
    球状密充填体。
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