JPH0668960B2 - X線管 - Google Patents
X線管Info
- Publication number
- JPH0668960B2 JPH0668960B2 JP61255147A JP25514786A JPH0668960B2 JP H0668960 B2 JPH0668960 B2 JP H0668960B2 JP 61255147 A JP61255147 A JP 61255147A JP 25514786 A JP25514786 A JP 25514786A JP H0668960 B2 JPH0668960 B2 JP H0668960B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target
- ray
- ray tube
- pure
- anode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、X線管に係わり、とくに主として純モリブ
デンの有する線質のX線を放射するターゲットを備える
X線管に関する。
デンの有する線質のX線を放射するターゲットを備える
X線管に関する。
(従来の技術) 低エネルギーX線によって***のX線撮影を行なうマン
モグラフィーにおいては、波長が0.4〜0.8オングストロ
ーム程度の長波長成分を多く含んだX線を放射するモリ
ブデン(Mo)をターゲット金属材料としたX線管が使
用されるのが一般的である。このため、従来は純Moタ
ーゲットが使用されている。またこの場合、陽極加速電
圧は、およそ25〜40kVである。当然のことながら、幾何
学的ぼけの少ないX線写真を得るためには、焦点は可能
な限り小さいことが必要である。一方、十分なX線量を
得るため、管電流は比較的大きく、一般的には大焦点で
100mA程度とし、X線曝射時間も例えば1〜4秒という
比較的長い時間で撮影するのが普通である。このため、
陽極ターゲットの焦点軌道面は非常に高温となり、繰返
しの動作によりターゲット面が損傷を受けやすい。すな
わち、ターゲット焦点面は、純Moの再結晶化温度であ
る1700〜1800℃を超える場合が少なくない。その結果、
焦点面の金属結晶の粗大化、熱疲労の進行、X線放射量
の低下、X線線質の硬度化が進行することになる。
モグラフィーにおいては、波長が0.4〜0.8オングストロ
ーム程度の長波長成分を多く含んだX線を放射するモリ
ブデン(Mo)をターゲット金属材料としたX線管が使
用されるのが一般的である。このため、従来は純Moタ
ーゲットが使用されている。またこの場合、陽極加速電
圧は、およそ25〜40kVである。当然のことながら、幾何
学的ぼけの少ないX線写真を得るためには、焦点は可能
な限り小さいことが必要である。一方、十分なX線量を
得るため、管電流は比較的大きく、一般的には大焦点で
100mA程度とし、X線曝射時間も例えば1〜4秒という
比較的長い時間で撮影するのが普通である。このため、
陽極ターゲットの焦点軌道面は非常に高温となり、繰返
しの動作によりターゲット面が損傷を受けやすい。すな
わち、ターゲット焦点面は、純Moの再結晶化温度であ
る1700〜1800℃を超える場合が少なくない。その結果、
焦点面の金属結晶の粗大化、熱疲労の進行、X線放射量
の低下、X線線質の硬度化が進行することになる。
(発明が解決しようとする問題点) 従来使用されている純Moをターゲット材とするX線管
によると、相当の長時間繰返し動作に対応する強制試験
後のターゲット面の状態が、第4図および第5図に示す
ようになる。第4図は、純Mo製の回転陽極ターゲット
面を5倍に拡大して示す顕微鏡写真、第5図はその焦点
軌道面の一部を30倍に拡大して示す顕微鏡写真である。
これらから、長時間の繰返し動作により、純Mo製ター
ゲットの焦点面は、結晶が粗大化し、激しい起伏が生じ
ていることが確認される。なおこれは、陽極加速電圧が
40kV、管電流が150mA、75秒間隔で4秒間づつの曝射を4
00回繰返した場合である。また、陽極加速電圧が40kV、
管電流が260mAで、50秒間隔で1秒間づつの曝射を、500
0回繰返し動作させた後の放射X線量は、初期のおよそ4
6%に低下していることが確認された。
によると、相当の長時間繰返し動作に対応する強制試験
後のターゲット面の状態が、第4図および第5図に示す
ようになる。第4図は、純Mo製の回転陽極ターゲット
面を5倍に拡大して示す顕微鏡写真、第5図はその焦点
軌道面の一部を30倍に拡大して示す顕微鏡写真である。
これらから、長時間の繰返し動作により、純Mo製ター
ゲットの焦点面は、結晶が粗大化し、激しい起伏が生じ
ていることが確認される。なおこれは、陽極加速電圧が
40kV、管電流が150mA、75秒間隔で4秒間づつの曝射を4
00回繰返した場合である。また、陽極加速電圧が40kV、
管電流が260mAで、50秒間隔で1秒間づつの曝射を、500
0回繰返し動作させた後の放射X線量は、初期のおよそ4
6%に低下していることが確認された。
この発明の目的は、長時間の繰返し動作でも焦点面の結
晶粗大化を抑制し、X線放射量の低下を押え得るMoタ
ーゲットを有するX線管を提供することを目的とする。
晶粗大化を抑制し、X線放射量の低下を押え得るMoタ
ーゲットを有するX線管を提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、主として純モリブデンの有する線質のX線
を放射するターゲットを、モリブデン主体でそれに微量
のチタニウムと微量の炭素を含有させた合金で構成し、
更に好ましくはチタニウムの含有量を0.3乃至4重量
