JPH0649574U - 便器洗浄用給水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ボールタップ給水栓を備えるタンク式の便器洗
浄用給水装置において、排水弁の開弁から排水弁閉弁ま
での間にボールタップ給水栓からタンクへ供給される水
の無駄な消費をなくし、節水を図る。 【構成】ボールタップ給水栓を備えるタンク式の便器洗
浄用給水装置において、タンク内に給水仮保持用容器を
設けてボールタップ給水栓の吐水口を該給水仮保持用容
器に臨ませると共に給水仮保持用容器には排出口と、タ
ンクの排水弁の閉弁に連動して排出口を開放し、前記排
水弁の開弁に連動して排出口を閉鎖する弁を設けること
により、排水弁の開弁から排水弁閉弁までの間にボール
タップ給水栓からタンクへ供給される水を給水仮保持用
容器に溜めておき、排水弁が閉弁してからタンクに移す
ようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は大便器を洗浄させるための給水装置、特にボールタップ給水栓を備え るタンク式の給水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ボールタップ給水栓を備えるタンク式の便器洗浄用給水装置は、タンク の排水弁が開かれてタンク内に貯溜されている洗浄水の便器への供給が開始され 、タンク内水位が下降し始めると直ちにボールタップ給水栓が開弁してタンクへ の給水が開始され、この給水開始から排水弁閉弁までの間にタンクへ給水される 水は予めタンクに貯水されていた水と共に便器に供給されるようになっている。

【０００３】 また、サイホン作用を利用して汚物を排出する型式の便器においては、サイホ ンによって便器のボール部の溜水が不足となる対応として、ボールタップ給水栓 からの給水の一部を便器洗浄用としてタンクへ給水する水とは別に封水用補給水 としてオーバーフロー管などを介して便器に供給しており、この補給水もタンク への給水と同様タンク内水位の下降開始と同時に供給が開始されている。 一方、どの様な型式の便器に使用する給水装置であっても、タンクの貯水量は 便器の洗浄に必要充分な水量に設定されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このため、排水弁の開弁によるタンク水位の下降開始から排水弁閉弁までの間 にボールタップ給水栓からタンクへ供給され、予めタンクに貯水されていた水と 共に便器に流される水（一般に追っかけ水と称されるので、以下の説明ではこれ を追っかけ水という）は便器洗浄に対して余分な水であり、無駄に流されている ことになる。 また、サイホン作用を利用して汚物を排出する型式の便器においては、上記の ような無駄な追っかけ水に加えて本来はサイホンが終了してから供給すればよい 封水用の補給水もそれ以前から無駄に流している。

【０００５】 本考案は従来技術が有する上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とす る処はボールタップ給水栓を備えるタンク式の便器洗浄用給水装置における追っ かけ水等、水の無駄な消費をなくし、節水を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の便器洗浄用給水装置では、ボールタップ給 水栓を備えるタンク式の便器洗浄用給水装置において、タンク内に給水仮保持用 容器を設けてボールタップ給水栓の吐水口を該給水仮保持用容器に臨ませると共 に給水仮保持用容器には排出口と、タンクの排水弁の閉弁に連動して排出口を開 放し、前記排水弁の開弁に連動して閉鎖する弁を設けるものである。 そして、便器がサイホン作用を利用して汚物を排出する型式の便器であるばあ いには、上記給水仮保持用容器はオーバーフロー管上端にこれと連通状に設け、 オーバーフロー管にはタンクの排水弁の開弁に連動して閉弁し、前記排水弁の閉 弁に連動して開弁する開閉弁を設けるものである。

【０００７】

【作用】

以上のように構成した便器洗浄用給水装置にあっては、タンク排水弁の開弁に よるタンク内水位の下降開始と同時にボールタップ給水栓からタンクへ供給され る水は一旦給水仮保持用容器に溜められ、タンク排水弁の閉弁後に給水仮保持用 容器からタンクへ排出されてタンクに貯水される。 また、給水仮保持用容器をオーバーフロー管の上端に設けたものにあってはオ ーバーフロー管内にも水が溜まり、この溜まった水がタンクの排水弁が閉弁した 後（このときにはサイホンは終了している）に便器に供給されて封水用の補給水 としての役割を果たす。

