JPH0672912A - 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの精製方法 - Google Patents

1,1,1,2−テトラフルオロエタンの精製方法

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JPH0672912A
JPH0672912A JP4231724A JP23172492A JPH0672912A JP H0672912 A JPH0672912 A JP H0672912A JP 4231724 A JP4231724 A JP 4231724A JP 23172492 A JP23172492 A JP 23172492A JP H0672912 A JPH0672912 A JP H0672912A
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tetrafluoroethane
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博基 大野
Toshio Oi
敏夫 大井
Hidetoshi Nakayama
秀俊 中山
Kazuo Muramaki
一男 村槙
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C19/00Acyclic saturated compounds containing halogen atoms
    • C07C19/08Acyclic saturated compounds containing halogen atoms containing fluorine

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン中の
不飽和不純物を効率よく除去する。 【構成】 粗精製工程で塩化水素を2モル%以下とし、
不飽和不純物の当モル以上のフッ化水素を含有する1,
1,1,2−テトラフルオロエタンを気相状態で触媒と
接触させる精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン中に含まれる1つ以上の不飽和不純物
をフッ化水素と反応させて、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンを精製することに関する。近年、オゾン層
破壊等で問題となっているカーエアコン、冷蔵庫等の冷
媒として広く用いられているCFC−12の代替冷媒と
して注目されている1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン(以降、HFC−134a又はCF3CH2Fと略
す。)精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】CF3CH2Fの製造法としては、既にト
リフルオロエタノールの原料として工業的に生産されて
いる1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタン(以
降、HCFC−133a又はCF3CH2Clと略す。)
を、クロム系触媒を用いてフッ素化する方法(特公昭4
3−10601号公報、特公昭53−105404号公
報)、トリフルオロエチレン(CF2=CHF)にフッ化
水素を付加する方法(特公昭62−23728号公
報)、2,2−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(CF3CCl2F)又は、2−クロロ−1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3CHClF)
をパラジウム触媒の存在下、水素と反応させる方法(特
公昭56−38131号公報)等が知られている。
【0003】上記方法によってCF3CH2Fを製造する
場合、触媒、反応条件等によって、様々な不純物が副生
する。副生する不純物としては、例えば不飽和不純物と
して、CF2 =CClF,CF=CHCl,CF2=CH
Cl,CHF=CClF,CF2=CHF,CHCl=CH
F等、クロロフルオロカーボン類として、CCl22
CH2ClF,CH2Cl・CClF2,CF3CHCl2
CF3CHClF等、ハイドロフルオロカーボン類とし
て、CF3CHF2,CF3CH3,CHF2CHF2等があ
げられる。
【0004】これらの不純物のうち、ハイドロフルオロ
カーボン類は少量であれば含有されていても差し支えな
いが、不飽和不純物及びクロロフルオロカーボン類は、
含有量が微量であっても、更に減少させることが望まれ
ており、分別蒸留等によって除去されている。しかし、
CF3CH2Fと沸点が近似している不純物、又共沸組成
を有する不純物を分別蒸留によって除去することは極め