%の範囲、それに脱酸剤としての炭素の含有量を50乃
至400ppmの範囲としたX線管である。
を放射するターゲットを、モリブデン主体でそれに微量
のチタニウムと微量の炭素を含有させた合金で構成し、
更に好ましくはチタニウムの含有量を0.3乃至4重量
%の範囲、それに脱酸剤としての炭素の含有量を50乃
至400ppmの範囲としたX線管である。
(作用) このターゲットを有するX線管によれば、長時間、高負
荷で繰返し動作しても、焦点面の結晶の粗大化が大幅に
抑制され、それにより放射X線量の低下を大きく抑えら
れる。こうして長寿命特性をもつX線管を得ることがで
きる。
荷で繰返し動作しても、焦点面の結晶の粗大化が大幅に
抑制され、それにより放射X線量の低下を大きく抑えら
れる。こうして長寿命特性をもつX線管を得ることがで
きる。
(実施例) 以下図面を参照してその実施例を説明する。
第1図はこの発明をマンモグラフィー用回転陽極型X線
管に適用したものの概略構成図である。同図において、
符号11は金属製真空容器、12はその一部に気密接合され
たベリリウム製薄板からなるX線放射窓、13はガラス製
のロータ部容器、14は陰極構体、15は後述する単一金属
からなる回転陽極ターゲット、16はその支持軸をあらわ
している。陰極構体14から放出された電子ビームによ
り、ターゲット15の焦点軌道面から矢印Xの方向にX線
ビームが取り出される。
管に適用したものの概略構成図である。同図において、
符号11は金属製真空容器、12はその一部に気密接合され
たベリリウム製薄板からなるX線放射窓、13はガラス製
のロータ部容器、14は陰極構体、15は後述する単一金属
からなる回転陽極ターゲット、16はその支持軸をあらわ
している。陰極構体14から放出された電子ビームによ
り、ターゲット15の焦点軌道面から矢印Xの方向にX線
ビームが取り出される。
そこで、回転陽極ターゲット15は、Moを主体とし、そ
れに微量のチタニウム(Ti)、それに脱酸剤としてさ
らに微量の炭素(C)が含有された合金により構成され
ている。また、種々検討した結果好ましくは、Tiの含
有量を0.3乃至4重量%の範囲、Cの含有量を50〜400pp
m(ターゲットへの残存量)の範囲とする。さらにより
好ましくは、Tiの含有量は、0.6乃至2.0重量%の範
囲、Cの含有量は50〜250ppmの範囲とする。なお、Cは
脱酸剤として機能するものであり、このCはターゲット
のMo、Ti原素の間に分散されて残存し、また真空焼
結により一部はTiCの形で残存して、ターゲット金属
の結晶粗大化を抑制する作用に寄与する。
れに微量のチタニウム(Ti)、それに脱酸剤としてさ
らに微量の炭素(C)が含有された合金により構成され
ている。また、種々検討した結果好ましくは、Tiの含
有量を0.3乃至4重量%の範囲、Cの含有量を50〜400pp
m(ターゲットへの残存量)の範囲とする。さらにより
好ましくは、Tiの含有量は、0.6乃至2.0重量%の範
囲、Cの含有量は50〜250ppmの範囲とする。なお、Cは
脱酸剤として機能するものであり、このCはターゲット
のMo、Ti原素の間に分散されて残存し、また真空焼
結により一部はTiCの形で残存して、ターゲット金属
の結晶粗大化を抑制する作用に寄与する。
Tiの含有量が上記よりも少ないと、Mo合金としての
高温強度が低下してしまう。また結晶粗大化が進行しや
すく、電子ビームによる損傷が十分抑制され得ない。一
方逆に、Tiが上記範囲よりも多過ぎると、Tiの未固
溶粒が多くなり、結晶相互の結合強度が低下してしま
う。またX線線質が変化してしまう。
高温強度が低下してしまう。また結晶粗大化が進行しや
すく、電子ビームによる損傷が十分抑制され得ない。一
方逆に、Tiが上記範囲よりも多過ぎると、Tiの未固
溶粒が多くなり、結晶相互の結合強度が低下してしま
う。またX線線質が変化してしまう。
次に具体例について説明する。
Moに、約1重量%のTi、および200ppmのCを含有さ
せた合金を回転陽極ターゲットに仕上げた。そしてこれ
を脱ガスのため真空中で1400℃、2時間の熱処理をし、
X線管に組込んだ。
せた合金を回転陽極ターゲットに仕上げた。そしてこれ
を脱ガスのため真空中で1400℃、2時間の熱処理をし、
X線管に組込んだ。
このX線管を前述の従来例で示したと同様に、陽極加速
電圧が40kV、管電流が150mA、75秒間隔で4秒間づつの
曝射を400回繰返し動作させた。この強制動作試験後の
焦点軌道面は、5倍に拡大して示す第2図、および30倍
に拡大して示す第3図の顕微鏡写真の通り、純Moのも
のに比べて、クラックが多く生じているものの結晶の粗
大化は大幅に抑制されていることが確認できた。また、
前述と同様の陽極加速電圧が40kV、管電流が260mA、50
秒間隔で1秒間づつの曝射を5000回繰返し動作させる強
制試験を実施した。その後のX線放射量は、初期に比べ
て約76%にとどまり、純Moの場合よりもその低下がわ
ずかな程度になった。なおX線の線質も純Moの有する
線質と実質的な差は認められず、その変化もほとんどな
かった。
電圧が40kV、管電流が150mA、75秒間隔で4秒間づつの
曝射を400回繰返し動作させた。この強制動作試験後の
焦点軌道面は、5倍に拡大して示す第2図、および30倍
に拡大して示す第3図の顕微鏡写真の通り、純Moのも
のに比べて、クラックが多く生じているものの結晶の粗
大化は大幅に抑制されていることが確認できた。また、
前述と同様の陽極加速電圧が40kV、管電流が260mA、50
秒間隔で1秒間づつの曝射を5000回繰返し動作させる強
