JPH064959B2 - 湿式摩擦材の製造方法 - Google Patents

湿式摩擦材の製造方法

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JPH064959B2
JPH064959B2 JP62122037A JP12203787A JPH064959B2 JP H064959 B2 JPH064959 B2 JP H064959B2 JP 62122037 A JP62122037 A JP 62122037A JP 12203787 A JP12203787 A JP 12203787A JP H064959 B2 JPH064959 B2 JP H064959B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、クラッチの摩擦材、特に油液中で使用するに
適した湿式摩擦材に関する。
[従来の技術] 従来自動車、建設機械、農業機械、モーターボート等で
原動機からの駆動を変速機に伝達するクラッチは、常時
は充分に動力を伝達する一方、発進時などは適度な滑り
を与えると共に変速機の変速歯車の切り替え時には動力
を遮断する機能が要求される。かかる機能を満たすクラ
ッチとして摩擦式のクラッチが広く採用されている。そ
して摩擦式のクラッチには乾燥状態で使用される乾式ク
ラッチと油液中で使用される湿式クラッチとがある。
湿式クラッチのフリクションプレートは、ペーパーフェ
ーシングと呼ばれる摩擦材を芯金の両面に貼り合わせた
構成となっている。摩擦材はセルロースにグラファイ
ト、アスベスト、セラミックなどの無機充填剤や、カシ
ューダストなどの有機充填剤を添加した基材にフェノー
ル系樹脂やメラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸さ
せて加熱成形したものである。かかる材料は摩擦係数が
高いうえに弾性に富み、しかも多孔性であるから油の吸
収率が良いので、現在のところ最も優れた湿式摩擦材の
材料として使用されている。
摩擦式のクラッチでは摩擦熱が発生するため機能を安定
して維持するには、摩擦部分から熱が効率良く放出され
なければならない。湿式クラッチでは油が熱の運搬媒体
として重要な役割を負っている。摩擦面で発生した熱
は、油が媒体となって系全体を拡散放出される。従って
摩擦材自身の油保有量並びに油の出入りが少ないと熱放
出が無くなって過熱し、摩擦材の熱劣化及び油の酸化分
解が起り摩擦材としての機能が低下してしまう。かかる
事態を防ぐため摩擦材の表面に油が循環流通できる溝を
設けている。このような溝を設けた例はNSKベアリン
グジャーナル誌(発行元NSKワーナー株式会社)N
o.638(1976年発行)の56〜57頁に開示さ
れている。溝は通常加圧成形加工または切削加工により
付けられている。
さらに溝の形状等についても改良法が提案されている。
特開昭56−94030号公報には半径方向の溝の縁を
直角のものと曲面状のものとの二種類を設け潤滑楔効果
を与える旨の開示がある。また特開昭59−54825
号公報にはディスクプレートに相対するセパレータプレ
ードに冷却用潤滑油を係合作動時にも常に通すための半
径方向に貫通穴、または半径方向に通る溝を設ける旨の
開示がある。さらに特開昭61−149630号公報に
は溝ではなく基材の気孔率が異なった層を有しかつ摩擦
面が平坦である湿式摩擦材の開示がある。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の成形により形成した溝の場合は、その紙密度が溝
以外の部分と溝周辺部分と溝部分と順に大きくなりその
ため油潤滑下で相手部材の金属と継合した時、これらの
硬度が異なるため当たりが不均一になりスティックスリ
ップの原因となり振動が発生する。また削り出し溝の場
合はその削り出した溝の端部の繊維が切れてエッジ形状
となっており同じく相手材の金属と継合した時当たりが