【０００８】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案の実施の一例を説明する。 図中Ａは便器洗浄水貯水用のタンクで、底部に排水弁ａ、側壁上部にボールタ ップ給水栓ｂが夫々設けられており、上記排水弁ａを介して不図示の大便器に連 絡し、ボールタップ給水栓ｂを介して水道などの給水源１に連絡している。

【０００９】 排水弁ａはタンクＡの底壁にこれを貫通する状態に取り付けられた排水本体２ に形成された弁座３と、この弁座３の下流側に連絡するように排水本体２に接続 されるオーバーフロー管４の基部に枢着されて上記弁座３に接離自在に対応する フラッパー弁５とにより構成されており、該フラッパー弁５にはタンクＡの側壁 上部またはタンク蓋などに配備する排水操作器具（図示せず）に取り付けられて 垂下し操作器具の操作により上方に引き上げられる鎖６の下端が連結されている 。

【００１０】 従って、この排水弁ａは排水操作器具の操作により鎖６を介してフラッパー弁 ５が弁座３から引き上げられて開弁し、タンクＡ内の水を便器に給水する。 そして、タンクＡ内の水位が下がりフラッパー弁５が水面に出るとフラッパー 弁５が自重により下降して弁座３に着座し閉弁する。

【００１１】 上記オーバーフロー管４はタンクＡ内に起立してタンクＡの満水水位より若干 上方の高さ位置に達するまで上方に延びており、その上端には給水仮保持用容器 ７を一体に備えている。 また、オーバーフロー管４の基部には、フラッパー弁５を枢着する軸８に取り 付けられてフラッパー弁５の上下回動に連動して回動し、排水弁ａの開弁時には オーバーフロー管４を閉鎖し、閉弁時にはオーバーフロー管４を開放する開閉弁 ９を備えている。

【００１２】 給水仮保持用容器７はオーバーフロー管４の上端に受け皿状に形成されてオー バーフロー管４と連通しており、その底部には外底面に沿ってスライドするスラ イド弁10により開閉される排出口11が開設されている。

【００１３】 上記スライド弁10にはリンク機構を備えた作動アーム12が取り付けられており 、該作動アーム12の他端はタンクＡ側壁またはボールタップ給水栓ｂなどの適当 な箇所（図示例ではボールタップ給水栓ｂの吐出口13）に固定され、中途部は前 記鎖６に連係されている。

【００１４】 作動アーム12は鎖６の動きに連携して鎖６の上方及び下方への移動にスライド 弁10を連動させ、鎖６の上方への移動によりスライド弁10を給水仮保持用容器７ の排出口11を塞ぐ方向にスライドさせ、鎖６の下方への移動によりスライド弁10 を上記排出口11を開く方向にスライドさせるように構成されている。

【００１５】 一方、前記ボールタップ給水栓ｂは、タンクＡ内の水位の昇降による浮子14の 上下動により弁を開閉して、水位が低下すると給水を開始し、水位が所定の高さ まで復帰すると給水を停止する従来周知の構造形態を備えるもので、その吐出口 13を上記給水仮保持用容器７内に臨ませて設けられている。

【００１６】 而して、斯様に構成した便器洗浄用給水装置は、排水操作器具を操作して排水 弁ａを開弁させタンクＡ内の水を便器に供給すると、従来のこの種給水装置同様 タンクＡ内水位の下降開始と同時にボールタップ給水栓ｂの給水が開始するが、 ボールタップ給水栓ｂからの給水は給水仮保持用容器７内に吐出される。

【００１７】 そしてこの時、排水操作器具の操作による鎖６の引上げに連動してスライド弁 10がスライドし、給水仮保持用容器７の排出口11を閉鎖し、同時に鎖６に引っ張 られて排水弁ａのフラッパー弁５が上方に回動するのに連動してオーバーフロー 管４内の開閉弁９がオーバーフロー管４をその基部において閉鎖する。 従って、ボールタップ給水栓ｂにより給水される水は一旦オーバーフロー管４ 内及び給水仮保持用容器７内に貯水される。

