JPH0649078U - ノック式筆記具のリフィール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノック及び落下衝撃に起因して、筆記描線が
薄くなる問題と空気孔からのインクの吹き出しや筆記不
能を防止可能とする。 【構成】 ノックすることで軸先端口より筆記先端部を
出没する筆記具に使用するリフィールであって、リフィ
ール１は、チューブ３の先端に筆記先端部２を有し、筆
記先端部２にインクを供給するインク吸蔵体５を内部に
有し、後端に尾栓６が止着されて構成され、尾栓６は、
チューブ３の後端孔に止着される圧入固着部８とその先
端に押圧により変位可能な弾性部９が一体の樹脂成形品
で形成されて、弾性部９の先端がインク吸蔵体５の後端
に適宜押圧された状態でインク吸蔵体５を保持可能とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水性ボールペン等ノック式筆記具のリフィールの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、インク吸蔵体を使用した水性ボールペン等リフィールとそれを搭載可能 としたノック式筆記具が公知となっている。又、筆記部を軸先端口から突出させ たままの状態で衣服の胸のポケットへ筆記具を止着して、その筆記部のインク等 により衣服を汚損してしまわない様に工夫された筆記具が存在する。これら従来 の筆記具は度々ノックする為に、その衝撃でインクが筆記先端部の後方に移動し てインクの吐出量が低下し描線が薄くなる問題がある。又、落下衝撃で極端には インク吸蔵体の受け端面が潰れてインクが空気孔を通じて吹き出る問題がある。 又、衝撃によりインク吸蔵体が変動する為に筆記先端部にインクを中継するイン ク誘導芯が移動してインクの中継が阻害され筆記不能となる問題も起きる。（通 常、インク吸蔵体の後端を尾栓で抑えて固定するが、部材寸法のばらつきで隙間 となる場合がある）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前述したノック及び落下衝撃により生じる問題点を解決することを 目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前述した課題を解決する為に案出された本考案のノック式筆記具のリフィール は、チューブの先端に筆記先端部を有し、筆記先端部にインクを供給するインク 吸蔵体を内部に有し、後端に尾栓が止着されて構成され、尾栓はチューブの後端 孔に止着される圧入固着部とその先端に押圧により変位可能な弾性部が一体の樹 脂成形品で形成されて、弾性部の先端がインク吸蔵体の後端に適宜押圧された状 態で尾栓が止着されてなる。

【０００５】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示している。先ず、リフィール１のチューブ３の先端 には水性ボールペン等のチップよりなる筆記先端部２が固着されて、その後方で チューブ３の内孔部には繊維束よりなりインクを貯留可能なインク吸蔵体５が配 設され、ボール直下とインク吸蔵体５の先方部位との間にインク誘導芯が配設さ れて（図示せず）インク吸蔵体５からボール部にインクを中継するように成され ている。又、チューブ３の後端孔には尾栓６が止着される。尾栓６は後端にチュ ーブ３の後端に当接する鍔部７を有し、先方にチューブ３に止着する圧入固着部 ８を有し、圧入固着部８の先方に押圧で変位可能な螺旋状の弾性部９とその先端 に適宜位置で通気の為の溝１０が設けられて、一体の樹脂成形品で形成されてい る。尾栓６は弾性部９の先端がインク吸蔵体５の後端に適宜押圧された状態に止 着される。尚、チューブ３内孔部と外気を繋ぐ空気孔（図示せず）はチューブ３ の先方側面か、尾栓６の後端又は尾栓６とチューブ３の止着部で溝を形成して設 けられる。