て困難で、特に不飽和不純物は分別蒸留しても微量不純
物として含有される。
【0005】この為、解決策として種々のプロセスが提
案されている。 従来のHFC−134a製造方法は、まず原料である
トリクロロエチレンとHFが第1反応器に導入され、生
成ガスはHCFC−133a、塩化水素及び未反応HF
が大部分である。このガスをそのまま第2反応器へ導入
しても、多量の塩化水素を含有する為、式(1)のよう
な不利な平衡になり、目的物であるHFC−134aは
殆んど生成しない。
【数1】 その為、このガスは精製装置を用いて塩化水素が分離、
除去される。
【0006】残りのガスは、そのまま、もしくは不足分
のHFが追加され、第2反応器へ導入され、生成ガスは
未反応HCFC−133aとHF、目的物であるHFC
−134a、不飽和不純物を主成分とする副生成物、及
び塩化水素の混合物である。
【0007】このガスはそのまま第3反応器に供給さ
れ、ここで不飽和不純物にHF付加反応が行なわれ、生
成ガスは塩化水素分離のための精製装置に送られ、塩化
水素が分離、除去される。残りは更に分離精製装置に送
られ、目的物であるHFC−134aが分離され、HC
FC−133a及びHFは第2反応器にリサイクルされ
る。
【0008】このプロセスは、第2反応器の出口ガス中
に塩化水素が含有されたまま、第3反応器に導入される
為、目的とする不飽和不純物の反応効率が低下する。更
に目的物であるHFC−134aに対して多量のHF及
びHCFC−133aを含有する為、反応器を大きくし
なければならない等の欠点を有し、これを解決する為に
は、第2反応器と第3反応器の間に精製装置を設ける必
要があり、更に装置に費用がかかる。
【0009】これに対して、別のプロセスとして、E
P特許0 446 8691A1、EP0 449 614
A2及びEP0 449 617A2等が提案されてい
る。これらの製造方法は、第2反応装置にはHCFC−
133aとHFが供給され、反応の生成物は未反応HC
FC−133aとHF、目的物のHFC−134a、H
CFC−1122(CF2=CHCl)及びその他の副生
物と塩化水素の混合物である。
【0010】この混合ガスはそのまま第1反応装置に供
給される。同時に原料であるトリクロロエチレンとHF
も供給される。トリクロロエチレンはHFと反応し、H
CFC−133aと塩化水素が生成し、HCFC−11
22がHFと反応してHCFC−133aとなる。
【0011】従って、第1反応装置の生成ガスは、HC
FC−133a、HFC−134a、HF、塩化水素及
び少量のトリクロロエチレンと他の副生成物の混合物で
ある。生成ガスは塩化水素分離のため精製装置に送ら
れ、塩化水素が分離、除去され、次にHFC−134a
が分離される。残ったHCFC−133a及びHFは第
2反応装置に戻される。
【0012】この方法は、トリクロロエチレンとHFと
の反応は大きな発熱反応を伴うことを考慮し、希釈して
反応を行なうという特徴はあるものの、次のような欠点
を有している。 (a)従来法に比べて、第2反応装置の塩化水素を含
む生成ガスのすべてが第1反応装置へ導入される為、従
来法より更に第1反応装置中の塩化水素濃度が増加し、
目的とする不飽和不純物の反応効率が低下する。
【0013】(b)又、第2反応装置の全生成ガスが第
1反応装置へ導入される為、第1反応装置のガス量が従
来法に比べて多大となり、反応装置を大きくする等問題
がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記のような従来技術の欠点のない、新規
な1,1,1,2−テトラフルオロエタンの精製法を提
供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記事情
に鑑み、工業的に実用可能かつ経済的なHFC−134
aの精製方法を開発すべく鋭意検討した結果、トリクロ
ロエチレンとフッ化水素とを反応させ、HFC−134
aを製造する方法において、粗精製工程で塩化水素を2
モル%以下に除去した1つ以上の不飽和不純物を含むH
FC−134aを、好ましくは新たにフッ化水素を添加
することなく、かつフッ化水素が不飽和不純物に対して
等モル以上含有されるHFC−134aを気相状態で触
媒と反応させ、HFC−134aを回収した場合、不飽
和不純物を含有しない高純度なHFC−134aを経済
的かつ容易に収率よく精製できることを見出し本発明を
完成した。
【0016】従来、HFC−134aを製造するには、
トリクレンとHFとを反応させる方法が知られている。
この反応は1段では達成できず、反応条件の異なる2段
の反応によって行なわれる。先ず、トリクロロエチレン
とHFとを反応させて、HCFC−133aを生成せし
める式(2)の第1段の反応、 CCl2=CHCl+3HF→CF3CH2Cl+2HCl ……式(2) 及びHCFC−133aとHFとを反応させてHFC−
