JPH0674467B2 - 自動車用ラジエ−タ−のフイン用銅合金 - Google Patents
自動車用ラジエ−タ−のフイン用銅合金Info
- Publication number
- JPH0674467B2 JPH0674467B2 JP7858782A JP7858782A JPH0674467B2 JP H0674467 B2 JPH0674467 B2 JP H0674467B2 JP 7858782 A JP7858782 A JP 7858782A JP 7858782 A JP7858782 A JP 7858782A JP H0674467 B2 JPH0674467 B2 JP H0674467B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fins
- corrosion resistance
- radiator
- copper alloy
- corrosion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用ラジエーターのフイン用銅合金に関す
るもので、特に熱伝導性をあまり低下せしめることなく
耐食性を改善し、ラジエーターの軽量化、長寿命化を可
能にするものである。
るもので、特に熱伝導性をあまり低下せしめることなく
耐食性を改善し、ラジエーターの軽量化、長寿命化を可
能にするものである。
自動車用ラジエーターは、エンジン部の温度上昇を防止
するためのもので、エンジン部とラジエーター間に冷却
媒体である水を循環させ、エンジン部で温度上昇した水
をラジエーターで放熱させることにより、エンジン部の
冷却を行なつている。一般にラジエーターは水の通るチ
ユーブと、該チユーブより熱を大気中に放散させるフイ
ンとからなり、通常自動車の前部に取付け、これに空気
を強制的に吹き付けて放熱を促進させている。
するためのもので、エンジン部とラジエーター間に冷却
媒体である水を循環させ、エンジン部で温度上昇した水
をラジエーターで放熱させることにより、エンジン部の
冷却を行なつている。一般にラジエーターは水の通るチ
ユーブと、該チユーブより熱を大気中に放散させるフイ
ンとからなり、通常自動車の前部に取付け、これに空気
を強制的に吹き付けて放熱を促進させている。
従来このようなラジエーターのフインには、CuにCd又は
Snを0.1〜1.0wt％（以下wt％を単に％に略記）含有せし
めた厚さ0.03〜0.2mmの同合金薄板が用いられていた
が、最近、空気中に塩素、窒素酸化物、亜硫酸ガス等が
増加し、道路には凍結防止材剤として塩素化合物が散布
されるなど、自動車の走行環境が著しく悪化し、自動車
は勿論自動車に装着したラジエーターの腐食は加速の一
途をたどつている。
Snを0.1〜1.0wt％（以下wt％を単に％に略記）含有せし
めた厚さ0.03〜0.2mmの同合金薄板が用いられていた
が、最近、空気中に塩素、窒素酸化物、亜硫酸ガス等が
増加し、道路には凍結防止材剤として塩素化合物が散布
されるなど、自動車の走行環境が著しく悪化し、自動車
は勿論自動車に装着したラジエーターの腐食は加速の一
途をたどつている。
即ち、ラジエーターは放熱性を向上するため、通常自動
車の前部に取付け、前記汚染空気を吹き付けており、更
に道路からは凍結防止剤が跳上りなどにより汚染空気に
混入し、これがラジエーターのフインと直接接触するこ
とになる。従つて、ラジエーターのフインは前記腐食性
物質と接触する厳しい腐食条件下におかれており、フイ
ンが腐食するとラジエーターの放熱性が劣化し、更に腐
食が進むと、チューブからフインが脱落し、ラジエータ
ーは使用できなくなる。
車の前部に取付け、前記汚染空気を吹き付けており、更
に道路からは凍結防止剤が跳上りなどにより汚染空気に
混入し、これがラジエーターのフインと直接接触するこ
とになる。従つて、ラジエーターのフインは前記腐食性
物質と接触する厳しい腐食条件下におかれており、フイ
ンが腐食するとラジエーターの放熱性が劣化し、更に腐
食が進むと、チューブからフインが脱落し、ラジエータ
