JPH0674818A - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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JPH0674818A
JPH0674818A JP4227611A JP22761192A JPH0674818A JP H0674818 A JPH0674818 A JP H0674818A JP 4227611 A JP4227611 A JP 4227611A JP 22761192 A JP22761192 A JP 22761192A JP H0674818 A JPH0674818 A JP H0674818A
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infrared
gas
infrared detecting
sensitivity
detection part
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JP4227611A
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English (en)
Inventor
Koichi Aizawa
浩一 相澤
Keiji Kakinote
啓治 柿手
Shigeaki Tomonari
恵昭 友成
Atsushi Sakai
淳 阪井
Takuro Nakamura
卓郎 中邑
Takuo Ishida
拓郎 石田
Shigenari Takami
茂成 高見
Sadayuki Sumi
貞幸 角
Hidekazu Himesawa
秀和 姫澤
Fumihiro Kamiya
文啓 紙谷
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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  • Radiation Pyrometers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜ブリッジ上に熱型の赤外線検出部が設け
られてなる赤外線検出素子を備えた赤外線検出装置にお
いて、経時的感度低下を防ぎ、長期間にわたって高い感
度を発揮することができるとともに、構造が比較的簡単
で製造コストが安価な赤外線検出装置を提供する。 【構成】 赤外線検出素子10の、薄膜ブリッジb上に
形成された、薄膜抵抗体などからなる熱型の赤外線検出
部aが、パッケージ10の封入空間cなどで、キセノン
ガス等の低熱伝導性ガス雰囲気中に封入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤外線検出装置に関
し、詳しくは、赤外線の吸収による温度変化をとらえて
赤外線を検出する熱型の赤外線素子を備えた赤外線検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線検出素子には、いわゆる量子型と
熱型の二種類のタイプがある。量子型の赤外線検出素子
は、非常に高感度ではあるが、低温に冷却して使用する
必要があり、取り扱いが難しいとともに、製造コストが
高くつく。熱型の赤外線検出素子は、感度の点では量子
型に及ばないものの、冷却の必要がなく、構造が簡単で
製造コストも安くつくので、各種の実用的な用途に広く
使用されている。
【0003】この熱型の赤外線検出素子には、主なタイ
プとして、焦電素子を用いるもの、熱電対を用いるも
の、抵抗体を用いるものの3種類があり、何れも、赤外
線の照射による赤外線検出部の熱的挙動すなわち温度変
化を電気的変化を変換して、赤外線を検出する。何れの
タイプにおいても、その感度向上のためには、赤外線入
射時における赤外線検出部の温度変化を大きくする工夫
が必要になる。例えば、人体からの赤外線放射を捉え
て、人間の存在や接近を検出しようとする用途に、前記
のような赤外線検出素子を用いる場合には、非常に高い
感度の赤外線検出素子が必要になる。
【0004】赤外線検出素子の感度を高める方法とし
て、例えば、赤外線検出部に赤外線吸収率の大きな材料
を付加しておくことが考えられている。しかし、通常の
入手可能な材料の範囲では、赤外線吸収率を大幅に向上
させるのには限界がある。別の方法として、赤外線検出
部の熱絶縁性を高めることが考えられている。赤外線が
当たったときに赤外線検出部で発生する熱を、外部に出
来るだけ逃がさないようにすれば、赤外線検出部の温度
変化が大きくなり、検出信号が強くなるのである。
【0005】赤外線検出部の熱絶縁性を高める方法とし
て、基板の上に、薄い熱絶縁膜を介して赤外線検出部を
設けるとともに、赤外線検出部の背面の基板を大きく堀