134aを生成せしめる前記記載の式(1)の第2段の
反応が用いられる。HCFC−133aとHFとを反応
させてHFC−134aを生成せしめる第2段の反応
は、平衡反応であり、かつ反応生成物中に目的物HFC
−134aと共沸関係を有する不飽和不純物が存在する
ため、HFC−134aとの分離が困難であり、前記の
ような種々のプロセスが提案されている。
【0017】本発明者らは、先に提案したHFC−13
4aの製法(特願平4−19249号及び特願平4−1
99827号等)の中で、第1段及び第2段反応の合流
生成物を粗精製工程に導入し、副生塩酸を除去し、HF
C−134aを濃縮する方法で、単純化した設備によっ
て蒸留工程が簡単となり、エネルギー原単位が低くなる
等の利点を有するプロセスの提案を行なっている。
【0018】本発明は、この粗精製工程を経て濃縮され
たHFC−134a中に含有される1つ以上の不飽和不
純物を経済的かつ容易に収率よく精製することに関する
ものであり、以下に方法を説明する。本発明者らが前記
した提案プロセスによって、粗精製工程を経て濃縮され
たHFC−134a中に含有される塩化水素は2モル%
以下が必須であり、更に好ましくは含有されない方がよ
い。
【0019】2モル%以上では、不飽和不純物へのHF
付加反応阻害が進行し、濃度が高くなる程この傾向は顕
著となり、反応効率が著しく低下し、結果として反応温
度を上昇させる必要が生じる。これは、式(3)及び式
(4)で示すHFC−134a及びHCFC−133a
の反応及び分解が生じ、目的であるHFC−134aの
損失と同時に、分解生成物が触媒の活性も低下させる。 CF3CH2F+HCl→CF3CH2Cl+HF ……………式(3) CF3CH2Cl→CF2=CHCl+HF ……………式(4) この為、塩化水素は2モル%以下が必須であり、好まし
くは含有されない方が更に良い。
【0020】本発明の方法では、粗精製工程を経たHF
C−134a中には、共沸組成分のHFが含有される
為、新たにHFを添加する必要はない。HFと不飽和不
純物とのモル比は等モル以上含有されれば目的とする反
応は効率よく進行する。未反応のHFは、反応後回収さ
れ無駄なく利用できる。
【0021】又、HFC−134a中に含有されるHC
FC−133aの濃度は10モル%以下が望ましく、そ
れ以上では反応効率が低下し、反応装置が大型化し、経
済的でなくなる。HFC−134a濃度も70モル%以
上が好ましく、これより少ないとHCFC−133aと
同様の欠点が生じ好ましくない。前記の組成を有する濃
縮されたHFC−134aを気相状態で触媒と反応させ
る。
【0022】本発明の方法において用いられる触媒は、
フッ素化反応に対して触媒作用を有するものであればよ
く、触媒としては、周期表の1B族、2A族、2B族、
4B族、5A族、5B族、6A族、7A族及び8族の金
属化合物で、Cu,Mg,Zn,Pb,V,Bi,C
r,Mn,Fe,Co及びNiからなる群より選ばれる
少なくとも1種の元素を含むフッ素化触媒であって、こ
れらは担体としてアルミナ、フッ化アルミニウム又は活
性炭を用いて担持してもよい。
【0023】本触媒の製法としては、通常の方法が適用
できるが、一例を示すと塩化コバルト水溶液にアルミナ
を含浸した後、乾燥し、空気流通下で焼成を行なって製
造できる。このように調製した触媒は反応に使用する前
段で、フッ化水素等で活性化することが望ましい。
【0024】反応温度は130〜280℃、好ましくは
150〜250℃であり、これより低温では不飽和不純
物の反応速度が遅くなり、これより高温では前記のよう
なHFC−134a及びHCFC−133aの反応及び
分解による問題が生じ好ましくない。
【0025】反応後、未反応HFは回収され、濃縮HF
C−134a中に含有される少量のHCFC−133
a、その他のフロン類はHFが存在しないので各成分間
に共沸関係はなく、蒸留によって分離精製することがで
き、不飽和不純物等を含有しない高純度なHFC−13
4aを経済的かつ容易に収率よく精製できる。以下に本
発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0026】
【実施例】調製例1 塩化コバルト(CoCl2)3.6gを純水52mlに溶解
し、これに活性アルミナ(日揮ユニバーサル(株)NS
T−3)100mlを浸漬して、アルミナに触媒液を全量
吸収させる。次いで、触媒液で濡れた状態のアルミナを
90℃の湯浴上で乾燥し、乾固する。乾固した触媒を空
気循環型の熱風乾燥器内で110℃で10時間乾燥す
る。乾燥触媒をガラス製焼成管に充填し、空気を空間速
度(SVo)500Hr-1で流し、400℃まで昇温して触
媒を得た。
【0027】調製例2 塩化コバルト(CoCl2)のかわりに、塩化ニッケル(N
iCl2・6H2O)6.67gを用いる以外は調製例1と
