JPH0670644A

JPH0670644A - 観賞用植物の造形栽培方法

Info

Publication number: JPH0670644A
Application number: JP23085092A
Authority: JP
Inventors: Makoto Kinoshita; 信木下
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-08-31
Filing date: 1992-08-31
Publication date: 1994-03-15

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、観賞用植物の造形栽培方法を、比
較的短期間の栽培期間で造形できると共に、馬、鳥、兎
といった動物等の複雑な形状に栽培できるようにする。【構成】亜鉛めっき鉄線等の金属線を馬等の形状に造
形した枠組に、ツゲ６等の観賞用植物の地上部を添わせ
て帯状のビニール被覆鉄線７で結着固定し、その後、ツ
ゲ６を育成し、前記枠組に添って剪定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は観賞用植物を栽培して
動物模型等の物の形状を造形する観賞用植物の造形栽培
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、盆栽等に用いる松等の観賞用植
物を、鶴、かめ等の形に造形栽培することが知られてい
る。このような栽培方法は、観賞用植物の適当な方向へ
の枝葉の成長を待って、適宜剪定を繰り返すことによ
り、所望の外形状に植物を育成させるものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の造形栽培方法では、所望の方向へ枝葉が生長する機会
を待って、剪定を繰り返す操作が必要であり、また造形
後に形がくずれないようにするため、成長速度の比較的
遅い常緑低木等を採用する場合が多く、完成品となるま
でに例えば３〜７年といった長い年月が必要であった。

【０００４】また、上記の栽培方法では、例えば動物、
建物、人物、人形等といった複雑な形状の造形は困難で
あるという問題点もある。

【０００５】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決し、比較的短期間の栽培期間で製品化できると共に、
馬、鳥、兎といった動物等の複雑な形状にも対応できる
観賞用植物の造形栽培方法とすることを課題としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、金属線を造形した枠組に、観
賞用植物の地上部を添わせて固定し、その後、前記観賞
用植物を育成し、前記枠組に沿って剪定する手段を採用
したのである。

【０００７】また、前記金属線に線状ヒーターを添わせ
て加温する手段を採用することもできる。

【０００８】

【作用】この発明の観賞用植物の造形栽培方法は、金属
線を自在に折曲げまたは連結して、枠組を所望の形状に
造形でき、この枠組全体に添わせて適当な大きさの観賞
用植物を固定する。したがって、その後、僅かな寸法だ
け枝葉を育成させるだけで、前記植物が枠組の表面全体
を覆うようになり、さらに枠組に沿って剪定すれば短期
間で所期の造形栽培が完了する。

【０００９】また、冬期や秋期に枝葉の生長速度が遅い
場合には、前記金属線もしくは枝葉または両者を線状ヒ
ータで加温して栽培期間を短縮することもできる。

【００１０】

【実施例】この発明に用いる金属線としては、手作業に
よって比較的自由に造形可能な金属線であれば、特に限
定することなく使用でき、たとえば普通鉄線、なまし鉄
線または、いわゆる針金である亜鉛めっき鉄線などであ
ってよく、直径１〜１．５mm程度のものであってよい。
また、造形の規模が大きくまたは枝葉の重量が特に重い
場合には、更に剛性の高い材料や合成樹脂などからなる
棒やパイプを組み合わせて用いても良いのはもちろんで
ある。

【００１１】また、この発明における造形とは、動物、
建物、人物、人形、乗物などの物の模型の他、球、立方
体その他の多面体といった立体図形または新たに創造さ
れた美的な形状や文字などであってもよい。

【００１２】さらにまた、この発明に用いる観賞用植物
とは、根付きの植物であれば特に限定することなく採用
でき、たとえば、ツゲ（黄楊）、サツキ、ツツジ等の常
緑低木の他、ツタその他のカヅラ類、キク等の多年生植
物であってよい。

【００１３】以下、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。

【００１４】まず、図１に示すように、直径１．５mmの
亜鉛めっき鉄線を折り曲げて、馬の頭・首・胴部の両側
枠１をそれぞれ形成し、これら両側枠１を５〜１０cm程
度の間隔で短寸の鉄線２にて連結し、その他尾部３、足
部４その他の細部も同様に連結して枠組５を形成した。

【００１５】次に図２に示すように、枠組５の４本の足
部４に下葉を少し切り落した４本のツゲ６の幹部分を添
わせて、順次市販の帯状ビニール被覆鉄線７で結着し
た。

【００１６】そして、図３に示すようにツゲ６の枝葉部
分についても、枠組５の尾部３および頭・首・胴部の各
所に結着し、その後、図４に示すように植木鉢８に移植
した。この際、育成期間が秋・冬期である場合には、サ
ーモスタット９付きの市販の線状ヒータ１０（築波電気
社製：農電ケーブル１００Ｖ用，１０００Ｗ）を約３０
℃にセットして、植木鉢８の内底部分から足部４を経由
して胴部、首部の枠組５に添わせて、帯状ビニール被覆
鉄線７でもって取り付けてもよい。なお、線状ヒータ１
０は、発熱線を絶縁ゴムで被覆したもの等の周知の構造
のものであってよく、その設定温度は、使用する観賞用
植物の育成に適当な温度（例えば２０〜３５℃）であっ
てよい。

【００１７】次いで、図５に示すように、１〜３箇月を
経過して充分に繁った枝葉を枠組５に沿って剪定し、馬
形の造形体１１を得た。

【００１８】得られた造形体１１は、細部にまで、枝葉
が行き渡って精密であり、また、ツゲ６の幹部分が馬の
足に似て美しい形状であった。

【００１９】

【効果】この発明は、以上説明したように、針金等の金
属線で形成された枠組みを所望形状に造形して、適当に
生長の速い観賞用植物を採用して育成できるもので、短
期間の栽培期間で造形できると共に、たとえば馬、鳥、
兎といった動物等に似せて複雑な形状の造形体を栽培で
きるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の造形栽培方法に用いる枠組の斜視図

【図２】図１の枠組にツゲの木を添わせた状態を示す斜
視図

【図３】図１の枠組にツゲの木を固定した状態を示す斜
視図

【図４】図３の状態以後の育成状態を示す斜視図

【図５】最終剪定後の造形体を示す斜視図

【符号の説明】

５枠組６ツゲ７ビニール被覆鉄線８植木鉢１１造形体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属線を造形した枠組に、観賞用植物の
地上部を添わせて固定し、その後、前記観賞用植物を育
成し、前記枠組に沿って剪定する観賞用植物の造形栽培
方法。
【請求項２】前記金属線に線状ヒーターを添わせて加
温する請求項１記載の観賞用植物の造形栽培方法。