り込んで、いわゆる熱分離空間を設け、赤外線検出部が
前記薄い熱絶縁膜すなわち薄膜ブリッジのみで、基板に
支持されるようにしておく方法が提案されている。赤外
線検出部から基板への熱の伝達が、薄い熱絶縁膜のみで
行われるので、赤外線検出部から基板へ熱が逃げ難くな
る。このような薄膜ブリッジを用いる技術は、本件出願
人らが先に特許出願している特願平2−284779号
などに開示されている。
【0006】さらに、上記のような薄膜ブリッジ構造を
採用するとともに、赤外線検出部および薄膜ブリッジ部
分を、真空中に封止しておく方法も提案されている。こ
の方法によれば、赤外線検出部から、これと接触する周
囲の空気へと熱が逃げるのをも、良好に防ぐことができ
るようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な真空封止構造を備えた赤外線検出装置は、製造直後の
感度は良好であったとしても、経時とともに感度が急激
に低下してしまい、真空封止構造による感度向上効果が
長く続かず、寿命が短いという問題があった。これは、
赤外線検出装置のパッケージ内が真空になっていると、
吸着、あるいは、吸蔵ガスの脱離、ガスの透過、気密不
良部分からのリーク等のいくつかが原因となって、パッ
ケージ内にガスが混入してしまい、このガスを介して熱
が逃げ易くなることによるものと考えられる。
【0008】また、パッケージの真空封止に、一般的な
金属の封止に利用される溶接封止方法を採用すると、製
造直後であっても感度があまり向上しないという問題も
ある。これは、溶接時に、溶接個所が高温になってガス
が発生し、このガスがパッケージ内に混入するため、真
空封止の効果が発揮されないものと考えられる。上記の
ような問題を防ぐために、パッケージの封着前に十分な
クリーニング、、ベーキング、脱ガスを行ったり、使用
材料の適切化、完全な封止作業、封止方法の適切化など
を行えば、製造時のガス混入や経時的な感度低下を、あ
る程度は防止できる。しかし、この場合には、製造工程
で、長時間の処理や高温での処理、特別な装置が必要で
あり、製造コストも高くつくという問題が生じる。これ
らの対策を全て完全に講じることは、実用的な商品とし
ては不可能である。したがって、実際上、赤外線検出素
子の経時的な感度低下を防ぐことは極めて困難であっ
た。
【0009】そこで、この発明の課題は、前記のような
赤外線検出装置において、経時的感度低下を防ぎ、長期
間にわたって高い感度を発揮することができるととも
に、構造が比較的簡単で製造コストが安価な赤外線検出
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる赤外線検出装置は、薄膜ブリッジ上に熱
型の赤外線検出部が設けられてなる赤外線検出素子を備
えた赤外線検出装置において、赤外線検出部が、低熱伝
導性ガス雰囲気中に封入されている。赤外線検出素子の
基本的な構造は、従来使用されていたような通常の熱型
赤外線検出素子の構造がそのまま採用できる。具体的に
は、前記した焦電素子や熱電対、抵抗体などからなり、
赤外線を吸収して熱を発生し、それに伴う温度変化が電
気的な変化に変換されて赤外線を検出できるようになっ
た、いわゆる熱型の赤外線検出部が、熱絶縁膜からなる
薄膜ブリッジを介して基板等の支持構造上に設けられて
いる。赤外線の検出によって生じる電気的な変化には、
焦電効果や抵抗値の変化、起電力の変化など、赤外線検
出部の検出原理あるいは構造によって、様々な形態があ
り、この発明は、何れの形態にも適用できる。薄膜ブリ
ッジの材料や具体的構造は、通常の各種センサや電子素
子部品における薄膜ブリッジ構造と同様の構成が採用で
きる。
【0011】赤外線検出装置は、上記のような赤外線検
出素子を搭載するとともに、赤外線検出素子に外部回路
を接続するためのリード端子や、測定しようとする特定
の波長の赤外線のみを透過するフィルタ、その他の必要
な構成部品を、パッケージ内に組み込んで、取り扱い使
用を行い易くしたものであり、赤外線検出装置を構成す
る部品およびその構造は、通常の赤外線検出装置と同様
でよい。
【0012】低熱伝導性ガスとしては、通常の空気に比
べて、熱伝導率が小さいとともに、赤外線検出部などを
腐食したり機能を阻害したりすることが無ければ、通常
の各種ガスが用いられる。低熱伝導性ガスとしては、不
活性ガスが好ましい。また、低熱伝導性ガスの分子が大
きいほど、封入部分からの漏洩が起こり難い。低熱伝導
性ガスの好ましい具体例としては、キセノンガスが挙げ
られる。
【0013】低熱伝導性ガス雰囲気中に赤外線検出部を
封入するための手段としては、金属やガラス、セラミッ
ク、合成樹脂などからなるパッケージ内に、赤外線検出
部を封入するとともに、このパッケージ内の封入空間
に、前記のような低熱伝導性ガスを充填しておけばよ
