JPH0660364B2 - ビスマスを含有する耐食性ジルコニウム合金 - Google Patents

ビスマスを含有する耐食性ジルコニウム合金

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JPH0660364B2
JPH0660364B2 JP63098491A JP9849188A JPH0660364B2 JP H0660364 B2 JPH0660364 B2 JP H0660364B2 JP 63098491 A JP63098491 A JP 63098491A JP 9849188 A JP9849188 A JP 9849188A JP H0660364 B2 JPH0660364 B2 JP H0660364B2
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C16/00Alloys based on zirconium

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (1) 発明の分野 本発明は原子炉用途のために使用するのに適したジルコ
ニウム基合金に関するものであって、更に詳しく言え
ば、燃料要素の被覆材として使用するのに適したジルコ
ニウム基合金に関する。
(2) 関連技術の説明 ジルコニウム基合金は、原子炉内における燃料要素の被
覆材として以前から使用されてきた。熱中性子断面積が
小さいと同時に、沸騰水型原子炉環境中における耐食性
がほぼ満足すべきレベルにあるという点で、ジルコニウ
ムは望ましい組合せの性質を有している。Zr-Sn-N
i-Fe-Cr合金であるジルカロイ−2は原子炉用途に
おいて従来広く使用され、そして現在でも使われ続けて
いる。この合金は原子炉用途にとって十分な性能を示す
ものであるが、同時に幾つかの欠点をも有している。そ
れらの欠点に刺激されて、性能の改善をもたらすような
材料を見出すための研究あ行われてきた。そのような研
究の結果として開発された合金の1種がジルカロイ−4
である。基本的には、この合金はジルカイロ−2型の合
金からニッケルを最大0.007(重量)%にまで除去した
ものである。なお、ジルカロイ−2に体する改良合金と
して開発されたジルカロイ−4は、高温下で水素を吸収
した後に常温まで冷却された場合(たとえば、原子炉の
運転が停止された場合)においてジルカロイ−2の脆化
を引起こす水素化の問題を軽減することを目的とするも
のであった。
ジルカロイ合金は、核***反応に由来する放射線の存在
しない水中において原子炉運転温度(約290℃)の下
で試験した場合には最良の耐食性材料である。このよう
な条件下における腐食速度は極めて小さく、かつ腐食生
成物は強固に密着した均一な黒色ZrO2層である。し
かるに、実際の使用時におけるジルカロイ合金は、照射
を受けるばかりでなく、原子炉用水中に存在する放射線
分解生成物にも暴露される。このような条件下では、ジ
ルカロイ合金の耐食性は低下し、そしてそれの腐食速度
は増大するのである。
ジルコニウム基合金の耐食性を改善することに向けられ
た研究努力は、幾つかの成果を生み出した。ある場合に
は、材料の製造前または製造後において綿密に管理され
た熱処理を合金に施すことによって耐食性を向上させる
ことができた。しかしながら、熱処理サイクルの追加は
一般に完成製品を得るための費用を増加させる。また、
据付けに際して溶接を行うことが必要とされる場合に
は、溶接作業の熱によって影響を受けた部位が製品の残
部と異なった耐食性を有する可能性も生じる。更にま
た、かかる合金の耐食性の低下を解決しようとする努力
の中で、合金元素の種類や合金元素の割合を変化させる
ことも提唱された。
実際の原子炉条件下におけるジルカロイ合金の耐食性の
低下は、腐食速度の一様な増大として現われるだけでは
ない。詳しく述べれば、黒色ZrO層の形成に加え
て、局部的または結節状の腐食現象の発生が特に沸騰水
型原子炉(BWR)において認められている。このよう
な結節状の腐食反応は、腐食速度を増大させるばかりで
なく、黒色ZrO2層よりも密着性が悪くかつ密度が小
さい白色のZrO2ブレームを生成するという点で極め
て望ましくない。
結節状の腐食反応がもたらす腐食速度の増大は、被覆管
の実用寿命を短縮する傾向がある。また、かかる結節状
の腐食反応は原子炉の効率的な運転に対して有害な影響
