JPH0668832A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JPH0668832A
JPH0668832A JP4221342A JP22134292A JPH0668832A JP H0668832 A JPH0668832 A JP H0668832A JP 4221342 A JP4221342 A JP 4221342A JP 22134292 A JP22134292 A JP 22134292A JP H0668832 A JPH0668832 A JP H0668832A
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啓悦 数森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性の良くない試料であっても、チャージ
アップの影響の少ない2次電子像を観察することができ
る走査電子顕微鏡を実現する。 【構成】 2次電子の軌道は磁場の強さにより変化する
が、そのエネルギーが小さいほど小さな回転半径で上昇
する。図中点線で軌道を示した2次電子3aは比較的高
いエネルギーを有するもので、大きな回転半径で上昇す
る。この大きな回転半径の2次電子は電子ビームEBの
光軸から離されて配置されている検出器4の捕獲電界に
より引き付けられ、検出器4に入射して検出される。一
方、エネルギーの低い2次電子3bは、小さな回転半径
で上昇し、接地電位の円筒5に入射し、検出器4への入
射は妨げられる。この結果、検出器4の検出信号は、試
料2のチャージアップの影響を比較的受けていない2次
電子に基づくものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査電子顕微鏡に関
し、特に、対物レンズ磁場中に試料を配置するようにし
た走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡では、試料に細く集束さ
れた電子ビームを照射すると共に、電子ビームの照射位
置を走査し、電子ビームの照射に基づいて試料から発生
した2次電子を検出し、検出信号を電子ビームの走査に
同期した陰極線管に供給して2次電子像を表示するよう
にしている。ところで、対物レンズの磁場中に試料を配
置する走査電子顕微鏡が存在する。図1はこのような走
査電子顕微鏡の要部を示しており、1は対物レンズであ
る。対物レンズ1の中に試料2が配置され、この試料2
に細く集束された一次電子ビームEBが照射される。試
料2への電子ビームEBの照射により試料2からは2次
電子3が発生する。この2次電子3は対物レンズ磁場に
よって拘束され、サイクロトロン運動によりスパイラル
状に進行し、対物レンズ1の上方に取り出される。対物
レンズ1の上部には電子ビーム光軸から離されて2次電
子検出器4が配置され、2次電子検出器4には2次電子
の捕獲電圧が印加されている。光軸に沿って対物レンズ
1上方に取り出された2次電子3は、検出器4の捕獲電
界によって検出器4方向に引き寄せられ、検出器4によ
って検出される。検出器4の検出信号は、図示していな
い陰極線管に供給され、陰極線管には試料の2次電子像
が表示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、試料2が絶
縁物質や半導体材料などの導電性のないものの場合、こ
の試料への照射に伴い、試料表面が正または負にチャー
ジアップする。チャージアップの程度は、一次電子ビー
ムの加速電圧,試料の材質などによって異なるが、主に
試料より発生する2次電子,反射電子の量と試料に吸収
される電荷によるバランスが崩れたときにチャージアッ
プが生じる。例えば、試料のある領域において2次電子
の放出が多すぎる場合、その領域は正にチャージアップ
し、その領域以外で発生する2次電子を試料に呼び戻し
たり、2次電子検出器に向かうことを妨げたりする。逆
に一次電子ビームEBが照射された領域から放出される
2次電子が少なく、試料上に残る負の電荷が急増する
と、試料は負にチャージアップする。その場合、一次電
子ビームに不正な偏向を与えたり、2次電子の軌道に影
響を与えたりする。
【0004】絶縁物試料や半導体試料を走査電子顕微鏡
観察する場合、一次電子ビームの加速電圧は1kV前後
の低加速電圧とされるが、この加速電圧では、2次電子
の放出量が多いのでバランスを取りやすい半面、前記し
た正にチャージアップすることが多い。このように試料
がチャージアップした場合、チャージアップの影響を受
けた2次電子がその影響をさほど受けていない2次電子
と共に検出器4に導かれて検出される。その結果、検出
信号に基づいて陰極線管に表示される2次電子像はチャ
ージアップの影響を受けた像となる。
【0005】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、導電性の良くない試料であって
も、チャージアップの影響の少ない2次電子像を観察す
ることができる走査電子顕微鏡を実現するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく走査電子
顕微鏡は、対物レンズ中の試料に電子ビームを照射し、
その結果試料より発生した2次電子を対物レンズ磁場に
よって対物レンズ上部に導き、その2次電子を対物レン
ズ上部の光軸から離されて配置された2次電子検出器の
電界によって検出器に導いて検出するように構成した走
査電子顕微鏡において、2次電子検出器に接近した光軸
上に中空円筒を配置したことを特徴としている。
【0007】
【作用】試料から発生する2次電子は、各種のエネルギ
ーのものが含まれている。試料上でチャージアップが発
生している場合、少なくとも、比較的エネルギーの高い
2次電子は低いものと比較してチャージアップの影響を
受ける度合いが小さい。チャージアップの影響を受けて
いないということは、試料の情報(例えば表面構造)を
多く含んでいることであり、影響を受けていない2次電
子のみを元にして像を形成すれば、正確な試料の2次電
子像を観察することができる。そのため、本発明に基づ
く走査電子顕微鏡は、2次電子検出器に接近した光軸上
に中空円筒を配置し、比較的低いエネルギーの2次電子
をこの円筒にトラップして検出器に検出されることを防
止する。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図2は、本発明の一実施例を示しており、
図1の従来装置と同一部分には同一番号が付されてい
る。この実施例では、対物レンズ1の上方の検出器4に
接近した電子ビーム光軸上に、中空円筒5を配置してい