不均一となり振動の発生の原因となる。また溝無の場合
はスティックスリップは発生しにくいが、耐久性が溝有
品に比べて低下する欠点がある。
本発明は上記に鑑み抄紙した紙の密度を溝部をも含めて
均一にしかつ溝部における繊維が切れることなく連続に
することによりスティックスリップの発生しない摩擦材
の製造方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の湿式摩擦材の製造方法は、製造しようとする湿
式摩擦材の所定溝をもつ摺動表面と略型対称な抄紙面を
もつ抄紙網を用いて、少なくとも基材繊維と充填剤とを
含む混合物を抄紙することにより、該所定溝をもつ摺動
表面と略同一の抄紙体を製造する抄紙工程、 得られた抄紙体を該所定溝をもつ摺動表面と型対称な型
面をもつ成形型を使用し該型面の凹凸部と該抄紙体の凹
凸部を一致させて型成形する型成形工程とを有する事を
特徴とする。
所定溝と摺動表面とは曲面で連接していることが好まし
い。また型成形工程は中央孔を有する円板状芯金の両側
に各々抄紙板が積層され互いに対向する型面をもつ成形
型で型成形されることが望ましい。
基材繊維は主としてセルロース繊維でありその他有機、
無機の繊維を添加することも出来る。充填剤は無機充填
剤、有機充填剤を単独もしくは併用して用いることがで
きる。無機充填剤は摩擦性能の向上と耐熱性の向上の目
的で用いられ硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カ
ルシウム、ケイ酸、アルミナ、ケイソウ土、アスベス
ト、グラファイト、セラミックスが単体または複数混合
して用いられる。有機充填剤はカシューダスト等が使用
されこれらは通常の抄紙法により抄紙体中に均一に配合
される。
得られた抄紙体にフェノール系樹脂やメラミン系樹脂を
含浸し所定溝をもつ摺動表面と型対称な型面をもつ成形
型を使用して加熱加工成形する。
この加熱加工成形により均一で溝部において繊維が切れ
ることなく連続した状態の摩擦材が得られる。
[実施例] 以下実施例により本発明を説明する。
第1図に本発明で使用する抄紙網1の円囲端部の部分断
面図を示す。この抄紙網1は摩擦材の所定溝をもつ摺動
表面と略型対称な抄紙面を有する。すなわち凸部2を所
定の箇所に形成されている。
抄紙工程は上記の抄紙網1を使用する以外は通常の抄紙
装置により常法に基づいて抄紙を行なうことができる。
第1表に示す組成の繊維、充填剤を混合して分散液を作
り抄紙網1上に抄紙体3を形成する。第2図に抄紙網1
上に形成した抄紙体3の部分断面図を示す。第3図には
形成された抄紙体3の部分断面図を示す。この抄紙体は
摺動表面と略同一溝4を有する。なおこの形状は型成形
時の収縮を考慮したものであることが必要である。第4
図には型成形工程を示す部分断面模式図である。上記で
得られた抄紙体3を所定溝をもつ摺動表面と型対称な型
面をもつ成形型6(上型)、7(下型)を用い型面の凹
凸部と抄紙体3の凹凸部を一致させて型成形する。この
際中央孔を有する円板状芯金5の両側に抄紙体3の溝4
を有する面を成形型面側として積層されている。成形型
6、7の型面には凸状部8が設けられ第4図に示すごと
く抄紙体3の溝4と型面の凸状部とが一致する配置とな
っている。この芯金5を挟んだ抄紙体3は所定量(第1
表に示す)のフェノール樹脂を含浸したもので成形型
6、7により加圧加熱されて成形される。得られた摩擦
材の部分断面を第5図に示す。この摩擦材は摩擦部材9
が芯金5を挟んで形成されており摺動表面と同一の溝が
表面に形成されている。なお抄紙体の組成中Aに対しB
は繊維を減らして有機充填材を増したもの、CはBに対
し無機充填材を減らしその分無機繊維を加えたものであ
る。
第6図に摩擦材11の平面図を示す。この摩擦材は芯金
5に摩擦材9が両面より挟み、摩擦材の表面に溝10が
向き合って対になって形成されている。ここで金型6、
7の凸部8と摩擦材9の溝10とはピッチ高さもほぼ同
一形状を有していた。
