JPH0660948A - 設備構造部材および設備内配線装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設備内空間を有効に活用し、かつ、設備内配
線の総量を低減することのできる設備構造部材および設
備内配線装置を提供する。 【構成】 設備構造部材３０に導電体を内蔵し、かつ、
任意の位置で導電体と電気的接続が得られるように電気
的接続端子３１を適当な間隔で挿脱自在な構成とし、設
備内の空間を必要とせずに設備構造部材３０の占める空
間を使って設備内の配線を施す。また、制御盤２９の指
令に基づいて、共通配線から得られた電源等を機能ユニ
ット２０Ａ内で各アクチュエータ２１に分配し、かつス
イッチングする構成とし、設備構造部材３０に内蔵され
ている導電体を共通配線として用いることにより、各ア
クチュエータ２１に対応した個別配線の長さを低減して
共通配線部を長くし、全体の配線量を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は一般的な設備構造体にお
ける設備内の電気的配線に係わる、設備構造部材および
この設備構造部材を用いた設備内配線装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年の産業用途に用いられる設備などで
は、その性能の高度化・複雑化によって電気配線並びに
電子回路の使用が著しく増加している。また車や家庭電
化製品などの一般耐久消費材などでもその傾向は顕著で
ある。

【０００３】以下、図面を参照しながら従来の設備内配
線装置について説明する。図５において、１は、内部に
モータなどのアクチュエータ２とセンサなどの入出力機
器３とを複数備えた機能ユニットＡ，Ｂ，Ｃ・・・（図
５においては１つの機能ユニットＡのみ図示する）、ま
た、４は、電源盤５，制御盤６，入出力コントローラ
７，アクチュエータ駆動盤８などで構成される制御ユニ
ットである。これらの機能ユニット１と制御ユニット４
との間で配線を行う場合には、アクチュエータ２などに
電源を供給する配線群９（以下動力線群と呼ぶ）と、入
出力機器３などと入出力コントローラ７、もしくは制御
盤６との間を接続する信号線群１０とに大別して配線し
ていた。つまり、従来の配線においては、個々の機能ユ
ニット１と制御ユニット４とは、そのアクチュエータ２
や入出力機器３ごとにそれぞれ対応する配線が施されて
いた。

【０００４】設備を構成するこれらのアクチュエータ２
や入出力機器３は、設備が複雑化、高機能化するに伴っ
てその点数は大きく増加してきている。したがって、動
力線群９と信号線群１０はアクチュエータ２や入出力機
器３の増加に比例して増加してきている。設備内におい
て機能ユニット１は制御ユニット４とは離れて設置され
ていることが一般的であり、個々の機能ユニット１と制
御ユニット４の間を結ぶ配線量は膨大であり、設備内で
配線の占める空間が非常に大きくなってきている。ま
た、動力線群９と信号線群１０を完全に分離することが
できず、その結果、動力線群９から発生するノイズの影
響を信号線群１０が受け易くなってしまう。このため、
設備信頼性の低下や、サービス性の低下を招くという問
題を有していた。

【０００５】そこで近年では、図６に示すように入出力
機器３と制御ユニット４との間に電気信号と光信号の変
換装置である光入出力モジュール１１を配置し、この光
入出力モジュール１１と制御ユニット４との間を１本の
光信号ケーブル１２でつなぎ、多重信号を伝送するとい
う技術が採用されつつある。これによっても入出力機器
３と光入出力モジュール１１との間の配線数そのものに
変化はないが、光入出力モジュール１１を各機能ユニッ
ト１の近傍に配設できるため、配線長の低減、つまり、
大幅な配線量の低減を図ることができた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
設備内配線方法では、入出力コントローラ７と機能ユニ
ット１との間の配線のみの省スペース化が図られたにす
ぎない。したがって、量的な構成割合の大きな動力線群
９が占める設備内空間は以前として大きく、設備の信頼
性の向上の妨げになっている。また設備のメンテナンス
性の中でも、大きなスペースを占める動力線群９が電気
的なメンテナンス性を著しく悪くしているという問題が
あった。

【０００７】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、設備内空間を有効に活用し、かつ、設備内配線の総
量を低減することのできる設備構造部材および設備内配
線装置を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の設備構造部材は、柱状、もしくは板状など
の設備構造体の内部に、絶縁被覆を施された導電体を配
設し、この導電体から電気的接続を得られるように適当
な間隔をあけて電気的接続端子穴を設け、この電気的接
続端子穴に電気的接続端子を挿脱自在に設けて、任意の
位置で前記導電体から前記電気的接続端子に電気的接続
を得ることができる構成としたものである。

【０００９】また、前記設備構造部材に内設された導電
体を複数個のアクチュエータなどの機器の共通配線と
し、設備の制御盤の指令に基づいて各アクチュエータの
スイッチングを行い、かつ共通配線の電源などを各アク
チュエータに分配することのできる動力スイッチング回
路を各機能ユニットに配設したものである。

【００１０】

【作用】上記設備構造部材によれば、設備内の空間を必
要とせずに設備構造部材の占める空間をつかって設備内
の配線を施すことができるので、省スペース化を図れ
る。

【００１１】また、上記設備内配線装置において、制御
盤の指令に基づいて、共通配線から得られた電源などを
機能ユニット内で各アクチュエータなどに分配し、かつ
スイッチングするため、設備構造部材に内蔵されている
導電体を共通配線として用いることによって、各アクチ
ュエータに対応した個別配線の長さを低減して共通配線
部を長くすることができ、全体の配線量の低減をするこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図４に基づ
いて説明する。図１において、２０（２０Ａ，２０Ｂ，
・・・２０Ｎ）はそれぞれ設備を構成する機能ユニット
であり、各機能ユニット２０は、複数個のアクチュエー
タ２１と、複数個の入出力機器２２と、光入出力モジュ
ール２３と、この光入出力モジュール２３からの信号に
基づいて各アクチュエータ２１への電源の分配とスイッ
チングをつかさどる動力スイッチ回路２４とを備えてい
る。ここで、光入出力モジュール２３は制御ユニット２
５の入出力コントローラ２６との光信号の送受信を光ケ
ーブル２７を介して行う。また、２８は設備の電源盤、
２９は設備の制御盤である。また、３０は後述する設備
構造部材、３１ａおよび３１ｂは設備構造部材３０に内
蔵されている導電体に対して電気的接続を得るための電
気的接続端子、３２ａおよび３２ｂは動力線群および動
力配線群である。

【００１３】以上の構成において、その働きを説明する
と、１次電源から供給された電源は制御ユニット２５の
電源盤２８に供給され、その内部において電圧調整や整
流、分配などを行う。つまり、電源盤２８から、設備
（制御ユニット２５）の制御盤２９や入出力コントロー
ラ２６、および各機能ユニット２０にそれぞれに適した
電源が供給される。各機能ユニット２０においては、制
御盤２９の指令出力が入出力コントローラ２６を介して
光ケーブル２７により伝送され、光信号に含まれている
多重信号は光入出力モジュール２３により各アクチュエ
ータ２１ごとの指令として電気信号の形で取り出されて
動力スイッチ回路２４に接続される。動力スイッチ回路
２４は、指令に基づいて動力電源を各アクチュエータ２
１に対して分配するとともに各アクチュエータ２１のス
イッチングを制御する。この動力スイッチ回路２４は、
その内部にソリッドステートリレーなどを用いた単純な
もので良い（図示せず）。入出力機器２２からの信号の
入力は光入出力モジュール２３に対して行われ、光入出
力モジュール２３により光多重信号として他の機能ユニ
ット（ユニット２０Ｂ・・・ユニット２０Ｎ）へ接続さ
れる。

【００１４】電源盤２８から供給される動力電源は比較
的短い動力線群３２ａを用いて設備構造部材３０と接続
され、この設備構造部材３０を介したのち、各機能ユニ
ット２０と比較的短い動力配線群３２ｂによって接続さ
れて供給される。

【００１５】設備構造部材３０は図２に示すような構成
とされている。すなわち、設備構造体３３と絶縁体３４
と複数の導電体３５とによって構成され、内蔵された導
電体３５の周囲には絶縁体３４が設けられて、導電体３
５同士が互いに導通しないようになっており、さらにこ
の絶縁体３４が設備構造体３３に内設されている。な
お、ここでは導電体３５の周囲に配する絶縁体３４を共
通に設けたが、絶縁体を各導電体３５ごとに設けてもよ
い。さらに、設備構造体３３と絶縁体３４を別体とした
が、設備構造体を絶縁体で兼ねる構成としてもよい。

【００１６】例えば設備構造部材３０に内蔵された導電
体３５ａ〜３５ｃを用いて配線をするとき、設備構造部
材３０の一端にあって、導電体３５ａ〜３５ｃに対応す
る電気的接続端子穴３６ａ、３６ｂ、３６ｃに後述する
電気的接続端子３１を差し込み、電源盤２８からの電源
を接続する。設備構造部材３０のもう一方の端部あるい
は任意の位置において、機能ユニット２０に対する電源
供給を行うための電源の接続は、同様に電気的接続端子
２２を用いてそれぞれ対応する電源線との電気的接続を
得る。

【００１７】図３は、板金部品に代表されるような板状
の設備構造部材４０の場合を表しており、導電体４１を
内蔵した絶縁体４２が板状になって、同じく板状の設備
構造体４３の一面に張りつけられた構成となっている。
それぞれの導電体４１にはそれぞれに対応する電気的接
続端子穴４４が設けられており任意の位置で電気的接続
が得られるようになっている。

【００１８】図４の（ａ），（ｂ）は電気的接続端子３
１を用いて設備構造部材３０に内蔵された導電体３５と
の接続の様子を表わす断面図である。図４の（ａ），
（ｂ）に示すように、電気的接続端子３１は、接触子４
５と、この接触子４５に接続された引出し線４６と、絶
縁体からなる絶縁嵌合部４７とから構成されている。