を及ぼす。密着性の悪い白色のZrO2は、管から剥が
れ落ちて原子炉用水中に混入し易い。他方、結節状の腐
食生成物が剥がれ落ちないにしても、結節状の腐食生成
物が増殖して密度の小さい白色のZrO2が管の全部ま
たは大部分を覆った場合には、管を通して熱が水中に伝
達される効率は低下する。
原子炉内において起こる照射を模擬する目的で放射線源
を使用することは不可能であるから、通常の実験研究の
ために実際の原子炉条件を再現することは容易でない。
その上、原子炉内における実際の使用によってデータを
得ることは極めて長い時間のかかる作業である。このよ
うな理由により、結節状の腐食をもたらす正確な腐食機
序を説明する決定的な証拠はこれまで得られていなかっ
た。その結果、他種の合金が結節状腐食を受け易いかど
うかを確めるためには、該合金から作製された試験片を
実際に原子炉内に配置してみる以外にほとんど方法がな
かったのである。
(放射線を存在を除き)原子炉内において通例見られる
条件、すなわち約300℃および1000psigの条件下
で水中において実験室内試験を行った場合、原子炉内で
実際に使用されたジルカロイ合金上に見られるような結
節状の腐食生成物はジルカロイ合金上に生成しない。し
かるに、500℃以上に上昇させた温度および1500
psigにまで上昇させた圧力の下で蒸気に暴露すると、原
子炉内において使用されたジルカロイ合金上に見られる
ような結節状の腐食生成物を実験室内試験によってジル
カロイ合金上に生成させることができる。特に、750
℃で48時間にわたる焼なましを施したジルカロイ合金
の試験片はかかる試験条件下で結節状腐食を受け易い。
すなわち、上記のごとき焼なましを施したジルカロイ合
金の試験片を比較的短い時間(すなわち24時間)にわ
たって試験した場合には、原子炉内において実際に使用
したジルカロイ合金製の被覆管が受けるのと同等な結節
状腐食が生じるのである。このように高い温度および圧
力の下では原子炉内環境を模擬することができるわけ
で、それによって研究者は新しい合金の結節状腐食に対
する感受性を判定することが可能となる。このような試
験の結果は、一般に、同じ条件下でジルカロイ合金の試
験片を試験して得られた結果と比較することができる。
ジルカロイ合金に対する代替物として有用と考えられる
新規な合金は、結節状腐食に対してジルカロイ合金より
も低い感受性を有する必要があるばかりでなく、十分な
実用寿命を確保するために満足すべき均一腐食速度を保
持していなければならない。
本発明の主たる目的は、原子炉環境中における耐食性の
向上した1群の合金を提供することにある。
また、綿密に管理された熱処理に依存しない耐食性を有
するような1群の合金を提供することも本発明の重要な
目的である。
発明の要約 本発明は、好適な実施の一態様に従えば、約0.5〜2.5
(重量)%のビスマス、約0.5〜1.0(重量)%の溶質、
および残部のジルコニウムから成っていて、該溶質がモ
リブデン、ニオブ、テルルまたはそれらの混合物から成
るようなジルコニウム基合金に関するものである。
別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約0.〜
2.5(重量)%のビスマス、約0.3〜1.0(重量)%の溶
質、および残部のジルコニウムから成っていて、該溶質
はテルルから成る。
別の好適な実施の態様に従えば、ビスマスの含量は合金
全体の約0.7〜2.0(重量)%の範囲内にある。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.5〜2.5(重量)%のスズ−ビスマス混合物、約0.5〜
1.0(重量)%の溶質、および残部のジルコニウムから成
っていて、該溶質はモリブデン、ニオブ、テルルまたは
それらの混合物から成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.5〜2.5(重量)%のスズ−ビスマス混合物、溶質、お
よび残部のジルコニウムから成っていて、該溶質はテル
ルから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、スズ−ビスマス混
合物の含量は2.0〜2.2(重量)%の範囲内にある。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は0.
09〜0.16(重量)%の酸素を追加含有する。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.7〜2.0(重量)%のビスマス、実質的に1.0(重量)%
の溶質、および残部のジルコニウムから成っていて、該
溶質は実質的に0.5(重量)%のニオブおよび実質的に0.
5(重量)%をモリブデンから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.7〜2.0(重量)%のビスマス、実質的に0.6(重量)%
の溶質、および残部のジルコニウムから成っていて、該
溶質は実質的に0.3(重量)%のニオブおよび実質的に0.
3(重量)%のモリブデンから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.7〜2.0(重量)%のビスマス、実質的に0.6(重量)%
の溶質、および残部のジルコニウムから成っていて、該
溶質は実質的に0.3(重量)%のニオブおよび実質的に0.
3(重量)%のテルルから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
0.7〜2.0(重量)%のビスマス、実質的に0.6(重量)%
の溶質、および残部のジルコニウムから成っていて、該
溶質は実質的に0.2(重量)%ずつのモリブデン、テルル
およびニオブから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
2.0〜2.2(重量)%のスズ−ビスマス混合物、実質的に
0.6(重量)%の溶質、および残部のジルコニウムから成
っていて、該溶質は実質的に0.3(重量)%のニオブおよ
び実質的に0.3(重量)%6のモリブデンから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
2.0〜2.2(重量)%のスズ−ビスマス混合物、実質的に
0.6(重量)%の溶質、および残部のジルコニウムから成
っていて、該溶質は実質的に0.3(重量)%のニオブおよ
び実質的に0.3(重量)%のテルルから成る。
更に別の好適な実施の態様に従えば、本発明の合金は約
2.0〜2.2(重量)%のスズ−ビスマス混合物、および残
部のジルコニウムから成っていて、該溶質は実質的に0.
3(重量)%ずつのモリブデン、テルルおよびニオブから
成る。
これらの合金は、水および蒸気を用いた試験に際して満
足すべき均一腐食速度を保持しながら、高い圧力および
温度下での蒸気暴露試験に際して結節状腐食抵抗性の向
上を示すものである。
発明の詳細な説明 本発明の合金は、原子炉用途にとって十分と考えられる
均一腐食抵抗性を示す。本発明の合金はまた、結節状腐
食抵抗性の向上をも示す。
沸騰水型原子炉内において燃料被覆材として使用するた
めのジルコニウム基合金に添加すべき合金元素を選択す
る際には、幾つかのパラメータを考慮する必要がある。
核***反応の生成物が燃料被覆材を容易に通過し、それ
によって沸騰水型原子炉の運転効率ができるだけ高くな
るようにするため、該合金元素の熱中性子断面積は比較
的小さくなければならない。材料の価格を考慮に入れる
ことも必要であって、それは不当に高いものであっては
ならない。また、該合金元素を含有するジルコニウム基
合金の製造の難易度も考慮する必要がある。更にまた、
該合金元素が実際の沸騰水型原子炉条件またはそれの模
擬条件下においてジルコニウムの耐食性を向上させるこ
とも望まれる。
かつて原子炉用途のために検討されたことがある元素な
らば、該元素の熱中性子断面積は一般に既知の特性であ
る。材料の価格は、歴史的な価格データを考慮し、また
必要に応じ外挿を行うことによって確認することができ
る。本発明合金の製造方法は通常のジルコニウム基合金
製造方法と同様であり、従って製造の容易さは簡単に予
測することができる。好適な合金製造製造方法として
は、ジルコニウムビレットの中空部分内に適量の合金元
素を封入したものをアーク融解する方法が挙げられる。
こうして得られた溶融金属を合金ビレットとして鋳造し
た後、それに仕上操作を施すことによって最終の成形品
が得られる。
一般に、これらのパラメータの内で予測の最も難しいも
のは、問題の合金元素が耐食性の向上に寄与するどうか
の判定である。
ジルコニウムに対するスズの添加は、ジルカロイおよび
その他公知のジルコニウム基合金によって実証されるご
とく、本発明以前にも実行されてきた。スズの存在はα
型のジルコニウムを安定化し、それにより主として合金
の強度に寄与するが、均一腐食抵抗性もスズによって多
少向上する。
やはりジルコニウムに対するα安定剤であるビスマスに
は、これまで原子力材料業界はほとんど注意を払わなか
った。このたび本発明により、ジルコニウム基合金中に
ビスマスまたはビスマスとスズとの混合物を使用した場
合には2つの利点が得られることが見出された。第一
に、ビスマスは極めて小さい熱中性子断面積を有するも
のであって、その値はジルコニウムやスズと比べても小
さく、またジルコニウム基合金中に通例使用されるその
他の元素の大部分と比べても遥かに小さい。
ジルコニウム基合金中にビスマスを含有させた場合に得
られるもう1つの利点は、ビスマスの存在が結節状腐食
抵抗性の向上をもたらすことである。本発明を完成する
過程において行われた腐食試験によれば、ビスマス(ま
たはスズ−ビスマス混合物)のみを添加したジルコニウ
ムにおいても、結節状腐食に対して十分な防御の得られ
ることが判明したのである。
本発明によれば、ジルコニウム−ビスマス合金およびジ
ルコニウム−スズ−ビスマス合金にその他特定の合金元
素を添加すると、結節状腐食抵抗性の向上を示すばかり
でなく、満足すべき均一腐食速度を有するような合金の
得られることが見出された。更に詳しく述べれば、約0.
5〜2.5(重量)%のビスマスまたは約0.5〜2.5(重
量)%のスズ−ビスマス混合物を含有するジルコニウム
基合金に対し、ニオブ、テルルおよびモリブデンの中か
ら選ばれた1種以上の元素(これらは本明細書中におい
て「溶質」と総称される)を約0.5〜1.0(重量)%[テ
ルルのみを使用する場合には約0.3〜1.0(重量)%]の
割合で添加すれば、ジルカロイ−2に比べて結節状腐食
抵抗性の実質的な向上を示す合金が得られるのである。
このような範囲内の組成を有する合金は結節状腐食抵抗
性の向上を示すばかりでなく、前述のごときその他の望
ましい特性(すなわち、小さい熱中性子断面積、適度の
価格、および合金製造の容易さ)をも有している。これ
らの合金はまた、スポンジ・ジルコニウムおよびジルコ
ニウム基合金中に見出される通常の不純物をも含有して
いる。
本発明の合金はまた、上記のごとき元素および通常の不
純物に加え、所望に応じて約0.09〜0.16(重量)%の
酸素をも含有し得る点に留意されたい。本発明の合金の
ごときジルコニウム基合金を製造するために使用される
市販のスポンジ・ジルコニウムの多くは少量の酸素を含
有しているが、その量は概して800〜1300ppm 程
度である。場合によっては、合金中の酸素含量を増加さ
せるのが望ましいこともある。酸素の増加は、室温降伏
強さを向上させる方法の1つである。このように、本発
明の合金は所望に応じ酸素を追加しながら製造すること
ができるが、酸素の追加は合金の耐食性にほとんどもし
くは全く影響を及ぼさない。
本発明に基づく各種の合金に関し、均一腐食抵抗性およ
び結節状腐食抵抗性の試験を行った。これらの試験の結
果、熱処理に対する感受性の比較的低い合金において、
ジルカロイ−2の場合とほぼ同じ均一腐食抵抗性を保持
しながら、結節状腐食に対する感受性の劇的な低下を達
成し得ることが判明した。
本発明の合金中においては、溶質を構成する合金元素は
合金全体の約0.6〜0.7(重量)%の総合含量の下で最も
有効であるように思われる。なお、約0.3(重量)%(テ
ルルのみを使用した場合)から約1.0(重量)%までの範
囲内の溶質含量を有する合金について試験を行ったが、
それらはジリカロイ−2の性能に比べて優れた結節状腐
食抵抗性を示すことが判明した。
第1表中には、3種の相異なる熱処理状態にあるジルカ
ロイ−2から成る最後の3つの合金と共に、α安定剤と
してビスマスのみを使用した数種の合金およびα安定剤
としてスズ−ビスマス混合物を使用した1種の合金が示
されている。均一腐食抵抗性を評価するため、(放射線
源を除いた)原子炉運転条件と同等な条件、すなわち2
88℃の温度および1500psigの圧力を使用しながら
8ppm の酸素を含有する水中において上記の合金を試験
した。
この表中に示された結果からわかる通り、本発明の合金
は十分な均一腐食抵抗性を示した。これらの合金の一部
については、ジルカロイ−2の性能と同等もしくはそれ
よりも優れた性能が得られた。このような条件下での試
験においては、いずれの試験片も結節不足生成物の形跡
を示さなかった。
第2表中には、本発明に従ってジルコニウム、ビスマス
および溶質を含有する合金の結節状腐食に対する感受性
を判定するために行った試験の結果が示されている。こ
の場合には、鋳放しの試験片を使用しながら、特に熱処
理を施さない場合と750℃で48時間にわたる焼なま
しを施した場合との両方について試験を行った。この熱
処理は、前述の通り、蒸気を用いた実験室内試験に際し
てジルカロイ合金から結節状腐食抵抗性を奪い去るよる
なものである。更にまた、ボタン状鋳塊を0.1インチの
厚さに冷間圧延して成る試験片を使用しながら、750
℃で48時間の熱処理を施した場合と920℃で3時間
の熱処理を施した場合とについても試験を行った。
第3表中には、本発明に従ってジルコニウム、スズ−ビ
スマス混合物および溶質を含有する合金の結節状腐食に
対する感受性を判定するために行った試験の結果が示さ
れている。これらの試験においては、板状(厚さ0.1イ
ンチ)の試験片が使用された。なお、冷間加工状態(す
なわち、圧延操作後に熱処理を施さない場合)と焼なま
し状態(すなわち、圧延操作後に750℃で48時間に
わたる焼なましを施した場合)との両方について試験を
行った。
第2および3表中に示された試験に際して使用した試験
条件(510℃および1500psigの条件下における蒸
気への暴露)は、原子炉内において使用されたジルカロ
イ合金上に見られるものと同じ結節状腐食生成物を(7
50℃で48時間にわたる焼なましを施した)ジルカロ
イ合金上に実験室内で生成させるような条件である。比
較のために述べれば、焼なましを施したジルカロイ合金
を同じ試験条件下で試験した場合の重量増加(表中には
示さず)は数千 mg/dm程度である。
第2および第3表中に示された結果からわかる通り、本
発明の合金が示す重量増加は焼なましを受けたジルカロ
イ合金が示す増量増加よりも遥かに菅れている。ジルカ
ロイ合金の重量増加が前述のごとく数千 mg/dmである
のに対し、本発明合金の重量増加はほとんどの場合にお
いて200 mg/dmより小さかった。その上、第2表中
において星印(*)により示した1例を除き、本発明の
合金は結節状腐食生成物の形跡を示さなかった。
やはり第2および3表中に示された結果からわかる通
り、本発明合金の結節状腐食抵抗性は綿密に管理された
熱処理および製造条件にあまり依存しない。各々の合金
は少なくとも2種の熱処理状態および(または)製造状
態について試験したが、得られた重量増加はいずれも焼
なましを受けたジルカロイ合金の場合よりも遥かに少れ
ていた。
上記は記載されてはいないが、本発明の範囲内において
その他様々の変更態様が可能である。前記特許請求の範
囲は、そのような変更態様の全てを包括するものと解す
べきである。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5〜2.5(重量)%のビスマス、
    0.5〜1.0(重量)%の溶質、選択的に0.09〜
    0.16(重量)%の酸素、および残部のジルコニウム
    から成っていて、前記溶質がモリブデン、テルル、ニオ
    ブまたはそれらの混合物から成ることを特徴とする耐食
    性合金。
  2. 【請求項2】前記溶質の含量が実質的に0.6(重量)
    %である請求項1記載の耐食性合金。
  3. 【請求項3】ビスマスの含量が0.7〜2.0(重量)
    %の範囲内にある請求項1記載の耐食性合金。
  4. 【請求項4】ビスマスの含量が0.7〜2.0(重量)
    %の範囲内にある請求項2記載の耐食性合金。
  5. 【請求項5】前記溶質がニオブとモリブデンとから成っ
    ていて、ニオブの含量が実質的に合金全体の0.5(重
    量)%であり、かつモリブデンの含量が実質的に0.5
    (重量)%である請求項3記載の耐食性合金。
  6. 【請求項6】前記溶質がニオブとモリブデンとから成っ
    ていて、ニオブの含量が実質的に0.3(重量)%であ
    り、かつモリブデンの含量が実質的に0.3(重量)%
    である請求項4記載の耐食性合金。
  7. 【請求項7】前記溶質がニオブとテルルとから成ってい
    て、ニオブの含量が実質的に0.3(重量)%であり、
    かつテルルの含量が実質的に0.3(重量)%である請
    求項4記載の耐食性合金。
  8. 【請求項8】前記溶質がモリブデン、テルルおよびニオ
    ブから成っていて、それらの各々の含量が実質的に0.
    2(重量)%である請求項4記載の耐食性合金。
  9. 【請求項9】0.5〜2.5(重量)%のスズ−ビスマ
    ス混合物、0.5〜1.0(重量)%の溶質、選択的に
    0.09〜0.16(重量)%の酸素、および残部のジ
    ルコニウムから成っていて、前記溶質がモリブデン、テ
    ルル、ニオブまたはそれらの混合物から成ることを特徴
    とする耐食性合金。
  10. 【請求項10】前記スズ−ビスマス混合物の含量が2.
    0〜2.2(重量)%の範囲内にある請求項9記載の耐
    食性合金。
  11. 【請求項11】前記溶質の含量が実質的に0.6(重
    量)%である請求項9記載の耐食性合金。
  12. 【請求項12】前記溶質の含量が実質的に0.6(重
    量)%である請求項10記載の耐食性合金。
  13. 【請求項13】前記溶質がニオブとモリブデンとから成
    っていて、ニオブの含量が実質的に0.3(重量)%で
    あり、かつモリブデンの含量が実質的に0.3(重量)
    %である請求項12記載の耐食性合金。
  14. 【請求項14】前記溶質がニオブとテルルとから成って
    いて、ニオブの含量が実質的に0.3(重量)%であ
    り、かつテルルの含量が実質的に0.3(重量)%であ
    る請求項12記載の耐食性合金。
  15. 【請求項15】前記溶質モリブデン、テルルおよびニオ
    ブから成っていて、それらの各々の含量が実質的に0.
    2(重量)%である請求項12記載の耐食性合金。
  16. 【請求項16】0.5〜2.5(重量)%のビスマス、
    0.3〜1.0(重量)%の溶質、選択的に0.09〜
    0.16(重量)%の酸素、および残部のジルコニウム
    から成っていて、前記溶質がテルルから成ることを特徴
    とする耐食性合金。
  17. 【請求項17】ビスマスの含量が0.7〜2.0(重
    量)%の範囲内にある請求項16記載の耐食性合金。
  18. 【請求項18】0.5〜2.5重量%のスズ−ビスマス
    混合物、0.3〜1.0重量%の溶質、選択的に0.0
    9〜0.16(重量)%の酸素、および残部のジルコニ
    ウムから成っていて、前記溶質がテルルから成ることを
    特徴とする耐食性合金。
  19. 【請求項19】前記スズ−ビスマス混合物の含量が2.
    0〜2.2(重量)%の範囲内にある請求項18記載の
    耐食性合金。
JP63098491A 1987-04-23 1988-04-22 ビスマスを含有する耐食性ジルコニウム合金 Expired - Lifetime JPH0660364B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US4150887A 1987-04-23 1987-04-23
US41,508 1987-04-23

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