JPH0649238A - プリプレグ及び電気用積層板 - Google Patents

プリプレグ及び電気用積層板

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JPH0649238A
JPH0649238A JP4223500A JP22350092A JPH0649238A JP H0649238 A JPH0649238 A JP H0649238A JP 4223500 A JP4223500 A JP 4223500A JP 22350092 A JP22350092 A JP 22350092A JP H0649238 A JPH0649238 A JP H0649238A
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JP
Japan
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group
hydrogen
cyanate ester
prepreg
electrical laminate
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Application number
JP4223500A
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English (en)
Inventor
Hidenari Tsunemi
常深  秀成
Toshinobu Nakada
年信 中田
Kiyoyuki Minamimura
清之 南村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ギガヘルツ帯での誘電正接に優れ、且つ、吸湿
率の低く、耐熱性に優れたプリント配線板の原材料とな
るプリプレグ。 【構成】一般式Iの、例えば4−メチルシアナートベン
ゼンである芳香族単官能シアン酸エステル5〜45モル
%および一般式IIの、例えば2,2′−ビス(4−シア
ナートフェニル)プロパンである2官能シアン酸エステ
ルあるいは該2官能シアン酸エステルプレポリマー55
〜95モル%を反応させて得られるプレポリマーを含有
する樹脂組成物を基材に含浸したプリプレグおよび該プ
リプレグの所用枚数を積層した電気用積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明発明は優れた高周波特性が
求められる電気用積層板およびプリプレグに関する。こ
こで電気用積層板とは、各種電気および電子部品の基板
として用いられる絶縁積層板や、印刷回路基板として用
いられる金属箔張積層板を意味する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業や通信、コンピューター
などの分野において使用される周波数はメガ、ギガヘル
ツ帯のような高周波領域になりつつある。このような高
周波領域で用いられる電気用積層板などの絶縁層には低
誘電率、低誘電正接の材料が求められている。
【0003】このため各種の低誘電率、低誘電正接樹脂
が開発されてきた。中でもシアン酸エステル樹脂系は熱
硬化性樹脂のなかでは誘電率、誘電正接が優れている。
たとえば、ビスフェノールAのジシアン酸エステルは積
層板用のマトリックス樹脂にすでに使用されている。ま
た、特開昭63−250359にはフッ素含有ジシアン
酸エステルが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のも
のを含む従来のシアン酸エステル樹脂では、一般に電気
用積層板に用いられるエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂に比べては低い誘
電率及び誘電正接を示すものの高周波領域とくにギガヘ
ルツ帯での誘電正接は十分に満足のいくものではなかっ
た。特にギガヘルツ帯での通信用に用いられる電気用積
層板に求められる誘電正接は、0.005以下が好まし
く、更に好ましくは0.004以下が望ましい。
【0005】また、誘電率が低いことも、コンピュータ
ーの高速化により重要性か増してきており、電気用積層
板の誘電率としては4以下が求められている。
【0006】さらに、樹脂の吸湿は高周波領域とくにギ
ガヘルツ帯での誘電正接や誘電率などの電気特性を著し
く低下させる。シアナート樹脂は優れた電気特性を有し
ながら、その吸湿により電気特性を低下させるという問
