JPH065123A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH065123A
JPH065123A JP4163032A JP16303292A JPH065123A JP H065123 A JPH065123 A JP H065123A JP 4163032 A JP4163032 A JP 4163032A JP 16303292 A JP16303292 A JP 16303292A JP H065123 A JPH065123 A JP H065123A
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JP
Japan
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diisocyanate
insulated
component
insulating coating
electric wire
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JP4163032A
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English (en)
Inventor
Hironori Matsuura
裕紀 松浦
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性に優れ、しかも損傷し難い絶縁被膜を
有し、耐加工性に優れた絶縁電線を提供する。 【構成】 下記一般式(I) : 【化1】 [上記式中R1 ,R2 ,a,bは明細書に記載のとお
り。]で表される芳香族ジイソシアネート化合物を10
〜65モル%の範囲内で含有するジイソシアネート成分
と、酸成分とを原料とするポリアミドイミド系塗料の塗
布、焼付けにより、電線の表面に絶縁被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばモータのコア
に捲き付けられる、耐加工性にすぐれた絶縁電線に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化、軽量化の傾向に伴
い、モータについても、より小型、軽量で、しかも高性
能のものが要求されるようになってきた。この要求に答
えるには、モータのコアにより多くの絶縁電線を捲き付
ける必要があるが、コアのスロット内に絶縁電線を強引
に詰め込むことになり、捲線工程で絶縁被膜に損傷を生
じる危険性がある。そして、絶縁被膜に損傷が生じる
と、レアー不良やアース不良等が発生し、モータの電気
特性に不具合を生じるという問題がある。
【0003】そこで、通常は、ポリアミドイミド系の塗
料の塗布、焼付けにより形成された、機械的強度にすぐ
れた絶縁被膜を有する絶縁電線が、上記用途に使用され
ている。なお、ポリアミドイミドとしては、下記式(II)
で表されるジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ートとトリメリット酸無水物との反応生成物が、一般的
に使用される(たとえば特公昭44−19274号公
報、特公昭45−27611号公報等参照)。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近ではさら
に小型、軽量で性能の良いモータが要求され、それに対
応すべく、絶縁電線の捲線量がさらに増大する傾向にあ
り、ポリアミドイミド系の絶縁被膜でも損傷を生じるこ
とが多くなってきた。そこで、絶縁被膜の損傷を少しで
も減少させるために、たとえば有機または無機の潤滑剤
等を塗料に配合して、絶縁被膜の表面に潤滑性を付与す
ることが検討されているが、この方法では、絶縁被膜の
損傷を根本的に解決することはできない。
【0006】絶縁被膜の機械的強度をさらに向上すれば
損傷の発生を減少できるが、単に機械的強度を向上させ
たのでは、被膜が剛直で可撓性に劣るものとなり、電線
を曲げた際に割れたり剥離したりしやすくなって、絶縁
電線の加工性が悪化するという問題がある。本発明は、
以上の事情に鑑みてなされたものであって、可撓性にす
ぐれ、しかも損傷し難い絶縁被膜を有し、耐加工性にす
ぐれた絶縁電線を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、ポリアミドイミドの構造に
ついて検討を行い、その結果、下記一般式(I) :
【0008】
【化3】
【0009】[上記式中R1 ,R2 は、同一または異な
って、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を示す。a,bはそれぞれ0〜2で、かつa+
b=2の数を示す。]で表される芳香族ジイソシアネー
ト化合物を、原料としてのジイソシアネート成分中に含
有させて、ポリアミドイミドの構造中にナフタリン環を
導入すると、当該絶縁被膜の弾性率が向上して、可撓性
にすぐれ、しかも、損傷し難い絶縁被膜を形成できるこ
とを見出した。そして、上記一般式(I) で表される芳香
族ジイソシアネート化合物の含有割合についてさらに検
討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明の絶縁電線は、少なくとも
ジイソシアネート成分と酸成分とを原料とするポリアミ
ドイミド系塗料の塗布、焼付けにより形成された絶縁被
膜を有する絶縁電線において、原料としてのジイソシア
ネート成分が、上記一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物を10〜65モル%の範囲内で含有す
