JPH0670085B2 - コンドロイチン硫酸誘導体 - Google Patents
コンドロイチン硫酸誘導体Info
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- JPH0670085B2 JPH0670085B2 JP61072555A JP7255586A JPH0670085B2 JP H0670085 B2 JPH0670085 B2 JP H0670085B2 JP 61072555 A JP61072555 A JP 61072555A JP 7255586 A JP7255586 A JP 7255586A JP H0670085 B2 JPH0670085 B2 JP H0670085B2
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- sulfate
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- sea cucumber
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- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、動物由来のコンドロイチン硫酸誘導体(以下
「CS−dr」という)に関する。
「CS−dr」という)に関する。
[従来技術] コンドロイチン硫酸(以下「CS」という)は、1891年に
初めて軟骨から分離され、現在では種々の結合組織の基
質成分として広く存在することが知られて、組織中の保
水を計り、これによって新陳代謝を潤滑にし、細胞の賦
活機能を果しているものと推定されている。
初めて軟骨から分離され、現在では種々の結合組織の基
質成分として広く存在することが知られて、組織中の保
水を計り、これによって新陳代謝を潤滑にし、細胞の賦
活機能を果しているものと推定されている。
CSはムコ多糖と呼ばれる多糖硫酸の一つで、N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸又はL−イ
ヂュロン酸がβ−グリコシド結合した二糖を構成単位と
する分子量10,000〜80,000の多糖鎖を基本骨骼とし、N
−アセチル−D−ガラクトサミンのC4位又はC6位に硫酸
基が結合したコンドロイチン−4硫酸(CS−Aタイプと
もいう)、コンドロイチン−6硫酸(CS−Cタイプとも
いう)、D−グルクロン酸の代りにL−イヂュロン酸が
N−アセチル−D−ガラクトサミとβ−グリコシド結合
し、カラクトサミンのC4位に硫酸基が結合したデルマタ
ン硫酸(CS−Bタイプともいう)が広く知られている。
これらは、何れも構成単位当り硫黄(以下「S」とい
う)がほぼ1モル(6.4%)含まれている。これに対し
て、川合ら〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(東京)(J.Biochem.(Tokyo)),60,317,1966〕は、
スルメイカの軟骨中に構成単位当りS1.55モル(7.9%)
を含むCSを見出し、CS−Eタイプの命名した。このもの
の構成単位は、N−アセチル−D−ガラクトサミンとD
−グルクロン酸がβ−グリコシド結合したもので、構成
単位当りSが2モル結合したものと、1モル結合したも
のがほぼ等量より成るCSと推定される。また、カッツマ
ン(Katzman)ら〔サイエンス(Science),166,758,19
69〕はフクロナマコ(Thyone briareus)からS1.6モル
(8.2%)を含むCSを得ているが、このものも、構成成
分はD−ガラクトサミンとD−グルクロン酸であり、S
含量からみてCS−Eタイプと推定される。
ル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸又はL−イ
ヂュロン酸がβ−グリコシド結合した二糖を構成単位と
する分子量10,000〜80,000の多糖鎖を基本骨骼とし、N
−アセチル−D−ガラクトサミンのC4位又はC6位に硫酸
基が結合したコンドロイチン−4硫酸(CS−Aタイプと
もいう)、コンドロイチン−6硫酸(CS−Cタイプとも
いう)、D−グルクロン酸の代りにL−イヂュロン酸が
N−アセチル−D−ガラクトサミとβ−グリコシド結合
し、カラクトサミンのC4位に硫酸基が結合したデルマタ
ン硫酸(CS−Bタイプともいう)が広く知られている。
これらは、何れも構成単位当り硫黄(以下「S」とい
う)がほぼ1モル(6.4%)含まれている。これに対し
