JPH066954Y2 - ノツク式筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はノック棒の後端をノックすることにより、軸
筒外周面から操作しうる押釦をもった弾性係止片の下端
と前進したノック棒の係止部とを係合させて書記部が軸
先から突出する状態を固定し、押釦を軸筒内に押し込む
ことにより前記係合を解除して書記部を軸筒内に収納す
るようにしたノック式筆記具に関する。

（従来の技術） この種の筆記具において、係合手段たる弾性係止片と解
除手段たる押釦を使用したものは実公昭59-13101号に開
示した。即ち、第４図に示すように、板バネ状の弾性係
止片２の下端にノック棒１のノックにより押出された芯
出機構体１７の後端を係合させて書記部の突出状態を固
定し、押釦６を軸筒４内に押し込んで弾性係止片２を内
傾させ前記係合を解除して書記部３の没入を行ってい
る。しかし、軸内に筆記先端部を完全に収容してクリッ
プ挟持してもノック棒の外端に外力が加わるとノック棒
が前進して軸先から筆記先端部を突出させる状態となっ
て衣服を汚したり、芯を折損したりする不都合がある。

（考案が解決しようとする問題点） 上記実情に鑑み、この考案はクリップ挟持時には書記部
の没入を確実にすること、クリップ挟持状態にあっては
ノック棒の前進を不能にすることを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためにこの考案は弾性係止片がノッ
ク棒に対しその前進・後退の双方時に係止作用するよう
にしたものである。即ち、弾性係止片は、その下端の係
止端によってノック棒が前進した状態を係止し、書記部
が露出した状態を保持するとともに、書記部を収納した
状態において、押釦を軸筒から没入させた場合には、下
端付近に設けた係止部によってノック棒が前進するのを
規制して書記部が露出しないようにしている。したがっ
て、押釦をクリップの内側に配置すればクリップ挟持時
に衣服面で押釦を押し込み弾性係止片の係止部とノック
棒との係合状態をつくるのでノック棒に不用意な外力が
加わってもノック棒が前進することがなく書記部によっ
て衣服を汚したり芯の折損を防止できる。

以下、実施例を示す図面について第１図は押出装置の要
部の断面図で、ノック棒１をノックし、その前進位置で
弾性係止片２と係合し、書記部３が突出状態にある。こ
こにおいて、４は軸筒、５はクリップ片、６は押釦であ
り、書記部３はボールペンの使用例を示し、７はレフィ
ールである。弾性係止片２は板バネ状で上端２ａを軸筒
４の上端部に固定し、軸方向下方に延びる弾性係止片２
を軸筒４の内周面４ａに弾力的に離接自在にし、当該弾
性係止片２の下端の係止端８と、係止端８付近からノッ
ク棒１に向けて突起状の係止部８ａとを設ける。押釦６
は弾性係止片２の一部に外側に向けて固定し、軸筒４外
周面に開口する釦孔９から外方に所定寸法だけ突出させ
る。

クリップ片５は下端部５ａの挟持部１０を前記押釦６の
外側に設け、また当該クリップ片５の下端部５ａには中
央の仕切壁５ｂの外面及び内面側、即ち挟持部１０に夫
々チャンネル１１，１１ａを設け挟持部１０のチャンネ
ル１１に前記押釦６の突出部分を収納する。

前記チャンネル１１ａにはコイルスプリング１２を介在
したバネ釦１３を設け、その内端１３ａを仕切壁５ｂを
貫通させ押釦６に圧接させる。バネ釦１３の外端はバネ
圧によりクリップ片５の外面に少し突出させる。バネ釦
１３を押し込むことにより押釦６を軸筒４内に没入させ
弾性係止片２を内傾させ、押力を解除するとバネ圧によ
り旧状態に復元する。ノック棒１は下端部に前記弾性係
止片２の係止端８及び係止部８ａに対応して係合部１４
及び係合凹部１５を設ける。