ーは使用できなくなる。
近年、自動車は省エネルギー、排ガス等の対策から軽量
化が要求され、自動車の一部であるラジエーターにおい
ても例外ではなく、その構成部材であるフインにおいて
も薄肉軽量化が求められている。従つて、フインには単
位面積当りの放熱性の向上と、その寿命維持が重要な課
題となつている。
化が要求され、自動車の一部であるラジエーターにおい
ても例外ではなく、その構成部材であるフインにおいて
も薄肉軽量化が求められている。従つて、フインには単
位面積当りの放熱性の向上と、その寿命維持が重要な課
題となつている。
このような状況において、現用のフイン材料であるCuに
Cd又はSnを添加した前記銅合金では腐食に対する抵抗が
ほとんどなく、耐食性の改善が強く望まれている。
Cd又はSnを添加した前記銅合金では腐食に対する抵抗が
ほとんどなく、耐食性の改善が強く望まれている。
本発明はこれに鑑み、フインの腐食状態を詳細に観察し
た結果、腐食はフインの金属表面に酸化物Cu2Ｏが多層
に重なり、Cu2Ｏと金属との界面に塩素及び硫黄が凝集
し、更に腐食面は一般に乾燥状態で水分が微量であるこ
とを知見し、このような条件下における耐食材料につい
て研究を重ねた結果、熱伝導性及び耐食性が優れかつ加
工性が良好な自動車用ラジエーターのフイン用銅合金を
開発したもので、Ni0.05〜1.0％と、Zr、Cr、希土類元
素の何れか１種又は２種以上を合計0.01〜0.3wt％と、
酸素50ppm以下を含み、残部Cuからなることを特徴とす
るものである。
た結果、腐食はフインの金属表面に酸化物Cu2Ｏが多層
に重なり、Cu2Ｏと金属との界面に塩素及び硫黄が凝集
し、更に腐食面は一般に乾燥状態で水分が微量であるこ
とを知見し、このような条件下における耐食材料につい
て研究を重ねた結果、熱伝導性及び耐食性が優れかつ加
工性が良好な自動車用ラジエーターのフイン用銅合金を
開発したもので、Ni0.05〜1.0％と、Zr、Cr、希土類元
素の何れか１種又は２種以上を合計0.01〜0.3wt％と、
酸素50ppm以下を含み、残部Cuからなることを特徴とす
るものである。
即ち、本発明は、Cuに少量のNiを添加することによりCu
特有の熱伝導性をあまり低下せしめることなく、塩素、
窒素酸化物、亜硫酸ガス等の混在する空気中における亜
酸化銅の生成及び増殖を抑制して耐食性を向上せしめ、
更にこれにZr、Cr、希土類元素の何れか１種又は２種以
上を少量添加することにより、前記Ni添加との相乗効果
により、耐食性を一段と向上せしめたものである。また
酸素含有量を微量に制限したのは、緻密な酸化膜の生成
を容易にして、更に耐食性を向上せしめると共に、フイ
ンのような極薄い条にするための圧延加工性を改善する
ためである。
特有の熱伝導性をあまり低下せしめることなく、塩素、
窒素酸化物、亜硫酸ガス等の混在する空気中における亜
酸化銅の生成及び増殖を抑制して耐食性を向上せしめ、
更にこれにZr、Cr、希土類元素の何れか１種又は２種以
上を少量添加することにより、前記Ni添加との相乗効果
により、耐食性を一段と向上せしめたものである。また
酸素含有量を微量に制限したのは、緻密な酸化膜の生成
を容易にして、更に耐食性を向上せしめると共に、フイ
ンのような極薄い条にするための圧延加工性を改善する
ためである。
しかして本発明の合金組成を前記の如く限定したのは次
の理由によるものである。
の理由によるものである。
Ni含有量を0.05〜1.0％と限定したのは、含有量が0.05
％未満では亜酸化銅の生成、増殖を抑制する作用が充分
でなく1.0％を越えると耐食性は向上するも、フインと
して重要な熱伝導性を大巾に低下するためである。また
Zr、Cr、希土類元素の何れか１種又は２種以上を合計含
有量を0.01〜0.3wt％と限定したのは、合計含有量が0.0
1％未満ではNi添加との相乗効果による耐食性改善が不
充分であり、0.3％を越えると耐食性は充分なるも、フ
インとして重要な熱伝導性を大巾に低下せしめるためで
ある。更に酸素含有量を50ppm以下と限定したのは、こ