て、川合ら〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(東京)(J.Biochem.(Tokyo)),60,317,1966〕は、
スルメイカの軟骨中に構成単位当りS1.55モル(7.9%)
を含むCSを見出し、CS−Eタイプの命名した。このもの
の構成単位は、N−アセチル−D−ガラクトサミンとD
−グルクロン酸がβ−グリコシド結合したもので、構成
単位当りSが2モル結合したものと、1モル結合したも
のがほぼ等量より成るCSと推定される。また、カッツマ
ン(Katzman)ら〔サイエンス(Science),166,758,19
69〕はフクロナマコ(Thyone briareus)からS1.6モル
(8.2%)を含むCSを得ているが、このものも、構成成
分はD−ガラクトサミンとD−グルクロン酸であり、S
含量からみてCS−Eタイプと推定される。
このように硫酸基を含む多糖硫酸エステルは、ヘパリン
に代表されるように抗血液凝固作用(以下「ACA活性」
という)と、デキストラン硫酸に代表されるように血中
脂質清澄作用(以下「LCA活性」という)を有すること
が知られている。CSにもこれらACA,LCA両活性は認めら
れるが、いずれも極めて路弱い。人為的に多糖に硫酸基
を導入し、S含量を高めた多糖硫酸もこれら活性を有
し、前記デキストラン酸(S含量15〜20%)は高脂血症
治療薬として使用されていることは衆知である。多糖硫
酸のS含量が高まるに従ってACA,LCA両活性とも強まる
が、LCA活性を活用した医薬品、特に注射薬の場合、ACA
活性は出血傾向を促す副作用としてマイナスに作用する
難点があり、その使用に当っては慎重を要する。多糖硫
酸のACA活性を活用した医薬品(抗凝固剤)はヘパリン
を除いては見当らない。これは、その使い方を誤るの出
血をもたらし、大事に至る恐れがあるからと思われる。
に代表されるように抗血液凝固作用(以下「ACA活性」
という)と、デキストラン硫酸に代表されるように血中
脂質清澄作用(以下「LCA活性」という)を有すること
が知られている。CSにもこれらACA,LCA両活性は認めら
れるが、いずれも極めて路弱い。人為的に多糖に硫酸基
を導入し、S含量を高めた多糖硫酸もこれら活性を有
し、前記デキストラン酸(S含量15〜20%)は高脂血症
治療薬として使用されていることは衆知である。多糖硫
酸のS含量が高まるに従ってACA,LCA両活性とも強まる
が、LCA活性を活用した医薬品、特に注射薬の場合、ACA
活性は出血傾向を促す副作用としてマイナスに作用する
難点があり、その使用に当っては慎重を要する。多糖硫
酸のACA活性を活用した医薬品(抗凝固剤)はヘパリン
を除いては見当らない。これは、その使い方を誤るの出
血をもたらし、大事に至る恐れがあるからと思われる。
このようなことから、S含量9.5〜13.0%の多糖硫酸はA
CA,LCA両活性ともデキストラン硫酸よりは低いが、CS−
A,−Cよりも高い活性を有する新規物質として期待され
る。
CA,LCA両活性ともデキストラン硫酸よりは低いが、CS−
A,−Cよりも高い活性を有する新規物質として期待され
る。
本発明者らは、天然物質中にこのような組成を有する物
質について鋭意研究を進めた結果、フクロナマコを除く
ナマコ類動物よりS9.5〜13.0%を含有するCS−drを見出
し、本発明を完成するに至った。
質について鋭意研究を進めた結果、フクロナマコを除く
ナマコ類動物よりS9.5〜13.0%を含有するCS−drを見出
し、本発明を完成するに至った。
[発明の構成] 本発明は、硫黄9.5〜13.0%及びフコース12.0〜28.0%
を含有することを特徴とする動物由来のCS−drに関する
ものである。
を含有することを特徴とする動物由来のCS−drに関する
ものである。
本発明に用いる動物としては、水産動物、特にナマコ類
動物が挙げられ、これらのうち樹手類以外の楯手類、隠
足類及び無足類のものであれば如何なるものでも用いる
ことができ、例えばマナマコ(Stichopus joponicu
s)、クロナマコ(Holthuria atra)、ニセクロナマコ
(Holothuria leurospilota)、フジナマコ(Holothuri
a monacaria)、オキナマコ(Parastichpus nigripunct
atus)、シロナマコ(Paracaudina chilensis ransonne
ti)、オオイカリナマコ(Synapta maculata)、ホソイ
