JPH0643607B2 - 連続ラインにおける高珪素鋼帯の製造方法 - Google Patents

連続ラインにおける高珪素鋼帯の製造方法

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JPH0643607B2
JPH0643607B2 JP61071488A JP7148886A JPH0643607B2 JP H0643607 B2 JPH0643607 B2 JP H0643607B2 JP 61071488 A JP61071488 A JP 61071488A JP 7148886 A JP7148886 A JP 7148886A JP H0643607 B2 JPH0643607 B2 JP H0643607B2
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cooling
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oxidizing gas
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正広 阿部
和久 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続ラインにおける化学気相蒸着(以下、C
VDと称す)法による高珪素鋼帯の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
電磁鋼板として高珪素鋼板が用いられている。この種の
鋼板はSiの含有量が増すほど鉄損が低減され、Si:6.5
%では、鉄歪が0となり、最大透磁率もピークとなる等
最も優れた磁気特性を呈することが知られている。
従来、高珪素鋼板を製造する方法として、圧延法、直接
鋳造法及び滲珪法があるが、このうち圧延法はSi含有量
4%程度までは製造可能であるが、それ以上のSi含有量
では加工性が著しく悪くなるため冷間加工は困難であ
る。また直接鋳造法、所謂ストリツプキヤステイングは
圧延法のような加工性の問題は生じないが、未だ開発途
上の技術であり、形状不良を起し易く、特に高珪素鋼板
の製造は困難である。
これに対し、滲珪法は低珪素鋼を溶製して圧延により薄
板とした後、表面からSiを浸透させることにより高珪素
鋼板を製造するもので、これによれば加工性や形状不良
の問題を生じることなく高珪素鋼板を得ることができ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この滲珪法は、五弓、阿部により提案され、三谷、大西
らにより詳しく検討されたものであるが従来提案された
方法はいずれも浸透処理時間が30分以上と長く、事実
上連続ラインには適用できないという根本的な問題があ
る。また処理温度も1230℃程度と極めて高いことから浸
透処理後の薄鋼板の形状が極めて悪く、加えて処理温度
が高過ぎるためエツジ部が過加熱によつて溶解するおそ
れがあり、連続ラインでの安定通板が期待できない。
また、滲珪法では蒸着反応により鋼板面のFeがFeCl2
の形で放散され、これによつて板厚が減少する。しかし
この種の処理では、雰囲気ガス濃度分布の不均一性等の
原因で蒸着(膜厚)が不均一になり易く、この結果板厚
の減り方にバラツキを生じ、板厚が幅方向、長手方向で
不均一になり易いという問題がある。
本発明はこのような従来技術の欠点を改善するためにな
されたもので、滲珪法を用い、連続ラインにおいて短時
間でしかも高品質の高珪素鋼帯を安定して製造すること
ができる方法の提供を目的とする。
〔問題を解決するための手段〕
このため本発明の基本的特徴とするところは以下の通り
である。
(1)鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通板させつ
つ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無酸化性ガ
スを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて1023〜12
00℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、SiCl
4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼帯内部に
略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却過程にお
いて鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中冷却の前
または後若しくは途中において、鋼帯を200〜600
℃で圧延により塑性加工することを特徴とする連続ライ
ンにおける高珪素鋼帯の製造方法。
(2)鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通板させつ
つ、SiClをmol分率で5〜35%含んだ無酸化性
ガスを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて1023〜1
200℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、SiC
4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼帯内部
に略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却過程に
おいて鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中冷却の
前または後若しくは途中において、鋼帯を200〜60
0℃で圧延により塑性加工し、最終冷却後、絶縁被膜コ
ーティング及び焼付処理することを特徴とする連続ライ
ンにおける高珪素鋼帯の製造方法。
(3)鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通板させつ
つ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無酸化性ガ
スを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて1023〜12
00℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、SiCl
4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼帯内部に
略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却過程の途
中または冷却後、鋼帯を200〜600℃で圧延により
塑性加工し、最終冷却後、絶縁被膜コーティング及び焼
付処理し、続く冷却過程において磁場中冷却することを
特徴とする連続ラインにおける高珪素鋼帯の製造方法。
(4)鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通板させつ
つ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無酸化性ガ
スを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて1023〜12
00℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、SiCl
4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼帯内部に
略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却過程にお
いて鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中冷却の前
または後若しくは途中において、鋼帯を200〜600
℃で圧延により塑性加工し、最終冷却後、絶縁皮膜コー
ティング及び焼付処理し、続く冷却過程において磁場中
冷却することを特徴とする連続ラインにおける高珪素鋼
帯の製造方法。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明において、母材たる鋼帯(出発薄鋼帯)の成分組
成は、特に限定はないが、優れた磁気特性を得るため以
下のように定めるのが好ましい。
3〜6.5%Si−Fe合金の場合 C:0.01%以下、Si:0〜4.0%、Mn:2%以下、その
他不可避不純物は極力低い方が望ましい。
センダスト合金の場合 C:0.01%以下、Si:4%以下、Al:3〜8%、Ni:4
%以下、Mn:2%以下、Cr,Tiなどの耐食性を増す元素
5%以下、その他の不可避不純物は極力低い方が望まし
い。
鋼帯は熱間圧延−冷間圧延により得られるものに限ら
ず、直接鋳造・急冷凝固法により得られたものでもよ
い。
なお、上述したように鋼帯はCVD処理により板厚が減
少するものであり、このため最終製品板厚に対し減少板
厚分を付加した板厚のものを用いる必要がある。
本発明は、このような鋼帯にCVD法による滲珪処理−
拡散処理を施すことにより高珪素鋼帯を得るものであ
る。
第1図は本発明法を実施するための連続処理ラインを示
すもので、(1)は加熱炉、(2)はCVD処理炉、(3)は拡
散処理炉、(4)は冷却炉である。
鋼帯Sは加熱炉(1)でCVD処理温度またはその近傍ま
で無酸化加熱された後、CVD処理炉(2)に導かれ、SiC
l4 を含む無酸化性ガス雰囲気中でCVD法による滲珪
処理が施される。SiCl4 を含む無酸化性ガスとは、中性
或いは還元性ガスを意味し、SiCl4 のキヤリアガスとし
てはAr,N2,He,H2,CH4 等を使用することができる。
これらキヤリアガスのうち、排ガスの処理性を考慮した
場合、H2,CH4 等はHClを発生させその処理の必要性が
生じる難点があり、このような問題を生じないAr,He,
N2 が望ましく、さらに材料の窒化を防止するという観
点からすればこれらのうちでも特にAr,Heが最も好まし
い。
CVD処理における鋼帯表面の主反応は、 5Fe+SiCl4 →Fe3Si+2FeCl2 ↑ である。Si1原子が鋼帯面に蒸着してFe3Si 層を形成
し、Fe2原子がFeCl2 となり、FeCl2 の沸点1023℃以上
の温度において気体状態で鋼帯表面から放散される。し
たがつてSi原子量が28.086、Fe原子量が55.847であるこ
とから、鋼帯は質量減少し、これに伴い板厚も減少する
ことになる。ちなみに、Si3%鋼帯を母材とし、CVD
処理でSi 6.5 %鋼帯を製造すると、質量は8.7 %減少
し、板厚は約7.1 %減少する。
従来法においてCVD処理に時間がかかり過ぎるのは、
そのCVD処理条件に十分な検討が加えられていなかつ
たことによるものと考えられる。本発明者等が検討した
ところでは、CVD処理を迅速に行うための要素には次
のようなものがあることが判つた。
雰囲気ガス中のSiCl4 濃度の適正化。
処理温度の適正化。
SiCl4 の鋼帯表面への拡散及びFeCl2 の鋼帯表面から
の放散の促進。
このため本発明ではCVD処理における雰囲気ガス中の
Si濃度及び処理温度を規定するものである。
まず、CVD処理における無酸化性ガス雰囲気中のSiCl
4 濃度をmol 分率で5〜35%に規定し、このような雰囲
気中で鋼帯を連続的にCVD処理する。
雰囲気中のSiCl4 が5%未満であると期待するSi富化効
果が得られず、また、例えば鋼帯のSiを1.0%富化する
ために5分以上も必要となる等、処理に時間がかかり過
ぎ、連続プロセス化することが困難となる。
一方、SiCl4 を35%を超えて含有させても界面におけ
