JPH066755U - すべりスプライン・アセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 すべりスプライン・アセンブリのスプライン
穴の端部に密封用の栓を、付加的な溶接、止め具又は特
定接着剤を使用することなく固定する。又軸がわくの閉
じた端部に向い滑動するときに、栓内に圧力が生じるの
を防ぎ、潤滑剤をスプラインに有効に保持する。 【構成】 わく１２のスプライン穴１６内にスプライン
を持つ軸１４を滑動可能にそう入する。スプライン穴の
端部内に半径方向に延びる環状のみぞ４８を形成する。
成形プラスチックの栓３６に、通気口４１を設けた端部
壁３８と、この端部壁と一体の円筒形の側壁４０と、こ
の側壁の自由端部に設けたたわみ性部分とを設ける。た
わみ性部分に、肩部４８と舌状部分４６とを設ける。肩
部４８をみぞ４８にスナップばめする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、密封用の栓を備えた、トルク伝達すべりスプライン・アセンブリに 関する。

【０００２】 本考案に係わるすべりスプライン・アセンブリは、軸のスプライン部分を滑動 可能に受入れるスプライン穴を持つわくを備えている。これ等の用途では互に組 合うスプライン間に潤滑を行う必要がある。このスプライン継手は、組立て時に 恒久的に潤滑剤を施す。又はわくに、周期的に潤滑剤を補給する潤滑器具を設け る。通常わくの本体端部は、スプライン潤滑剤を保持するように栓で密封する。 この栓は中実にしても通気口を設けてもよい。スプライン継手に使う密封法は一 般に、この継手の特定の構造と共にその用途による。たとえば乗物の変速機出力 軸に使う内歯スプラインすべりわくでは、本体端部に中実の栓を使い、そしてす べりわくのボス端部にブーツ形密封部片を設けて、スプラインをちり、汚れ及び その他の異物から保護する。このような用途では、往復動中の潤滑剤の前後の流 れを容易にするようにスプライン歯の１つを除くのが普通である。わくのボス端 部に保持され軸に直接密封状態で接触する密封部片を備える用途では、通気口付 きの栓を使い、軸がわくの閉じた端部に向い滑動するときに潤滑剤をスプライン に保持し圧力の生成を防ぐ

【０００３】

【従来の技術】

従来わく穴に密封栓を保持するのに多くの方法が提案されそいる。これ等の栓 には又多くの形状のものがある。比較的普通の形式の栓には、扁平な環状円板か ら成るベルヒ（ｗｅｌｃｈ）栓と杯状栓とがある。各場合に栓は、わく穴のボス 端部に押し込み、溶接、止め具又は適当なエポキシ接着剤により保持する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記したような栓は満足の得られる機能を果すが、これ等の栓は、わく穴に積 極的に保持するために押込んだ後に付加的な操作を必要とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、栓を適当な場所に押し込んだときにわく穴に形成した環状の半径方 向みぞ内にはめ込み鎖錠する半径方向肩部を持つたわみ性部分を持つ杯状の密封 用の栓を使用する。半径方向の肩部及びみぞにより得られる鎖錠連結によって、 栓をわく穴に押込んだ後にこの栓を固着するのに付加的な溶接、止め具又は特定 の接着剤を使う必要がなくなる。

【０００６】 以下本考案すべりスプライン・アセンブリの実施例を添付図面について詳細に 説明する。

【０００７】 図１に示すようにすべりスプライン・アセンブリ１０はわく１２と組合うすべ り短軸の形状の軸１４とを備えている。わく１２は、軸１４の外歯スプライン部 分１８に滑動連結する内歯スプライン穴１６を備えている。わく１２は、互に対 向する耳片２２を一端部に形成した本体部分２０を備えている。各耳片２２には 、普通の端部わく（図示してない）に連結するように横軸頚（図示してない）を 取付ける軸受横穴２４を形成してある。わく１２の反対側端部は、短軸スプライ ン部分を囲む軸線方向に細長い管状のボス部分２６を備えている。ボス部分２６ の外端部に環状の密封部片２８を密封部片保持部片３０により取付け、密封部片 ２８が軸１４の円筒面に滑動可能に密封状態で連関するようにしてある。軸１４ の外端部には、駆動系統部材（図示してない）に取付けるパイロット部分３２を 設けてある。