い。低熱伝導性ガス雰囲気には、赤外線検出部のみを封
入しておいてもよいし、赤外線検出部を支持する薄膜ブ
リッジあるいは基板などの支持構造の一部あるいは全体
までを、低熱伝導性ガス雰囲気中に封入しておいてもよ
い。赤外線検出部を封入するパッケージには、前記した
赤外線検出装置の全体構造を構成するパッケージを利用
することもできる。
【0014】低熱伝導性ガス雰囲気は、大気圧すなわち
常圧であってもよいし、大気圧よりも低い減圧状態ある
いは大気圧よりも高い加圧状態であってもよい。実用上
は、大気圧付近の圧力が、製造取り扱いが容易で好まし
い。
【0015】
【作用】この発明の赤外線検出装置では、赤外線検出素
子における赤外線検出部から基板への熱伝導による熱の
流出は、熱絶縁性の高い薄膜ブリッジによって、良好に
阻止される。また、赤外線検出部の周囲には、低熱伝導
性ガスが存在しているので、赤外線検出部の表面から周
囲の雰囲気へと熱が流出することも阻止される。具体的
には、低熱伝導性ガスがキセノンガスの場合、通常の空
気に比べて、熱伝導率が約1/5であり、赤外線検出部
から周囲の雰囲気への熱の流出は、格段に減少すること
になる。
【0016】したがって、赤外線検出部に赤外線が照射
されて赤外線検出部で発生した熱は、基板あるいは周囲
の雰囲気の何れにも流出することはなく、赤外線検出部
の温度上昇が効率的に行われ、その結果、赤外線の検出
感度が大幅に向上することになる。また、赤外線検出部
が低熱伝導性ガスで覆われるので、前記した真空封止構
造のように、封止後の吸着、吸蔵ガスの脱離、外部から
のガスの透過などが生じることもない。その結果、赤外
線検出部を長期間にわたって良好な熱絶縁状態に維持し
て高い感度を発揮させることができ、赤外線検出素子の
寿命を大幅に延ばすことができる。
【0017】特に、低熱伝導性ガスを大気圧程度の圧力
で封入しておいた場合には、外部環境との圧力差が少な
いので、外部からのガスの侵入や吸蔵ガスの脱離なども
起こり難く、多少のガス発生があっても、大部分を占め
る低熱伝導性ガスでその影響が消されるので、大きな問
題にはならない。その結果、赤外線検出素子の優れた性
能を、長期間にわたって安定して良好に発揮できる。ま
た、赤外線検出部を封入する工程が、真空封止を行う工
程に比べて、はるかに簡単かつ能率的に行えるようにな
る。
【0018】さらに、低熱伝導性ガスが、キセノンガス
のような分子の大きなガスであれば、気密不良部分ある
いは封止不良部分があっても、そこからガスが抜けてし
まうことがなく、低熱伝導性ガスの効果を、長期間にわ
たって良好に発揮できる。低熱伝導性ガスが不活性ガス
であれば、赤外線検出部を構成している材料の腐食、汚
染等を防止することができ、赤外線検出部の各構成部材
の機能や性能を、長期間にわたって良好に発揮させるこ
とができる。
【0019】赤外線検出素子の全体を低熱伝導性ガスに
封入しておけば、赤外線検出部だけでなく、その支持構
造からの熱の流出をも防止したり、支持構造などの腐食
や汚染などを防止したりすることができ、赤外線検出素
子の高感度その他の性能を良好に維持できる。
【0020】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、赤外線検出装置
の全体構造を表し、図2は、そのうちの赤外線検出素子
の詳細構造を表している。図2に示すように、赤外線検
出素子10は、シリコン単結晶(100)面を表面に持
つ厚み300μmの基板11の表面に、窒化シリコンと
酸化シリコンの複合膜からなる厚み1.0μmの熱絶縁
膜12が形成されている。基板11の一部が、基板11
の裏側から熱絶縁膜12に達するまで除去されて、熱分
離空間13となっている。この熱分離空間13の位置で
は、熱絶縁膜12が、中空状態で、その外周のみを基板
11に支持されており、いわゆる薄膜ブリッジbを構成
している。
【0021】薄膜ブリッジbの上には、アモルファスシ
リコンからなる厚み1.0μmの薄膜抵抗体15、およ
び、厚み0.2μmのクロムからなり、薄膜抵抗体14
を間に挟んで上下に配置された一対の電極15、15が
パターン形成されている。電極15、15で、薄膜抵抗
体14の抵抗値を検出して外部回路に取り出すことがで
きる。電極15、15は、薄膜ブリッジbの上を外周側
に延ばされ、基板11の熱絶縁膜12の上で、電極1
5、15に電極端子16、16が設けられている。
【0022】薄膜抵抗体14と上下の電極15、15の
サンドイッチ構造からなる赤外線検出部aを覆って、酸
化シリコンからなる赤外線吸収層17が形成されてお
り、この赤外線吸収層17で、赤外線の吸収性を高め、
赤外線検出部aの温度上昇が良好に行われるようにして
いる。つぎに、上記のような構造を有する赤外線検出素
子の製造方法の1例を説明する。
【0023】まず、シリコン基板11の片面に、プラズ