題点を有していた。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高周波領域とくにギガヘルツ帯での樹脂硬化物の誘
電特性、特に誘電正接に優れ、かつ、吸湿による誘電特
性の劣化の少ないシアン酸エステル樹脂を用いた高周波
下での誘電特性に優れたプリプレグ及び電気積層板を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明のプリプレグ及び積層板は一般式I,
【化3】 (Ra,Rb,Rc,Rdは同一でも異なってもよく、
Raは水素、アルキル基、アリール基であり、Rb,R
c及びRdは水素、アルキル基、アリール基、クミル
基、1−メチルベンジル基である。)の芳香族単官能シ
アン酸エステル5〜45モル%及び一般式II,
【化4】 (R1およびR2は同一であっても異なっていてもよ
く、水素、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリ
ール基であり、Aは単結合、未置換メチレン基、水素原
子の1つまたは2つをアルキル基、パーフルオロアルキ
ル基、および/またはアリール基で置換した置換メチレ
ン基、5員もしくは6員の環状脂肪族基、スルホン基、
2価の硫黄、酸素、2価のカルボニル基、テトラメチル
キシリデン基、またはフェニレン基である。)の芳香族
2官能シアン酸エステルまたはそのプレポリマー55〜
95モル%(2官能シアン酸エステルに換算した値)を
反応させたプレポリマーを含有する樹脂組成物を基材に
含浸したプリプレグ、および該プリプレグを所用枚数重
ねて加熱加圧して得られる積層板である。
【0009】
【作用】上記のシアン酸エステル樹脂組成物を用いたプ
リプレグ及び積層板を使用することにより高周波領域、
特にギガヘルツ帯での誘電正接が小さく、伝送損失の小
さく、かつ、吸湿特性に優れたプリント配線板や多層プ
リント配線板等を得ることができる。
【0010】
【実施例】本発明の硬化性樹脂組成物の芳香族2官能シ
アン酸エステル一般式IIの構造のものが好ましい。すな
わち、4,4’−ジシアナートフェニルタイプのものが
好ましい。2,2’−ジシアナートフェニルタイプのシ
アン酸エステルの硬化物がギガヘルツ帯での誘電正接が
非常に小さいことについては、本発明出願人の特願平4
−75148に記載されている。しかし、このような構
造の2官能シアン酸エステルは、単独硬化させても十分
に誘電正接が小さく、単官能のシアン酸エステルをブレ
ンド硬化させるとかえって誘電正接を大きくしてしま
う。ところが、一般式IIに示したような4,4’−ジシ
アナーフェニルタイプのシアン酸エステルは、一般式I
に示した構造の単官能シアン酸エステルをブレンドする
ことによって、単独硬化物に比べて大幅に誘電正接を下
げることができる。このような構造のシアン酸エステル
の原料である4,4’−ジヒドロキシフェニルタイプの
ジフェノールは比較的容易にかつ安価に入手できる原料
であり、コスト的にも有利である。この芳香族2官能シ
アン酸エステルのR1およびR2は同一でも異なってい
てもよい。R1およびR2のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基及び異性体ペ
ンチル基などを用いることができる。なかでもC1〜C
4のアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基で
ある。パーフルオロアルキル基としてはパーフルオロメ
チル基、パーフルオロエチル基等を用いることが出来
る。なかでも、C1〜C4のパーフルオロアルキル基が
好ましい。R1およびR2が水素である場合、あるいは
R2が水素である場合も重要である。アリール基として
は、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−メチルフ
ェニル基、m−メチルフェニル基やC2〜C4のアルキ
ル基でモノ置換したフェニル基またはC1〜C2のアル
キル基で2置換したフェニル基や1−ナフチル基、2−
ナフチル基、C1〜C4のアルキル基で置換されたナフ
チル基などを用いることができる。なかでもフェニル
基、C1〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニル基
及びC1〜C4のアルキル基でジ置換したフェニル基が
好ましい。さらに好ましくはフェニル基及びメチル基で
モノ置換したフェニル基である。ハロゲンとしては、フ
ッ素、塩素、臭素、よう素を用いることができるが、中
でも塩素、臭素が好ましい。中でもR1 、R2 としては
水素、アルキル基、ハロゲン、パーフルオロアルキル基
が好ましい。特に水素、アルキル基、ハロゲンが好まし
い。
【0011】Aとしては単結合、未置換メチレン基のほ
か、メチレン基の1つまたは2つの水素原子をアルキル
基、パーフルオロアルキル基および/またはアリール基
で置換したメチレン基として、イソプロピリデン基、炭
素数2〜10のアルキリデン基、パーフルオロイソプロ
ピリデン基、ジフェニルメチレン基フェニル(メチル)
メチレン基、フェニル(エチル)メチレン基、1,1−
エチレン基、1,1−プロピレン基、フェニルメチレン
基等を用いることができる。
【0012】2価の5員もしくは6員の環状脂肪基とし
て1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシ
レン基などを用いることができる。
【0013】また、スルホン酸、2価の硫黄、2価の酸
素、2価のカルボニル基、テトラメチルキシリデン基や
フェニレン基も用いることができる。テトラメチルキシ
リデン基とは2個のイソプロピリデン基で置換されたベ
ンゼンのことである。この中で、好ましくは未置換メチ
レン基、イソプロピリデン基、酸素、硫黄、2価のカル
ボニル基、テトラメチルキシリデン塩、特に好ましく
は、未置換メチレン基、酸素、2価のカルボニル、テト
ラメチルキシリデン基である。
【0014】また、単官能芳香族シアン酸エステルのR
a,Rb,Rc及びRdは同一でも異なっていてもよ
く、Raとしては水素、アルキル基、アリール基が用い
られる。特に水素、アルキル基が好ましい。
【0015】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基及び異性体ペンチル基など
を用いることができる。なかでもC1〜C4のアルキル
基が好ましい。さらに好ましくは、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
【0016】アリールとしては、フェニル基、p−メチ
ルフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェ
ニル基やC2〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニ
ル基またはC1〜C2のアルキル基で2置換したフェニ
ル基や1−ナフチル基、2−ナフチル基、C1〜C4の
アルキル基で置換されたナフチル基などを用いることが
できる。なかでもフェニル基、C1〜C4のアルキル基
でモノ置換したフェニル基及びC1〜C4のアルキル基
でジ置換したフェニル基が好ましい。さらに好ましくは
フェニル基及びメチル基でモノ置換したフェニル基であ
る。
【0017】Rb,Rc及びRdとしては、水素、アル
キル基、アリール基の他のクミル基、1−メチルベンジ
ル基を用いるけことができる。Rb,Rc,Rdのいず
れかがメチル基、フェニル基、クミル基または1−メチ
ルベンジル基で他の置換基が水素の場合は特に好まし
い。
【0018】特表平2−503003にジシクロペンタ
ジエンのフェノールの重合体のシアン酸エステルと各オ
ルト位がメチル基で置換された単官能フェノールのシア
ン酸エステルのブレンド硬化物が靱性及び剛性を改良す
ることが報告されている。しかしながら、この場合は、
誘電特性に関する記載はなく、また、単官能シアン酸エ
ステルの各オルト位にアルキル基のごとき置換基が存在
することが必須である。
【0019】この特表平2−503003は、樹脂の機
械的特性に注目しているが、例えば樹脂組成物を基材に
含浸させて使用する電気用積層板などの用途の場合に
は、樹脂の機械的強度はもともと充分高く、例えばエポ
キシ樹脂などより強靱であることから問題となることは
ほとんどない。又、例え、本発明のごとき、2種のシア
ン酸エステルのブレンドにより機械的強度が低下するよ
うな傾向が生じたとしても、基材が存在することで機械
的な補強の役割をはたすため何ら問題とならない。それ
よりも本発明の目的とする極めて良好な低誘電率、低誘
電正接、低吸水率、低コスト、良好な機械的特性バラン
スが本発明の構成によってはじめて達成できる。
【0020】本発明で用いることのできる単官能シアン
酸エステルは、必ずしも各オルト位に置換基を持つ必要
はない。全くオルト位に置換基がなくてもよいし、片方
のオルト位のみに置換基を持っていてもよい。
【0021】この硬化性樹脂組成物に使用する芳香族シ
アン酸エステルは、多官能フェノールまたは単官能フェ
ノールとハロゲン化シアンをトリエチルアミン等の存在
下で反応させて合成することができ、例えば米国特許3
553244に記載されている方法を用いることができ
る。すなわち、1例をあげるとアセトン溶媒中でポリフ
ェノールと臭化シアンの当量混合物の中に0℃〜10℃
でトリエチルアミンを加える。この際に生じたトリエチ
ルアミンの臭化水素酸塩を除去した後、溶媒を留去して
得られた粗生成物を再結晶などの方法で精製して得られ
る。
【0022】本発明のプリプレグを作製するには、シア
ン酸エステル樹脂ワニスを調整する必要がある。まず、
単官能シアン酸エステル5〜45モル%と2官能シアン
酸エステルまたは該シアン酸エステルプレポリマー55
〜95モル%(2官能シアン酸エステルモノマーに換算
した値)をブレンドし、加熱して反応させたプレポリマ
ーを含む樹脂組成物をこれに可溶な溶剤に溶解させてワ
ニスを調整する。この時に樹脂組成物中の単官能シアン
酸エステルの割合が45モル%を超えると、機械特性や
耐熱性が劣化し、好ましくない。また、単官能シアン酸
エステルの割合が5モル%より少ないと改良の効果がで
ない。低誘電正接化及び低吸湿率化の効果を十分に引き
出すためには、単官能シアン酸エステルを7〜40モル
%、2官能シアン酸エステルまたは該シアン酸エステル
プレポリマー60〜93モル%ブレンドすることが好ま
しい。単官能シアン酸エステルが10〜35モル%で、
2官能シアン酸エステルまたは該シアン酸エステルプレ
ポリマー65〜90モル%のブレンドはさらに好まし
い。この際に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、スピロピラン樹脂、フェノール樹脂、
ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、フッ素樹脂、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、
ポリカーボネートなど熱可塑性樹脂の1種類以上の樹脂
の上記プレポリマーを混合して使用してもかまわない。
また、ワニス中には硬化反応を促進させるために硬化触
媒や硬化促進剤をいれてもよいが必ずしも必要ではな
い。
【0023】硬化触媒としてはイミダゾール類、第3級
アミン、有機金属化合物等が用いられる。有機金属化合
物が好ましく、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、
ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等が用いられる。
また、非イオン性の金属キレート化合物の亜鉛、コバル
ト、銅、マンガン、鉄のアセチルアセトナート等も好ま
しい。硬化促進剤としては不揮発性のフェノール類を使
用することが好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS等の各種ビスフェノール類や
ノニルフェノール等が例示される。
【0024】ここで用いる溶媒としては、たとえばアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類やトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル等のエーテル類、エタノール、メタノ
ール、i−プロピルアルコール等のアルコール類、N,
N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトア
ミド等の単独あるいは混合溶媒を用いることができる
が、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が良好
である。
【0025】プリプレグの作製は、布あるいは紙状の連
続基材に対して通常のプリプレガーを用いてワニスを含
浸、乾燥して作製することができる。プリプレガーとし
ては、タテ型、横型いずれでもよいがタテ型の方が好ま
しい。
【0026】また、シアン酸エステル樹脂プレポリマー
を加熱溶解させてそのまま基材に含浸させてプリプレグ
を作製することもできる。この際、硬化触媒及び硬化促
進剤を加熱溶解した樹脂に配合しても良いし、配合しな
くてもよい。
【0027】布あるいは紙状連続基材としてはガラスク
ロス、ガラス不織布などのガラス基材、クラフト紙、リ
ンター紙などの紙基材、アラミド不織布、アラミド織布
などの合成繊維基材の単体または複合が使用できる。
【0028】電気用積層板を作製する場合、多段積層プ
レス法、加圧連続製造法、無圧連続製造法などの方法を
