JPH065394U - 超磁歪棒を用いた駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】超磁歪材料は、磁界とバイアス磁界を与える事
により伸縮可能な材料である。この超磁歪材料を利用
し、伸縮を音叉を構成する板バネに伝える事により増幅
し、単純構造で、低コストで高性能な駆動装置を提供す
る事にある。 【構成】中央片に固定される筒状の永久磁石３と、永久
磁石３の内周に配置されているコイル２と、コイル２の
内周には、磁界とバイアス磁界を加える事によって伸縮
可能な超磁歪棒１と、前記超磁歪棒１の両端と当接し中
央片７に固定された板バネ６とから成り、上記コイルに
交流電流を流すことにより超磁歪棒１が伸縮を繰り返
し、板バネ６に振動を与えたことを特徴とする超磁歪棒
１を用いた駆動装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、超磁歪棒に磁界とバイアス磁界を与える事により生じる伸縮によ る振動を、音叉を構成した板バネに伝え、この振動を音叉の共振作用により増幅 し、これを利用した駆動装置である。

【０００２】

【従来の技術】

従来の振動を利用した駆動装置には図３に示す様な、永久磁石１０４、センタ ーポール１０２、ヨーク１０３、以上３点で構成された磁気回路と、コイル１０ ０を使用したものがあり、コイルに交流電流を流すことで起きる、反発力を利用 するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記の磁気回路とコイルの組合わせの場合、板バネ１０５に振動を 伝えるには、各板バネに各１個の駆動装置が必要となる。つまり磁気回路とコイ ルが２式必要となり、コイルが巻かれるため必要なコイルベース１０１とも合わ せて、構成部品が多くコスト高になってしまった。

【０００４】 また駆動装置の能率を上げるための、磁気回路における磁束密度改善により、 センターポール１０２とヨーク１０３の隙間がせばめられている為、コイルとの 干渉に注意する必要があった。そしてこのコイルの仕上がりが、干渉に影響する ためコイルの不良率も上がってしまい、部品に要求される精度も厳しくなり、組 付にも時間が必要であった。

【０００５】 そして、仕上がりや重量が同一でないコイルを、２個使用する為に左右の板バ ネに、若干の固有振動数の差が生じてしまった。固有振動数に差があると音叉構 造が活かされず、駆動装置として能率の悪いものになってしまう為、左右の板バ ネの固有振動数を合わせる、調整作業が必要であった。

【０００６】 そこで、本考案の目的とするところは、超磁歪棒を使用することで構成部品を 減らし、組付が簡単にでき、調整作業を無くすことで、低コストの駆動装置を提 供することである。

【０００７】

【問題を解決するための手段】

以上の目的を達成する為に本考案は、中央片に固定される筒状の永久磁石と、 この永久磁石の内周に配置されているコイルと、コイルの内周には、磁界とバイ アス磁界を加える事によって伸縮可能な超磁歪棒と、この超磁歪棒の両端と当接 し中央片に固定された板バネとから成り、上記コイルに交流電流を流すことによ り超磁歪棒が伸縮を繰り返し板バネに振動を与えたことを特徴とする駆動装置で ある。

【０００８】

【作用】

外部より磁界とバイアス磁界を与える事により、伸縮可能な超磁歪棒の振動を 、前記超磁歪棒の両端と当接し、中央片に固定された音叉を構成する板バネに伝 える事により、左右の板バネに全く同一の振動を与える事が出来る。これにより 、構成部品が少なくなり、かつ固有振動数を合わせる調整も不要となる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の駆動装置をポンプに利用した実施例について、図１、図２に基 づいて説明する。 図１は、本考案に係わる駆動装置の要部を示し、板バネの左右両上端には、図 中のＰで示される従来周知技術の、振動によって駆動するダイヤフラム型ポンプ が配置されている。

【００１０】 ポンプを構成する起立状の中央片７の下部には、筒状の永久磁石３が横方向に 固定されている。この永久磁石３の内周には、コイル２が配置されている。この コイルの内周には超磁歪棒１が軸方向に可動できる状態で挿設されている。 超磁歪棒１は両端が、押え５Ａ、５Ｂに当接している。 押え５Ａ、５Ｂは、中央片７下部より固定されている板バネ６Ａの両側に螺合さ れている。また板バネは薄肉部４Ａ、４Ｂより立ち上がり状の音叉部６Ａ、６Ｂ が設けられ、音叉を形成している。

【００１１】 超磁歪棒１は、永久磁石３より磁界が与えられ、コイル２に交流電流を流す事 によりバイアス磁界が与えられる事で、伸縮を繰り返し振動する。この振動は、 超磁歪棒１の両端と当接している押え５Ａ、５Ｂより、板バネに伝えられる。そ して板バネ６の音叉部６Ａ、６Ｂが形成する音叉の共振作用によりこの振動は増 幅され、図中Ｐで示される振動によって駆動する従来周知技術のダイヤフラム型 ポンプに増幅された振動が伝わる。

【００１２】 なお、以上の実施例は磁界を与える為に永久磁石３を使用しているが、この代 わりにコイルを配置し直流電流を流しても同様の効果が得られる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、外部より磁界とバイアス磁界を与える事により、伸縮可能な 超磁歪棒の振動を、前記超磁歪棒の両端と当接し、中央片に固定された音叉を構 成する板バネに伝える事により、左右の板バネに全く同一の振動を１つの超磁歪 棒により与える事が出来る。従って、単純構造で構成部品が少なくなり、かつ固 有振動数を合わせる調整作業も不要となり、低コストで高性能な駆動装置が提供 できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部断面正面図であ
る。

【図２】本考案の主要部分の部分切欠斜視図である。

【図３】従来技術の駆動装置を示す一部断面正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 超磁歪棒 ２ コイル ３ 永久磁石 ６ 板バネ ７ 中央片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央片に固定される筒状の永久磁石と、
   前記永久磁石の内周に配置されているコイルと、前記コ
   イルの内周には、磁界とバイアス磁界を与える事によ
   り、磁界の変化量が寸法の変化量と比例する超磁歪棒
   と、前記超磁歪棒の両端と当接し中央片に固定された板
   バネとから成り、上記コイルに交流電流を流すことによ
   りバイアス磁界を与え、超磁歪棒が伸縮を繰り返し、板
   バネに振動を与えたことを特徴とする超磁歪棒を用いた
   駆動装置。