一つの係合部１４はノック棒１の下端の拡大鍔１ａの上
端に設けてノック棒１が前進したとき弾性係止片２の係
止端８に突合させる。他の係合凹部１５は拡大鍔１ａよ
り内側の棒部１ｂ外面に設ける。拡大鍔１ａと棒部１ｂ
との間には所定巾の空所１ｃを設け、内傾した弾性係止
片２の下端を収納し、かつ、最も傾斜したとき突起状の
係止部８ａを係合凹部１５に収納する。１５ａは係止段
部である。

第２図は書記部３が没入時の押出装置の要部の断面図
で、第１図においてバネ釦１３を押し込み押釦６を没入
させると、弾性係止片２が内傾するから係止端８と係合
部１４との係合が解除され空所１ｃの深さ分だけノック
棒１が後退して第２図の状態となる。再びノック棒１を
ノックすると係止端８を越えて係合部１４が前進し、自
体の弾性により弾性係止片２は軸筒４の内周面に圧接
し、係合部１４と係止端８とが突合して係合状態をつく
り第１図の状態となる。

第３図はクリップ挟持した時の押出装置の断面図で、１
６はポケットの服地を示す。書記部３の没入時に、筆記
具４をポケットにクリップ挟持すれば軸筒４の外面に突
出している押釦６は服地１６に押し込まれて最も没入
し、弾性係止片２も最も内傾して係止部８ａを係合凹部
１５に収納して係止段部１５ａに係合し弾性係止片２と
ノック棒１との係合状態をつくる。従ってノック棒１に
押下外力が加わってもノック棒１が前進せず書記部３の
没入状態が安全に確保できる。尚、書記部３はサインペ
ンや鉛筆芯に変更できる。またノック棒１は芯出機構体
の一部を構成することもできる。

（効果） 以上のことから明らかなように、クリップ挟持をすると
きには書記部の没入を確実につくり、かつノック棒の前
進を確実に規制することになり書記具収納時に書記部に
よる衣服の汚し、芯折損を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は突出時の押出装置の断面図、第２図は没入時の
押出装置の断面図、第３図はクリップ挟持時の押出装置
の断面図、第４図は従来例図である。 １……ノック棒、１ａ……拡大鍔 １ｂ……棒部、１ｃ……空所 ２……弾性係止片、 ８……係止端８ａ……係止部、 １４……係合部１５……係合凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ノック棒(1)が前進状態の使用モードのと
   きには、このノック棒(1)の棒部(1b)に続けて形成され
   るとともにこの棒部(1b)との間に窪み状の空所(1c)を持
   つ拡大鍔(1a)の係合部(14)が外側にクリップ片(5)を設
   けた軸筒(4)の内面にその一部が取り付けられている弾
   性係止片(2)の移動可能な部分の係止端(8)に係合するこ
   とにより、書記部(3)の露出状態が保持されるように
   し、また、非使用モードのときには、前記弾性係止片
   (2)の移動可能な部分に設けた、前記軸筒(4)の釦孔(9)
   から外側の方に突出する形状の押釦(6)を押し込んで前
   記係止端(8)を前記空所(1c)の方に移動させることによ
   り、この係止端(8)と前記係合部(14)との係合が解除さ
   れて前記書記部(3)が前記軸筒(4)の中に収納されるよう
   にしたノック式筆記具において、 前記押釦(6)を設ける場所として、前記非使用モードの
   際にこの押釦(6)が、前記クリップ片(5)と前記軸筒(4)
   との間に挟まれるもので押されて前記棒部(1b)の方にさ
   らに移動するような前記弾性係止片(2)の部分を用い、 非使用モードでの前記押釦(6)のこの移動が生じたとき
   前記弾性係止片(2)が前記ノック棒(1)に係合されるよう
   な位置関係で、前記弾性係止片(2)の移動可能な部分に
   は係止部(8a)を、前記棒部(1b)には係止段部(15a)をそ
   れぞれ形成し、 前記クリップ(5)による挟持の際には、前記係止部(8a)
   が前記係止段部(15a)に係合して前記ノック棒(1)の前進
   動作が阻止されるようにしたことを特徴とするノック式
   筆記具。