カリナマコ(Leptosynapta inhaerens)、ムラサキクル
マナマコ(Polycheira rutescens)、アクチノピガ・エ
チニテス(Actinopyga Echinites)などが挙げられる。
これらのナマコ類動物は、ごく一部が食用に供されては
いるが、殆ど利用されていない未利用資源ということが
できる。
動物が挙げられ、これらのうち樹手類以外の楯手類、隠
足類及び無足類のものであれば如何なるものでも用いる
ことができ、例えばマナマコ(Stichopus joponicu
s)、クロナマコ(Holthuria atra)、ニセクロナマコ
(Holothuria leurospilota)、フジナマコ(Holothuri
a monacaria)、オキナマコ(Parastichpus nigripunct
atus)、シロナマコ(Paracaudina chilensis ransonne
ti)、オオイカリナマコ(Synapta maculata)、ホソイ
カリナマコ(Leptosynapta inhaerens)、ムラサキクル
マナマコ(Polycheira rutescens)、アクチノピガ・エ
チニテス(Actinopyga Echinites)などが挙げられる。
これらのナマコ類動物は、ごく一部が食用に供されては
いるが、殆ど利用されていない未利用資源ということが
できる。
本発明のCS−drは、これら原料から常法に従って製造す
ることができる。即ち、原料を細挫、抽出し、プロテア
ーゼ処理、アルカリ処理後、トリクロロ酢酸処理して除
蛋白し、透析、塩化セチルピリジニウム処理により多糖
硫酸を沈殿として分取し、目的物を溶出し、アルコール
沈殿を行って分画、精製して得られる。また、抽出後、
アルカリ処理し、アルコール沈殿による分画、精製を行
ってもよい。
ることができる。即ち、原料を細挫、抽出し、プロテア
ーゼ処理、アルカリ処理後、トリクロロ酢酸処理して除
蛋白し、透析、塩化セチルピリジニウム処理により多糖
硫酸を沈殿として分取し、目的物を溶出し、アルコール
沈殿を行って分画、精製して得られる。また、抽出後、
アルカリ処理し、アルコール沈殿による分画、精製を行
ってもよい。
このようにして得られたCS−drについてゲル過を行
い、カルバゾール法によってグルクロン酸を、システイ
ン・硫酸法によってフコースを調べた結果、両者は全く
同一の位置にあった。また、セルロース・アセテート膜
を支持体に、0.1N塩酸を用いて電気泳動を行った結果、
本発明のCS−drは1スポットを示し、同時に行った対照
のCS−A,−C及びCS−E(スルメイカ軟骨由来)とは異
った易動度を示した。
い、カルバゾール法によってグルクロン酸を、システイ
ン・硫酸法によってフコースを調べた結果、両者は全く
同一の位置にあった。また、セルロース・アセテート膜
を支持体に、0.1N塩酸を用いて電気泳動を行った結果、
本発明のCS−drは1スポットを示し、同時に行った対照
のCS−A,−C及びCS−E(スルメイカ軟骨由来)とは異
った易動度を示した。
本発明のCS−drは分子量約15,000〜80,000で、羽渕らの
方法〔ビイオキミカ・ビイオフィジカ・アクタ(Biochi
m.Biophy.Acta),760,318,1983〕に従って分析、同定
した結果、D−グルクロン酸(以下「GA」という)、D
−ガラクトサミ(以下「GalN」という)、硫酸基、D−
フコース(以下、「Fuc」という)を構成成分とするこ
とが判った。更に、カルバゾール法〔アナリティカル・
バイオケミストリー(Anal.Biochem.),4,330,1962〕
によってGA16.0〜22.0%、ストロミンジャー(Stroming
er)法〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.),234,3263,1959〕によってGalN1
3.0〜20.0%、酸素フラスコ燃焼・キレート滴定法(厚
生省薬務局審査第一・第二課監修、日本薬局方外医薬品
成分規格、447頁、昭和60年10月29日(株)薬業時報社
発行)によってS9.5〜13.0%、システイン・硫酸法〔ジ
ャーナ・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bio
l.Chem.),175,595,1948〕によってFuc12.0〜28.0%よ
り成ることが判った。
方法〔ビイオキミカ・ビイオフィジカ・アクタ(Biochi
m.Biophy.Acta),760,318,1983〕に従って分析、同定