れを越えて酸素を含有すると、合金内部でCuと酸素が化
合し、Cu2Ｏの粒子となつて分散し、フインのような極
薄い条とする圧延加工において板切れを起こすようにな
るばかりか、耐食性が低下するためである。
％未満では亜酸化銅の生成、増殖を抑制する作用が充分
でなく1.0％を越えると耐食性は向上するも、フインと
して重要な熱伝導性を大巾に低下するためである。また
Zr、Cr、希土類元素の何れか１種又は２種以上を合計含
有量を0.01〜0.3wt％と限定したのは、合計含有量が0.0
1％未満ではNi添加との相乗効果による耐食性改善が不
充分であり、0.3％を越えると耐食性は充分なるも、フ
インとして重要な熱伝導性を大巾に低下せしめるためで
ある。更に酸素含有量を50ppm以下と限定したのは、こ
れを越えて酸素を含有すると、合金内部でCuと酸素が化
合し、Cu2Ｏの粒子となつて分散し、フインのような極
薄い条とする圧延加工において板切れを起こすようにな
るばかりか、耐食性が低下するためである。
尚、前記希土類元素とは、La、Ce、Pr、Nd、Sm等のセリ
ウム族希土類元素で、その製錬過程で得られるミツシユ
メタル（Ce4〜50％、La20〜40％、残部その他の希土類
元素）も同様に利用できる。
ウム族希土類元素で、その製錬過程で得られるミツシユ
メタル（Ce4〜50％、La20〜40％、残部その他の希土類
元素）も同様に利用できる。
また本発明合金は、無酸素銅を不活性ガス中で溶解する
か或いは無酸素銅、電気銅、タフピッチ銅を真空中で溶
解し、これに合金元素を添加すればよい。
か或いは無酸素銅、電気銅、タフピッチ銅を真空中で溶
解し、これに合金元素を添加すればよい。
以下本発明を実施例について詳細に説明する。黒鉛ルツ
ボを用いて、タフピッチ銅を真空中で溶解し、これに各
添加元素を挿入し、これを金型に鋳造して第１表に示す
組成の厚さ25mm、巾250mm、長さ250mmの鋳塊を得た。
尚、酸素含有量は真空度の調整により制御した。
ボを用いて、タフピッチ銅を真空中で溶解し、これに各
添加元素を挿入し、これを金型に鋳造して第１表に示す
組成の厚さ25mm、巾250mm、長さ250mmの鋳塊を得た。
尚、酸素含有量は真空度の調整により制御した。
この鋳塊の各表面を一面あたり2.5mm面削した後、加熱
して850℃の温度で熱間圧延し、その後冷間圧延と中間
焼鈍を繰返して厚さ0.5mmの板に仕上げた。
して850℃の温度で熱間圧延し、その後冷間圧延と中間
焼鈍を繰返して厚さ0.5mmの板に仕上げた。
この板について耐食性、熱伝導性及び圧延加工性を調べ
た。その結果を第２表に示す。
た。その結果を第２表に示す。
耐食性は上記板より縦100mm、横100mmのサンプルを切り
出し、0.3％SO2ガスと0.3％Cl2ガスを含む空気中に48時
間暴露し、続いて温度60℃、湿度80％の恒温高湿槽内に
96時間保持することを４回繰返し、サンプル表面の腐食
生成物であるCu2Ｏを除去して重量を測定し、試験前後
の重量より腐食減量を求め、これより単位面積あたりの
腐食減量を算出した。
出し、0.3％SO2ガスと0.3％Cl2ガスを含む空気中に48時
間暴露し、続いて温度60℃、湿度80％の恒温高湿槽内に
96時間保持することを４回繰返し、サンプル表面の腐食
生成物であるCu2Ｏを除去して重量を測定し、試験前後
の重量より腐食減量を求め、これより単位面積あたりの
腐食減量を算出した。
また熱伝導性については、これと強い正相関の関係にあ
る導電率を測定した。
る導電率を測定した。
また圧延加工性については、上記板に圧延と焼鈍を繰返
し行なつて厚さ0.1mmの板に仕上げ、これを100mの長さ
に切断して0.02mmの厚さまで圧延し、該圧延中に発生し
た圧延切れの回数を求めた。
し行なつて厚さ0.1mmの板に仕上げ、これを100mの長さ
に切断して0.02mmの厚さまで圧延し、該圧延中に発生し
た圧延切れの回数を求めた。
第２表から明らかなように本発明合金は何れも従来合金
No.26〜27に比較し、熱伝導性を著しく低下させること
なく、耐食性が改善され、しかも加工性が良好であるこ
とが判る。