マCVD法で、窒化シリコンおよび酸化シリコンからな
る熱絶縁膜12を形成する。このとき、導入ガスとし
て、モノシランとアンモニア、および、モノシランと一
酸化炭素を用い、基板温度400℃、周波数13.56
MHz の処理条件を採用した。基板11の反対面には、上
記同様の手段で、窒化シリコンの薄膜を形成する。
【0024】基板11の熱絶縁膜12の上に、真空蒸着
法により、基板温度150℃で厚み0.2μmのクロム
を堆積させる。この電極となるクロム層の上に、通常の
フォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト層を形成し
パターニングを行う。このレジストパターンをマスクに
して、硝酸セリウムアンモニウムを含むエッチング液
で、クロム層をエッチングして、所定パターンの下部側
の電極15を形成する。なお、エッチング終了後は、不
要なレジストパターンは除去する。
【0025】つぎに、プラズマCVD法で、薄膜抵抗体
となるアモルファスシリコン層を堆積させる。このアモ
ルファスシリコン層の上に、前記同様の手段で、レジス
トパターンを形成し、このレジストパターンをマスクに
して、硝酸、酢酸およびフッ酸からなるエッチング液
で、アモルファスシリコン層をエッチングして、所定パ
ターンの薄膜抵抗体14を形成する。
【0026】この薄膜抵抗体14の上に、前記下部側の
電極15の場合と同様の工程を経て、クロムからなる上
部側の電極15を形成する。これらの薄膜抵抗体14お
よび電極15、15の上に、前記熱絶縁膜12の形成工
程と同様のプラズマCVD法で、赤外線吸収層となる酸
化シリコンの薄膜を堆積させる。さらに、レジストパタ
ーンを形成した後、フッ酸およびフッ化アンモニウムか
らなるエッチング液で、酸化シリコン層をエッチング
し、所定パターンの赤外線吸収層17を形成する。
【0027】さらにその上に、真空蒸着法を用いて、基
板温度150℃で厚み1.5μmのアルミニウム層を堆
積させる。マスクとなるレジストパターンを形成した
後、燐酸、酢酸および硝酸からなるエッチング液で、ア
ルミニウム層をエッチングし、所定パターンの電極端子
16、16を形成する。つぎに、基板11のうち、上記
のような赤外線検出部を形成した面の裏側の面に、熱分
離空間を作製するためのレジストパターンを形成する。
このレジストパターンをマスクにして、基板11の表面
に予め形成されていた窒化シリコン層を、プラズマエッ
チング法でパターニングする。このときのプラズマエッ
チング条件は、パワー200W、ガス圧400mTorr
で、導入ガスに四フッ化炭素を用いる。
【0028】レジストを除去した後、パターン形成され
た窒化シリコン層をマスクにして、いわゆる異方性エッ
チング法で、基板11を構成するシリコンをエッチング
し、熱分離空間13を形成する。異方性エッチングの処
理条件は、エッチャントに水酸化カリウムを用い、エッ
チャント濃度40wt%、液温80℃とする。上記のよう
にして製造された赤外線検出素子10は、図1に示すよ
うに、パッケージ20に収容された状態で使用される。
【0029】赤外線検出素子10は、金属製のシュテム
21に接着剤22でボンディング接合される。シュテム
21の上下面を貫通して設置されているリード端子2
3、23と、赤外線検出素子10の前記電極端子16、
16が、金からなるワイヤ24、24でボンディング接
続され、薄膜抵抗体14の抵抗値を、リード端子23、
23から外部に取り出せるようにする。
【0030】シュテム21の上方に、金属製のキャップ
25を被せ、外周部分をシュテム21に溶接封止する。
キャップ25のうち、赤外線検出素子10の赤外線検出
部aと対面する位置には、特定の波長の赤外線を選択的
に透過するフィルタ26が設けられた赤外線入射窓27
が形成されている。フィルタ26は、シリコン基板の表
面に選択透過膜を堆積させて作製され、波長5μm以下
をカットするような特性を持たせたものを用い、キャッ
プ25の赤外線入射窓27に、低融点ガラスを用いて接
着しておく。
【0031】上記工程で、赤外線検出素子10を搭載し
たシュテム21をキャップ25で溶接封止する際に、こ
の溶接封止作業を、1気圧のキセノンガスが充填された
チャンバ内で行う。このことにより、パッケージ20の
封入空間cが、キセノンガスで満たされた状態になり、
赤外線検出素子10の赤外線検出部aが、キセノンガス
雰囲気中に封入された状態になる。但し、キセノンガス
の封入手段としては、パッケージ20を作製した後、そ
の封入空間cにキセノンガスを充填するなど、各種装置
における通常のガス封入手段が自由に適用できる。
【0032】以上のような構造の赤外線検出素子装置を
製造して、その感度を測定した。比較のために、全く同
じ構造でパッケージ20の封入空間cに空気を充填した
ものも製造して、同様の測定を行った。その結果は、図