制試験を実施した。その後のX線放射量は、初期に比べ
て約76%にとどまり、純Moの場合よりもその低下がわ
ずかな程度になった。なおX線の線質も純Moの有する
線質と実質的な差は認められず、その変化もほとんどな
かった。
こうしてこの発明のX線管は、とくにマンモグラフィー
用のX線発生源としてすぐれた長寿命特性を示す。
用のX線発生源としてすぐれた長寿命特性を示す。
なお、ターゲットはTiおよびCの他、1乃至数種のご
く微量の金属原素を含有してもよい。
く微量の金属原素を含有してもよい。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、X線焦点面の結
晶の粗大化が抑制され、放射X線量の低下が少ない純モ
リブデンの有する線質のX線を放射するターゲットを備
えるX線管が得られる。
晶の粗大化が抑制され、放射X線量の低下が少ない純モ
リブデンの有する線質のX線を放射するターゲットを備
えるX線管が得られる。
第1図はこの発明の実施例を示す要部縦断面図、第2図
および第3図はそれぞれこの発明のものの動作試験後の
ターゲット面を顕微鏡写真で示す平面拡大図、第4図お
よび第5図はそれぞれ従来のものの動作試験後のターゲ
ット面を顕微鏡写真で示す平面拡大図である。 11……真空容器、12……X線放射窓、14……陰極構体、
15……陽極ターゲット。
および第3図はそれぞれこの発明のものの動作試験後の
ターゲット面を顕微鏡写真で示す平面拡大図、第4図お
よび第5図はそれぞれ従来のものの動作試験後のターゲ
ット面を顕微鏡写真で示す平面拡大図である。 11……真空容器、12……X線放射窓、14……陰極構体、
15……陽極ターゲット。
Claims (2)
- 【請求項1】電子ビームの衝突によりモリブデンの特性
X線を放射する陽極ターゲットを具備するX線管におい
て、 前記陽極ターゲットは、モリブデンを主体とし、それに
0.3乃至4重量%のチタニウム、および微量の炭素を
含む金属材料で構成されてなることを特徴とするX線
管。 - 【請求項2】炭素の含有量は50乃至400ppmの範囲
である特許請求の範囲第1項記載のX線管。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61255147A JPH0668960B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | X線管 |
US07/111,255 US4800581A (en) | 1986-10-27 | 1987-10-22 | X-ray tube |
KR1019870011938A KR910001514B1 (ko) | 1986-10-27 | 1987-10-26 | X 선관 |
DE8787309440T DE3765225D1 (en) | 1986-10-27 | 1987-10-26 | Roentgenstrahlroehre. |
EP87309440A EP0266157B1 (en) | 1986-10-27 | 1987-10-26 | X-ray tube |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61255147A JPH0668960B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | X線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63110540A JPS63110540A (ja) | 1988-05-16 |
JPH0668960B2 true JPH0668960B2 (ja) | 1994-08-31 |
Family
ID=17274730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61255147A Expired - Lifetime JPH0668960B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | X線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0668960B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1777971A (zh) * | 2003-04-23 | 2006-05-24 | H.C.施塔克公司 | 具有均匀晶粒结构的钼合金x射线靶 |
JP2005138123A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-02 | Hitachi Ltd | 異種金属の接合構造及び接合方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5320355B2 (ja) * | 1973-11-02 | 1978-06-26 | ||
JPS516517A (ja) * | 1974-07-05 | 1976-01-20 | Hitachi Ltd | Denjihenkanki |
-
1986
- 1986-10-27 JP JP61255147A patent/JPH0668960B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63110540A (ja) | 1988-05-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |