JPH065419A - 超電導磁石の巻枠 - Google Patents

超電導磁石の巻枠

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JPH065419A
JPH065419A JP16513192A JP16513192A JPH065419A JP H065419 A JPH065419 A JP H065419A JP 16513192 A JP16513192 A JP 16513192A JP 16513192 A JP16513192 A JP 16513192A JP H065419 A JPH065419 A JP H065419A
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diameter side
winding frame
outer diameter
superconducting
reel
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JP16513192A
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Takaaki Bono
敬昭 坊野
Yukio Yasukawa
保川  幸雄
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クエンチを防止し、しかも液体ヘリウム補充間
隔を長くできるようにする。 【構成】巻枠1を、熱収縮率の小さなステンレス鋼製の
内径側巻枠11と熱伝導率の大きいアルミニウム製の外
径側巻枠12との二重構造として、極低温に冷却された
ときに超電導コイル3の熱収縮を低減することによって
クエンチ防止に必要な内向力を確保し、超電導線30の
一部が液体ヘリウムから露出しても外径側巻枠12を熱
伝導する冷却熱によってその超電導線30に対する冷却
効果を向上することでクエンチを起こりにくくする。そ
の結果、液体ヘリウムが消費されて液面がある程度低下
しても許容することができるので液体ヘリウムの補充間
隔を長くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核磁気共鳴診断装置
の超電導磁石のような、巻枠に超電導線を巻回してなる
超電導磁石の巻枠に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石が超電導状態を維持するため
には、温度、電流、発生磁束密度がそれぞれ臨界値値よ
り小さいことが条件であり、これら臨界値はそれぞれ臨
界温度、臨界電流、臨界磁束密度と呼ばれている。温
度、電流、発生磁束密度のいずれもがそれぞれの臨界値
以下にある場合に限り超電導状態が維持され、一つでも
臨界値を越えてると超電導状態から常電導状態へと転移
してしまう、いわゆるクエンチが発生する。クエンチが
発生すると超電導磁石に蓄積されていた磁気エネルギー
は常電導状態になった超電導線の抵抗によるジュール熱
として放出され、冷媒である高価な液体ヘリウムの大量
の蒸発を引き起こす。また、前述のジュール熱のために
超電導磁石を構成する超電導線の温度が上昇し、焼損す
る恐れもある。このような理由でクエンチは超電導磁石
にとって有害なものであることがよく知られている。
【0003】クエンチ発生の原因として、磁束密度と励
磁電流との積に比例した電磁力が超電導線に生じて超電
導線が変位しその際の摩擦熱によって超電導線が加熱さ
れ臨界温度を越えてしまって局部的なクエンチが発生し
これが全超電導コイルに波及することが第1に上げられ
る。したがって、この電磁力による超電導線の変位を防
止するために、種々の対策が施されており、超電導線を
巻回する際にかける張力や超電導線を巻回して超電導コ
イルとする巻枠の構成も重要な要素である。
【0004】図5は従来の超電導磁石の断面図である。
この図において、巻枠100は円筒部101、上部のつ
ば102及び下部のつば103からなっていて、超電導
線30は図示のように円筒部101、つば102,10
3で囲まれた空間に巻回される。超電導線30には張力
をかけながら所定の層数と巻数で巻回されて超電導コイ
ル3を形成する。つば102と103との間の図の上下
方向の距離が1層の巻数を、つば101,102の半径
方向突出寸法が層数を決めることになり、超電導コイル
3の巻数はこの1層当たりの巻数と層数の積になる。
【0005】超電導線30は前述のように張力を掛けな
がら巻回されるで巻枠100を収縮させようとする図示
の内向力Ft が働く。一方、超電導磁石を励磁すると、
