JPH0660710U - オイルフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械加工を低減してコスト減を行うとともに
金属素材を少なくしたデュアルタイプのオイルフィルタ
のバイパス通路を提供する。 【構成】 ケーシング１６の一端壁をなすベースプレー
ト１７に各エレメントの外周側と連通する入口孔２０を
形成し、入口ポート３３、バイパス出口ポート３１およ
びフルフロー出口ポート３０を備えたベースブロック１
２をベースプレートの上部に配置し、ベースブロック１
２に螺着した筒状部２５をその中央孔に螺合し、筒状部
１７の内周に固着嵌合した連結管２６の先端部を、ケー
シング１６の軸心に沿って配設されその先端部がフルフ
ローエレメント３５の内周側に連通された軸管１４の基
端部に油密に嵌合し、筒状部２５および連結管２６によ
ってフルフロー通路１５を形成し、筒状部２５と連結管
２６との嵌合面に沿ってバイパス通路１３を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバイパスエレメントとフルフローエレメントがオイルフィルタ内に組 み込まれたデュアルタイプのオイルフィルタに係り、特にベースブロックのバイ パス連通孔を改善したオイルフィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

第５図に示す如く目が粗いフルフローエレメント１と目が細かいバイパスエレ メント２とを備えたいわゆるデュアルタイプのオイルフィルタ３にあっては、大 部分のオイルをフルフローエレメント１で濾過した後エンジン各部に供給すると ともに、少量のオイルをバイパスエレメント２で濾過した後オイルパンに戻すよ うにしている。

【０００３】 このようにエレメント１、２の内側から２種類のオイルを別々に取出すため、 従来のオイルフィルタ３は素材の金属から全て削り出しで製作されたオイル取出 管４と軸管５を具備し、バイパスエレメント２を通過したバイパスオイルをオイ ル取出管４の脇路４ａを通してベースブロック６のバイパス出口ポート７から取 出す一方、フルフローエレメント１を通過したフルフローオイルをオイル取出管 ４の内部と軸管５とを通してベースブロック６のフルフロー出口ポート８から取 出ていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の如くオイル取出管４を用いると、オイルフィルタの全て の構成部分を素材の金属から機械加工によって製作する必要があるため、加工時 間を多く要しコスト高となっていた。

【０００５】 本考案は前記課題を有効に解決すべく創案するに至ったものであって、その目 的は機械加工を低減してコスト減を行うとともに金属素材を少なくすることにあ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、筒状のケーシング内に筒状のバイパスエレ メントおよびフルフローエレメントが同軸上に配置され、前記バイパスエレメン トおよびフルフローエレメントの外周側に供給された潤滑後のオイルを前記各エ レメントを通過させて濾過するとともに、濾過後のオイルを前記各エレメントの 内周側に別々に通過させるバイパス通路およびフルフロー通路を通じて取り出す ようにしたオイルフルタにおいて、前記ケーシングの一端壁をなすベースプレー トの中央部には、前記バイパスエレメントの内周側に臨んだ中央孔の周囲に前記 各エレメントの外周側と連通する入口孔を形成し、前記ベースプレートの上部に は、前記入口孔に連通した入口ポート、前記バイパス通路に出口をなすバイパス 出口ポートおよび前記フルフロー通路の出口をなすフルフロー出口ポートをそれ ぞれ具備したベースブロックを配置し、前記ベースブロックに螺着した筒状部を 前記ベースプレートの中央孔に螺合し、前記筒状部の内周に固着嵌合した連結管 の先端部を、前記ケーシングの軸心に沿って配設されその先端部が前記フルフロ ーエレメントの内周側に連通された軸管の基端部に油密に嵌合し、前記筒状部お よび連結管によって前記フルフロー通路を形成し、前記筒状部と連結管との嵌合 面に沿って前記バイパス通路を形成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

前記の如く構成したオイルフィルタにおいては、バイパスエレメントを通過し たバイパスオイルはベースブロックに螺着した筒状部と連結管との嵌合面に形成 したバイパス通路を通して取出される一方、フルフローエレメントを通過したフ ルフローオイルは軸管および筒状管を通して取出され、このように素材の金属か ら全て削り出した従来のオイル取出管を使わずに二種類のオイルを取出している のでその分だけ機械加工が少なくてすみ、コストを低減することができるととも に金属素材が少なくなる。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の実施例について添付図面を参考にして説明する。第１図はこの 考案に係るオイルフィルタ１１の上端部を示したものである。このオイルフィル タ１１は従来例と同様にデュアルタイプのものであって、フルフローエレメント やバイパスエレメントの配置構造は第３図に示すものと基本的に同じである。バ イパスエレメント２２を通過したバイパスオイルはベースブロック１２のバイパ ス出口ポート３１を通って取出される。また、フルフローエレメント３５を通過 したフルフローオイルは軸管１４からフルフロー通路１５を通って取出される。 以下各部の構造を詳細に説明する。

【０００９】 竪形円筒形をなすケーシング１６の上端部にはリング状の固定板１６ａが配置 されている。この固定板１６ａの外周縁はケーシング１６の胴部１６ｂの上端縁 とヘミングプレスにて油蜜に結合されている。固定板１６ａの下側にはベースプ レート１７が配置されている。このベースプレート１７はケーシング１６の直径 とほぼ等しい円形をなし、その中央に雌ねじ部１８を刻設した中央孔１９が形成 され、さらにこの中央孔１９の周囲には複数の入口孔２０が形成されている。ベ ースプレート１７の下側にはリング状の逆止弁２１を介してバイパスエレメント ２２が配置されている。このバイパスエレメント２２の上端板２３の内周部は上 方へ向かって凸部２３ａをなし、この凸部２３ａの上端が逆止弁２１の下面に油 蜜に圧着されている。

【００１０】 ケーシング１６の固定板１６ａの上にはシールリング２４を介してベースブロ ック１２が配置されている。このベースブロック１２は鋳物製で一体に構成され ている。ベースブロック１２の中心孔１２ａには円筒部２５が螺着されており軸 心の延長方向に延びている。この円筒部２５の外周面には雄ねじ部２７が形成さ れ、この雄ねじ部２７がベースプレート１７の雌ねじ部１８に螺合されている。 円筒部２５の内部には、第２図（ａ）に示すように凹部２６ａを設けた連結管２ ６が円周の一部に固着され、円筒部２５の下端から突出２６ｂして軸管１４の上 端にパッキン１４ａを介して油蜜に挿入されている。この軸管１４の下端はバイ バスエレメント２２とフルフローエレメント３５を分離する分離リング２８とバ イバスエレメント２２の下端板２９に接続されている。

【００１１】 ベースブロック１２の連結管２６の内部にはフルフロー通路１５が形成されて いる。このフルフロー通路１５の下端は軸管１４に連通し、上端はフルフロー出 口ポート３０に連通している。円筒部２５内面には前記フルフロー通路１５と平 行をなす凹部２６ａによってバイパス通路１３が形成されている。このバイパス 通路１３の下端はバイパスエレメント２２の内周側に臨んで開口している。バイ パス通路１３の上端は第２図（ｂ）に示すように水平凹部２６ｂが設けられてお り、円筒部２５の上方の水平孔２５ａに連通して、バイパス出口ポート３１へ連 絡している。

【００１２】 ベースブロック１２に螺着した円筒部２５の周囲にはＬ字状をなす外周溝３２ が形成されており、この外周溝３２はベースプレート１７の入口孔２０と入口ポ ート３３とを連通している。

【００１３】 オイルフィルタ１１は上述の如く構成され、エンジン各部を潤滑した後のオイ ルは入口ポート３３から外周溝３２に入り、ベースプレート１７の入口孔２０を 通ってバイパスエレメント２２およびフルフローエレメント３５の外周側に回り 込み、その後各エレメントを別々に通過して濾過され、バイパスオイルはバイパ ス通路１３を通って出口ポート３１からオイルパンへ戻され、フルフローオイル は軸管１４およびフルフロー通路１５を通ってフルフロー出口ポート３０から再 びエンジン各部へ送られる。

【００１４】 本考案に係るオイルフィルタ１１は従来のように全てを機械加工したオイル取 出管を使わずに二種類のオイルを別々に取出しているので機械加工の工数が少な くコスト減となる。

【００１５】 第４図は他の実施例を示し、この実施例では円筒管２５の円周内部の一部に凹 部２５ａを軸心方向に設け、上方の水平孔２５ｂを加工して円筒管２５の内部に 連結管２６が固着されている。このような構成とすることにより、前述の効果に 加え、バイパス通路１３の流れがスムーズとなる流路とすることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、ベースブロックの円筒部および連結管内に形成したフルフロ ー通路を直接軸管の端部に連通し、前記円筒部内部に連結部を嵌合固着して嵌合 面に形成したバイパス通路を直接バイパスエレメントの内周側に連通しているの で、従来のように全てを機械加工したオイル取出管を使わずに二種類のオイルを 別々に取出すことができ、機械加工の工数が少なくコスト減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の好適な実施例に係るオイルフィルタ
の一部断面図である。

【図２】（ａ）図１に示された円筒管と連結管の断面図
である。 （ｂ）図１の連結管の一部外面図である。

【図３】他の実施例の係るオイルフィルタの一部断面図
である。

【図４】図４に示された円筒管と連結管の断面図であ
る。

【図５】従来のオイルフィルタの断面図である。

【符号の説明】

１２ ベースブロック １３ バイパス通路 １４ 軸管 １５ フルフロー通路 １６ ケーシング ２０ 入口孔 ２２ バイパスエレメント ２５ 円筒部 ２６ 連結管 ２６ａ 凹部 ３５ フルフローエレメント

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状のケーシング内に筒状のバイパスエ
   レメントおよびフルフローエレメントが同軸上に配置さ
   れ、前記バイパスエレメントおよびフルフローエレメン
   トの外周側に供給された潤滑後のオイルを前記各エレメ
   ントを通過させて濾過するとともに、濾過後のオイルを
   前記各エレメントの内周側に別々に通過させるバイパス
   通路およびフルフロー通路を通じて取り出すようにした
   オイルフルタにおいて、 前記ケーシングの一端壁をなすベースプレートの中央部
   には、前記バイパスエレメントの内周側に臨んだ中央孔
   の周囲に前記各エレメントの外周側と連通する入口孔を
   形成し、前記ベースプレートの上部には、前記入口孔に
   連通した入口ポート、前記バイパス通路に出口をなすバ
   イパス出口ポートおよび前記フルフロー通路の出口をな
   すフルフロー出口ポートをそれぞれ具備したベースブロ
   ックを配置し、前記ベースブロックに螺着した筒状部を
   前記ベースプレートの中央孔に螺合し、前記筒状部の内
   周に固着嵌合した連結管の先端部を、前記ケーシングの
   軸心に沿って配設されその先端部が前記フルフローエレ
   メントの内周側に連通された軸管の基端部に油密に嵌合
   し、前記筒状部および連結管によって前記フルフロー通
   路を形成し、前記筒状部と連結管との嵌合面に沿って前
   記バイパス通路を形成したことを特徴とするオイルフィ
   ルタ。