JPH065174U - 電線圧接用のハンドプレス器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続不良の電線を、修理作業を行なう現場で
コネクタの金属爪に簡便且つ手軽に圧接できるようにす
る。 【構成】 コネクタ１を保持するホルダー２をスライド
自在に嵌合させる嵌合部３をハウジング４に形成する。
又このハウジング４に、コネクタ１の金属爪１ｂに電線
９を圧接する押し刃１０を有する操作機構８を設ける。
この操作機構８は、上記の押し刃１０を下端部に備えて
ハウジング４内に上下動自在に収納させた軸杆８ａと、
この軸杆８ａの上端に形成した操作用の頭部８ｂと、又
この頭部８ｂを上方に弾発するコイルスプリング８ｃと
で形成する。そして全体を掌中に納まる大きさに形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、電線圧接用のハンドプレス器に関し、更に詳しくは例えばビニール絶 縁電線を印刷回路基板用のコネクタに圧接するのに使用する電線圧接用のハンド プレス器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種のプレス器は、通常、例えばコネクタを保持するホルダーがスライ ド自在に嵌合される嵌合部がハウジングに形成され、このハウジングに上記コネ クタの金属爪に電線を圧接する押し刃を有する操作機構が設けられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

而して従来品の場合上記の操作機構は、通常、把手を備えて形成され、把手を 把持してコネクタの金属爪に絶縁電線を腕力で圧接するよう形成されていた。従 って従来のこの種のプレス器は、大型で重量もあったから、例えば現場で電線の 接続作業を行なうには取り扱いが不便で適さないものであった。 その結果従来は、一つのコネクタに接続された数多くの電線の中で、例えば接 続不良の電線が１、２本のような少数の場合でも、通常、修理作業を行なう現場 においては当該コネクタに接続された電線の全体を部品化された新品のコネクタ 付き電線と交換していたものである。

【０００４】 本案は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。 従って本案の技術的課題は、接続不良の電線を、修理作業を行なう現場におい てコネクタの金属爪に簡便且つ手軽に圧接できるよう形成した電線圧接用のハン ドプレス器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本案は、上記の課題を解決するために次のような技術的手段を採る。 即ち本案は、コネクタ１を保持するホルダー２がスライド自在に嵌合される嵌 合部３がハウジング４に形成され、このハウジング４に上記コネクタ１の金属爪 １ｂに電線９を圧接する押し刃１０を有する操作機構８が設けられた電線圧接用 のハンドプレス器において、上記の操作機構８が、上記の押し刃１０を下端部に 備えてハウジング４内に上下動自在に収納された軸杆８ａと、この軸杆８ａの上 端に形成された操作用の頭部８ｂと、又この頭部８ｂを上方に弾発するコイルス プリング８ｃとで形成され、全体が掌中に納まる大きさに形成されたことを特徴 とするものである。

【０００６】

【実施例】

以下、本案の好適な一実施例を添付図面に従って説明する。 １はコネクタであり、２はこのコネクタ１を保持するホルダーである。又３は 、このホルダー２がスライド自在に嵌合される嵌合部であり、この嵌合部３はハ ウジング４に形成されている。尚この実施例の場合ハウジング４は、複数の例え ば合成樹脂製の板片と、十字孔付きねじ５及び六角孔付きねじ６とで組み立てら れて形成されている。

【０００７】 ２ａ（図４Ａ参照）は、ホルダー２の嵌合溝２ｂの一端に形成された、コネク タ１の移動を制止するストッパーである。又２ｃ（同図Ｂ参照）は、コネクタ１ の電線取付け溝１ａのピッチＴ（図３参照）に対応してホルダー２の背面に直線 状に形成された凹孔である。又７（図１参照）は、上記の凹孔２ｃに係合するよ う、嵌合部３の垂直壁に押し戻し自在に突設された係合用の鋼球である。

【０００８】 ８は、上記のハウジング４に設けられた操作機構である。８ａは、コネクタ１ の金属爪１ｂに電線９を圧接する押し刃１０を下端部に備えた軸杆である。又８ ｂは、この軸杆８ａの上端に例えば螺合されて取り付けられた操作用の頭部であ り、８ｃはこの頭部８ｂを上方に弾発するコイルスプリングである。上記の操作 機構８は、これらの軸杆８ａ、操作用の頭部８ｂ、及びコイルスプリング８ｃと で形成されている。

【０００９】 上記の軸杆８ａは、ハウジング４内に上下動自在に収納されている。又押し刃 １０は、コネクタ１の金属爪１ｂなどに対応する位置が切り欠かれ、圧接作業時 に上記金属爪１ｂなどの位置を避けて電線９を押し込めるよう形成されている。 尚押し刃１０は、軸杆８ａの下端部にピン１１で止め付けられている。

【００１０】 上記の頭部８ｂは、特にその後方側及び両側方側の上周面位置が手のひらに馴 染むよう湾曲状に形成されている。又上記のコイルスプリング８ｃは、軸杆８ａ の外部露出位置に外装され、ハウジング４の上面と頭部８ｂの下面との間に介在 されている。