【０００８】 好適とする実施例ではわく１２の本体端部は、本考案に使用する杯状の密封用 の栓（以下単に栓と呼ぶ）３６を受入れる環状の端ぐり穴（以下わく穴と呼ぶ） ３４を形成してある。栓３６は、互に組合うスプライン穴１６及びスプライン部 分１８に潤滑剤を保持し異物が侵入しないようにする。栓３６は、扁平な端部壁 ３８と、一体の軸線方向内向きに延びる円筒形の側壁４０とを備えている。端部 壁３８には図２及び図３に明らかなように呼吸孔すなわち通気口４１を形成して 、軸１４がわく１２の閉じた端部に向い滑動するときにわく穴３４内に圧力が生 成しないようにしてある。

【０００９】 すなわち図１に明らかなようにスプライン穴１６はわく１２を貫通して延びる ことにより、スプライン穴１６の互に対向する側にすなわち内側本体端部及び外 側ボス端部に第１及び第２の穴を形成する。

【００１０】 栓３６の側壁４０の開いた端部すなわち軸線方向内端部とわく穴３４とには栓 ３６を固定するように、互いに協働する締付け部片を設けてある。 図２及び図３に明らかなように栓３６の締付け部分は、側壁４０の端部から軸 線方向内方に延びる互に等しい間隔を隔てた複数の切欠き４４を持つ環状の突出 した肩部４２から成っている。各切欠き４４は肩部４２従って側壁４０の開いた 端部を複数のたわみ性の舌状部分４６に分割する作用をする。図２及び図３に明 らかなようにたわみ性の舌状部分４６は、互に等しい間隔を隔て軸線方向に延び る円弧形の舌状部分を構成する。

【００１１】 図１及び図４に示すようにわく１２の締付け部分は、栓３６の舌状部分４６の 肩部４２と協働するようにくぼみ３４に形成した環状のみぞ４８により構成して ある。組立て時には普通の組立て用具（図示してない）により栓端部壁３８の外 面に加える初期圧力により舌状部分４６は、肩部４２がわく穴３４の外縁部に初 めに接触する際に半径方向内方にたわむようになる。栓３６にさらに圧力を加え ると、栓３６は肩部４２が環状のみぞ４８を整合するまでわく穴３４内に一層深 く押込まれる。この場合舌状部分４６のたわみ性により肩部４２がみぞ４８に外 向きに入込み鎖錠作用を伴って連関して、栓３６を固定するのに付加的な手段又 は操作を必要としないで栓３６をわく穴３４内に積極的に鎖錠すことができる。

【００１２】 とくに図４に明らかなようにみぞ４８は、みぞ底部に直角を挾んで配置したそ れぞれ内側及び外側の半径方向壁５０，５２を仕切る。好適とする実施例ではす きまを設けるために栓肩部４２の外周部分の直径をみぞ底部の内径より小さくし 又側壁４０の外径より大きくすることにより肩部４２のそれぞれ内側及び外側の 半径方向壁５４，５６を仕切る。肩部４２の軸線方向長さすなわち半径方向壁５ ４，５６間の距離は半径方向壁５０，５２間の軸線方向距離よりわずかに短い。 組立てのために半径方向壁５６の半径方向外方の縁部は、栓３６を初めにわく穴 ３４内に押込む際に舌状部分４６を内方にたわませるカム形部分として作用する 面取り部５８を持つ。それぞれみぞ４８及び肩部４２の互に組合う半径方向５０ ，５４は、各舌状部分４６がはまり込んだときに半径方向壁５４が半径方向壁５ ０に係合することにより栓３６をわく穴３４に積極的に鎖錠する作用をするよう に構成してある。

【００１３】 半径方向壁５４にはわずかな面取り部を形成し、肩部４２及び みぞ４８が互 に整合すると肩部４２がカム作用によりみぞ４８内に入込むことができるように してある。所望により半径方向壁５４は組合う半径方向壁５０に平行に構成して 、鎖錠したときに半径方向壁５０，５４が面一になるようにしてもよい。