超電導コイル3に流れる電流によって磁束が発生し、超
電導線30ごとの磁束密度と電流との積に比例した電磁
力が個々の超電導線30に発生しその総合力としての外
向力Fe が図示のように前述の内向力Ft に対して逆向
きにかかる。
【0006】外向力Fe が、内向力Ft よりも大きくな
ると超電導線30が浮き上がることになるので不安定に
なって変位し易くなり、前述のクエンチが発生しやすく
なる。したがって、クエンチを防止するための手段の一
つとして、この内向力Ft を大きくすることがある。最
大内向力Ftmは超電導線3の引っ張り強度と巻枠100
の強度により決定される。即ち、過大な張力で軟弱な超
電導線を巻回するとこの張力による内向力Ft の殆どは
巻枠100が負担することになって巻枠100が変形
し、磁場の分布が歪み、精度の高い磁場が得られなくな
る恐れがあるなどの問題が生ずる。
【0007】巻枠100として使用できる材料は、極低
温中で所要の許容応力を確保することと非磁性体である
ことなどの条件から、銅、アルミニウムとその合金、ス
テンレス鋼及びチタンに限定される。ステンレス鋼は非
磁性鋼に限定される。実際には、強度や加工性、低価格
性からアルミニウムとステンレス鋼が多く採用される。
【0008】アルミニウムは比較的柔軟な材料であり、
これを使用した巻枠100では超電導線30の引っ張り
強度以下の巻回時張力でも巻枠100の機械強度によっ
て最大内向力Ftmが決まってしまうことから、最大内向
力Ftmは巻枠100の内径や肉厚などの寸法によって決
まる。一方、ステンレス鋼は比較的強固な材料であり、
充分強固な巻枠100の製作が容易なので、最大内向力
Ftmは超電導線30の引っ張り強度によって決まる。
【0009】また、冷却による熱収縮を考慮すると、ア
ルミニウムは超電導線より冷却による収縮量が大きいの
が一般的であり、ステンレス鋼は超電導線より冷却によ
る熱収縮が小さいのが一般的である。つまり、超電導磁
石を液体ヘリウムにより冷却したとき、巻枠100がア
ルミニウムの場合、内向力Ft は熱収縮差により減少す
る方向にあり、巻枠100がステンレス鋼の場合、内向
力Ft は逆に増加する方向にある。
【0010】以上の理由から、超電導線30の変位に起
因するクエンチを防止するという目的からすれば、巻枠
の材料としてステンレス鋼が適していると言える。とこ
ろで、近年実用化されているMRI装置や磁気浮上列車
などに使用されている超電導磁石は、極低温中における
超電導線の抵抗が実質的に零であるという特長を利用し
て、外部からの電圧印加をせず短絡状態で半永久的に電
流を流すいわゆる永久電流モードで運転される。永久電
流モードの利点は、前述のように電源による通電を必要
とせず、冷媒である液体ヘリウムの補充を定期的に行え
ば長期にわたって安定した高磁場が得られることにあ
る。したがって、永久電流モードの特長であるメンテナ
ンスフリーという利点を最大限生かすには、液体ヘリウ
ムの補充間隔を長くすることが必要になる。
【0011】前述した液体ヘリウム補充間隔を長くする
ためには、当然超電導コイル3を収納して液体ヘリウム
を浸漬した極低温容器への熱侵入を極力低減する構成が
要求されるとともに、液面の低下に対して超電導線の安
定した冷却の維持による液体ヘリウムの大きな許容消費
量を確保することが必要である。図6は超電導磁石の液
体ヘリウム4の液面41が低下し、超電導磁石の一部が
露出した状況での冷却熱の流れ51,52を示す断面図
である。この図において、液面41の下にある超電導線
30は液体ヘリウム4により冷却され、液体ヘリウムの
蒸発温度である4.2Kに保持される。一方、露出した
超電導線30は液面41の低下とともに温度が上昇する
が、巻枠100の下部から円筒部101やつば102を
介する熱伝導による冷却熱51と、露出しない超電導線
3からこれに隣接する超電導線30を順次伝わって上に
上がる冷却熱52との両方の流れにより冷却される。
【0012】前述した巻枠材料の中でアルミニウムの
4.2Kにおける熱伝導率はステンレス鋼のそれに比べ
て100倍以上あり、巻枠100がアルミ合金製ならば
超電導線30が露出しても巻枠100の一部が液面下に
あればある程度露出部分の温度上昇を低く抑えることが
できる。一方、ステンレス鋼製の巻枠のの場合、巻枠1
00が液面41から露出すると、熱伝導率が小さいため
に露出部の温度が上昇し僅かな露出にかかわらず超電導
線30の温度が上昇し臨界温度を越えてクエンチを誘発
してしまう。つまり、巻枠100がステンレス鋼の場
合、通電中のクエンチを防止するためには巻線が露出し
ないように頻度高く液体ヘリウム4を補充する必要があ
