JPH0647437U - 突出ボルト用キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】屋根や外壁などの止め付けに使用されるボルト
の腐食及び錆の発生を防止する突出ボルト用キャップを
提供する。 【構成】屋外に突出したボルト３Ａの外周を覆い且つ上
端が閉塞されたキャップ本体１からなり、キャップ本体
１の内面には、突出ボルト３Ａの外周に掛合する突起２
が突設された突出ボルト用キャップ１０。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、突出ボルト用キャップに係り、特に、屋根や外壁などの止め付けに 使用されるボルトの腐食及び錆の発生を防止する突出ボルト用キャップに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建造物の屋根のうち、トタン，アルミニウムなどの金属板、あるいは、 プラスチック板などを使用した平板，波板，折板屋根は、通常、前記屋根にボル トを貫通してナットを螺合し、このナットが螺合されたボルトの軸部の先端を、 前記屋根の外部表面（屋外）に突出させた状態で下地に止め付けている。

【０００３】 また、建造物の外壁においても同様に、前記金属板やプラスチック板などにボ ルトを貫通してナットを螺合し、当該ボルトの軸部の先端を、前記外壁の外部表 面に突出させた状態で下地に止め付けている。 即ち、前記屋根や外壁などを止め付けているボルトの先端は、屋外に自然暴露 された状態、即ち、外気にさらされた状態となっている。

【０００４】 そして、前記ボルトとしては、一般的に、金属製の通常ボルトやフックボルト などが用いられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記ボルトは、金属製であるため、外気にさらされて、日光や 気温の変化、雨、雪、大気中の酸素やオゾン等の作用を受けると、ボルトのねじ 部が徐々に腐食し、当該ボルトとボルトが貫通している屋根や外壁の孔との間に 隙間が生じ、ここから雨漏りが起こるという問題があった。そしてさらに、数年 のうちには、前記ボルトに螺合していたナットが当該ボルトから簡単に抜けるよ うになり、屋根や外壁が下地から剥がれるという問題があった。また、前記ボル トが錆びて、その錆液が屋根や外壁を汚すという問題もあった。

【０００６】 本考案は、このような問題を解決することを課題とするものであり、屋根や外 壁などの止め付けに使用されるボルトの腐食及び錆の発生を防止する突出ボルト 用キャップを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案は、屋外に突出したボルトの外周を覆い且つ 上端が閉塞されたキャップ本体を有し、当該キャップ本体の内面には、前記ボル トの外周に掛合する突起を突設したことを特徴とする突出ボルト用キャップを提 供するものである。

【０００８】

【作用】

前記突出ボルト用キャップは、屋外に突出したボルトの外周を覆い且つ上端が 閉塞された形状を有するため、この突出ボルト用キャップを屋外に突出している ボルトに被せることで、当該ボルトを外気から保護することができる。また、前 記キャップ本体の内面には、前記ボルトの外周に設けられたねじ部と掛合する突 起が突設されているため、前記突出ボルト用キャップを前記ボルトに被せた際に 、当該突起がボルトのねじ部の凹部に引掛かり（食い込み）、当該突出ボルト用 キャップは、ボルトにしっかり固定される。従って、当該突出ボルト用キャップ がボルトから抜け落ちることがない。

【０００９】 本考案に係る突出ボルト用キャップを構成する材料としては、日光や気温の変 化、雨、雪、大気中の酸素やオゾン等の作用に対する抵抗性に優れた耐候性樹脂 を用いることが好適である。また、これらの樹脂は、ある程度弾性を有するため 、前記突出ボルト用キャップを前記ボルトに被せた際に、前記突起を前記ねじ部 の凹部に食い込ませ易い。

【００１０】 そして、前記耐候性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹 脂、フタル酸樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。

【００１１】

【実施例】

次に、本考案の実施例について、図面を参照して説明する。 図１は、本考案に係る突出ボルト用キャップをトタン屋根の外部表面に突出し ているボルトに被せた状態を示す断面図、図２は、図１の一部拡大断面図、図３ は、図１に示すボルトが下地に止め付けされた状態を示す断面図である。

【００１２】 図１ないし図３に、３で示すボルトは、その一端を折板状トタン屋根６の上部 に貫通し、さらに、他端を下地７に貫通して、当該トタン屋根６を下地７に止め 付けている。即ち、トタン屋根６の外部表面に突出したボルト３の一端は、座金 ５を介してナット４を螺合してトタン屋根６の外部表面に固定され、また、下地 ７の底部に突出したボルト３の他端は、座金５を介してナット４を螺合して下地 ７の底部に固定されている。

【００１３】 そして、前記ボルト３のうち、トタン屋根６の外部表面に突出している部分（ 以下、突出ボルト３Ａという）には、突出ボルト用キャップ１０が取りつけられ ている。この突出ボルト用キャップ１０は、耐候性樹脂からできており、突出ボ ルト３Ａの外周の一部であるナット４及び座金５の外周を覆う大径の筒に、残り の突出ボルト３Ａの外周を覆う小径の筒が連続した形状（漏斗のような形状）を 有し、前記小径の筒の端部が閉塞されたキャップ本体１と、当該キャップ本体１ の内面に２か所周設された、前記突出ボルト３Ａのねじ部に掛合する突起２とで 構成されている。