同様にして触媒を得た。
【0028】原料例1 トリクロロエチレン(CCl2=CHCl)を原料としてク
ロム触媒の存在下、気相でフッ化水素と反応させること
により製造された粗精製工程回収物は次のような組成で
あった。 CF3CH2F 81.4350, CF3CH3 0.5360, CHCl=CHF 0.0020 CF3CH2Cl 6.2400, CF3CHClF 0.5310, HF (フッ化水素)9.5060 CHF2CHF2 0.1600, CF3CClF2 0.0540, HCl(塩化水素) 0.5620 CF3CHF2 0.5320, CF2=CHCl 0.4420, 単位 mol%
【0029】原料例2 原料例1と同様の反応により得られた粗精製工程回収物
は次のような組成であった。 CF3CH2F 71.4527, CF3CH3 0.6420, CHCl=CHF 0.0032 CF3CH2Cl 12.2160, CF3CHClF 0.5880, HF (フッ化水素)8.3031 CHF2CHF2 0.1820, CF3CClF2 0.0570, HCl(塩化水素) 5.4120 CF3CHF2 0.5620, CF2=CHCl 0.5820, 単位 mol%
【0030】実施例1 内径1インチ、長さ1mのインコネル600型反応器に
調製例1の触媒80mlを充填した。反応する前段でチッ
素で希釈した無水フッ酸及び100%無水フッ酸を用い
て触媒の部分フッ素化を行い、触媒を活性化した。無水
フッ酸による触媒の処理条件を次に示す。 無水フッ酸濃度:25〜100% 処理温度:250〜350℃ 処理時間:約10時間
【0031】このようにして得られた触媒を用いて、反
応温度200℃で原料として原料例1を触媒に対する空
間速度(SVo)1000Hr-1で供給し、排出ガスを酸
分除去し、ガス組成をガスクロを用いて分析したところ
次のような組成であった。 CF3CH2F 90.5407, CF3CHF2 0.5916, CF3CClF2 0.060 CF3CH2Cl 7.4412, CF3CH3 0.5960, CH2ClCHF2 0.0021 CHF2CHF2 0.1779, CF3CHClF 0.5904, 単位 mol% CF3CH2F中の不飽和不純物は検出されず、実質的に
100%除去することができ、更に目的物であるCF3
CH2Fの損失もほとんど認められず、又他の副生物の
増減もなかった。
【0032】この条件のまま反応を1000時間継続し
たが、不飽和不純物の除去率の低下は認められず、又目
的物であるCF3CH2Fの損失もほとんど認められなか
った。この酸分除去した排出ガスを回収し、更に分別蒸
留により精製し分析したところ、次のような組成であっ
た。 CF3CH2F 99.9976, CF3CH3 0.0001, CF3CHClF 0.0001 CHF2CHF2 0.0020, CF3CHF2 0.0002 不飽和不純物を全く含有しない、高純度なHFC−13
4aが得られた。
【0033】実施例2 調製例2のようにして調製した触媒を用いた以外は、実
施例1と同様にして反応を行い、排出ガスを酸分除去し
ガス組成をガスクロを用いて分析した。結果は、実施例
1と同様に、CF3CH2F中の不飽和不純物は検出され
ず、実質的に100%除去することができ、更に目的物
であるCF3CH2F中の損失もほとんど認められなかっ
た。
【0034】比較例1 原料として原料例2を用いた以外は、実施例1と同様に
して反応を行い、排出ガスを酸分除去しガス組成をガス
クロを用いて分析したところ次のような組成であった。 CF3CH2F 81.8828, CF3CH3 0.7446, CHCl=CHF 0.0020 CF3CH2Cl 15.5915, CF3CHClF 0.6808, CH2ClCHF2 0.0017 CHF2CHF2 0.2101, CF3CCl2F 0.0658, CClF2CH2Cl 0.0212 CF3CHF2 0.6511, CF2=CHCl 0.1484, 単位 mol% CF3CH2F中の塩化水素濃度が高いため、不飽和不純
物の除去率が約77.8%と低下し、更に目的物である
CF3CH2Fの損失が約1.1%となり経済的でない。
【0035】次に反応温度を280℃と上昇させ、排出
ガスを酸分除去しガス組成をガスクロを用いて分析し
た。結果は、不飽和不純物の除去率は約92%と上昇し
たが実施例1及び2のように完全に除去できず、又目的
物であるCF3CH2Fの損失が約4.1%と増加し経済
的でない。反応温度280℃のまま、反応を500時間
継続したところ、不飽和不純物の除去率が約80%と低
下し、更に触媒を取り出したところ、カーボンの付着が
認められた。
【0036】比較例2 従来プロセス、前述の方法を行った。塩化クロム水溶
液に活性アルミナを浸漬、全量吸収させ、その後乾燥、
焼成し、フッ素化触媒を得た。これを内径1インチ、長