した結果、D−グルクロン酸(以下「GA」という)、D
−ガラクトサミ(以下「GalN」という)、硫酸基、D−
フコース(以下、「Fuc」という)を構成成分とするこ
とが判った。更に、カルバゾール法〔アナリティカル・
バイオケミストリー(Anal.Biochem.),4,330,1962〕
によってGA16.0〜22.0%、ストロミンジャー(Stroming
er)法〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.),234,3263,1959〕によってGalN1
3.0〜20.0%、酸素フラスコ燃焼・キレート滴定法(厚
生省薬務局審査第一・第二課監修、日本薬局方外医薬品
成分規格、447頁、昭和60年10月29日(株)薬業時報社
発行)によってS9.5〜13.0%、システイン・硫酸法〔ジ
ャーナ・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bio
l.Chem.),175,595,1948〕によってFuc12.0〜28.0%よ
り成ることが判った。
この結果、GalNとGAがほぼ等量含まれることにより、本
発明のCS−drは、GalNとGAを構成単位とする点において
は従来のCS−A,−C,−Eタイプと同じ基本骨骼を有する
が、これらよりS含量が多く、且つFuoを含有し、その
量も多く、全く新規のCS−drである。このことは、次の
表1より明らかで、カッツマンらがフクロナマコより得
たCSとは全く異なるCS−drである。
発明のCS−drは、GalNとGAを構成単位とする点において
は従来のCS−A,−C,−Eタイプと同じ基本骨骼を有する
が、これらよりS含量が多く、且つFuoを含有し、その
量も多く、全く新規のCS−drである。このことは、次の
表1より明らかで、カッツマンらがフクロナマコより得
たCSとは全く異なるCS−drである。
本発明のCS−drについてACA活性を測定したところ、現
在医薬品として使用されているCSに比して非常に高い活
性のあることが認められた。即ち、本発明実施例1で得
られたCS−dr(S=11.8%)と、比較対象として濃硫酸
法(特許第692729号)によって調製したコンドロイチン
ポリ硫酸ナトリウム(S=13.0%、以下「CPS」とい
う)、ヘパリンナトリウム(第一化学(株)、10,000国
際単位/67mg)及びCS−Cタイプ(ナトリウム塩)(生
化学工業(株)、S=6.6%)の4検体について、ウサ
ギの血液を用い、プロスター(Proctor)らの方法〔ア
メリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・パソロジー
(Am.J.Clin.Path.),36,212,1961〕に従ってin vitro
の系で活性部分トロンボプラスチン時間測定による抗血
液凝固活性測定を行った。即ち、生理食塩水を対照と
し、対照の凝固時間(12.8秒)を2倍に延長するために
必要な検体量を求めた。その結果は表2に示す通りで、
本発明のCS−drは、CPSの約2倍、CS−Cタイプの400
倍、抗血液凝固剤として汎用されているヘパリンの約半
分という高い活性を示した。
在医薬品として使用されているCSに比して非常に高い活
性のあることが認められた。即ち、本発明実施例1で得
られたCS−dr(S=11.8%)と、比較対象として濃硫酸
法(特許第692729号)によって調製したコンドロイチン
ポリ硫酸ナトリウム(S=13.0%、以下「CPS」とい
う)、ヘパリンナトリウム(第一化学(株)、10,000国
際単位/67mg)及びCS−Cタイプ(ナトリウム塩)(生
化学工業(株)、S=6.6%)の4検体について、ウサ
ギの血液を用い、プロスター(Proctor)らの方法〔ア
メリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・パソロジー
(Am.J.Clin.Path.),36,212,1961〕に従ってin vitro
の系で活性部分トロンボプラスチン時間測定による抗血
液凝固活性測定を行った。即ち、生理食塩水を対照と
し、対照の凝固時間(12.8秒)を2倍に延長するために
必要な検体量を求めた。その結果は表2に示す通りで、
本発明のCS−drは、CPSの約2倍、CS−Cタイプの400
倍、抗血液凝固剤として汎用されているヘパリンの約半
分という高い活性を示した。
また、本発明のCS−drのLCA活性については未測定であ
るが、前記CPSは高脂血症治療薬であるデキストラン硫
酸ナトリウムと同等又はそれ以上のLCA活性を有するこ
