JPH0653653U - バケット用リンク機構の自動給脂構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 自動給脂構造が外部に露出せず、バケット用
リンク機構のメンテナンスが容易な自動給脂構造を提供
する。 【構成】 アーム６′に取付けた分配弁から給脂用配管
を介してアーム前部のアイドラリンク基端部取付ボス５
４に連結し、そこから一方のアイドラリンク内部のグリ
ース通路を通じてバケットリンク基端部用ピン結合部５
２の給脂箇所に通じるように形成し、また他方のアイド
ラリンク内部のグリース通路、バケットリンク内部のグ
リース用配管を介して、バケットリンク先端ボス７６の
ピン結合部の給脂箇所を連通せしめるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、油圧ショベルの作業アタッチメント先端部に装備しているバケット 用リンク機構の自動給脂構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、油圧ショベルに装備した従来技術の自動給脂装置の構成を示す図であ る。図において、１は油圧ショベルの下部走行体、２は旋回軸受、３は上部旋回 体、４は上部旋回体３のフロント部に装着した作業アタッチメント、５は作業ア タッチメント４のブーム、６はアーム、７はアイドラリンク、８はバケットリン ク、９は作業工具であるバケット、１０はブームシリンダ、１１はアームシリン ダ、１２はバケットシリンダ、１３は旋回軸受２の給脂口、１４，〜，２４は各 ピン結合部のそれぞれ給脂口、２５は電動式のグリースポンプユニット、２６は グリースポンプ、２７はグリースポンプ用電動機、２８は蓄圧式のグリースカー トリッジ、２９は親分配弁、３０，３１はそれぞれ子分配弁、３２，３３は親分 配弁２９のアウトレットポート、３４，３５，３６は子分配弁３０のアウトレッ トポート、３７，〜，４２は子分配弁３１のそれぞれアウトレットポート、４３ は油圧ショベルに搭載しているエンジン、４４は電源、４５はキースイッチ、４ ６はコントローラ、４７は異常発生時用の表示装置、４８は親分配弁２９にそな えているリミットスイッチである。

【０００３】 図５に示すように従来技術の自動給脂装置では、油圧ショベルの上部旋回体３ にグリースカートリッジ２８をそなえた電動式のグリースポンプ２６を設け、油 圧ショベルの各ピン結合部（旋回軸受２を含む）の給脂口１４，〜，２４とを親 分配弁２９、子分配弁３０，３１、及び給脂用配管にて連通せしめて構成してい る。そしてエンジン４３を設定累積時間をたとえば所定のＴ時間だけ作動させる と、コントローラ４６のカウンタ機能によりグリースポンプ用電動機２７は回転 作動する。それによりグリースポンプ２６が回転し、グリースカートリッジ２８ 内に充填されているグリースは、グリースポンプ２６から上記親分配弁２９、子 分配弁３０，３１、及び給脂用配管を経て、各給脂口１４，〜，２４に送脂され 、自動的に潤滑が行われる。そして上記の給脂が完了したときに、親分配弁２９ にそなえているリミットスイッチ４８がはたらくので、そのスイッチ信号はコン トローラ４６に入力される。そこでコントローラ４６からの指令信号がグリース ポンプ用電動機２７に出力され、グリースポンプ２６が停止する。この給脂行程 が、自動的に繰返して行われる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

