JPH0665533B2 - 自動車用電気配線装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用電気配線装置に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、自動車電装品の増加で自動車の配線装置は複雑さ
を増している。そこで、配線装置の簡素化、製造の容易
化を達成でき、人件費を削減し、迅速な大量生産に適し
た自動車用電気配線装置が特公昭５７−３４１３２号公
報において提案されている。

該提案の装置においては、複数のリレーと短絡保護手段
が収納された接続ブロックを自動車のエンジンルーム内
と計器盤付近にそれぞれ設け、これら接続ブロック相互
間を、ブロック内の複数のリレーにそれぞれ接続される
複数本の信号線と車載電源に接続された電力線とを含む
幹部配線により接続し、かつ各所の電装品には各接続ブ
ロックからコネクタを介して支部配線を接続している。

そして、電装品の１つを構成する計器盤近くの自動車内
制御手段よりの信号により計器盤近くの接続ブロックと
幹部配線の信号線の１つを経由してエンジンルーム内の
接続ブロックのリレーの１つを作動させ幹部配線の電力
線と特定の前記支部配線の１つとを接続して自動車内制
御手段の制御対称となる電装品のうち特定の電装品に電
力を提供するようになっている。

以上により、接続ブロック相互間を直結する幹部配線は
手作業によっても機械的によっても製作し易く熟練を要
せずに配線が可能である他、電装品への給電は接続ブロ
ックからコネクタを介して配線しているため、幹部配線
は本数が多いわりには枝線を少なくできるため構造が単
純になっている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上述した従来の装置においては、仕向地、バリ
エーションなどによって電装品の増減があったときこれ
に対処するには、収容するリレー及びヒューズの数を異
ならせた多種の接続ブロックを予め用意しておく必要が
あった。このため、接続ブロックが多様化することにな
り、接続ブロックの多種少量生産によりコストが上昇
し、かつ部品管理が面倒であるなどの問題点があった。

なお、基本的な接続ブロックにオプションとしてリレー
などを別付けして接続ブロックの種類を少なくする方法
も考えられるが組立工数などがかかり実際的でない。

よって本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、仕向、
バリエーションにより電装品が変更されても、多種の接
続ブロックを用意したり、別付けなどの面倒な組立工数
なしに簡単に対処できる自動車用電気配線装置を提供す
ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明により成された自動車用
電気配線装置は、自動車の運転席近傍に設けられたリレ
ーと短絡保護手段と電子ユニットとが収納されたベース
制御ブロックと、該ベース接続ブロックから離間して設
けられリレーと短絡保護手段とが収納されたローカル接
続ブロックと、前記ベース及びローカル接続ブロック間
を接続する電力線と信号線とからなるワイヤーハーネス
とを具備し、前記ベース及びローカル接続ブロックは仕
向、バリエーションによって変更される電装品に関連し
た電力線及び信号線を含むワイヤーハーネスを方向別に
分割して接続しうる端子を予め有するコネクタを備え、
前記ローカル接続ブロックの各々は仕向、バリエーショ
ンによりその近傍において変更される電装品に関連した
リレー及び短絡保護手段を着脱自在に装着するためのコ
ネクタを予め備えることを特徴としている。

〔作用〕

以上の構成により、ベース及びローカルの両接続ブロッ
クが仕向、バリエーションにより変更される電装品に関
連した電力線及び信号線を含むワイヤーハーネスを接続
しうる端子を予め有するコネクタを備え、かつローカル
接続ブロックが仕向、バリエーションにより変更される
電装品に関連したリレー及び短絡保護手段を着脱自在に
装着するためのコネクタを予め備えることにより、仕
向、バリエーションにより電装品に変更があったときで
も、この変更に伴うワイヤーハーネス中の線を変えた
り、各ローカル接続ブロック中のリレー、短絡保護手段
を変更するだけの簡単な方法で対処でき、接続ブロック
本体の変更はなく、どのような仕向、バリエーションに
対しても共用できるようになっている。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第５図において、１は運転席近傍のカウルサ
イドに設けられたベース接続ブロック、２は助手席近傍
のカウルサイドに設けられた第１のローカル接続ブロッ
ク、３はエンジンルームの左に設けられた第２のローカ
ル接続ブロック、４はトランクルームの右に設けられた
第３のローカル接続ブロックである。