る。この円筒は接地電位とされている。このような構成
において、一次電子ビームEBを試料2に照射した結
果、試料2から発生した2次電子3は、対物レンズ1の
磁場に拘束されてサイクトロン運動をしながらスパイラ
ル状に進行し、対物レンズ1の上方に取り出されること
は前に述べた通りである。この場合、2次電子の軌道は
磁場の強さにより変化するが、そのエネルギーが小さい
ほど小さな回転半径で上昇する。図中点線で軌道を示し
た2次電子3aは比較的高いエネルギーを有するもの
で、大きな回転半径で上昇する。この大きな回転半径の
2次電子は電子ビームEBの光軸から離されて配置され
ている検出器4の捕獲電界により引き付けられ、検出器
4に入射して検出される。
【0009】一方、細線で示したエネルギーの低い2次
電子3bは、小さな回転半径で上昇し、接地電位の円筒
5に入射し、検出器4への入射は妨げられる。この結
果、検出器4の検出信号は、比較的大きなエネルギーの
2次電子に基づくもの、すなわち、試料2のチャージア
ップの影響を比較的受けていない2次電子に基づくもの
となり、このような検出信号を図示していない陰極線管
に導いて表示することにより、チャージアップの比較的
影響のない走査電子顕微鏡像を観察することができる。
なお、この実施例で、試料の材質や加速電圧により試料
2上のチャージアップの状態が変化する。そのため、中
空円筒5と検出器4の相対的な距離(間隔)を調整でき
るように構成することは有効である。すなわち、その距
離を変化させれば、中空円筒5により高いエネルギーの
2次電子を入射させることができたり、逆により低いエ
ネルギーの2次電子のみを入射させることができるよう
になる。その結果、試料のチャージアップが多い場合に
は、中空円筒5と検出器4との間の距離を変化させ、よ
り高いエネルギーの2次電子が円筒5に入射するように
調整する。逆に、試料のチャージアップが少ない場合に
は、中空円筒5と検出器4との間の距離を変化させ、よ
り低いエネルギーの2次電子のみが円筒5に入射するよ
うに調整する。このようにして、試料のチャージアップ
の状況に応じて常にチャージアップの影響の少ない2次
電子のみを検出することが可能となる。
【0010】図3は本発明の他の実施例を示している
が、この実施例では、中空円筒5を第1の円筒5aとそ
の外側の第2の円筒5bにより構成している。第1と第
2の円筒5a,5bは電気的に接触されており、第2の
円筒5bは第1の円筒5aに対し、電子ビームEB光軸
に沿って移動可能に構成されている。このような構成で
は、試料2のチャージアップの状況に応じて第1と第2
の円筒5a,5bが構成する円筒5の長さLが変化させ
られる。すなわち、円筒5の長さLを長くすれば、より
2次電子を円筒5によってトラップしやすくなり、チャ
ージアップの量が多い場合にはLが長くされる。
【0011】図4は本発明の他の実施例を示している。
この実施例と図2の実施例との相違点は、中空円筒5に
電源8から低い電圧が印加されていることである。電源
8は可変電源であり、試料2のチャージアップの状況に
応じて中空円筒に印加される電圧が変えられる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく走
査電子顕微鏡は、2次電子検出器に接近した光軸上に中
空円筒を配置し、試料からの比較的低いエネルギーの2
次電子をこの円筒にトラップするように構成したので、
導電性の良くない試料であっても、チャージアップの影
響の少ない2次電子像を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の走査電子顕微鏡の要部を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例である走査電子顕微鏡の
要部を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例である走査電子顕微鏡の
要部を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例である走査電子顕微鏡の
要部を示す図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2 試料 3 2次電子 4 2次電子検出器 5 中空円筒 8 可変電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズ中の試料に電子ビームを照射
    し、その結果試料より発生した2次電子を対物レンズ磁
    場によって対物レンズ上部に導き、その2次電子を対物
    レンズ上部の光軸から離されて配置された2次電子検出
    器の電界によって検出器に導いて検出するように構成し
    た走査電子顕微鏡において、2次電子検出器に接近した
    光軸上に中空円筒を配置したことを特徴とする走査電子
    顕微鏡。
  2. 【請求項2】 電子ビーム光軸に沿った方向の中空円筒
    の長さが調節できる請求項1記載の走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 2次電子検出器と中空円筒との相対距離
    を変化させ得るように構成した請求項1記載の走査電子
    顕微鏡。
  4. 【請求項4】 中空円筒は接地電位に保持される請求項
    1記載の走査電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 中空円筒に電圧が印加され、その電圧値
    が任意に変えられる請求項1記載の走査電子顕微鏡。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10134754A (ja) * 1996-11-05 1998-05-22 Jeol Ltd 走査電子顕微鏡
JP2003344597A (ja) * 2002-05-27 2003-12-03 Kawasaki Heavy Ind Ltd X線顕微鏡の電子加速空間構造
WO2005037334A1 (ja) * 2003-10-20 2005-04-28 Suminoe Textile Co.,Ltd. 消臭フィルター

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WO2005037334A1 (ja) * 2003-10-20 2005-04-28 Suminoe Textile Co.,Ltd. 消臭フィルター

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