り、巻枠100がアルミニウムの場合にはある程度超電
導線30が露出しても安定した冷却の維持が可能であ
る。
【0013】以上の理由から、液体ヘリウムの補充間隔
を長くするという目的からは巻枠の100材料としてア
ルミニウムが適していると言える。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、超電導
磁石の巻枠材を決定する場合、超電導線の変位に起因し
たクエンチを防止するという意味ではステンレス鋼が適
している。一方で、超電導磁石の安定した冷却を維持
し、液体ヘリウムの補充間隔を長くするためには巻枠材
としてアルミニウムが適していて、互いに矛盾してお
り、クエンチを防止ししかも液体ヘリウム補充間隔を長
くする両方の目的を達成するのに適した巻枠材がないと
いう問題がある。
【0015】この発明の目的はこのような問題を解決
し、クエンチを防止ししかも液体ヘリウム補充間隔を長
くすることのできる超電導磁石の巻枠を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、超電導線が巻回されて超電導コ
イルを形成する超電導磁石の巻枠が内径側巻枠と外径側
巻枠とからなり、前記内径側巻枠が熱収縮率の小さな材
料からなり、前記外径側巻枠が熱伝導率の高い材料から
なるものとし、内径側巻枠の材料がステンレス鋼であ
り、外径側巻枠の材料がアルミニウムであるものとし、
また、外径側巻枠内径側の面を少なくとも内面の一部と
した所定の数の冷却孔を設けてなるものとし、また、内
径側巻枠の外径面に軸方向に沿って溝を設けて冷却孔を
形成してなるものとし、また、外径側巻枠の内径面に軸
方向に沿って溝を設けて冷却孔を形成してなるものとす
る。
【0017】
【作用】この発明の構成において、巻枠を同軸で互いに
密着した内径側巻枠と外径側巻枠とで構成し、内径側巻
枠を熱収縮率の小さい材料で構成して極低温に冷却され
たときに超電導線や外側巻枠の熱収縮を抑制して超電導
線の内向力を確保し、外径側巻枠を熱伝導率の高い材料
で構成して液体冷媒が減少して超電導線の一部が液体冷
媒から露出したときにも外径側巻枠は下部が液体冷媒に
よって冷却され熱伝導率が良いことから液体冷媒から露
出した部分でも充分低温を維持し超電導線を冷却するこ
とから、露出した超電導線がクエンチを起こす可能性が
小さくなる。また、内径側巻枠の材料としては極低温で
も所要の機械的強度を維持する必要からステンレス鋼又
はチタンが実用になるが、ステンレス鋼を採用すること
によりより安価になり、外径側巻枠の材料は銅又はアル
ミニウムが実用になるが、加工性と重量の点でアルミニ
ウムの方が適している。また、外径側巻枠を冷却する冷
却孔を設けて外径側巻枠と冷媒との接触面積を増大する
ことで冷媒の液面から露出した部分も充分冷却されるよ
うになることによって秋面から露出した超電導線の冷却
がより確実になる。冷却孔として、内側巻枠の外周面に
軸方向に沿った溝を設ける構成でも、外側巻枠の内周面
に軸方向に沿った溝を設ける構成でもよく、軸方向に貫
通孔を設けるよりも容易に冷却孔を設けることができ
る。
【0018】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示す超電導磁石の断面図であ
る。この図において、巻枠1は内径側巻枠11と外径側
巻枠12とからなっていて、内径側巻枠11はステンレ
ス鋼製、外径側巻枠12はアルミニウム製である。
【0019】ステンレス鋼は、熱伝導率が小さい、許容
応力が大きい、熱収縮率が小さい、などの特徴があり、
内径側巻枠11に使用した場合に熱収縮率が小さいため
に、超電導線が超電導状態になるように液体ヘリウムに
漬けて極低温まで冷却したときに、外径側巻枠12や超
電導線の収縮による径寸法の短縮を抑制し、そのため
に、特に超電導線に引っ張り力が付加される。もともと
前述のように超電導線は張力をかけて内向力を付加する
巻回方法をっとっているのであるが、前述のような理由
によりこの内向力が極低温に冷却されることによって更
に大きくなる。したがって、所要の内向力を得るために
は巻回時の張力が小さくても良くなる。その代わり内径
側巻枠11は外径側巻枠12や超電導線3の内向力を負
担するのでこれに耐えるだけの強度を持っている必要が
ある。ステンレス鋼は前述のように許容応力が大きいの
でその必要性を充分満足する外径側巻枠12を製作する
のは容易である。
【0020】アルミニウムは、軽量、熱伝導率が大き
い、加工性が良いなどの特徴があり、巻枠材としては銅
よりも多く使用される。従来のアルミニウム製の巻枠の