【００１８】 次に、タンクＡ内の排水が進んでフラッパー弁５が水面に現れる程度まで水位 が低下すると、フラッパー弁５は下降し始め排水弁ａは閉弁する。 このフラッパー弁５の下降により鎖６が下方に引っ張られて移動し、この鎖６ の動きに連動してスライド弁10が上記とは逆方向にスライドして給水仮保持用容 器７の排出口11を開放し、同時にフラッパー弁５の下向きの回動に連動してオー バーフロー管４の開閉弁９がオーバーフロー管４を開放する。

【００１９】 従って、排水弁ａの閉弁により給水仮保持用容器７に溜められていた水が排出 口11を介してタンクＡ内に排出されると共にオーバーフロー管４に貯まっていた 水が排水本体２を経て封水用の補給水として便器に供給される。 以後、ボールタップ給水栓ｂから供給される水は、給水仮保持用容器７の排出 口11を介してタンクＡ内に供給され続け、タンクＡ内の水位が所定の水位に達す るまで給水が継続される。

【００２０】 尚、以上説明した実施例では、給水仮保持用容器７をオーバーフロー管４の上 端に一体に設けたが、便器がサイホン作用を利用して汚物を排出する型式のもの 以外の場合には、給水仮保持用容器７をオーバーフロー管４とは切り離してタン クＡ内の適当な場所に設けるようにしてもよい。 この場合、オーバーフロー管４に設けた開閉弁９も不要となるのはいうまでも ない。

【００２１】

【効果】

本考案は以上のように構成したので、下記するような効果を奏する。 （１）．タンク内に給水仮保持用容器を設けてボールタップ給水栓の吐水口を該 給水仮保持用容器に臨ませると共に給水仮保持用容器には排出口と、タンクの排 水弁の閉弁に連動して排出口を開放し、開弁に連動して排出口を閉鎖する弁を設 けたので、タンク排水弁の開弁と同時にボールタップ給水栓からタンクへ供給さ れる水はタンク排水弁の閉弁までは給水仮保持用容器に溜められ、排水弁の閉弁 後に給水仮保持用容器からタンク内に移されることになり、従来の便器洗浄用給 水装置のように無駄に流される追っかけ水がなくなり、節水が果たされる。 （２）．給水仮保持用容器をオーバーフロー管上端にこれと連通状に設け、オー バーフロー管にはタンクの排水弁の開弁に連動して閉弁し、閉弁に連動して開弁 する開閉弁を設けたので、ボールタップ給水栓により給水される水がタンク排水 弁の開弁から閉弁までの間オーバーフロー管内にも溜められ、この水が封水用補 給水として排水弁の閉弁後に便器に供給されることになり、サイホン作用を利用 して汚物を排出する型式の便器において従来の給水装置のように封水用補給水を 必要とされる時期より前から供給するような無駄がなく、封水用補給水の節水が 果たされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す便器洗浄用給水装置の
断面図で、排水弁が閉弁した後におけるボールタップ給
水栓からの給水状態を示している。

【図２】同断面図で、排水弁が開弁しているときの状態
を示している。

【符号の説明】

Ａ：タンク ａ：排水弁 ｂ：ボールタップ給水栓 ４：オーバー
フロー管 ７：給水仮保持用容器 ９：開閉弁 10：排出口を開閉する弁（スライド弁） 11：排出口 13：ボールタップ給水栓の吐出口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボールタップ給水栓を備えるタンク式の便
   器洗浄用給水装置において、タンク内に給水仮保持用容
   器を設けてボールタップ給水栓の吐水口を該給水仮保持
   用容器に臨ませると共に給水仮保持用容器には排出口
   と、タンクの排水弁の閉弁に連動して排出口を開放し、
   前記排水弁の開弁に連動して排出口を閉鎖する弁を設け
   てなる便器洗浄用給水装置。
2. 【請求項２】給水仮保持用容器をオーバーフロー管上端
   にこれと連通状に設け、オーバーフロー管にはタンクの
   排水弁の開弁に連動して閉弁し、前記排水弁の閉弁に連
   動して開弁する開閉弁を設けてなる請求項１記載の便器
   洗浄用給水装置。