【０００６】 図２乃至図４は本考案のリフィールを使用するノック式筆記具の実施例を示し ている。先ず図２に示すように軸筒１５は樹脂製でその側面に後端開口縁から所 要距離前方位置まで軸方向のスリット１８を設けると共にスリット１８の後端側 面部に基部２０が突設されている。又、スリット１８の前方には両側壁より適宜 斜面２３を備えた段部２２が形成されている。又、クリップ板２８の後端をコの 字状に屈曲させた取付け部２９を上記基部２０の取付け溝（図示せず）に挿入し て圧着すると共に、クリップ板２８の先端を玉部２５にやはり取付け溝（図示せ ず）を設けて圧着してクリップ２４が構成されている。又、上記玉部２５の下面 には後述するカム筒３０の係合突起３１を嵌入させる溝２６が形成され、溝２６ の後端には係合段部２７が備えられている。

【０００７】 又、前記カム筒３０はその内孔部に円周状で複数の溝とリブで構成されその先 端にカム部を備えた通称カム溝が形成され、外周部には軸筒１５の後方より設け たスリット１８に嵌装する係合突起３１が形成されその先端には段部３２を有し ている。又、カム筒３０内には上記カム溝と迎合するカム部を有したノック棒３ ５と回転カム部材３３がカム筒内で軸推移自在に嵌装されて、ノック棒３５の前 後退ごとに回転カム部材３３がカム溝の割り出し角度分づつ回転しながらカム溝 の先端カム部に係合して進退位置に位置決めされる。カム筒３０とノック棒３５ 及び回転カム部材３３で構成されるノック機構部はよく知られるカーン式ノック 機構と同等の構成を成すものである。又、ノック棒３５と回転カム部材３３はカ ム筒３０に進退位置に位置決めされるよう嵌装され、ノック棒３５の後端には軸 筒１５の後端より適宜突出してノックカバー３６が止着されると共に、上記カム 筒３０の後端とノックカバー３６の前端との間にはリターンスプリング３７が附 勢される。

【０００８】 以上により、リフィール１は軸筒１５の内孔部２１にコイルばね３８を介装し て挿入され、ノック機構部は軸筒１５の後端からカム筒３０の係合突起３１をス リット１８に嵌装して挿入されてスリット１８の略中央に位置した斜面２３に係 合突起３１が当接し、押圧によりスリットを弾性変形により拡開して係合突起３ １が段部２２の前面に係止されて抜け止めされる。又、リフィール１の後端は回 転カム部材３３の前面に当接する。又、ノックカバー３６の後端をノックして前 進させると、リターンスプリング３７の附勢力によりカム筒３０が一体となって 前進し、カム筒３０の係合突起３１がクリップ２４の弾性力に抗して玉部２５を 外方に押し上げて溝２６に嵌入して係合段部２７に係止する。ノックカバー３６ を更に前進させると、係合突起３１の段部３２がスリット１８最前端の段部１９ に当接してカム筒３０の前進が阻止され、ノック棒３５のみが前進して回転カム 部材３３が前進位置に位置決めされた時にリフィール１の筆記先端部２が軸筒１ ５の軸先端口１６から適宜に突出状態となる。即ち、上記リターンスプリング３ ７の附勢力はコイルばね３８より強く設定されている。

【０００９】

【作用】

前記の実施例に基づき作用を以下に説明する。先ず、図２の状態より、ノック カバー３６の後端をノックしてノック機構部を前進させるとカム筒３０の係合突 起３１がクリップの玉部２５の係合段部２７に係止され、更に前進すると段部３ ２がスリット１８先端の段部１９に当接してカム筒３０の前進が阻止されると共 に、ノック棒３５と共に回転カム部材３３が前進して回転し、前進位置に位置決 めされてリフィール１の筆記先端部２が軸先端口１６から適宜突出して筆記状態 となる。その状態は図３に示される。

【００１０】 この状態でノックカバー３６のノックを繰り返すとカム筒３０は係合突起３１ が玉部２５の係合段部２７に係止された位置を保持しつつ筆記先端部２は軸先端 口１６から出没を繰り返すことになる。（図４参照）

