JPH0675147U

JPH0675147U - 育成用ブロック

Info

Publication number: JPH0675147U
Application number: JP016454U
Authority: JP
Inventors: 幹雄古田
Original assignee: Fulta Electric Machinery Co Ltd
Current assignee: Fulta Electric Machinery Co Ltd
Priority date: 1993-04-05
Filing date: 1993-04-05
Publication date: 1994-10-25

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】ロックウール、ガラスウール等の鉱物綿より
構成される育成用ブロックにおいて、根腐れを確実に防
止するためのものである。【構成】本考案の発芽用プラグ３（ロックウールポッ
ト）を有する育成用ブロック１は、ロックウール等の鉱
物綿よりなる育成用ブロック１であって、この育成用ブ
ロック１及び／又は発芽用プラグ３の根占有部位に、密
度分布を粗にした空気取込み手段、又は通孔、切溝等の
空洞部４でなる空気取込み手段、或いは格子状の通孔、
切溝等の空洞部４でなる空気取込み手段を設けた構成で
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はロックウール、ガラスウール等の鉱物綿より構成される育成用ブロックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種鉱物綿より構成される育成用ブロック及び育成用マット、又は育成用ベッド等に関する育成用各種植物（作物）栽培用培地であって、主として前記培地に十分な空気取込みをなし、いわゆる毛根、根への空気付与又は根腐防止を意図するものとしては、種々の製品又は発明並びに考案が提示されている。そして、前記発明等の技術文献を挙げれと、下記のようなものが見当る。

【０００３】（１）特開平１−１０４１１９号の吸入圧力制御下の植物の鉱物綿栽培法と装置があり、その要旨は、育成用マットに水又は養液供給毛管部材を介設し、当該育成用マットに毛管システムを付設した構成である。

【０００４】（２）特開平１−１０４１２０号の植物栽培用培地があり、その要旨は、植物栽培用培地を半截円筒状、角筒状等とし、その下面に空気通路として役目を有する養液供給通路を開設（凹設）した構成である。

【０００５】（３）特公平６３−２１１２９号のロックウール細粒綿、及び実開昭６３−１０１０６２号の植物栽培用ベッド等があり、その要旨は、ロックウールの空隙率の改良に関する構成である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記技術文献の中で、特開平１−１０４１２０号の発明が根腐れの問題を捉えている。しかし、この発明は、植物栽培用培地の一部に設けた養液供給通路の一部を空気通路として利用する構成であり、その植物栽培用培地の一部は常時、養液中に存在する（植物栽培用培地が湿潤状態となっている。）。したがって、当該湿潤部位に、栽培植物の根が延びた場合には、根腐れの問題が発生する。また根の占有部位（位置）に、直接空気通路を形成する構造とはなっていないので、当該根占有部位への空気の取込みが必ずしも十分とは云えないこと、また成育に悪影響を与えること、等の課題がある。一方、この発明の構成、即ち、植物栽培用培地を半截円筒状、角筒状等とし、その下面に空気通路として役目を有する養液供給通路を開設した構成では、養液とロックルールとの接触面積が均一でないことから、当該ロックウールの毛細管が偏倚し、栽培植物（栽培作物）に正しく養液供給が行えないこと、及び成育の不均一化が発生する虞があること、等の課題がある。更に養液供給通路を大きく形成することから、ロックウール等の鉱物綿の廃材が多く発生し、資源の無駄使いとなり、また植物栽培用培地のコスト高となること、等資源面並びにコスト面で問題がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、ロックウールに設けた空気取込み手段を介して、栽培植物の根等への十分な空気供給を介して、根腐れを確実に防止すること、また養液と空気との接触を図り養液の栄養バランスを保持しつつ、当該栄養バランスの整えられた養液とロックウールとの均一な接触を介して、栽培植物に養液を均一供給すること、等を目的として、下記の構成を採用した。

【０００８】即ち、本考案の発芽用プラグ（ロックウールポット、種ブロック）を有す育成用ブロックは、ロックウール等の鉱物綿よりなる育成用ブロックであって、この育成用ブロック及び／又は発芽用プラグを有すの根占有部位に、密度分布を粗にした空気取込み手段、又は通孔、切溝等の空洞部でなる空気取込み手段、或いは格子状の通孔、切溝等の空洞部でなる空気取込み手段を設けた構成である。

