JPH0667850U - エアクリーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールパッキンを介してカバーとボデーを気
密に保持するエアクリーナの、カバーに内部と連通する
溝部を形成しシールパッキンの傾斜片を吸引密着させ洩
気を防ぐ。 【構成】 ボデー４周縁に平面部７を形成する。台部１
０ａ、傾斜部１１、突出部１０ｂからなる弾性シールパ
ッキン１０を、前記平面部７に配設する。カバー３周縁
にフランジ部３ｃを形成し、その底部に溝部５を形成
し、溝部５を連通路６で内部と連通する。シールパッキ
ン１０の傾斜片１１を溝部５に圧接させてボデー４にカ
バー３を被せ、ケース１を形成する。ケース１に入口
８、出口９を設け、内部にフィルタエレメント２を嵌装
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エアクリーナに関し、シールパッキンを介してカバーとボデーの気 密を確保するエアクリーナの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のエアクリーナは、図３に示すようにケース１ａ内にフィルタエレメント ２を嵌装したもので、ケース１ａは合成樹脂製のカバー１３とボデー１４とから なる。フィルタエレメント２は、ろ材をひだ折りして矩形となし周縁に端板を貼 着し、端板の一側端部に弾性シール体２ａを配設してある。カバー１３は上壁１ ３ａの周縁に側壁１３ｂを設けた筺体状のもので、側壁１３ｂ端部に底部が平坦 な断面下向きコ字状のフランジ部１３ｃを設けてある。ボデー１４も底壁１４ａ とその周縁に側壁１４ｂを立設した略筺体状のもので、底壁１４ａに出口９を設 け、側壁１４ｂには一側に入口８を設けるとともに端部に全周に亘り平坦な平面 部１７を設けてあり、さらにボデー１４内に前記フィルタエレメント２を入口８ と出口９を横切る状態に嵌装する断面上向きコ字状のシール枠体１４ｃを側壁１ ４ｂ三方と底壁１４ａとに一体的に形成してある。ボデー１４側壁４ｂの平面部 １７には弾性シールパッキン１８を貼設してある。

【０００３】 シールパッキン１８は、例えば実開昭５２−６２７５２号公報に提案されてお り、矩形環状をなし、図４に示すように台部１８ａと傾斜片１９と突出部１８ｂ よりなり台部１８ａを断面矩形に形成し、台部１８ａ上面の略中央に外方に向い 斜め上方に伸びるリップ状の傾斜片１９を形成し、その内側に断面矩形でストッ パーとして作用する突出部１８ｂを傾斜片１９より低くして形成してある。

【０００４】 これらカバー１３、ボデー１４およびフィルタエレメント２は、ボデー１４の シール枠体１４ｃ内にフィルタエレメント２のシール体２ａを嵌合させて、フィ ルタエレメント２をボデー１４内に収納し、カバー１３を被せて締付ける。この 締付けによって、カバー１３がシール体２ａを押付けフィルタエレメント２をボ デー１４に気密に保持する。同時に、図５に示すようにボデー１４側壁１４ｂ平 面部１７ｃのシールパッキン１８は突出部１８ｂがカバー１３のフランジ部１３ ｃ底部に当接し傾斜片１９がフランジ部１３ｃ底部で押され湾曲しその反発弾性 力でフランジ部１３ｃに圧接し、カバー１３とボデー１４の気密を確保している 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この従来のエアクリーナは、ケース内はフィルタエレメントでろ過した清浄空 気の通路（いわゆるクリーンサイド）を兼ねている。従って、ケースを気密に保 たねばならずシールパッキンは小さな締付力で気密が確保できるように傾斜片を 設けたものとなっている。