【００１４】 本考案を週期的に潤滑剤を補給するようにしたすべりスプライン・アセンブリ と組合わせて述べたが、本考案は又恒久的潤滑を行った組合わせにも使うことが できる。このような組合わせでは図２及び図３に示すような通気口４１をなくし て、密封部片２８及び保持部片３０の代リにブーツ形密封部片を使う。このよう な応用例の１つではスプライン歯の１つを除き圧力の生成を防ぎ往復動中に潤滑 剤の前後の流動を容易にする。

【００１５】 又各鎖錠部分である舌状部分４６のたわみ性は、円筒形側壁４０の端部から延 びる切欠き４４の数を減らすことにより減り、又は切欠き４４の数を増すことに より増す。

【００１６】 栓３６は、仕上げ機械加工した型打ちした金属部品、或はナイロン又はナイロ ン−ガラスてん材入り混合物のような適当なプラステック材から作った一体の成 形部品でよい。

【００１７】 以上述べた所から明らかなように本考案の利点は、密封用の栓のたわみ性の鎖 錠部分である舌状部分の複合の関係とこれ等の部分のわく穴の環状の鎖錠用みぞ に対する協働とから得られる。この構造によりすべりスプライン装置のスプライ ン穴に密封栓を保持する積極的かつ経済的な手段が得られ、この手段では組立て に当たり栓を固定するのに付加的な溶接、止め具又は特定の接着剤の使用を必要 としない。

【００１８】 以上本考案をその実施例について詳細に説明したが本考案はなおその精神を逸 脱しないで種種の変化変型を行うことができるのはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案すべりスプライン・アセンブリの１実施
例を一部を縦断面にして示す側面図である。

【図２】図１に使った栓の１実施例の拡大斜視図であ
る。

【図３】図２を一部を横断面にして示す側面図である。

【図４】図１の密封用の栓及びわくの鎖錠作用を伴う連
結部の拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１０ すべりスプライン・アセンブリ １２ わく １４ 軸 １６ スプライン穴 ３６ 栓 ３８ 端部壁 ４０ 円筒形の側壁 ４２ 肩部 ４６ 舌状部分 ４８ みぞ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１及び第２の互いに対向する開いた端
   部を持つスプライン穴を備えたわくと、 このわくのスプライン穴に滑動可能に係合するスプライ
   ンを持ち、前記スプライン穴の第１の端部内に延びる軸
   と、 を備えた、すべりスプライン・アセンブリにおいて、 （ｉ） 前記スプライン穴の第２の端部内に形成した、
   半径方向に延びる環状のみぞと、 （ｉｉ）（イ） 通気口を備えた、閉じた平らな端部壁
   と、 （ロ） この端部壁に一体に連結した一方の端部と、こ
   の端部から軸線方向に間隔を置いた自由端部とを持つ、
   軸線方向に延びる円筒形の側壁と、 （ハ） 前記円筒形の側壁の自由端部に一体に連結した
   たわみ性部分と、 から成り、前記スプライン穴の第２の端部を閉じる杯状
   の成形プラスチックから成る栓と、 を備え、前記たわみ性部分に、（ｉ）前記栓を前記スプ
   ライン穴内に確実に鎖錠するように、前記みぞに係合す
   る、半径方向に外向きに延びる肩部と、（ｉｉ）軸線方
   向に延び、円周方向に互いに間隔を置き、前記肩部に一
   体に連結された弧状の舌状部分とを設けたことを特徴と
   する、すべりスプライン・アセンブリ。
2. 【請求項２】 前記舌状部分にさらに、前記栓を前記わ
   くのスプライン穴内に挿入するときに、このスプライン
   穴に初めに係合するカム作用手段を設けた請求項（１）
   のすべりスプライン・アセンブリ。
3. 【請求項３】前記舌状部分の少なくとも１つに、前記半
   径方向に延びる肩部を一体に連結することにより、前記
   栓を前記わくのスプライン穴内に押し込むときに、前記
   肩部により前記１つの舌状部分を初めに押圧するように
   し、又前記肩部及び前記みぞが互いに整合したときに、
   前記舌状部分が引続いて前記肩部を前記みぞに鎖錠作用
   を伴ってかちつと係合させるようにした請求項（１）の
   すべりスプライン・アセブリ。
4. 【請求項４】 前記プラスチック材料としてガラス充て
   ん組成物を使った請求項（１）のすべりスプライン・ア
   セブリ。