とが知られていることから、本発明のCS−drはCPSと同
等又はそれ以上のLCA活性を有するものと推定される。
るが、前記CPSは高脂血症治療薬であるデキストラン硫
酸ナトリウムと同等又はそれ以上のLCA活性を有するこ
とが知られていることから、本発明のCS−drはCPSと同
等又はそれ以上のLCA活性を有するものと推定される。
以上のことから、本発明のCS−drは、ヘパリンに代る抗
血液凝固剤が求められている今日、抗血液凝固剤として
開発されるか、あるいは高脂血症治療薬、又は他の、例
えば線溶系薬剤として実用に供されるかは今後の研究開
発に持つところであるが、有用な医薬品提供の可能性を
秘めた、極めて重要な生理活性物質であるといえる。
血液凝固剤が求められている今日、抗血液凝固剤として
開発されるか、あるいは高脂血症治療薬、又は他の、例
えば線溶系薬剤として実用に供されるかは今後の研究開
発に持つところであるが、有用な医薬品提供の可能性を
秘めた、極めて重要な生理活性物質であるといえる。
[発明の実施例] 次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例 1 新鮮なマナマコ(東京湾産、Stichopus joponicus)1kg
を、内臓を除去し、細挫、ホモジナイズし、水400mlを
加え、アクチナーゼ(科研製薬(株)製)2gを加え、中
性で45℃に一夜保った後、液温を100℃に上げ、放冷
後、過して不溶物を除いた。次いで、液に0.5Nにな
るように水酸化ナトリウムを加え、40℃に1時間保った
後、過し、液に1.3容のアルコールを加え、生じた
沈殿物を分取し、水に溶かし、再びアルコールを添加
後、沈殿分取を、アルコール沈殿を繰返し、最後に分取
した沈殿を水に溶かして凍結乾燥してCS−dr0.81gを得
た。このものはGA=18.4%、GalN=16.0%、S=11.8
%、Fuc=18.0%を含み、ゲル過法による測定で分子
量は約43,000であった。また、このものはセルロース・
アセテート膜電気泳動で1スポットを示した。更に、こ
のものを赤外分光器で測定した結果は図に示すとおり
で、GalNのN−アセチル基、GalNのC−4位及びC−6
位の硫酸基それぞれの吸収を示した。
を、内臓を除去し、細挫、ホモジナイズし、水400mlを
加え、アクチナーゼ(科研製薬(株)製)2gを加え、中
性で45℃に一夜保った後、液温を100℃に上げ、放冷
後、過して不溶物を除いた。次いで、液に0.5Nにな
るように水酸化ナトリウムを加え、40℃に1時間保った
後、過し、液に1.3容のアルコールを加え、生じた
沈殿物を分取し、水に溶かし、再びアルコールを添加
後、沈殿分取を、アルコール沈殿を繰返し、最後に分取
した沈殿を水に溶かして凍結乾燥してCS−dr0.81gを得
た。このものはGA=18.4%、GalN=16.0%、S=11.8
%、Fuc=18.0%を含み、ゲル過法による測定で分子
量は約43,000であった。また、このものはセルロース・
アセテート膜電気泳動で1スポットを示した。更に、こ
のものを赤外分光器で測定した結果は図に示すとおり
で、GalNのN−アセチル基、GalNのC−4位及びC−6
位の硫酸基それぞれの吸収を示した。
実施例 2 新鮮なマナマコ(能登産、Stichopus joponicus)500g
を、内臓を除去し、細挫、ホモジナイズし、クロロホル
ム−メタノール(1:2)混液10容を加え、25℃に1時間
保った後、液相を除き、水を加えて煮沸し、アクチナー
ゼ(科研製薬(株)製)600mgを加え、中性で55℃に8
時間保つ操作を2回行った後、液温を100℃に上げ、放
冷後、過した。液に0.4Nになるように水酸化ナトリ
ウムを加え、25℃に4時間保った後、中和し、過し、
液に濁りが生じなくなるまでトリクロロ酢酸水溶液を
加え、生じた沈殿物を除去し、透析し、内容液に濁りが
生じなくなるまで塩化セチルピリジニウム水溶液を加
え、生じた沈殿物を分取し、2M塩化ナトリウムを含む10
%アルコールを加え、25℃に1時間保ち、不溶物を除い
た後、実施例1の同様にアルコール沈殿、精製、凍結乾
燥を行ってCS−dr0.35gを得た。このものはGA19.0%、G
alN17.2%、S11.8%、Fuc17.6%を含み、ゲル過法に
よる測定で分子量は約24,000であった。また、セルロー
ス・アセテート膜電気泳動で1スポットを示した。
を、内臓を除去し、細挫、ホモジナイズし、クロロホル
ム−メタノール(1:2)混液10容を加え、25℃に1時間
保った後、液相を除き、水を加えて煮沸し、アクチナー
ゼ(科研製薬(株)製)600mgを加え、中性で55℃に8
時間保つ操作を2回行った後、液温を100℃に上げ、放
冷後、過した。液に0.4Nになるように水酸化ナトリ
ウムを加え、25℃に4時間保った後、中和し、過し、
液に濁りが生じなくなるまでトリクロロ酢酸水溶液を
加え、生じた沈殿物を除去し、透析し、内容液に濁りが
生じなくなるまで塩化セチルピリジニウム水溶液を加
え、生じた沈殿物を分取し、2M塩化ナトリウムを含む10
%アルコールを加え、25℃に1時間保ち、不溶物を除い
た後、実施例1の同様にアルコール沈殿、精製、凍結乾
燥を行ってCS−dr0.35gを得た。このものはGA19.0%、G
alN17.2%、S11.8%、Fuc17.6%を含み、ゲル過法に
よる測定で分子量は約24,000であった。また、セルロー
ス・アセテート膜電気泳動で1スポットを示した。
実施例 3 新鮮なマナマコ(礼文島産、Stichopus joponicus)1kg
を、実施例1と同様に内臓除去、細挫、ホモジナイズ、
プロテアーゼ処理、アルカリ処理、アルコールによる沈
殿、精製を行い、凍結乾燥してCS−dr0.68gを得た。こ
のものはGA18.0%、GalN14.3%、S10.3%、Fuc22.0%を
含み、分子量は約50,000、セルロース・アセテート膜電
気泳動で1スポットを示した。
を、実施例1と同様に内臓除去、細挫、ホモジナイズ、
プロテアーゼ処理、アルカリ処理、アルコールによる沈
殿、精製を行い、凍結乾燥してCS−dr0.68gを得た。こ
のものはGA18.0%、GalN14.3%、S10.3%、Fuc22.0%を
含み、分子量は約50,000、セルロース・アセテート膜電
気泳動で1スポットを示した。
実施例 4 新鮮なクロマナマコ(沖縄産、Holothuria atra)500g
を実施例2と同様に内臓除去、細挫、ホモジナイズ、ク
ロロホルム−メタノール処理、煮沸、プロテアーゼ処
理、アルカリ処理、トリクロロ酢酸処理、塩化セチルピ
リジニウム処理、アルコールによる沈殿、精製を行い、
凍結乾燥してCS−dr0.30gを得た。このものはGA17.5
%、GalN15.6%、S11.1%、Fuc23.8%を含み、分子量は
約45,000、セルロース・アセテート膜電気泳動で1スポ
ットを示した。
を実施例2と同様に内臓除去、細挫、ホモジナイズ、ク
ロロホルム−メタノール処理、煮沸、プロテアーゼ処
理、アルカリ処理、トリクロロ酢酸処理、塩化セチルピ
リジニウム処理、アルコールによる沈殿、精製を行い、
凍結乾燥してCS−dr0.30gを得た。このものはGA17.5
%、GalN15.6%、S11.1%、Fuc23.8%を含み、分子量は
約45,000、セルロース・アセテート膜電気泳動で1スポ
ットを示した。
実施例 5 新鮮なアクチノピガ・エチニテス(Actinopyga Echinit
es、沖縄産)500gを実施例2と同様に内臓除去、細挫、
ホモジナイズ、プロテアーゼ処理、アルカリ処理、塩化
セチルピリジニウム処理、アルコールによる沈殿、精製
を行い、凍結乾燥してCS−dr0.26gを得た。このものはG
A18.1%、GalN15.1%、S11.3%、Fuo19.6%を含み、分
子量は約18,500、セルロース・アセテート膜電気泳動で
1スポットを示した。
es、沖縄産)500gを実施例2と同様に内臓除去、細挫、
ホモジナイズ、プロテアーゼ処理、アルカリ処理、塩化
セチルピリジニウム処理、アルコールによる沈殿、精製
を行い、凍結乾燥してCS−dr0.26gを得た。このものはG
A18.1%、GalN15.1%、S11.3%、Fuo19.6%を含み、分
子量は約18,500、セルロース・アセテート膜電気泳動で
1スポットを示した。
実施例6〜9 新鮮なオキナマコ(Parastichpus nigripunctatus)、
シロナマコ(Paracaudina chilensis ransonneti)、オ
オイカリナマコ(Synapta maculata)、ホソイカリナマ
コ(Leptosynapta inhaerens)について、それぞれ実施
例1と同様に操作してCS−drを得た。これらの物性は表
3の通りであった。また、いずれもセルロース・アセテ
ート膜電気泳動で1スポットを示した。
シロナマコ(Paracaudina chilensis ransonneti)、オ
オイカリナマコ(Synapta maculata)、ホソイカリナマ
コ(Leptosynapta inhaerens)について、それぞれ実施
例1と同様に操作してCS−drを得た。これらの物性は表
3の通りであった。また、いずれもセルロース・アセテ
ート膜電気泳動で1スポットを示した。
[発明の効果] 本発明によれば、抗血液凝固剤又は高脂血症治療薬とし
ての用途が期待される新規なCS−drを提供することがで
きる。
ての用途が期待される新規なCS−drを提供することがで
きる。
図は、本発明のコンドロイチン硫酸誘導体の赤外吸収ス
ペクトルである。
ペクトルである。
Claims (1)
- 【請求項1】硫黄9.5〜13.0%及びフコース12.0〜28.0
%を含有することを特徴とする動物由来のコンドロイチ
ン硫酸誘導体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5267886 | 1986-03-12 | ||
JP61-52678 | 1986-03-12 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6310601A JPS6310601A (ja) | 1988-01-18 |
JPH0670085B2 true JPH0670085B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=12921539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61072555A Expired - Lifetime JPH0670085B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-04-01 | コンドロイチン硫酸誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0670085B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5876762A (en) * | 1996-08-05 | 1999-03-02 | Coastside Bio Resources | Process for obtaining medically active fractions from sea cucumbers |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5015976A (en) * | 1988-11-11 | 1991-05-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Microwave filter |
JPH0491027A (ja) * | 1990-08-02 | 1992-03-24 | Taiho Yakuhin Kogyo Kk | 抗ヒト免疫不全症ウィルス剤 |
US7618652B2 (en) * | 2001-03-23 | 2009-11-17 | Hepmarin As | Glycosaminoglycan anticoagulants derived from fish |
KR100979887B1 (ko) * | 2008-02-20 | 2010-09-02 | 강릉원주대학교산학협력단 | 해삼의 건조분말 또는 추출물을 유효성분으로 함유하는고지혈증의 예방 및 치료용 조성물 |
-
1986
- 1986-04-01 JP JP61072555A patent/JPH0670085B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
ACTA PHARMACEUTICA SINICA=1980 * |
ACTA PHARMACEUTICA SINICA=1983 * |
BULLETIN OF CHINESE MATERIA MEDICA=1982 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5876762A (en) * | 1996-08-05 | 1999-03-02 | Coastside Bio Resources | Process for obtaining medically active fractions from sea cucumbers |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6310601A (ja) | 1988-01-18 |
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