3の左端に示すように、キセノンガス中に封入されたこ
の発明の実施例は、空気中に封入された比較例1に比べ
て、約4倍程度も感度が向上することが判った。
【0033】つぎに、図3には、実施例の赤外線検出装
置について、感度の経時変化を測定した結果を表してい
る。また、図4は、比較例2として、パッケージ20の
封入空間cを、1×10-3Torrの真空状態にした赤外線
検出装置を製造し、同様の測定を行った結果を表してい
る。測定結果をみれば、比較例2では、製造直後の感度
は非常に高いが、経時とともに、感度が急激に落ちてい
ることが判る。これでは、安定した性能を発揮すること
ができず、寿命も短くなってしまう。これに対し、この
発明の実施例では、使用時間が1000時間を超えて
も、感度低下はほとんどなく、良好な感度を長期間にわ
たって安定して発揮できることが実証された。
【0034】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる赤外線
検出装置は、熱型の赤外線検出部を低熱伝導性ガス雰囲
気中に封入しておくことにより、赤外線検出部から周辺
の雰囲気への熱の流出を良好に阻止することができ、赤
外線検出部における検出の感度を向上させることができ
る。
【0035】しかも、赤外線検出部を真空封止しておく
構造に比べて、封止後の吸着や吸蔵ガスの脱離、外部か
らのガスの透過によるガスの混入などが起こらず、赤外
線検出部における高感度を、長期間にわたって安定して
発揮することができ、赤外線検出装置の使用寿命を大幅
に向上させることができる。また、真空封止を行わない
ので、封止構造および封止作業が簡単になり、生産性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を表す赤外線検出装置の全
体構造断面図
【図2】 赤外線検出素子の拡大断面構造図
【図3】 実施例の経時性能測定結果を示す線図
【図4】 比較例の経時性能測定結果を示す線図
【符号の説明】
10 赤外線検出素子 11 基板 12 熱絶縁膜 13 熱分離空間 14 薄膜抵抗体 15 電極 20 パッケージ 21 シュテム 25 キャップ a 赤外線検出部 b 薄膜ブリッジ c 封入空間
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】まず、シリコン基板11の片面に、プラズ
マCVD法で、窒化シリコンおよび酸化シリコンからな
る熱絶縁膜12を形成する。このとき、導入ガスとし
て、モノシランとアンモニア、および、モノシランと一
酸化二窒素を用い、基板温度400℃、周波数13.5
6MHzの処理条件を採用した。基板11の反対面に
は、上記同様の手段で、窒化シリコンの薄膜を形成す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪井 淳 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中邑 卓郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 石田 拓郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 高見 茂成 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 角 貞幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 姫澤 秀和 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 紙谷 文啓 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜ブリッジ上に熱型の赤外線検出部が
    設けられてなる赤外線検出素子を備えた赤外線検出装置
    において、赤外線検出部が、低熱伝導性ガス雰囲気中に
    封入されていることを特徴とする赤外線検出装置。
JP4227611A 1992-08-26 1992-08-26 赤外線検出装置 Pending JPH0674818A (ja)

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JP4227611A JPH0674818A (ja) 1992-08-26 1992-08-26 赤外線検出装置

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JP4227611A JPH0674818A (ja) 1992-08-26 1992-08-26 赤外線検出装置

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