【０００６】 ところが、このエアクリーナは、例えばエンジンルームにおける高温下での使 用に際し、シールパッキンの傾斜片は熱によって応力が緩和し反発弾性力が低下 したり、長期の使用では、硬化したり締付けを解除しても変形が回復せず、シー ルパッキンとカバーのフランジ部との間に洩気を生ずる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、周縁に平面部を形成したボデーの前記平面部に、台部を断面矩形に 形成し台部上面にリップ状の傾斜片と突出部とを設けた弾性シールパッキンを配 設し、周縁に断面下向きコ字状で底部が平坦なフランジ部を形成したカバーを前 記シールパッキンの傾斜片をフランジ部の底部に圧接させるように被せてケース を形成し、該ケースに入口、出口を設け、ケース内部にフィルタエレメントを嵌 装したエアクリーナにおいて、カバーフランジ部の底部に断面半円状の溝部を形 成するとともに連通路で溝部とケース内側とを連通し、溝部に前記シールパッキ ンの傾斜片を圧接させたものである。

【０００８】

【作用】

エンジン作動時、エアクリーナのケース内部には常時エンジンの負圧が作用す る。この負圧は連通路を経て溝部に達する。溝部を形成したフランジ部では、シ ールパッキンの傾斜片がこの負圧によって吸引され溝部の面に密着し気密が保た れる。

【０００９】

【実施例】

図１、図２により本考案のエアクリーナの実施例を説明する。図中、１はケー スで、内部にフィルタエレメント２を嵌装してある。フィルタエレメント２は帯 状のろ紙や不織布等のろ材をひだ折りして矩形に形成し、その周縁の折り目と平 行な側に帯状の金属製端板を、また他側に帯状の紙製端板を各々接着剤で貼着し てあり、これら端板の一方側端部に断面略台形の弾性シール体２ａを端板の周縁 を埋込んで配設してある。

【００１０】 ケース１は合成樹脂製でカバー３とボデー４からなる。カバー３は上壁３ａと 側壁３ｂとからなり上壁３ａ周縁に側壁３ｂを設けた筺体状のもので、側壁３ｂ に空気の流れを乱さない程度に内方に突出するリブ３ｅを設け、側壁３ｂ端部に 断面が下向きコ字状でその底部が平坦な面をなすフランジ部３ｃを設けてあり、 該フランジ部の底部略中央に断面が半円状に窪んだ溝部５を全面に亘り形成する とともにフランジ部３ｃ内に連通路６を形成しその一側を溝部５最上部に連通し 他側を側壁３ｂ端部近傍に連通してあり、さらに側壁３ｂ内側に前記フィルタエ レメント２のシール体２ａ押圧する押板３ｄを設けてあり、上壁３ａにはレゾネ ータ３ｆを設けてある。ボデー４も略筺体状をなし、底壁４ａと側壁４ｂとから なり底壁４ａ周縁に側壁４ｂを立設し、側壁４ｂ内側に内方に若干突出するリブ ４ｄを設け、さらに側壁４ｂ端部に全周に亘って上端が平坦な平面部７を設け、 平面部７中央に断面矩形の溝状凹部４ｃを形成してあり、側壁４ｂには一側に入 口８を設け底壁４ａには出口９を設けてある。ボデー４にはさらに内部に前記フ ィルタエレメント２を入口８と出口９を横切る状態に嵌装する断面上向きコ字状 のシール枠体４ｃを側壁４ｂ三方すなわち入口８を設けた側壁４ｂとその両側の 側壁４ｂと底壁４ａとに一体的に形成してある。

【００１１】 ボデー４側壁４ｂの平面部７にはシールパッキン１０を配設してある。シール パッキン１０はゴムや発泡ウレタン樹脂でなる弾性を有する矩形環状のもので、 図２に示すように台部１０ａ、傾斜片１１、突出部１０ｂおよび凸部１０ｃから なり、台部１０ａを断面矩形に形成し、台部１０ａ上面の略中央に外方に向け斜 め上方に伸びるリップ状の傾斜片１１を形成し、その内側に断面矩形の突出部１ ０ｂを傾斜片１１の先端より低くして形成し、さらに台部１０ａ下面の略中央に 断面矩形の凸部１０ｃを形成してある。シールパッキン１０は、ボデー４側壁４ ｂ平面部７の凹部４ｃ内に凸部１０ｃをやや圧入状態にして台部１０ａ下面を平 面部７に当接させて挿入してある。