場合、機械的強度を確保するために高純度のアルミニウ
ムではなく、これよりも数倍許容応力の大きな、例えば
JIS規格でA5803と呼ばれるマンガンやマグネシ
ウムを1%乃至数%混入したアルミニウム合金が使用さ
れる。したがって、外径側巻枠12として従来と同じア
ルミニウム合金を使用しても差し支えないが、内向力
は内径側巻枠11が負担すること、外径側巻枠12と
しては熱伝導率がより大きいことが望ましい、などの理
由によって単なるアルミニウムを使用することもでき
る。
【0021】超電導磁石を製作するのは次の手順によ
る。 内径側巻枠11に外径側巻枠12をはめ込んで巻枠1
を形成する。このとき、はめ込む作業が困難にならない
程度の隙間が生ずる程度に内径側巻枠11の外径寸法と
外径側巻枠12の内径寸法を設定する。このままでは互
いに固定されないので、巻枠1を巻線機に装着する場合
には外径側巻枠12を内径側巻枠11に固定する何らか
の方法が必要である。 巻枠1を巻線機に取付ける。 巻線機によって巻枠1を回転させ超電導線3を前述の
ように張力をかけながら所定の巻数巻回する。このとき
の張力は前述のように極低温に冷却されたときに付加さ
れる内向力を考慮して適性に設定する。 巻枠1とこれに巻回された超電導コイル3とが一体に
なったものをを巻数機から外す。 図示しない極低温容器に収納し冷却して最終的に液体
ヘリウムに漬けた状態にする。このとき、外径側巻枠1
2や超電導線30が内径側巻枠11よりも大きく収縮す
るので内径側巻枠11と外径側巻枠12との間の隙間が
なくなって巻枠1として一体化される。
【0022】図2は図1とは別のこの発明の実施例を示
す超電導磁石の断面図であり、図1と異なるのはボルト
20で内径側巻枠11と外径側巻枠12とを固定した点
であり、ボルト20の貫通孔を設ける点で図1の外径側
巻枠12とこの図の外径側巻枠12とは異なることにな
るが混乱あ生ずることはないので同じ符号を付してあ
り、同じように、内径側巻枠11もボルト20のための
ボルト穴が設けられる点が図1の内径側巻枠11とは異
なるがこの場合も同じ符号を付してある。
【0023】ボルト20は複数本を周方向に等配に設け
てあり、このボルト20で締付けることによって、巻回
作業時に内径側巻枠11が空回りしないよう固定する。
図3は図1のA−A断面図である。この図において、外
径側巻枠12の内面に6つの溝が等配に設けられて冷却
孔6を構成していおり、この中に液体ヘリウム6が満た
されて外径側巻枠12の冷却効果を上げている。この冷
却孔6がないと、図1や図2で判るように上部が液面4
1から露出したときには外径側巻枠12の液体ヘリウム
4と接触する部分は下部のつば123の一部だけにな
り、円筒部121の内面は内径側巻枠11の円筒部11
1に覆われて液体ヘリウム4に接触しないので図6に示
す冷却熱51の流れが不十分になる。冷却孔6はこのよ
うな問題を解決するものである。
【0024】図4は図3とは異なる冷却孔の構成を示す
図4と同じ位置での断面図であり、図3と異なる点は、
冷却孔6Aを内径側巻枠11Aに外径面に設けた点であ
り、この点で図3の内径側巻枠11と異なり、外径側巻
枠12Aも冷却孔6が設けられていないという点で図3
の外径側巻枠12とは異なる。冷却孔の構成として図3
の冷却孔6とと図4の冷却溝6Aとの構成の優劣は一概
には言えない。図3の構成の利点は冷却孔6を構成する
4面のうち3面が冷却の対象となる外径側巻枠12に接
しているので冷却効果が大きいという点であり、代わり
外に径側巻枠12の機械的強度が低下するという欠点が
ある。一方、図4の構成では冷却孔6Aの4面のうち1
面しか外径側巻枠12と接触していないので冷却孔6A
が冷却孔6と同数でその断面形状も同様ならば冷却効果
が3分の1になるという欠点、及び内径側巻枠11Aの
機械的強度が低下するという欠点がある。両方とも機械
的強度の低下はそれぞれの円筒部111又は121の肉
厚を大きくすることで対処できるのでそれほど大きな問
題ではない。前述のように機械的強度は内径側巻枠11
又は11Aにその殆どを負担させるので、外径側巻枠1
2又は12Aの機械的強度について多くを期待する必要
がないことから、図3のように外径側巻枠12に冷却孔
6を設ける方がより良いとも考えられるがそれほど大き
な差がある訳ではなく、個々の超電導磁石に最適の構成
を採用すればよい。
【0025】冷却孔6又は6Aは内径側巻枠11又は1
1Aと外径側巻枠12又は12Aに挟まれて冷却孔を構
成する。この代わりに、外径側巻枠12の断面内に直接
貫通孔を設ける構成でもよい。この場合は加工性から冷
却孔の断面は円形になるが、貫通孔を設けるよりも内面