上記ベース接続ブロック１と第１のローカル接続ブロッ
ク２とは横に走り左右のカウルサイドを結ぶワイヤーハ
ーネス６により、ベース接続ブロック１と第２のローカ
ル接続ブロック３とはエンジンルームの右端、前端に沿
って配設されたワイヤーハーネスにより、ベース接続ブ
ロック１と第３のローカル接続ブロック４とは車の右端
に沿って配設されたワイヤーハーネス８により、かつ第
１及び第２のローカル接続ブロック２及び３はエンジン
ルームの左端に沿って配設したワイヤーハーネス９によ
りそれぞれ連結されており、各ワイヤーハーネスは電力
線と信号線とからなる。

上記接続ブロック１〜４と自動車内電力消費装置となる
電装品（ヘッドランプ１１，１２、方向指示灯１３，１
４、リヤコンビネーションランプ１５，１６、ワイパー
モータ１７、ウォッシャモータ１８など）とはワイヤー
ハーネス７〜９に沿って或いは単独にブロックから引き
出された支線２０により接続されている。

更に、電力供給源であるバッテリィ２２がその近傍の第
２のローカル接続ブロック３に接続され、かつステアリ
ングに設けられた方向指示スイッチ、ワイパースイッチ
などのコラムスイッチ群２３の他、各種検知スイッチ２
４などの自動車内制御装置となる電装品がその近傍の接
続ブロック１〜４に接続されている。

上記ベース接続ブロック１の外観は例えば第２図に示す
ようになっており、該ブロックを通りワイヤーハーネス
中の電力線に対応する短絡保護手段としての多数のヒュ
ーズ１ａとこれを着脱自在に装着するためのコネクタ１
ｂと、該接続ブロック１から直接電装品を駆動するため
のリレー１ｃと、これを着脱自在に装着するためのコネ
クタ（符号なし）と、該接続ブロックに接続された電装
品との間及びワイヤーハーネス中の信号線を介して他の
接続ブロックのリレー又は電子ユニットとの間で信号の
授受を行う電子ユニット１ｄと、上記電力線、信号線を
方向別に分割して接続するための複数のコネクタ１ｅと
を備える。

そして、その電気結線図を簡略化して示すと、第３図の
ようになる。すなわち、電子ユニット１ｄは運転席近傍
の各種スイッチや各所のセンサ用スイッチから直接又は
他の接続ブロックの電子ユニットを介して信号を受け入
れ、運転席近傍の計器盤類２５（各種表示手段を含む）
を直接駆動したり或いは該接続ブロック１又は他の接続
ブロックのリレーを駆動してそれに対応する電装品を動
作させたり、他の接続ブロックの電子ユニットに信号を
送出したりする。該電子ユニット１ｄは例えばマイクロ
コンピュータ又はディスクリート素子により組んだ電子
回路、或いはこれらの組み合せによって形成されてお
り、仕向、バリエーションにより変更されないだけの十
分な機能をもつように予め構成されていることが好まし
い。

また、ワイヤーハーネスを接続するためのコネクタ１ｅ
は、仕向、バリエーションにより変更される電装品（制
御装置、電力消費装置）に関連して追加される電力線、
信号線の全てを接続できる端子を予め有し、このような
変更によってベース接続ブロック１を他のものと取り替
えることなく単に接続するワイヤーハーネス中の電力
線、信号線を増減するだけでよいようになっている。