【００１１】 図３に示す示すように筆記先端部２が軸先端口１６から突出した状態にあって も筆記具を胸ポケット等に止着しようとするとクリップの玉部２５の係合段部２ ７とカム筒３０の係合突起３１が係止しているのでクリップの使用が妨げられ胸 ポケット等への止着が阻止される。又、無理に胸ポケット等へ止着した場合はク リップの玉部２５の係合段部２７とカム筒３０の係合突起３１の係止状態が解消 したことになるので否応なくリフィール１はコイルばね３８の復帰力によって後 退し、筆記先端部２を軸筒１５内に没入させることになる。従って筆記先端部２ を突出させたままの状態で胸のポケット等へ止着して衣服を汚損するのを未然に 防止する。尚、筆記先端部２を再び軸先端口１６から突出させる為にはノックカ バー３６の後端をノックすればよい。

【００１２】 ところで、本考案のノック式筆記具のリフィールは、部材間にばらつきがあっ てもインク吸蔵体５が尾栓６の弾性部９で適宜押圧状態にできるのでノック衝撃 が緩和されてインク吐出量が安定化し、描線が薄くなるのが押さえられる。又、 落下衝撃でインクの吹き出しも抑制される。又、衝撃に対しインク吸蔵体５の変 動が少ないのでインク誘導芯の移動が押さえられ筆記不能が防止される。

【００１３】

【考案の効果】 本考案は以上の通りであり、ノックや落下衝撃に伴う筆記描線の薄くなる問題 やインクの吹き出しや筆記不能となる問題が防止される効果がある。又、弾性部 を尾栓に一体に設けたことで従来と同じ部材費と作業手順が可能となり、コスト アップ要因とならない等の効果がある。又、ノック式筆記具を前記実施例のもの で使用すれば、筆記先端部を突出させたまま胸のポケット等に止着しても筆記先 端部が軸筒内に没入するのでインクで衣服を汚損する事故が防止できる等の効果 を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例であるノック式筆記具のリフィ
ールを示す要部断面の全体図である。

【図２】実施例であるノック式筆記具の縦断面図で筆記
体を軸内に収納し、且つ、カム筒と回転カム部材が共に
後退位置に位置決めされた状態を示している。

【図３】後端をノックして筆記先端部を軸先端口から突
出させた状態を示した縦断面図である。

【図４】図３の状態から後端をノックして筆記先端部を
軸先端口から没入させた状態を示した縦断面図である。

【符号の説明】

１ リフィール ２ 筆記先端部 ３ チューブ ４ 外面段部 ５ インク吸蔵体 ６ 尾栓 ７ 鍔部 ８ 圧入固着部 ９ 弾性部 １０ 溝 １５ 軸筒 １６ 軸先端口 １７ 内面段部 １８ スリット １９ 段部 ２０ 基部 ２１ 内孔部 ２２ 段部 ２３ 斜面 ２４ クリップ ２５ 玉部 ２６ 溝 ２７ 係合段部 ２８ クリップ板 ２９ 取付け部 ３０ カム筒 ３１ 係合突起 ３２ 段部 ３３ 回転カム部材 ３４ カム部 ３５ ノック棒 ３６ ノックカバー ３７ リターンスプリング ３８ コイルばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノックすることで軸先端口より筆記先端
   部を出没する、所謂ノック式筆記具に搭載される水性ボ
   ールペン等のリフィールであって、当該リフィール１
   は、チューブ３の先端に筆記先端部２を有し、筆記先端
   部２にインクを供給するインク吸蔵体５を内部に有し、
   後端に尾栓６が止着されて構成され、尾栓６はチューブ
   ３の後端孔に止着される圧入固着部８とその先端に押圧
   により変位可能な弾性部９が一体の樹脂成形品で形成さ
   れて、弾性部９の先端がインク吸蔵体５の後端に適宜押
   圧された状態で尾栓６が止着されたことを特徴とするノ
   ック式記具のリフィール。