さ1mのインコネル600型反応器に80ml充填し、第
2反応器とした。
【0037】次に第2反応器と同様の反応器に調製例1
で示したような触媒80mlを充填し、第3反応器とし
た。第2反応器及び第3反応器とも反応の前段で、それ
ぞれ、実施例1で示したような条件下で無水フッ酸を用
いて触媒の部分フッ素化を行い、触媒を活性化した。
【0038】まず、第2反応器をチッ素流通下で350
℃に昇温し、その後、チッ素の供給を停止し、フッ化水
素及びHCFC−133aをそれぞれ1060ml/min及
び260ml/minの流速で供給した。排出ガスを酸分分析
後、ガス組成をガスクロを用いて分析したところ、排出
ガスの組成は次のような結果であった。 CF3CH2F 3.88, CF2=CHCl 0.024, HCl 4.0 CF3CH2Cl 15.95, その他副生物 0.106, HF 76.04 単位mol%
【0039】次に第3反応器も第2反応器と同様、チッ
素流通下で240℃に昇温し、その後、チッ素の供給を
停止し、第2反応器の排出ガス(上記組成)をそのま
ま、第3反応器へ導入し、排出ガスを酸分除去し、ガス
組成をガスクロを用いて分析した。次のような結果であ
った。
【0040】 CF3CH2F 19.3248, CF2=CHCl 0.0072 CF3CH2Cl 80.1352, その他副生物 0.5328,単位mol% CF3CH2F中の不飽和不純物の除去率は約94%と除
去効率が悪い。更に、目的物であるCF3CH2F処理量
が実施例1及び2と比較すれば明らかに効率が悪く、経
済的でない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば従来、非常に困難であっ
たCF3CH2F中の不飽和不純物が効率よく、容易に、
かつ経済的に除去でき、高純度のCF3CH2Fが得られ
る。
フロントページの続き (72)発明者 村槙 一男 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社川崎工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリクロロエチレンとフッ化水素とを反
    応させて1,1,1,2−テトラフルオロエタンを製造
    する方法において、粗精製工程で塩化水素を2モル%以
    下に除去し、1つ以上の不飽和不純物を含み、かつフッ
    化水素が不飽和不純物に対して等モル以上含有する1,
    1,1,2−テトラフルオロエタンを、気相状態で触媒
    と接触させ、前記不飽和不純物の含有量を低減させるこ
    とを特徴とする1,1,1,2−テトラフルオロエタン
    の精製方法。
  2. 【請求項2】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン
    の濃度が70モル%以上で、かつ1,1,1−トリフル
    オロ−2−クロロエタンの濃度が10モル%以下である
    請求項1の精製方法。
  3. 【請求項3】 新たにフッ化水素を添加することなく、
    不飽和不純物に対してフッ化水素が等モル以上含有する
    1,1,1,2−テトラフルオロエタンを精製する請求
    項1及び請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 触媒が周期表の1B族、2A族、2B
    族、4B族、5A族、5B族、6A族、7A族及び8族
    から選ばれる少くとも一種の金属化合物であり、反応温
    度が130〜280℃である請求項1ないし請求項3の
    精製方法。
JP23172492A 1992-08-31 1992-08-31 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの精製方法 Expired - Lifetime JP3250267B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228463A (ja) * 1997-12-01 1999-08-24 Solvay & Cie 1,1−ジフルオロエタンの製造方法及び精製方法並びにこれらの方法により得られる生成物
CN103418367A (zh) * 2013-07-12 2013-12-04 西安近代化学研究所 一种用于氯氟烷烃制备含氟烯烃的催化剂及制备方法

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CN103418367A (zh) * 2013-07-12 2013-12-04 西安近代化学研究所 一种用于氯氟烷烃制备含氟烯烃的催化剂及制备方法

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