ることを特徴とする。
【0011】ポリアミドイミド系塗料の原料の一つであ
るジイソシアネート成分のうち、一般式(I) で表される
芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、たと
えばナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,3−
ジイソシアネート等があげられる。これらは単独で、あ
るいは2種以上混合して使用される。
【0012】上記各芳香族ジイソシアネート化合物の中
でも、構造的なバランスのよさや、あるいは入手のしや
すさ、コスト等の点で、下記式(Ia)で表されるナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネートが、本発明に最も好適に
使用される。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネ
ート化合物とともにジイソシアネート成分中に含まれる
他のジイソシアネートとしては、たとえばジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−3,3′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−
4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,
4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,
4′−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシ
アネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−
キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシ
アネート等、従来公知の種々のジイソシアネート化合物
があげられる。これらは単独で、あるいは2種以上混合
して使用される。
【0015】上記各ジイソシアネート化合物の中でも、
入手のしやすさやコスト等の点で、前記式(II)で表され
るジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートが、
好適に使用される。上記ジイソシアネート成分とともに
ポリアミドイミド系塗料を構成する酸成分としては、ト
リメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸
クロライド、または、トリメリット酸の誘導体のうちの
三塩基酸等があげられる。とくに、入手のしやすさやコ
スト等の点で、下記式(III) で表されるトリメリット酸
無水物が、好適に使用される。
【0016】
【化5】
【0017】また酸成分中には、テトラカルボン酸無水
物や二塩基酸、たとえば、ピロメリット酸二無水物、ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカ
ルボン酸二無水物、テレフタル酸、イソフタル酸、スル
ホテレフタル酸、ジクエン酸、2,5−チオフェンジカ
ルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、ベン
ゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、フタルジイミド
ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−
ジカルボン酸、アジピン酸等を、一部添加することもで
きる。
【0018】前記一般式(I) で表される芳香族ジイソシ
アネート化合物の、ジイソシアネート成分中に占める割
合が10〜65モル%の範囲内に限定されるのは、以下
の理由による。つまり、一般式(I) で表される芳香族ジ
イソシアネート化合物の割合が10モル%未満では、当
該芳香族ジイソシアネート化合物の添加効果が得られ
ず、絶縁被膜が損傷しやすいものとなってしまう。一
方、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネート化合
物の割合が65モル%を超えると、却って絶縁被膜の弾
性率が低下して損傷しやすくなる上、絶縁被膜が剛直で
可撓性に劣り、割れたり剥離したりしやすいものとなっ
てしまう。
【0019】なお、一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物の、ジイソシアネート成分中に占める
割合は、上記範囲の中でもとくに、30〜50モル%の
範囲内であるのが好ましい。上記ジイソシアネート成分
と酸成分とから、本発明に使用されるポリアミドイミド
系塗料を製造するには、たとえば、略化学量論量のジイ
ソシアネート成分と酸成分とを適当な有機溶媒中で共重
合させる、従来のポリアミドイミド系塗料と同様の製造
方法を採用することができる。
【0020】より詳細には、一般式(I) で表される芳香
族ジイソシアネート化合物を前記の割合で配合したジイ
ソシアネート成分を、略等モル量の酸成分とともに、適
当な有機溶媒中で0〜180℃の温度で1〜24時間反
応させると、上記芳香族ジイソシアネート化合物を含む
ジイソシアネート成分と酸成分との共重合体であるポリ
アミドイミドが、有機溶媒中に溶解または分散したポリ
アミドイミド系塗料が得られる。
【0021】また、本発明に使用されるポリアミドイミ