油圧ショベルの作業アタッチメント先端部に装備しているバケット用リンク機 構の自動給脂構造は、図示しないが従来より種々勘案されている。しかしバケッ ト用リンク機構はてこリンクの動きをするので、自動給脂構造の構成が困難で、 リンク機構周辺の構造を大巾に変更している。そのためにその構造が複雑かつ部 品点数が多くなり、具合が悪かった。本考案は、上記の問題点を解決できるバケ ット用リンク機構の自動給脂構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のバケット用リンク機構の自動給脂構造は、油圧ショベルのフロント部 にブーム、アーム、アイドラリンク、バケットを回動可能に連結した作業アタッ チメントを装着し、また油圧ショベルの機体に電動式のグリースポンプをそなえ 、そのグリースポンプと、上記作業アタッチメントの各ピン結合部の給脂箇所と を分配弁、給脂用配管及びグリース通路を介して連通せしめている自動給脂装置 であって、アームに分配弁を取付け、その分配弁から分岐した複数本の給脂用配 管をアーム前部のアイドラリンク基端部取付ボスに連結し、上記給脂用配管に通 じるグリース通路を左右一対のアイドラリンクのそれぞれ内部を通すように形成 し、上記一方のアイドラリンク内部側のグリース通路を、バケットリンク基端部 用ピン結合部の給脂箇所に通じるように形成し、また他方のアイドラリンク内部 側のグリース通路を、バケットリンク基端部ボス、及びバケットリンク内部に配 設したグリース用配管を介してバケットリンク先端ボスのピン結合部の給脂箇所 に連通せしめて構成した。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案のバ ケット用リンク機構の自動給脂構造をそなえた油圧ショベルの自動給脂装置の構 成を示す図である。図において、従来技術と同一構成要素を使用するものに対し ては従来技術と同符号を付す。４’は作業アタッチメント、６’は作業アタッチ メント４’のアーム、７’はアイドラリンク、８’はバケットリンク、４９はア ーム６’のアイドラリンク基端部用ピン結合部、５０はアーム先端部ピン結合部 、５１はバケットリンク基端部用ピン結合部、５２はバケットリンク先端部用ピ ン結合部、３１’，５３はそれぞれ子分配弁である。図２は、本考案の自動給脂 構造をそなえたバケット用リンク機構を示す断面図である。図において、７’Ｌ ，７’Ｒは一対のうち左右のそれぞれアイドラリンク、５４はアーム６’のアイ ドラリンク基端部取付ボス、５５，５６は子分配弁５３（図１に示す）からアイ ドラリンク基端部取付ボス５４の給脂口５７，５８にそれぞれ連通する給脂用配 管５９，６０，６１は各ピン結合部４９，５１，５２のそれぞれ結合ピンである 。

【０００７】 次に、本考案のバケット用リンク機構の自動給脂構造を図１及び図２について 述べる。油圧ショベル用作業アタッチメント４’のアーム６’に分配弁５３を取 付け、その分配弁５３から分岐した給脂用配管５５，５６をアーム（６’）前部 のアイドラリンク基端部取付ボス５４の左右の給脂口５７，５８に連結した。そ こで分配弁５３から送脂された一方のグリースは、アイドラリンク基端部取付ボ ス５４の左側内部に開穿されたグリース通路６２、左側アイドラリンク７’Ｌ内 部を貫通して形成されたグリース通路６３、結合ピン内部に開穿されたグリース 通路６４，〜，６８を経て、結合ピン６０とバケットリンク８’基端部との摺動 面部に対して給脂される。また分配弁５３から送脂された他方のグリースは、ア イドラリンク基端部取付ボス５４の右側内部に開穿されたグリース通路６９、右 側アイドラリンク７’Ｒ内部を貫通して形成されたグリース通路７０、グリース 溝７１、グリース通路７２、バケットリンク基端ボス７３の右側内部に開穿した グリース通路７４、バケットリンク８’の内部側に配設した給脂用配管７５、バ ケットリンク先端ボス７６の給脂口７７を経て、ピン結合部５２のグリース溜め 室７８に供給される。なお上記グリース通路，グリース溝の回動対接面において は、グリースが洩出しないようにシール溝を形成しそのシール溝に対してシール 部材を嵌着しているが、図示では符号を付けていない。また図３は、アイドラリ ンク７’Ｌ，７’Ｒを貫通して形成したグリース通路の他実施例である。図３に 示すようにアイドラリンク７’Ｌ，７’Ｒの側面部にグリース溝７９を形成して 、その外側に蓋板８０を溶着するようにしてもよい。

【０００８】 なおアーム６’のアーム先端部ピン結合部５０の詳細断面は図示していないが 、図１に示すように子分配弁５３からアーム６’の内部側を通る給脂用配管８１ （破線で示す）を通じて、アーム先端部ピン結合部５０の給脂口２２に対しグリ ースを供給するようにしている。またアームシリンダ１２のピストンロッド先端 部の摺動面部に対しては、図２に示すように結合ピン６０内部のグリース通路６ ７より分岐して開穿したグリース通路８２を通じて、グリースを供給するように している。

【０００９】 図２に示す左右のアイドラリンク７’Ｌ，７’Ｒの材料は鋳鋼又は鍛造鋼を使 用している。しかし場合によっては鋼板をリンク板とボス板に切断し、それを溶 着してアイドラリンクを製作する。図４は、鋼板製のアイドラリンク８３Ｌと８ ３Ｒを使用した場合の自動給脂構造を示す断面図である。図において、４９’は アーム６’のアイドラリンク基端部用ピン結合部、５１’はバケットリンク基端 部用ピン結合部、５９’，６０’は上記両ピン結合部４９’，５１’のそれぞれ 結合ピンである。アイドラリンク８３Ｌと８３Ｒを形成しているリンク板とボス 板の溶接合わせ面イ，ロ，ハ，ニには、すべてかなり小なる隙間が存在する。そ のために上記溶接合わせ面イ，ロ，ハ，ニと直交貫通してグリース通路を穿設す ると、送脂時のグリースが上記隙間を通じて結合ピン穴へ洩出してしまう。した がって上記理由により、結合ピン５９’，６０’に穿設したそれぞれグリース通 路８４，８５を迂回して、グリースを送るようにしている。