問わない。積層プレス法を用いる場合は、シアン酸エス
テル樹脂を含浸したプリプレグを通常の方法でプレス熱
板間にセットして上下に金属箔を配して加熱加圧硬化さ
せることによって両面金属張積層板を製造できる。加圧
連続積層法の場合は、紙管に連続的に巻取ったプリプレ
グと金属箔を用いることにより、積層板を得ることがで
きる。無圧連続積層法を用いる場合は、連続的に繰り出
される複数の基材に対して、加熱溶媒したシアン酸エス
テルまたはシアン酸エステルプレポリマーを連続的に含
浸した後、これらの含浸基材を金属箔と連続的に積層
し、硬化させることによって金属張積層板が得られる。
【0029】また電気用積層板用マトリックス樹脂には
無機フィラーを混合しても良いが必ずしも必要とするわ
けではない。無機フィラーとしては、アルミナ、水酸化
アルミ、クレー、タルク、三酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、溶融シリカ、ガラス
粉、石英粉、シラスバルーン等を単独で混合しても良い
し、2種類以上を混合使用してもよい。以下本発明の一
実施例について説明する。
【0030】(誘電特性の測定)矩型空洞共振器摂動法
により測定した。共振周波数は、約2.5GHzの島田
理化製矩型共振器に用いて、ネットワークアナライザー
(HP8410B)を用いて測定した。
【0031】(吸湿率の測定)銅箔をエッチングした5
cm×5cmの積層板を用いて、恒温恒湿器によるC−
96/40/90処理後の吸湿率を測定した。
【0032】(Tgの測定)昇温速度10℃/minで
測定したTMAの屈曲点を求めTgとした。
【0033】実施例1及び2 4−メチルシアナートベンゼン(以下MCBと記す)と
2,2’−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン
(以下ビスA−CYと記す)をそれぞれ以下の表に示す
モル分率で混合し、150℃で2時間反応させ、プレポ
リマーを得た。この際のシアナート基(OCN)のトリ
アジン環への反応率は30%であった。それらのプレポ
リマーをメチルエチルケトンに溶解させ、不揮発分65
%の樹脂溶液を得た。これらの樹脂溶液100重量部に
対して硬化触媒として、オクチル酸阿寒を0.03部、
硬化促進剤としてビスフェノールAを1.3部入れたワ
ニスを調整し、これらを180μ厚のEガラスクロス
(7628タイプ)に含浸させ、乾燥させることによ
り、樹脂含率約50%のプリプレグを得た。これらのプ
リプレグ7枚を積層し、上下に18μの銅箔を重ね、1
70℃で20〜30kg/cm2 の圧力で90分間加熱
加圧成形した後、220℃で120分間アフターキュア
ーして1.6mm厚の両面銅張積層板を得た。
【0034】比較例1 2,2’−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンを
150℃で5時間反応させて得られたプレポリマーを用
いて、実施例と同様にワニス、プリプレグ、積層板を作
製した。
【0035】表1に実施例1,2および比較例1の積層
板の誘電率、誘電正接、Tg、吸湿率を示した。実施例
1,2は比較例に比べて2.5GHFzの高い周波数に
おいて優れた誘電正接を示し、かつ、吸湿率も優れてい
た。また、Tgもたいへん高い値を示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例3,4 4−メチルシアナートベンゼン(以下MCBと略す)と
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェ
ニル)プロパン(以下TMビスA−CYと略す)をそれ
ぞれ以下の表2の割合で混合し、反応させたオリゴマー
を用いて、実施例1と同様に1.6mm厚の銅張積層板
を作製した。
【0038】比較例2 2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフ
ェニル)プロパンを150℃で4時間反応させて得られ
たプレポリマーを用いて、実施例3,4と同様にワニ
ス、プリプレグ、積層板を作製した。
【0039】表2に実施例3,4および比較例2の積層
板の誘電率、誘電正接、Tg、吸湿率を示した。実施例
3,4は比較例に比べて2.5GHzの高い周波数にお
いて優れた誘電正接を示し、かつ、吸湿率も優れてい
た。、また、Tgもたいへん高い値を示した。
【0040】
【表2】
【0041】実施例5,6 4−クミルシアナートベンゼン(以下CCBと略す)と