ド系塗料としては、一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物と酸成分とを原料として製造したポリ
アミドイミド系塗料と、上記芳香族ジイソシアネート化
合物以外のジイソシアネート化合物と酸成分とを原料と
して製造したポリアミドイミド系塗料とを配合したもの
も使用可能である。この場合には、原料としての全ジイ
ソシアネート成分中の、一般式(I) で表される芳香族ジ
イソシアネート化合物の割合が10〜65モル%の範囲
内になるように、両塗料の配合割合を調整すればよい。
【0022】なお、本発明に使用されるポリアミドイミ
ド系塗料には、さらに必要に応じて、顔料、染料、無機
または有機のフィラー、潤滑剤等の各種添加剤を添加し
てもよい。本発明の絶縁電線は、上記ポリアミドイミド
系塗料を電線の表面に塗布し、焼付けて絶縁被膜を形成
することで製造される。
【0023】絶縁被膜の膜厚については本発明ではとく
に限定されず、電線のサイズ等に応じて、従来と同程度
の膜厚に形成することができる。絶縁被膜の下層には、
当該絶縁被膜および電線との密着性のよい材料からなる
下地層を設けることもできる。下地層としては、ポリウ
レタン系、ポリエステル系、ポリエステルイミド系、ポ
リエステルアミドイミド系、ポリアミドイミド系、ポリ
イミド系等、従来公知の種々の絶縁塗料の塗布、焼付け
により形成される絶縁膜があげられる。中でも、電線や
絶縁被膜との密着性、或いは、被膜の機械的強度等の観
点から、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
トとトリメリット酸無水物とを含むポリアミドイミド系
塗料の塗布、焼付けにより形成される下地層が好まし
い。
【0024】下地層の膜厚についても本発明ではとくに
限定されないが、被膜の機械的強度等を考慮すれば、絶
縁被膜と下地層との膜厚の比が1/10〜10/1の範
囲内であることが好ましい。絶縁被膜の上層には、絶縁
被膜の表面に潤滑性を付与すべく、表面潤滑層を設けて
もよい。
【0025】表面潤滑層としては、流動パラフィン、固
形パラフィンといったパラフィン類の塗膜も使用できる
が、耐久性等を考慮すると、各種ワックス、ポリエチレ
ン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の潤滑剤をバインダ
ー樹脂で結着した表面潤滑層がより好ましい。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の絶縁電線を、実施例並びに
比較例に基づいて説明する。実施例1 温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器、窒素
吹き込み管を取り付けたフラスコ中に、上記窒素吹き込
み管から毎分150mlの窒素ガスを流しながら、10
8.6gのトリメリット酸無水物(以下「TMA」とい
う)と、11.9gのナフチレン−1,5−ジイソシア
ネート(以下「NDI」という)と、127.3gのジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(以下
「MDI」という)とを投入した。NDIの全ジイソシ
アネート中に占める割合は10モル%であった。
【0027】つぎに、上記フラスコ中に637gのN−
メチル−2−ピロリドンを入れ、攪拌器で攪拌しつつ8
0℃で3時間加熱し、さらに、3時間かけて140℃ま
で昇温した後、140℃で1時間加熱した。そして、1
時間経過した段階で加熱を止め、放冷して、濃度25%
のポリアミドイミド系塗料を得た。このポリアミドイミ
ド系塗料を、直径1.0mmの銅線表面に、常法によって
塗布、焼付けして、膜厚35μmの絶縁被膜を有する絶
縁電線を作製した。
【0028】実施例2 ポリアミドイミド系塗料作製時のNDIおよびMDIの
仕込み量を、NDI=35.6g、MDI=99.0
g、NDIの全ジイソシアネート中に占める割合を30
モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様にして絶
縁電線を作製した。
【0029】実施例3 ポリアミドイミド系塗料作製時のNDIおよびMDIの
仕込み量を、NDI=59.4g、MDI=70.7
g、NDIの全ジイソシアネート中に占める割合を50
モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様にして絶
縁電線を作製した。
【0030】比較例1 ポリアミドイミド系塗料作製時にNDIを仕込まず、M
DIを141.4g仕込んだこと以外は、上記実施例1
と同様にして絶縁電線を作製した。比較例2 ポリアミドイミド系塗料作製時のNDIおよびMDIの
仕込み量を、NDI=83.1g、MDI=42.4
g、NDIの全ジイソシアネート中に占める割合を70
モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様にして絶
縁電線を作製した。
【0031】実施例4 直径1.0mmの銅線表面に、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネートとTMAとを含む市販のポリア
ミドイミド系塗料(日立化成社製の品番HI−400)
を常法によって塗布、焼付けして、膜厚17μmの下地
層を形成した。つぎにこの下地層上に、実施例3で使用
したのと同じポリアミドイミド系塗料を常法によって塗
布、焼付けして、膜厚18μmの絶縁被膜を形成し、絶
縁電線を作製した。