【００１４】 そして、前記突出ボルト３Ａに突出ボルト用キャップ１０を被せ、その上から トタン屋根６方向に所望の圧力を加えると、突出ボルト用キャップ１０の先端（ 大径の筒の先端）がトタン屋根６に密着すると同時に、突起２が突出ボルト３Ａ のねじ部に掛合し、前記突出ボルト用キャップ１０が突出ボルト３Ａに取り付け られる。ここで、突出ボルト用キャップ１０は、耐候性樹脂からできており、適 度な弾力を有しているため、前記突起２を簡単に突出ボルト３Ａのねじ部の凹部 に食い込ませることができる。そして、突出ボルト用キャップ１０の先端は、ト タン屋根６に密着させているため、ここから雨、雪、太陽光などが侵入すること がない。従って、突出ボルト３Ａを効率よく外気から保護できる。また、突起２ が突出ボルト３Ａのねじ部に掛合しているため、突出ボルト用キャップ１０は、 突出ボルト３Ａにしっかり固定される。

【００１５】 さらに、前記突出ボルト用キャップ１０は、耐候性樹脂からできているため、 日光や気温の変化、雨、雪、大気中の酸素やオゾン等の作用に対する抵抗性に優 れ、長期間に亘って突出ボルト３Ａを外気から保護することができる。 さらにまた、前記突出ボルト用キャップ１０を所望により着色することで、建 造物の美観を向上することもできる。

【００１６】 次に、本考案に係る、他の実施例について、図面を参照して説明する。 図４に示す突出ボルト用キャップ１０は、図１ないし図３に示す突出ボルト用 キャップ１０の先端にリップ８を設け、トタン屋根６との密着性をさらに向上し たものである。従って、雨、雪、太陽光等の侵入をさらに防止するこができ、よ り効率よく突出ボルト３Ａを外気から保護することができる。

【００１７】 また、図５に示す突出ボルト用キャップ１０は、キャップ本体１の内面に、突 出ボルト３Ａのねじ部と螺合可能な突起２（ねじ部）を設けたものである。この 突起２を突出ボルト３Ａに螺合させることで、突出ボルト用キャップ１０を突出 ボルト３Ａに、より強固に取り付けることができる。 尚、本考案に係る突出ボルト用キャップ１０は、本実施例で説明した形状のも のに限らず、突出ボルト３Ａを保護可能で、突出ボルト３Ａのねじ部と掛合する 突起２を有していれば、他の形状のものでもよいことは勿論である。

【００１８】 また、本考案に係るキャップ本体１の内面に突設される突起２は、前記実施例 のように、キャップ本体１の内面に周設する他、キャップ本体１の内面の任意の 位置に所望の大きさの突起２を複数設けてもよい。また、突起２の設置数は、任 意に決定してよい。 そして、本実施例では、耐候性樹脂からなる突出ボルト用キャップ１０につい て説明したが、耐候性を有すれば、他の素材を用いて突出ボルト用キャップ１０ を作製してもよい。

【００１９】 また、本実施例では、トタン屋根６に突出した突出ボルト３Ａを保護する突出 ボルト用キャップ１０について説明したが、これに限らず、本考案に係る突出ボ ルト用キャップ１０は、外壁など、他の場所に突出した突出ボルト３Ａにも応用 できることは勿論であり、また、その効果は、突出ボルト３Ａの形状に左右され るものではない。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば、前記突出ボルト用キャップは、屋外に突出したボルトを覆い 且つ上端が閉塞された形状を有し、その内面には、当該ボルトのねじ部と掛合す る突起が突設されているため、この突出ボルト用キャップを屋外に突出している ボルトに被せた際に、当該突起が前記ボルトのねじ部に引掛かり、当該突出ボル ト用キャップを前記ボルトにしっかり固定することができると共に、当該ボルト を外気から保護することができる。この結果、前記ボルトの腐食や錆の発生を、 長期間に亘って防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る突出ボルト用キャップをトタン屋
根の外部表面に突出しているボルトに被せた状態を示す
断面図である。

【図２】図１の一部拡大断面図である。

【図３】図１に示すボルトが下地に止め付けされた状態
を示す断面図である。

【図４】本考案の他の実施例に係る突出ボルト用キャッ
プをトタン屋根の外部表面に突出しているボルトに被せ
た状態を示す断面図である。

【図５】本考案の他の実施例に係る突出ボルト用キャッ
プの一部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ キャップ本体 ２ 突起 ３ ボルト ３Ａ 突出ボルト ４ ナット ５ 座金 ６ トタン屋根 ７ 下地 ８ リップ １０ 突出ボルト用キャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋外に突出したボルトの外周を覆い且つ
   上端が閉塞されたキャップ本体を有し、当該キャップ本
   体の内面に、前記ボルトの外周に掛合する突起を突設し
   たことを特徴とする突出ボルト用キャップ。