JPH0644226Y2 - ボードスピーカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は音の出る表示板として利用できるボードスピー
カに関する。

〔従来の技術〕

一般に、路上に立てて宣伝を行う立看板や、展示会等で
壁面に掛けて説明を行うパネルボードは、その表示面に
宣伝しようとする内容の文字、文章、写真、図面絵画等
を表示し、通行人や来会者の注意を惹くようにしてい
る。また、スピーカを利用して人々の聴覚に訴えて宣伝
を行う場合もあり、さらにまた表示板を併用して通常の
スピーカを利用する場合もある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記の通常の立看板やパネルボードのほとんど
は人々の視覚にのみ訴えるもので、同種の表示板が数多
く並べられている環境では人々は気づかないまま通り過
ぎたり、あるいは早い目移りによって宣伝者側が希望す
る程には注意が惹かれない場合が多い。

また、スピーカを利用するものの多くは一通り聴いてみ
ないと内容がわからないため、人々の理解が中途半端だ
ったり、あるいは注意を惹くことなく単に騒音として受
け取られたりすることが多い。

さらにまた、表示板と併用して通常のスピーカを利用す
る場合においては同表示板の傍らの支柱や軒先にスピー
カを取り付けるなど、単に両者を並べたに過ぎず、見栄
えもよくなく、特に表示板への注意を惹くには至らず、
又スピーカの取り付けや取り扱いに面倒なことが多い。

従って、本考案は上記事情に鑑み、表示板とスピーカが
一体化され、見栄えがよく、自然に表示板への注意が促
されると共に、取り扱いが楽な表示板を得ることを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記の目的を達成するために、少なくとも表
示内容が描写された響音板と、基板と背面板とを添着
し、基板には装着孔を設けておき、該装着孔に振動子を
収納し、該振動子と外部音源との間の接続用配線のコネ
クタを基板の端面に埋設すると共に、前記背面板が発泡
プラスチック板材から成り、該背面板の前記振動子を収
納する基板の装着孔を覆う部分に、複数の小孔を貫設し
たボードスピーカを提供せんとするものである。

〔作用〕

本考案のボードスピーカは、基板の端面に埋設されたコ
ネクタに外部音声信号源からの配線プラグを接続して電
源スイッチを入れることにより、振動子から音が発生す
る。この発生した音は板材内に籠ることなく響音板を振
動させると共に、背面板の小孔からも伝播するので、本
ボードスピーカは音の出る表示板として効果的に機能す
る。

〔実施例〕

以下、図面に基づき本考案の実施例の詳細を説明する。

まず、第１実施例を説明すれば、第１図及び第２図にお
いて１は板状に構成されたボードスピーカである。該ボ
ードスピーカ１は基板２とその前面に添着する表示板兼
用の響音板３と、基板２の背面に添着する背面板４と、
該背面板４の後背面に添着する響音板５からなってい
る。基板２は板状の発泡プラスチック材でつくられてお
り、該基板２の略中央部には装着孔６を貫通孔として形
成してある。該装着孔６には厚さが基板２の板厚よりも
薄いダイナミック形式の振動子７を収納してある。そし
て、上記装着孔６から基板２の端面2aまで通孔８が形成
され、該通孔８には前記振動子７からの接続配線９が端
面2aまで挿通され、該端面2aに埋設したコネクタ10に接
続してある。基板２の表面には表示板兼用の響音板３を
着脱自在に添着する。該響音板３には振動子７の振動に
よって振動し得る厚手のポスター紙を利用してあり、そ
の周縁部分のみを基板２に接着し、周縁以外の前面が振
動して音を伝播するようにしてあり、また該響音板３の
前面にはアピールしようとする表示内容11が描写されて
いる。基板２の背面には背面板４を添着するが、該背面
板４は発泡ポリスチロールで形成されており、基板２の
振動子の装着孔６を後背面から覆う部分4aには多数の貫
通小孔12を穿設してある。該背面板４の後背面には響音
板５を添着してある。即ち、図示の実施例では、基板２
の前面をスピーカ音の主伝播面とし、後面を補助伝播面
として利用する形にしてある。

以上のように構成した本実施例のボードスピーカは、路
上等で立て掛け、前記のコネクタ10に図示しないテープ
レコーダまたはラジオ受信機などの外部の音声信号源か
らの配線のプラグを接続して電源スイッチを入れれば、
振動子７から発生する音は効果的に響音板３全体を振動
させ、同時に背面板４の小孔12からも音が伝播される。
従ってこれにより聴覚に訴えて、通行人の注意を促し、
響音板３に描写された表示内容11に注目させることがで
きるので、一層の宣伝効果を得ることができる。