一方、上記ローカル接続ブロック２〜４の１つ、例えば
接続ブロック３の外観は概略第４図に示すようになって
いる。ローカル接続ブロック３は短絡保護手段としての
ヒューズ３ａと、そのコネクタ（符号なし）と、リレー
３ｂと、そのコネクタ（符号なし）と、電子ユニット３
ｃと、方向別に分割されたコネクタ３ｄとを備え、該コ
ネクタ３ｄにはワイヤーハーネス７，９および支線２０
の端端に設けられたコネクタ７ａ，９ａ，２０ａが嵌合
連結される。該ローカル接続ブロック３はエンジンルー
ム内の付近に位置する電装品の電源供給と制御を電子ユ
ニット３ｃ、ヒューズ３ａ、リレー３ｂによって行う。

一般に、各ローカル接続ブロックは仕向、バリエーショ
ンにより変更される電装品に関連した電力線、信号線の
全てを接続できるようにそのコネクタは予めそれらのた
めの端子を有し、また仕向、バリエーションに関連して
増減する全てのヒューズ、リレーを着脱自在に装着する
ためのコネクタも予め備え、かつその内部構造は電線或
いはショートバー３ｅなどによって結線され、仕向、バ
リエーションに対処し易くなっている。なお、ローカル
接続ブロックの電子ユニットについては、マイクロコン
ピュータ或いはディスクリート素子により組んだ電子回
路又はこれらの組合せによって形成され、仕向、バリエ
ーションに応じてプリント基板ごと全体を取り替えるよ
うにしてもよい。

第５図は第４図のローカル接続ブロック３の電気結線図
を簡略化して示し、同一符号のは同一のものを示してい
る。

グレードバリエーションによる各接続ブロックに接続さ
れる電装品の変更前と後をワイパー装置を例に第６図及
び第７図を参照して説明する。

第６図はグレードバリエーションによる変更前の結線図
であり、該ワイパー装置ではワイパーのオン，オフと
低，高速切換のみが行えるようになっており、３０はワ
イパースイッチ、３１はウォッシャスイッチであり、ワ
イパーモータ１７は２つの速度を設定し得る励磁端子と
停止位置を検出するスイッチ１７ａを有する。

ワイパースイッチ３０はオフ，低，高速端子を有し、オ
フ端子はアースに、低速，高速端子は第２のローカル接
続ブロック２を介してワイパーモータ１７の対応する端
子に接続され、ウォッシャスイッチ３１はその一端が第
１のローカル接続ブロック２、第２のローカル接続ブロ
ック３を介してバッテリィに、他端がベース接続ブロッ
ク１を介してウォッシャモータ１８に接続されている。

以上により、ワイパースイッチ３０をオフから低速或い
は高速に切換えると、バッテリィから第２のローカル接
続ブロック３、電力線、第１のローカル接続ブロック
２、電力線、ワイパースイッチ３０、電力線を介してワ
イパーモータ１７に電流が流れ、ワイパーモータ１７が
低速或いは高速回転される。ウォッシャスイッチ３１を
オンすると、バッテリィから第２のローカル接続ブロッ
ク３、電力線、第１のローカル接続ブロック２、電力
線、ウォッシャスイッチ３１、電力線、ベース接続ブロ
ック１、電力線を介してウォッシャモータ１８に電流が
流れてウォッシャモータ１８が回転される。

第７図はグレードバリエーション後の結線図であり、該
ワイパー装置では、ワイパースイッチ３０′は間欠端子
ＩＮＴとスイッチが間欠端子ＩＮＴに切換えられたとき
オンするスイッチ３０ａ′とを更に有し、間欠端子ＩＮ
Ｔはベース接続ブロック１の電子ユニット１ｄと協働し
て時定数を設定する可変抵抗ＶＲを介して電子ユニット
１ｄに接続され、スイッチ３０ａ′も電子ユニット１ｄ
に接続されている。そして、第１のローカル接続ブロッ
ク２にはベース接続ブロック１の電子ユニット１ｄによ
って制御されるリレー２ａと逆流防止用のダイオード２
ｂが付加されている。