【００１０】

【考案の効果】

油圧ショベルの作業アタッチメント先端部に装備しているバケット用リンク機 構の自動給脂構造は、図示しないが従来より種々勘案されている。しかしバケッ ト用リンク機構はてこリンクの動きをするので、自動給脂構造の構成が困難で、 リンク機構周辺の構造を大巾に変更している。そのためにその構造が複雑かつ部 品点数が多くなり、具合が悪かった。しかし本考案の自動給脂構造では、アーム に分配弁を取付け、その分配弁から分岐した複数本の給脂用配管をアーム前部の アイドラリンク基端部取付ボスに連結し、上記給脂用配管に通じるグリース通路 を左右一対のアイドラリンクのそれぞれ内部を通すように形成し、上記一方のア イドラリンク内部側のグリース通路を、バケットリンク基端部用ピン結合部の給 脂箇所に通じるように形成し、また他方のアイドラリンク内部側のグリース通路 を、バケットリンク基端部ボス、及びバケットリンク内部に配設したグリース用 配管を介してバケットリンク先端ボスのピン結合部の給脂箇所に連通せしめるよ うにした。それにより、自動給脂を行うためのグリース通路及び給脂用配管はす べて、バケット用リンク機構を構成する要素部品の内部側を通過する。すなわち バケット用リンク機構周辺の構造が変わらないばかりでなく、自動給脂構造が外 部側に露出しない。したがって本考案の自動給脂構造をそなえた油圧ショベルで は、バケット用リンク機構のメンテナンス性と美観性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバケット用リンク機構の自動給脂構造
をそなえた油圧ショベルの自動給脂装置の構成を示す図
である。

【図２】本考案の自動給脂構造をそなえたバケット用リ
ンク機構を示す断面図である。

【図３】本考案におけるアイドラリンクを貫通して形成
したグリース通路の他実施例である。

【図４】鋼板製のアイドラリンクを使用した場合の本考
案の自動給脂構造を示す断面図である。

【図５】油圧ショベルに装備した従来技術の自動給脂装
置の構成を示す図である。

【符号の説明】

４，４’ 作業アタッチメント ６，６’ アーム ７，７’，７’Ｌ，７’Ｒ，８３Ｌ，８３Ｒ アイドラ
リンク ８，８’ バケットリンク ２６ グリースポンプ ３０，３１，３１’，５３ 子分配弁 ４９，４９’ アイドラリンク基端部用ピン結合部 ５０ アーム先端部ピン結合部 ５１，５１’ バケットリンク基端部用ピン結合部 ５２ バケットリンク先端部用ピン結合部 ５４ アイドラリンク基端部取付ボス ５９，５９’，６０，６１’，６１ 結合ピン ６２，〜，７２，７４，８２，８４，８５ グリース通
路 ７３ バケットリンク基端ボス ７６ バケットリンク先端ボス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧ショベルのフロント部にブーム、ア
   ーム、アイドラリンク、バケットを回動可能に連結した
   作業アタッチメントを装着し、また油圧ショベルの機体
   に電動式のグリースポンプをそなえ、そのグリースポン
   プと、上記作業アタッチメントの各ピン結合部の給脂箇
   所とを分配弁、給脂用配管及びグリース通路を介して連
   通せしめている自動給脂装置であって、アームに分配弁
   を取付け、その分配弁から分岐した複数本の給脂用配管
   をアーム前部のアイドラリンク基端部取付ボスに連結
   し、上記給脂用配管に通じるグリース通路を左右一対の
   アイドラリンクのそれぞれ内部を通すように形成し、上
   記一方のアイドラリンク内部側のグリース通路を、バケ
   ットリンク基端部用ピン結合部の給脂箇所に通じるよう
   に形成し、また他方のアイドラリンク内部側のグリース
   通路を、バケットリンク基端部ボス、及びバケットリン
   ク内部に配設したグリース用配管を介してバケットリン
   ク先端ボスのピン結合部の給脂箇所に連通せしめて構成
   したことを特徴とするバケット用リンク機構の自動給脂
   構造。