【００１２】 前記カバー３、ボデー４およびフィルタエレメント２は、ボデー３のシール枠 体４ｃ内にフィルタエレメント２のシール体２ａを嵌合させてフィルタエレメン ト２をボデー４内に嵌装し、カバー３を被せてカバー３とボデー４を締付けて用 いる。この締付けによってカバー３の押板３ｄでシール体２ａを押付けフィルタ エレメント２とボデー３の気密を保ち。同時にボデー３に配設したシールパッキ ン１０の突出部１０ｂとカバー３フランジ部３ｃの底部とを当接し傾斜片１１を 湾曲させて溝部５の半円面に圧接してカバー３とボデー４の気密を確保している 。

【００１３】 このエアクリーナは、例えば自動車の吸気系に組込みエンジンと連結して使用 する。エンジンが作動するとその負圧がケース１内に作用し、カバー３の連通路 ６を経て溝部５に達する。そしてシールパッキン１０の傾斜片１１を吸引し溝部 ５半円面との密着をより強固なものとする。従って、エンジンルーム内等の高温 下の使用によってシールパッキン１０の傾斜片１１が暖まり軟かくなったり、長 期間の使用で老化して硬化したり変形して溝部５との圧接力が低下した場合にも 、同様に溝部５に作用する負圧が傾斜片１１を吸引し半円状の曲面に吸い付けて カバー３とボデー４との気密を維持する。

【００１４】 上記実施例では、カバーとボデーを筺体状とし入口、出口をボデーに設けてあ るが、入口をカバーに設けたり、カバーとボデーを有底筒状としたり、さらにカ バー又はボデーを平板状や薄皿状としてその周縁にフランジ部を形成し筺体状や 筒状のボデー又はカバーとでケースを形成する等、ケースは実施例に限定される ものではない。また、ボデーの平面部を平坦のままとし、シールパッキンには凸 部を設けることなく直接平面図に貼着してもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案においては、カバーとボデーとフィルタエレメントよりな り、カバー周縁に断面下向きコ字状で底部が平坦なフランジ部を形成し、ボデー 周縁に平面部を形成し該平面部に台部と傾斜片よりなり台部上面にリップ状の傾 斜片を設けた弾性シールパッキンを配設し、該シールパッキンの傾斜片を前記フ ランジ部の底部に圧接してケースを形成し、ケースに入口、出口を設け、ケース 内部にフィルタエレメントを嵌装したエアクリーナにおいて、カバーのフランジ 部底部に断面半円状の溝部を形成するとともに連通路で溝部とケース内側とを連 通し、溝部に前記シールパッキンの傾斜片を圧接したので、シールパッキンの傾 斜片が高温に曝され反発弾性が低下したり硬化や変形を来たしても、ケース内に 作用するエンジンからの負圧が連通路を介してフランジ部の溝部に伝わり傾斜片 を吸引し溝部の半円状の広い曲面に密着させる。これによりフランジ部とシール パッキンとの気密が維持でき、ケースは長期に亘って洩気のないものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すエアクリーナの断面図で
ある。

【図２】図１の要部を示し、（イ）は分解状態の図、
（ロ）は締付状態の図である。

【図３】従来のエアクリーナの断面図である。

【図４】従来のエアクリーナに配設するシールパッキン
の断面図である。

【図５】図３の要部を示す締付状態の図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ フィルタエレメント ３ カバー ３ｂ 側壁 ３ｃ フランジ部 ４ ボデー ４ｂ 側壁 ５ 溝部 ６ 連通路 ７ 平面図 １０ シールパッキン １１ 傾斜片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周縁に平面部を形成したボデーの前記平
   面部に、台部を断面矩形に形成し台部上面にリップ状の
   傾斜片と突出部とを設けた弾性シールパッキンを配設
   し、周縁に断面下向きコ字状で底部が平坦なフランジ部
   を形成したカバーを前記シールパッキンの傾斜片をフラ
   ンジ部の底部に圧接させるように被せてケースを形成
   し、該ケースに入口、出口を設け、ケース内部にフィル
   タエレメントを嵌装したエアクリーナにおいて、カバー
   フランジ部の底部に断面半円状の溝部を形成するととも
   に連通路で溝部とケース内側とを連通し、溝部に前記シ
   ールパッキンの傾斜片を圧接させたエアクリーナ。