以上により、ワイパースイッチ３０′が間欠端子ＩＮＴ
に切換えられると、これに応じてスイッチ３０ａ′がオ
ンすることにより電子ユニット１ｄは可変抵抗ＶＲによ
り設定される時定数で決まる周期のパルスを送出し、こ
れによってリレー２ａを付勢してワイパーモータ１７の
間欠回転を行わせるため、ワイパーの間欠動作が行われ
る。

第６図及び第７図から判るように、グレードバリエーシ
ョンにより変更される電装品であるワイパースイッチ３
０′に応じて、リレー２ａ、ダイオード２ｂが第１のロ
ーカル接続ブロック２に付加され、またスイッチ３０
ａ′とベース接続ブロック１及びローカル接続ブロック
２との間の電力線、信号線も付加されているが、各ブロ
ックにはバリエーションにより変更される電装品に関連
したリレーのためのコネクタ、電力線、信号線のための
コネクタの端子が予め用意されているため、各ブロック
については全体の取り替えなしにバリエーションに対処
することができる。また、バリエーションによる電装品
の変更に伴うリレーはベース接続ブロック１ではなくロ
ーカル接続ブロック２に取り付けられ、このことによ
り、ベース接続ブロック１については、接続される電力
線、信号線が増えるだけですむ。

同様のことは、仕向、バリエーションによる他の変更の
場合についても行われ、各ローカル接続ブロックに変更
を分散することにより、より広い範囲の変更に対して無
理なく対応できるようになっている。

また、電装品をその近傍の接続ブロックに接続し、かつ
電力消費装置の制御をその電力消費装置に近い最適な接
続ブロックにより行うことにより、電力線の短縮化、ワ
イヤーハーネスの小径化が図られるようにもなる。

更に、方向別にコネクタが分割されているためワイヤー
ハーネスが簡単化され、その生産性の向上にも有効であ
る。

〔効果〕

以上説明したように本発明によれば、仕向、バリエーシ
ョンにより、接続ブロック本体の変更を行わなくてもす
み、多種の接続ブロックを用意しておかなくてもよいた
め、大量生産によるコストダウンが図られるようと共
に、部品管理も楽になり、生産性の向上に極めて有効で
あるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による自動車用電気配線装置の一実施例
を示す図、第２図はベース接続ブロックの外観を示し、
(a)は平面図、(b)は一部分を破断した側面図、第３図は
第２図のブロックの簡略電気結線図、第４図はローカル
接続ブロックの１つの外観斜視図、第５図は第４図のブ
ロックの簡略電気結線図、第６図及び第７図はワイパー
装置のグレードバリエーションによる変更の前後をそれ
ぞれ示す結線図である。 １…ベース接続ブロック、１ａ…ヒューズ（短絡保護手
段）、１ｂ…コネクタ、１ｃ…リレー、１ｅ…コネク
タ、２〜４…ローカル接続ユニット、３ａ…ヒューズ
（短絡保護手段）、３ｂ…リレー、３ｄ…コネクタ、６
〜９…ワイヤーハーネス、１１〜１８，２３〜２５…電
装品。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 満治 静岡県湖西市鷲津1424 (56)参考文献 特開 昭54−159935（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−47931（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−94989（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の運転席近傍に設けられリレーと短
   絡保護手段と電子ユニットとが収納されたベース接続ブ
   ロックと、 該ベース接続ブロックから離間して設けられリレーと短
   絡保護手段とが収納されたローカル接続ブロックと、 前記ベース及びローカル接続ブロック間を接続する電力
   線と信号線とからなるワイヤーハーネスとを具備し、 前記ベース及びローカル接続ブロックは仕向、バリエー
   ションによって変更される電装品に関連した電力線及び
   信号線を含むワイヤーハーネスを方向別に分割して接続
   しうる端子を予め有するコネクタを備え、 前記ローカル接続ブロックの各々は仕向、バリエーショ
   ンによりその近傍において変更される電装品に関連した
   リレー及び短絡保護手段を着脱自在に装着するためのコ
   ネクタを予め備える ことを特徴とする自動車用電気配線装置。