なお成形条件は面圧1250kg/cm2、熱成形温度20
0℃、成形時間は2分である。摩擦材の寸法はライニン
グ厚さ0.52mm、ライニング外径φ126mm、ライニ
ング内径φ105mm、コアプレート厚さ0.8mm、溝形
状はダブルパラレル9本溝である。
比較材として溝無品(比較例1)、切削加工によるダブ
ルパラレル9本溝品(比較例2)、プレス加工によるダ
ブルパラレル9本溝品(比較例3)、を実施例と同一組
成で作成して以下の試験を実施例と同様に行なった。
試験機はSAE#2型試験機、面圧30kg/cm2、回転
数5rpm、使用オイルは出光石油株式会社製デクスロ
ンIIを用い油温20℃でトルク変動の測定を行なった。
結果を第7図に示す。トルクの変動巾(振れ幅)は実施
例と比較例の溝無品については変動が小さいが、切削加
工、プレス加工品は組成を代えてもトルク変動は高い値
を示した。従って本発明の製造法による溝を形成したも
のはトルクの変動巾が少なくて優れた湿式摩擦材であ
る。
耐久サイクル試験は回転数5000rpm、面圧10kg
/cm2、油温80℃、イナーシャ2.0kgcmS、摩擦
板枚数5枚にした以外は上記のトルク変動試験と同じ条
件で試験を行なった。第8図に結果を示す。本発明の製
造法による溝を形成した摩擦材と切削加工により溝を形
成した場合は耐久性に優れているが、溝無し品は耐久性
が著しく悪い。従って本発明はトルク変動を小さくしス
ティックスリップの発生を抑えかつ耐久性に優れた摩擦
材を提供する製造方法である。なお、本発明の溝形成法
は上記以外いかなる形状にも対応することが出来る。
[発明の効果] 本発明の湿式摩擦材の製造方法は、所定溝をもつ摺動表
面と略型対称な抄紙面をもつ抄紙網により抄紙体を抄紙
する抄紙工程と、該抄紙体を摺動表面と型対称な型面を
もつ成形型を使用して成形する型成形工程を実施して得
られる湿式摩擦材は密度が均一で、切削加工等で発生す
る溝部の繊維が切れて不連続となることがないため、ト
ルク変動を小さくしスティックスリップの発生を抑え、
かつ耐久性に優れた摩擦材が得られる製造方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の抄紙網を示す部分断面図であり、第2
図より第5図は製造工程で形成される摩擦材の様子を示
す部分断面図で、第2図が抄紙時、第3図が抄紙体を、
第4図が加圧成形時の模式図を、第5図は成形体を示
し、第6図は摩擦材の平面図であり、第7図はトルク変
動結果を示すグラフであり、第8図は耐久試験結果を示
すグラフである。 1…抄紙網 2…抄紙網の溝用凸部 3…抄紙体 4、10…溝 5…芯金 6…成形上型 7…成形下型 8…成形型の溝用凸部 9…摩擦材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 69/00 8009−3J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製造しようとする湿式摩擦材の所定溝をも
    つ摺動表面と略型対称な抄紙面をもつ抄紙網を用いて、
    少なくとも基材繊維と充填剤とを含む混合物を抄紙する
    ことにより、該所定溝をもつ摺動表面と略同一の抄紙体
    を製造する抄紙工程、 得られた抄紙体を該所定溝をもつ摺動表面と型対称な型
    面をもつ成形型を使用し、該型面の凹凸部と該抄紙体の
    凹凸部を一致させて型成形する型成形工程とを有する事
    を特徴とする湿式摩擦材の製造方法。
  2. 【請求項2】所定溝と摺動表面とは曲面で連接している
    特許請求の範囲第1項記載の湿式摩擦材の製造方法。
  3. 【請求項3】型成形工程は中央孔を有する円板状芯金の
    両側に各々抄紙板が積層され、互いに対向する型面をも
    つ成形型で型成形される特許請求の範囲第1項記載の湿
    式摩擦材の製造方法。
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