【０００９】

【作用】

次に、本考案の空気取込み手段を介して、新鮮な空気を栽培植物の根等に供給するシステムを説明すると、先ず植物（作物も同じ）は発芽プラグ中で栽培し（図８）、しかも栽培ベッドに多数列設され、かつ当該栽培ベッドに養液が間欠方式又は滴下方式（限定されず）で供給される。この発芽プラグには空気取込み手段が設けられていることから（空気取込み手段を設けない場合も有り得る。）、養液供給が停止され、発芽プラグが大気中に解放状態となった時、前記空気取込み手段を介して、当該発芽プラグに空気を取込み、かつ空気との接触を介して、当該発芽プラグの湿潤状態を回避して、いわゆる根腐れの根幹となる当該発芽プラグの過湿状態をなくす構造となっている。

【００１０】以上のようにして、発芽プラグにより所定の大きさに成育された段階で、当該発芽プラグを、育成用ブロック（苗ブロックの場合も有り得る。）の小孔に挿設し、当該育成用ブロック及び育成用マットを利用し、かつ滴下方式を介して、次の栽培にかかる（図９）。この育成用ブロックには空気取込み手段が設けられていることから、養液供給が停止され、育成用ブロックが大気中に解放状態となった時、前記空気取込み手段を介して、当該育成用ブロックに空気を取込み、かつ空気との接触を介して、当該育成用ブロックの過湿状態（概ね、根が水中浸漬されている状況を云う。）を回避して、いわゆる根腐れの根幹となる当該育成用ブロックの過湿状態をなくす構造となっている。

【００１１】以上のようにして、育成用ブロックにより所定の大きさに育成された段階で、当該育成用ブロックを、育成用マット（ロックファイバー、ロックウールマット、ロックウールベッド、又は砂とロックウール上に育成用マットを置く等の場合も有り得る。）上に設置し、当該育成用マットを利用し、かつ滴下方式を介して、次の栽培にかかる（図１０）。この育成用マットにも空気取込み手段が設けられている場合には、養液供給が停止され、育成用マットが大気中に解放状態となった時、前記空気取込み手段を介して、当該育成用マットに空気を取込み、かつ空気との接触を介して、当該育成用マットの過湿状態を回避して、いわゆる根腐れの根幹となる原因をなくす構造となっている。

【００１２】前述した栽培方法、ロックウール機構（装置）を採用することにより、育成用ブロック及び育成用マット（以下、両者を総称する場合は、育成用ブロック等とする。）の過湿状態を回避するとともに、空気取込み手段で取り込んだ空気を、養液により育成用ブロック等の上部に押上げ、当該育成用ブロック等にはっている根全体に、前記空気を供給し得ること、並びに育成用ブロック等の下部全体（底面全体）の養液接触を介して、当該育成用ブロック等の全体に均一にこの養液を供給できる効果がある。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明するが、育成用ブロック１又は育成用マット２、或は発芽用プラグ３であって、その根占有部位に設けられる空気取込み手段は、色々の構造が考えられるので、以下、図例にしたがって説明する。

【００１４】先ず、図１〜図４、図７に示す例は、空気取込み手段として切溝、通孔等の空洞部４を設ける構成である、例えば、図１の如く、育成用ブロック１の下部底面１ａ´に切溝でなる空洞部４を縦設する構成、又は図２の如く、切溝でなる空洞部４を格子状に設ける構成等がある。しかし、この例に限定されず、図示しないが傾斜状、曲線状等各構成が採用される。そして、前記空洞部４は、当該育成用ブロック１に挿設される発芽用プラグ３にも設けられる構成がよい。またその他の例としては、図３の如く、育成用ブロック１の下部１ａに通孔でなる空洞部４を縦設する構成、又は図４の如く、通孔でなる空洞部４を格子状に設ける構成等がある。しかし、この例に限定されず図示しないが傾斜状、曲線状等各構成が採用される。また切溝、通孔等の空洞部４の構造又は形状等もこの図例・説明の例に限定されない。尚、その他特殊な空気取込み手段としては、図７の如く、下部１ａより上部１ｂに貫通する貫通孔１４でなる構成も考えられるが、この場合、上部１ｂの貫通孔１４を細孔とすることがよい。場合により発芽用プラグ３にも貫通孔１４を設ける。