又は外面に溝を設ける方が加工が容易である。加工性の
点からは内径面に溝を設ける図3に比べて外径面に溝を
設ける図4の方が加工性が良いと言える。これら冷却孔
を形成する方法についても個々に最適なものを選定する
ことになる。なお、ボルト20による固定は一時的なも
ので、超電導線3が巻回されること及び極低温に冷却さ
れることによって外径側巻枠12が収縮して内径側巻枠
11と密着するとボルト20はなくてもよいものであ
る。したがって、一時的な固定方法としてボルト20と
は異なる構成を採用することもできる。また、外径側巻
枠12に直接回転力を与えることのできる巻線機を使用
することによって内径側巻枠11との固定を省略するこ
ともできる。更に、内径側巻枠11との組み合わを前述
のように超電導線3の巻回作業の前ではなく、後にして
超電導線3が巻回された外径側巻枠12と内径側巻枠1
1を組み合わせる方法を採用することもできる。この場
合、超電導線3を巻回したことによる外径側巻枠12の
収縮分が超電導線3の内向力の付加分を減ずることにな
り、また、内径側巻枠11との密着の程度を減ずること
になることを事前に考慮しておく必要がある。
【0026】
【発明の効果】この発明は前述のように、巻枠を内径側
巻枠と外径側巻枠との二重構造とし、内径側巻枠を熱収
縮率の小さい材料にして極低温に冷却されたときに超電
導線や外側巻枠の熱収縮を抑制して超電導線の内向力を
確保し、外径側巻枠を熱伝導率の高い材料にして、液体
冷媒が減少して超電導線の一部が液面から露出して冷却
効果が低減したときにも、外径側巻枠は下部が液体冷媒
によって冷却され熱伝導率が良いことから液体媒体から
露出した部分でも充分低温を維持し超電導線を冷却する
ことから、露出した超電導線がクエンチを起こしにくく
なり、その結果、液体冷媒の許容消費量を大きくするこ
とができることになり1回当たりの液体冷媒の補充量を
大きくして補充の間隔を長くすることができ保守が容易
になるという効果が得られる。また、内径側巻枠の材料
としてステンレス鋼が安価でしかも許容応力も高く、外
径側巻枠の材料としてはアルミニウムが加工性と重量の
点で適している。また、外径側巻枠を冷却する冷却用孔
を周方向に分布して設けて外径側巻枠と液体冷媒との接
触面積を大きくして液面から露出した部分も充分冷却さ
れるようにすることによって、露出した超電導線の冷却
をより確実に行うことができる。冷却孔として、内側巻
枠の外周面に軸方向に沿った溝を設ける構成でも、外側
巻枠の内周面に軸方向に沿った溝を設ける構成でもよ
く、軸方向に貫通孔を設けるよりも冷却孔の形成が容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す超電導磁石の断面図
【図2】図1とは別のこの発明の実施例を示す超電導磁
石の断面図
【図3】図1のA−A断面図
【図4】図3とは異なる冷却孔の構成を示す図4と同じ
位置での断面図
【図5】従来の超電導磁石の断面図
【図6】図5の超電導磁石の一部が露出しているときの
冷却熱の流れを示す断面図
【符号の説明】
1 巻枠 11 内径側巻枠 11A 内径側巻枠 111 円筒部 112 つば 12 外径側巻枠 12A 外径側巻枠 121 円筒部 122 つば 123 つば 3 超電導コイル 30 超電導線 4 液体ヘリウム(液体冷媒) 41 液面 6 冷却孔 6A 冷却孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導線が巻回されて超電導コイルを形成
    する超電導磁石の巻枠が内径側巻枠と外径側巻枠とから
    なり、前記内径側巻枠が熱収縮率の小さな材料からな
    り、前記外径側巻枠が熱伝導率の高い材料からなること
    を特徴とする超電導磁石の巻枠。
  2. 【請求項2】内径側巻枠の材料がステンレス鋼であり、
    外径側巻枠の材料がアルミニウムであることを特徴とす
    る請求項1記載の超電導磁石の巻枠。
  3. 【請求項3】外径側巻枠内径側の面を少なくとも内面の
    一部とした所定の数の冷却孔を設けてなることを特徴と
    する請求項1又は2記載の超電導磁石の巻枠。
  4. 【請求項4】内径側巻枠の外径面に軸方向に沿って溝を
    設けて冷却孔を形成してなることを特徴とする請求項3
    記載の超電導磁石の巻枠。
  5. 【請求項5】外径側巻枠の内径面に軸方向に沿って溝を
    設けて冷却孔を形成してなることを特徴とする請求項3
    記載の超電導磁石の巻枠。
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