No.26〜27に比較し、熱伝導性を著しく低下させること
なく、耐食性が改善され、しかも加工性が良好であるこ
とが判る。
これに対し、本発明合金の組成範囲よりNi含有量が少な
い比較合金No.17〜18、Zr、Cr、M.Mの何れか１種又は２
種以上の合計含有量が少ない比較合金No.20〜21では何
れも耐食性がそれほど改善されず、またNi含有量の多い
比較合金No.19では耐食性の向上が著しい反面、フイン
として重要な熱伝導性の低下が著しくなり、Zr、Cr、M.
Mの何れか１種又は２種以上の合計含有量が多い比較合
金No.22〜23では、熱伝導性の改善が不充分でフイン材
には適さないことが判る。更に酸素含有量が多い比較合
金No.24〜25では耐食性が劣りかつ加工性が悪いことが
判る。
い比較合金No.17〜18、Zr、Cr、M.Mの何れか１種又は２
種以上の合計含有量が少ない比較合金No.20〜21では何
れも耐食性がそれほど改善されず、またNi含有量の多い
比較合金No.19では耐食性の向上が著しい反面、フイン
として重要な熱伝導性の低下が著しくなり、Zr、Cr、M.
Mの何れか１種又は２種以上の合計含有量が多い比較合
金No.22〜23では、熱伝導性の改善が不充分でフイン材
には適さないことが判る。更に酸素含有量が多い比較合
金No.24〜25では耐食性が劣りかつ加工性が悪いことが
判る。
このように本発明合金は、加工性が良好で、塩素及び硫
黄の混在する腐食環境において優れた耐食性を示し、か
つフインとして充分な熱伝導性を有しており、自動車用
ラジエーターのフインに使用し、ラジエーターの寿命を
増大すると共に、軽量化を可能する顕著な効果を奏する
ものである。
黄の混在する腐食環境において優れた耐食性を示し、か
つフインとして充分な熱伝導性を有しており、自動車用
ラジエーターのフインに使用し、ラジエーターの寿命を
増大すると共に、軽量化を可能する顕著な効果を奏する
ものである。
Claims (1)
- 【請求項１】Ni0.05〜1.0wt％と、Zr、Cr、希土類元素
の何れか１種又は２種以上を合計0.01〜0.3wt％と、酸
素50ppm以下を含み、残部Cuからなる自動車用ラジエー
ターのフイン用銅合金
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7858782A JPH0674467B2 (ja) | 1982-05-11 | 1982-05-11 | 自動車用ラジエ−タ−のフイン用銅合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7858782A JPH0674467B2 (ja) | 1982-05-11 | 1982-05-11 | 自動車用ラジエ−タ−のフイン用銅合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58197245A JPS58197245A (ja) | 1983-11-16 |
| JPH0674467B2 true JPH0674467B2 (ja) | 1994-09-21 |
Family
ID=13666039
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7858782A Expired - Lifetime JPH0674467B2 (ja) | 1982-05-11 | 1982-05-11 | 自動車用ラジエ−タ−のフイン用銅合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0674467B2 (ja) |
-
1982
- 1982-05-11 JP JP7858782A patent/JPH0674467B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58197245A (ja) | 1983-11-16 |
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