【００１５】次に、図５、図６に示す例は、空気取込み手段として密度分布を採用する構成を開示するが、具体的には下部１ａの密度を粗５とし、上部１ｂの密度を密６にして、栽培植物の根占有部位に大きな空隙を設ける構成とする。例えば、具体的には粗密のロックウール帯体を上下重ね合わせるか、又はニードルパンチ加工等を介して一体的に形成される。更に図７の如く、育成用ブロック１の下部１ａより上部１ｂに向かって、例えば、段階的、順次等に密度分布を粗５から密６にする構造、又は他の粗５・密６構造でもよい。要は根腐れが防止される粗密の密度分布であれば何れの構造でもよい。尚、図の斜線は断面を示すものでない。

【００１６】尚、以上でそれぞれ説明した構成の空気取込み手段は、図１１に示す育成用マット２にも採用できる構成である。図中７は栽培ベッド、８は養液、１１は養液用のパイプ（ホースでも可）を示す（パイプ１１の位置は限定されず。）。また育成用マットに湿度センサーを付設する場合も有り得る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、以上で詳述したように、ロックウール等の鉱物綿よりなる発芽用プラグ及び／又は育成用ブロックの根占有部位に、空気取込み手段、即ち、空洞部、貫通孔、密度分布等を設け、当該空気取込み手段を介して、前記根占有部位に空気を取入れる構成としたので、下記のような効果を有する。

【００１８】（１）育成用ブロック等の根占有部位の過湿状態を回避でき、もって根腐防止に役立つ。

【００１９】（２）毛細管システムを介して、空気及び養液を根等に、確実かつ的確に供給できる。

【００２０】（３）構造簡単で、実用的かつ低コストであることと、その実用上の効果大なるものである。

【００２１】（４）在来の育成用ブロック等にも簡易に採用できる構成である。

【００２２】（５）鉱物綿の廃材が少ない。また資源の有効・有益利用が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】縦設方式の空洞部（切溝）を備えた育成用ブロ
ックを示す斜視図である。

【図２】格子方式の空洞部（切溝）を備えた育成用ブロ
ックを示す底面図である。

【図３】縦設方式の他の空洞部（通孔）を備えた育成用
ブロックを示す斜視図である。

【図４】格子方式の他の空洞部（通孔）を備えた育成用
ブロックを示す横断面図である。

【図５】育成用ブロックの上部及び下部で、その密度分
布を粗密とした状態の模式図である。

【図６】育成用ブロックの上部及び下部で、その密度分
布を粗密とした状態の接合部の他の例を示す模式図であ
る。

【図７】育成用ブロックの下部から上部に向かって密度
分布を粗密とした状態の他の例を示す模式図である。

【図８】育成用ブロックに貫通孔による空気取込み手段
を施けた一例を示す縦断面図である。

【図９】栽培ベッドに多数の発芽用プラグを載置した状
態の模式図である。

【図１０】栽培ベッドに育成用ブロックを載置した状態
の模式図である。

【図１１】栽培ベッドに育成用マットを載置した状態の
模式図である。

【符号の説明】

１育成用ブロック１ａ下部１ａ´ 下部底面１ｂ上部２育成用マット３発芽用プラグ４空洞部１４貫通孔５粗６密７栽培ベッド８養液１１パイプ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ロックウール等の鉱物綿よりなる育成用
ブロックであって、この育成用ブロックの根占有部位
に、密度分布を粗にした空気取込み手段を設けてなる育
成用ブロック。
【請求項２】ロックウール等の鉱物綿よりなる育成用
ブロックであって、この育成用ブロックの根占有部位
に、通孔又は切溝等の空洞部でなる空気取込み手段を設
けてなる育成用ブロック。
【請求項３】ロックウール等の鉱物綿よりなる育成用
ブロックであって、この育成用ブロックの根占有部位
に、格子状の通孔又は切溝等の空洞部でなる空気取込み
手段を設けてなる育成用ブロック。
【請求項４】ロックウール等の鉱物綿よりなり、かつ
発芽用プラグを有する育成用ブロックであって、この育
成用ブロックの根占有部位に、密度分布を粗にした空気
取込み手段を設けてなる育成用ブロック。
【請求項５】ロックウール等の鉱物綿よりなり、かつ
発芽用プラグを有する育成用ブロックであって、この育
成用ブロックの根占有部位に、通孔又は切溝等の空洞部
でなる空気取込み手段を設けてなる育成用ブロック。
【請求項６】ロックウール等の鉱物綿よりなり、かつ
発芽用プラグを有する育成用ブロックであって、この育
成用ブロックの根占有部位に、格子状の通孔又は切溝等
の空洞部でなる空気取込み手段を設けてなる育成用ブロ
ック。