【0032】上記各実施例、比較例の絶縁電線につい
て、以下の各試験を行った。外観評価 上記各実施例、比較例の絶縁電線の外観を、目視にて観
察した。弾性率測定 実施例、比較例の絶縁電線から銅線をエッチング除去
し、残った絶縁被膜(長さ6cm)を、引張試験機を用い
て、チャック間隔3cm、引張速度1mm/分の条件で引張
試験し、得られたS−Sカーブがら弾性率(kg/mm2
を求めた。
【0033】可撓性試験 実施例、比較例の絶縁電線に、直径1mmの丸棒をあてが
って、電線を丸棒の外形に対応させて曲げた際の、絶縁
被膜の割れや剥離を観察し、異状が見られなかったもの
を良、異状が見られたものを不良とした。急伸切断試験 実施例、比較例の絶縁電線を両端から急速に引っ張り、
急伸させて切断した後、切断部分における、被膜の銅線
からの浮き量(mm)を測定した。
【0034】ピアノ線損傷荷重測定 実施例、比較例の絶縁電線に直交させてピアノ線を重ね
合わせ、ピアノ線に種々の重さの荷重をかけた状態でピ
アノ線を引抜き、絶縁被膜が損傷する荷重を記録した。
以上の結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1の結果より、ジイソシアネート成
分としてNDIを含有しない比較例1の絶縁電線は、絶
縁被膜の弾性率が低く、また、ピアノ線損傷荷重測定の
結果より、絶縁被膜が損傷し易いことが判った。一方、
NDIの割合が65モル%を超える比較例2の絶縁電線
は、絶縁被膜の弾性率が著しく低く、また、ピアノ線損
傷荷重測定の結果より、絶縁被膜が極めて損傷し易いこ
とが判った。また上記比較例2の絶縁電線は、可撓性試
験の結果より、絶縁被膜の可撓性が悪く、急伸切断試験
の結果より、絶縁被膜が銅線から剥離し易いことも判っ
た。さらに比較例2の絶縁電線は外観も不良であった。
【0037】これに対し実施例1〜3の絶縁電線は何れ
も、損傷し難く、しかも、可撓性にすぐれるとともに、
銅線から剥離し難い絶縁被膜を有することが判った。ま
た、上記各実施例の結果より、NDIの割合が高くなる
程、絶縁被膜の弾性率が向上し、かつ、絶縁被膜が損傷
し難くなるが、絶縁被膜の密着性は、NDIの割合が低
い程好ましく、両特性のバランスを考慮すると、NDI
の割合が30〜50モル%の範囲内にある実施例2,3
がとくに優れたものであることが判った。
【0038】さらに、NDIの割合が同じ実施例3と実
施例4の結果を比較すると、実施例4は、実施例3に比
べて急伸切断試験による絶縁被膜の浮き量が小さいこと
から、下地層を形成することで、他の特性をそのまま維
持しつつ、被膜の密着性をさらに向上できることが判っ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の絶縁電線によれば、ポリアミド
イミドの構造中にナフタリン環を導入して、絶縁被膜の
弾性率を向上させることで、可撓性にすぐれ、しかも、
損傷し難い絶縁被膜を形成することができる。したがっ
て、本発明の絶縁電線は耐加工性にすぐれており、たと
えばモータの捲線に使用する場合には、コアへの捲線量
を従来より増大させても、捲線工程で絶縁被膜に損傷を
生じるおそれがなく、より小型、軽量で性能の良いモー
タの要求に対応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 73/14 NTJ 9285−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともジイソシアネート成分と酸成分
    とを原料とするポリアミドイミド系塗料の塗布、焼付け
    により形成された絶縁被膜を有する絶縁電線において、
    原料としてのジイソシアネート成分が、下記一般式(I)
    : 【化1】 [上記式中R1 ,R2 は、同一または異なって、水素原
    子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示
    す。a,bはそれぞれ0〜2で、かつa+b=2の数を
    示す。]で表される芳香族ジイソシアネート化合物を1
    0〜65モル%の範囲内で含有することを特徴とする絶
    縁電線。
  2. 【請求項2】原料としてのジイソシアネート成分におけ
    る、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネートの含
    有割合が30〜50モル%である請求項1記載の絶縁電
    線。
  3. 【請求項3】ポリアミドイミド系塗料が、一般式(I) で
    表される芳香族ジイソシアネートと酸成分とを原料とし
    て製造されたポリアミドイミド系塗料と、上記以外のジ
    イソシアネートと酸成分とを原料として製造されたポリ
    アミドイミド系塗料との混合物である請求項1記載の絶
    縁電線。
  4. 【請求項4】ポリアミドイミド系塗料が、一般式(I) で
    表される芳香族ジイソシアネートと、上記以外のジイソ
    シアネートと、酸成分とを原料として製造される請求項
    1記載の絶縁電線。
  5. 【請求項5】絶縁被膜の下層に、ジフェニルメタン−
    4,4′−ジイソシアネートとトリメリット酸無水物と
    を含むポリアミドイミド系塗料の塗布、焼付けにより形
    成された下地層を有する請求項1記載の絶縁電線。
  6. 【請求項6】絶縁被膜の上層に表面潤滑層を有する請求
    項1記載の絶縁電線。
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