【００１９】電気的接続端子３１の絶縁嵌合部４７を設
備構造部材３０の電気的接続端子穴３６に差し込むと、
接触子４５が導電体３５に接触して電気的接続ができ
る。なお、ここでは電気的接続端子３１の接触子４５は
導電体３５に単に接触する構成としたが、導電体に穴を
設けて嵌合させる構成としたり、導体線を挟み込む構成
でもよい。また、導電体の断面形状は任意の形状でよ
い。

【００２０】上記構成により、設備構造部材３０，４０
に導電体３５，４１を内蔵する構成とし、かつ、任意の
位置で導電体３５，４１と電気的接続端子３１とが電気
的接続が得られるように構成にしているので、設備内の
空間を必要とせずに設備構造部材３０，４０の占める空
間を使って設備内の配線を施すことができる。

【００２１】また、制御盤２９の指令に基づいて、共通
配線から得られた電源などを機能ユニット２０内で各ア
クチュエータ２１などに分配してスイッチングするた
め、設備構造部材３０，４０に内蔵されている導電体３
５，４１を共通配線として用いることによって、各アク
チュエータ２１に対応した個別配線の長さを低減し、共
通配線部を長くすることができ、全体の配線量の低減を
することができる。

【００２２】また、設備構造体の材質として導電材料を
使用し、この設備構造体をグランド線に接続してもよ
く、これによれば、設備構造体の導電体に対する電気的
ノイズを防止することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の設備構造
部材によれば、設備構造部材に導電体を内蔵する構成と
し、かつ、任意の位置で前記導電体と電気的接続が得ら
れるように電気的接続端子を適当な間隔で設けることが
できる構成にしているので、設備内の空間を必要とせず
に設備構造部材の占める空間を使って設備内の配線を施
すことができ、省スペース化を図れる。

【００２４】また、設備制御盤の指令に基づいて、共通
配線から得られた電源などを機能ユニット内で各アクチ
ュエータなどに分配し、かつスイッチング動作させて、
設備構造部材に内蔵されている導電体を共通配線として
用いることによって、各アクチュエータに対応した個別
配線の長さを低減し、共通配線部を長くすることがで
き、全体の配線量の低減をすることができる。

【００２５】また、設備内の配線量の低減は設備内空間
の確保にもつながり、電気配線のメンテナンス性の向上
にもつながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である設備構造部材を用いた
設備内配線装置を示す図

【図２】同設備構造部材の構成を示す斜視図

【図３】同設備構造部材の他の実施例を示す斜視図

【図４】（ａ）は同設備内配線装置の設備構造部材から
電気的接続を得る様子を示す断面図 （ｂ）は同設備内配線装置の電気的接続端子の斜視図

【図５】従来の設備内配線装置を示す図

【図６】従来の設備内配線装置を示す図

【符号の説明】

２０Ａ〜２０Ｃ 機能ユニット ２１ アクチェータ ２２ 入出力機器 ２４ 動力スイッチ回路 ２５ 制御ユニット ２８ 電源盤 ２９ 制御盤 ３０，４０ 設備構造部材 ３１ 電気的接続端子 ３２ａ 動力線群 ３２ｂ 動力配線群 ３３，４３ 設備構造体 ３４，４２ 絶縁体 ３５，３５ａ〜３５ｃ，４１ 導電体 ３６，３６ａ〜３６ｃ，４４ 電気的接続端子穴 ４５ 接触子 ４６ 引出し線 ４７ 絶縁嵌合部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 設備を構成する設備構造体の内部に、絶
   縁被覆されてそれぞれが独立した電気回路を構成する導
   電体を配設し、この導電体から電気的接続を得られるよ
   うに前記設備構造体に適当な間隔をあけて前記導電体ま
   で貫通する電気的接続端子穴を設け、前記導電体に電気
   的接続を得るための接触子とこの接触子に接続されて外
   部に引き出すための引出し線とこれら引出し線および接
   触子を内蔵して外部との電気的絶縁を行う絶縁嵌合部と
   を有する電気的接続端子を前記電気的接続端子穴に対し
   て挿脱自在に設け、前記導電体から、前記電気的接続端
   子穴に挿入した前記電気的接続端子を介して電気的接続
   を得る構成とした設備構造部材。
2. 【請求項２】 請求項１記載の設備構造部材を用い、こ
   の設備構造部材に内蔵された導電体を複数の機器の共通
   の配線とし、設備に設けられた制御盤の指令信号に基づ
   いて機能ユニットの各アクチュエータのスイッチングを
   行って共通配線の電源を各アクチュエータに分配する動
   力スイッチング回路を機能ユニットに配設した設備内配
   線装置。
3. 【請求項３】 設備構造体の材質として導電材料を使用
   し、この設備構造体をグランド線に接続した請求項１記
   載の設備構造部材。