特に、本考案では、背面板４として発泡ポリスチロール
板、硬質ウレタン板等の発泡プラスチック板材を用いる
ものであるが、これらは基板２の補強を兼ねると共に多
孔性板材であるから軽量であり、ボードスピーカとして
も取り扱いが薬になる。又、振動子７が収嵌された装着
孔６内は、響音板３と背面板４とで密閉されると、その
ままでは所謂音が籠る現象を生じ、特定周波数の音声が
聞き取り難くなることがあり、該背面板４の貫通小孔12
から音つまり空気振動を抜くことにより、伝播周波数の
偏りをなくし、つまり周波数特性を改善し、振動子７か
らの音響を和らげると共に、可聴周波数特性を広げるこ
とができるものである。

第３図は本考案の第２実施例を示すもので、ボードスピ
ーカ１が、背面板４の他振動子７を収納する基板２も発
泡プラスチック板材で形成し、その前面を薄い発泡プラ
スチック板材の表面板13で覆い、最表面を表示板兼用の
響音板３で表装してある点が上記第１実施例と相違す
る。第４図は本考案の第３実施例を示し、背面板４を基
板と一体に成形したボードスピーカを示している。第３
図及び第４図示の実施例は何れもボードスピーカの軽量
化を意図したものである。第５図は本考案の第４実施例
を示し、ボードスピーカにおける上記基板２の前面の響
音板３の変形例を示したものであって、基板２の前面を
補強用のプラスチック製の表面板13で覆い、紙ポスター
からなる響音板３及び透明プラスチックシートからなる
表面シート14で覆った装飾性の高いボードスピーカであ
る。なお、何れの実施例においても表面板13には背面板
４と同様に振動子７に対向する小孔12を穿設してある。

本考案の実施例は以上のように構成したが、前記装着孔
６及び通孔８は抜き孔であっても、窪みであってもよ
い。装着孔６を窪みとする場合は、その底部に背面板４
の小孔12と対向する小孔12を穿設するのは勿論である。
背面板４の発泡プラスチック板は面板付きで製造された
ものをそのまま利用してもよいし、その面板でもって外
層の響音板５を兼ねさせることもできる。

本考案のボードスピーカは増幅器及び薄型のラジオ受信
機やテープレコーダなどの音響機器をも組み込むことが
できる。振動子７としては厚さの薄いコンデンサ形式の
スピーカや圧電気形式のスピーカ等各種のものが利用で
きる。

基板２に組み込んだ振動子７や音響機器等からの配線９
の引き出し端即ちコネクタ10の位置は任意であり、上記
ボードスピーカを横置して利用する場合をも考慮して通
孔８を複数に設け、あるいは途中で分岐させて複数のコ
ネクタを備えるようにすることができる。響音板3,5は
振動子７の振動によって振動し、音を伝播できるもので
あればよく、金属薄板、プラスチックフィルムなどのほ
か、第５図に示す実施例のようにそれらを複合したもの
でもよい。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のボードスピーカは表示
板に振動子を組み合わせて一体化できるようにし、背面
板を軽い発泡プラスチック板で構成して軽量化したか
ら、ボードスピーカを必要個所に設置してそのコネクタ
に音声信号源からの配線のプラグを差し込んでスイッチ
を入れるだけで済み、取り扱いが楽であるという効果が
得られる。更に、ボードスピーカは前記発泡プラスチッ
ク板の装着孔背面部分に複数の小孔を貫設したから、音
が籠ることなく、広い音域でかつ柔らかい音声が出るよ
うになり、又その外観は表示板そのままであって見栄え
がよく、振動子からの音声が人々の聴覚に訴えて人々の
注意を惹き、自然に表示板の表示内容が読まれるように
することができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は１部を切り欠いて示す本考案の第１実施例によ
るボードスピーカの分解斜視図、第２図は第１図のボー
ドスピーカの要部拡大断面図、第３図は本考案の第２実
施例の要部拡大断面図、第４図は本考案の第３実施例の
要部拡大断面図、第５図は本考案の第４実施例の要部拡
大断面図である。 １…ボードスピーカ、２…基板 2a…端面、３…響音板 ４…背面板、５…響音板 ６…装着孔、７…振動子 ９…配線、10…コネクタ 11…表示内容

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも表示内容が描写された響音板
   と、基板と背面板とを添着し、基板には装着孔を設けて
   おき、該装着孔に振動子を収納し、該振動子と外部音源
   との間の接続用配線のコネクタを基板の端面に埋設する
   と共に、前記背面板が発泡プラスチック板材から成り、
   該背面板の前記振動子を収納する基板の装着孔を覆う部
   分に、複数の小孔を貫設したことを特徴とするボードス
   ピーカ。