【００１１】 又Ｈ（図２参照）は、ハウジング４の下面から頭部８ｂの上面までの高さを示 し、この高さＨはこの実施例では６３（ｍｍ）に選定されている。又ハウジング ４の下部の横幅Ｗは、４０（ｍｍ）、奥行Ｄ（図５参照）は２８（ｍｍ）に選定 され、全体が掌中に納まる大きさに形成されている。

【００１２】 尚１２（図１、図２参照）は、軸杆８ａの上方への移動を制止するストッパー ピンである。このピン１２は、軸杆８ａの胴部に上下方向に延びて開口された長 孔８ａ₁ に先端部が挿嵌されている。又１３は電線９の挿込孔であり、１４はこ の挿込孔１３から挿し込まれた電線９を、押し刃１０の真下に配置するよう案内 するガイド部である。尚このガイド部１４は、押し刃１０が電線９を圧接したと き、軸杆８ａの下端８ａ₂ が上面に当接するよう高さが選定され、軸杆８ａの下 方への移動を制止するストッパーとしての機能も有している。

【００１３】 次にこの実施例の作用を説明する。 先ず作業者は、ハウジング４の下面に親指以外の手指をかけ、又頭部８ｂに例 えば親指の付け根をあてがって本案のプレス器を持つ。そしてホルダー２の嵌合 溝２ｂにコネクタ１を嵌め、コネクタ１の側端面をストッパー２ａに当接させて コネクタ１をホルダー２に保持させる。

【００１４】 次にコネクタ１の所望の電線取付け溝１ａを、ホルダー２をワンピッチづつス ライドさせて押し刃１０の直下に配置する。そして電線９を挿込孔１３から挿し 入れ、挿込孔１３に対向するハウジング４の内壁面４ａに突き当たるまで挿し込 む。

【００１５】 次に作業者は、この状態で本案のプレス器を、頭部８ｂの移動が停止するまで 強く握り締める。頭部８ｂは軸杆８ａの下端８ａ₂ がガイド部１４の上面に突き 当たって停止し、このとき押し刃１０が電線９を金属爪１ｂに圧接する。尚圧接 後、握力を緩めると、頭部８ｂはコイルスプリング８ｃの弾発力により自動的に 復元する。

【００１６】 以上の処において、本案では上記のハウジング４の下面が手指と係合し易いよ う、波形状に形成されると良い。又上例ではストッパーピン１２により、軸杆８ ａの戻りを規制しているが、本案はこれには限られず、その他例えばコイルスプ リング８ｃの下端をハウジング４の上面に、又上端を頭部８ｂの下面に夫々固着 し、これにより軸杆８ａの戻りを規制すると共に、その抜け落ちを防止するよう 形成するのでも良い。

【００１７】 更に上例では、押し刃１０の下方への移動距離を、ガイド部１４の上面高さを 利用して規制しているが、本案はこれに限定されるものではない。即ち本案の場 合は、例えばハウジング４の上面に、押し刃１０の移動距離に対応する高さに形 成されたストッパー片を取り付け、このストッパー片で頭部８ｂの下方への移動 を規制するよう構成しても良い。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本案は、コネクタの金属爪に電線を圧接する押し刃を有す る操作機構が、上記の如く形成された軸杆と、操作用の頭部と、又この頭部を上 方に弾発するコイルスプリングとで形成され、全体が掌中に納まる大きさに形成 されているものである。

【００１９】 従って本案の場合は、上記の頭部を例えば親指又は親指の付け根で、又親指以 外の手指をハウジングの下面にあてがって握り締めることにより、電線の圧接作 業を行なえるから、これを使用すれば、接続不良の電線を、修理作業を行なう現 場においてコネクタの金属爪に簡便且つ手軽に圧接できるという実用上優れた効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案プレス器の好適な一例を示す使用状態時の
縦断面図である。

【図２】本案プレス器のホルダー嵌合時の正面図であ
る。

【図３】コネクタを示す斜視図である。

【図４】Ａ、Ｂ共にホルダーを示し、Ａは平面図、Ｂは
背面図である。

【図５】本案プレス器の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ コネクタ １ｂ 金属爪 ２ ホルダー ３ 嵌合部 ４ ハウジング ８ 操作機構 ８ａ 軸杆 ８ｂ 操作用の頭部 ８ｃ コイルスプリング ９ 電線 １０ 押し刃

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタを保持するホルダーがスライド
   自在に嵌合される嵌合部がハウジングに形成され、この
   ハウジングに上記コネクタの金属爪に電線を圧接する押
   し刃を有する操作機構が設けられた電線圧接用のハンド
   プレス器において、上記の操作機構が、上記の押し刃を
   下端部に備えてハウジング内に上下動自在に収納された
   軸杆と、この軸杆の上端に形成された操作用の頭部と、
   又この頭部を上方に弾発するコイルスプリングとで形成
   され、全体が掌中に納まる大きさに形成されたことを特
   徴とする電線圧接用のハンドプレス器。