2,2−ビス(4−シアナートフェニル)メタン(以下
ビスF−CYと略す)と以下の表3の割合で混合し、反
応させてオリゴマーを用いて、実施例1と同様の方法で
1.6mm厚の銅張積層板を作製した。
【0042】比較例3 2,2−ビス(4−シアナートフェニル)メタンを15
0℃で10時間反応させたオリゴマーを用いて、実施例
1と同様の方法で銅張積層板を作製した。
【0043】比較例4 2,2−ビス(4−シアナートフェニル)メタンを40
モル%、4−クミルシアナートベンゼンを60%の割合
でブレンドし、150℃8時間反応させたオリゴマーを
用いて、実施例1と同様の方法で銅張積層板を作製し
た。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明のプリプレグ及び電気用積層板を
用いたプリント配線板はギガヘルツ帯での誘電正接が低
く、且つ、吸湿率か小さく、耐熱性が優れている。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式Iで表される芳香族単官能シア
    ン酸エステル5〜45モル%および下記一般式IIで表さ
    れる2官能シアン酸エステルあるいは該2官能シアン酸
    エステルプレポリマーの55〜95モル%(2官能シア
    ン酸エステルモノマーに換算した値)を反応させて得ら
    れるプレポリマーを含有する樹脂組成物を基材に含浸し
    たプリプレグ。 【化1】 (Ra,Rb,Rc,Rdは同一でも異なっていてもよ
    く、Raは水素、アルキル基、アリール基であり、R
    b,Rc及びRdは水素、アルキル基、アリール基、ク
    ミル基、1−メチルベンジル基である。) 【化2】 (R1およびR2は同一であっても異なっていてもよ
    く、水素、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリ
    ール基であり、Aは単結合、未置換メチレン基、水素原
    子の1つまたは2つをアルキル基、パーフルオロアルキ
    ル基、および/またはアリール基で置換した置換メチレ
    ン基、5員もしくは6員の環状脂肪族基、スルホン基、
    2価の硫黄、酸素、2価のカルボニル基、テトラメチル
    キシリデン基、またはフェニレン基である。)
  2. 【請求項2】R1及びR2が水素である請求項1記載の
    プリプレグ。
  3. 【請求項3】R1及びR2がアルキル基である請求項1
    記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】R1がアルキル基、R2が水素である請求
    項1記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】Aが未置換メチレン基またはジアルキル置
    換メチレン基である請求項1記載のプリプレグ。
  6. 【請求項6】Aが2価の酸素または硫黄である請求項1
    記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】単官能シアン酸エステルのRbが水素であ
    る請求項1記載のプリプレグ。
  8. 【請求項8】単官能シアン酸エステルのRa,Rb及び
    Rdが水素である請求項1記載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】請求項1記載のプリプレグを所用枚数積層
    し、加熱加圧により一体に成形してなることを特徴とし
    た電気用積層板。
  10. 【請求項10】R1及びR2が水素である請求項9記載
    の電気用積層板。
  11. 【請求項11】R1及びR2がアルキル基である請求項
    9記載の電気用積層板。
  12. 【請求項12】R1がアルキル基、R2が水素である請
    求項9記載の電気用積層板。
  13. 【請求項13】Aが未置換メチレン基またはジアルキル
    置換メチレン基である請求項9記載の電気用積層板。
  14. 【請求項14】Aが2価の酸素または硫黄である請求項
    9記載の電気用積層板。
  15. 【請求項15】単官能シアン酸エステルのRbが水素で
    ある請求項9記載の電気用積層板。
  16. 【請求項16】単官能シアン酸エステルのRa,Rb及
    びRdが水素である請求項9記載の電気用積層板。
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