る反応が律速になり、それ以上のSi富化効果が期待でき
なくなる。
またCVD処理では、SiCl4 濃度が高いほど所謂カーケ
ンダールボイドと称する大きなボイドが生成し易い。こ
のボイドはSiCl4 濃度が15%程度まではほとんど見ら
れないが、15%を超えると生成しはじめる。しかし、
SiCl4 濃度が35%以下では、ボイドが生成してもCV
D処理に引き続き行われる拡散処理によりほぼ完全に消
失させることができる。換言すればSiCl4 濃度が35%
を超えるとボイドの生成が著しく、拡散処理後でもボイ
ドが残留してしまう。第12図はSiCl4 20%の雰囲気
でCVD処理した直後の鋼帯断面を示すもので、蒸着層
にはボイドがみられる。第13図はこの鋼帯を1200℃×
20min の拡散処理した後の断面を示すものであり、CV
D処理直後のボイドはほぼ完全に消失している。これに
対し第14図はSiCl4 40%でCVD処理し、その後拡
散処理した鋼帯の断面を示すもので、ボイドが層状に残
留していることが判る。
CVD処理温度は1023〜1200℃の範囲とする。CVD処
理反応は鋼帯表面における反応であるから、この処理温
度は厳密には鋼帯表面温度である。
CVD処理による反応生成物であるFeCl2 の沸点は1023
℃であり、この温度未満ではFeCl2 が鋼帯表面から気体
状態で放散されず、鋼帯表面に液体状に付着して蒸着反
応を阻害してしまう。本発明者らが行つた基礎実験の結
果では、このFeCl2 の沸点を境に、単位時間当りのSiの
富化割合が著しく異なり、1023℃未満では蒸着速度が小
さいため連続プロセスへの適用は困難である。このため
処理温度の下限は1023℃とする。
一方、上限を1200℃と規定する理由は次の通りである。
Fe3Si の融点は、第4図に示すFe−Si状態図から明らか
なように1250℃であるが、発明者等の実験によれば、12
50℃より低い1230℃程度で処理した場合でも、鋼帯表面
が部分的に溶解し、また、鋼帯エツジ部分が過加熱のた
め溶解する。このように1250℃以下でも鋼帯が溶解する
のは、鋼帯表面ではFe3Si 相当のSi濃度14.5%以上にSi
が蒸着されているためであると推定される。これに対し
処理温度が1200℃以下であれば鋼帯表面は溶解は全く認
められず、また、エツジの過加熱も、鋼帯中心部の平均
温度を1200℃とすることで、1220℃程度におさえること
が可能であり、微量な溶解で済むことが実験的に確認で
きた。以上の理由から、CVD処理温度は1023℃〜1200
℃と規定する。
CVD処理速度を鋼帯の連続処理を可能ならしめるまで
高めるには、上述したように雰囲気ガス中のSiCl4
濃度と処理温度の適正化を図ることが必要であるが、こ
れに加え鋼帯表面へのSiCl4の供給・拡散と反応副
生成物たるFeCl2の鋼帯表面からの放散(離脱)と
を促進することによりCVD処理速度をより高めること
が必要となる。
従来では、VCD処理で反応ガスを大きく流動させる
と、蒸着層にボイドが発生し、また蒸着層の純度も低下
するとされ、このためガス流動は必要最小限にとどめる
という考え方が定着していた。しかし本発明者等の研究
では、このようにガス流動が抑えられることにより、反
応ガスの母材界面への拡散移動、及び反応副生成物の界
面表層からの離脱がスムースに行われず、このため処理
に長時間を要すること、さらにはガス流動が抑えられる
ためCVD処理炉内の反応ガス濃度に分布を生じ、この
結果蒸着膜厚の不均一化を招くことが判った。
そして、このような事実に基づきさらに検討を加えた結
果、CVD処理炉において吹付ノズルにより雰囲気ガス
を被処理材に吹付けることによりSiCl4の鋼帯表面
への拡散及び反応生成物たるFeCl2の鋼帯表面から
の放散を著しく促進し、高い蒸着速度でしかも蒸着膜の
不均一化を抑えつつCVD処理できることが判った。
一般にCVD反応と呼ばれているものの多くは、気相中
でのガスの反応によって生成(析出)したものが基板面
に付着するものであり、この反応の場合の副生成物(反
応生成ガス)は気相中で生じ、固体側から発生するもの
ではない。これに対して鋼帯の滲珪処理では、Feと反
応ガス中のSiとが鋼帯表面で置換することで、Siが
鋼中に取り込まれる。これは置換型CVD反応と呼ばれ
るもので、鋼帯表面すなわち固体側からFeCl2が気
体(反応生成ガス)として発生する。したがって、この
ような置換型CVD反応を伴う処理では、反応生成ガス
が固体側から生じるという点で、一般に知られたCVD
反応とは異なる反応生成ガスの生成挙動を示す。
そして、このような置換型CVD反応では、反応ガスを
含む雰囲気ガスを鋼帯表面に次々に供給し、且つ反応生
成ガス(FeCl2等)を反応界面から速やかに離脱さ
せることが反応を促進させる上で極めて重要である。
この意味で、鋼帯面に吹付ノズルによって雰囲気ガスを
吹き付けることは、反応界面への反応ガスの供給と反応
生成ガスの反応界面からの離脱を促進することができる
という大きな利点がある。
第5図はこのノズル吹付方式による実施状況を示すもの
で、CVD処理炉2内に鋼帯Sに面して吹付ノズル5が
配置され、鋼帯表面にSiCl4を含み雰囲気ガスが吹
き付けられる。第6図(イ)及び(ロ)は、吹付ノズルによる
吹付状況を示すもので、同図(イ)に示すように鋼帯面に
対して直角方向から、或いは(ロ)に示すように斜め方向
からガスを吹付けることができる。
このようなノズル吹付による単位時間当りのSi富化割
合は、ガスの鋼帯表面に対する衝突流速の増大に比例し
て大きくなるが、流速を過剰に大きくしても界面におけ
る反応律速となるためそれ以上のSi富化効果は期待で
きない。一般には、5Nm/sec以下の流速で十分な
効果が得られる。
以上のようにしてCVD処理された鋼帯Sは、引き続き
拡散炉(3)に導かれSiCl4 を含まない無酸化性ガス雰囲
気中で拡散処理される。すなわち、CVD処理直後で
は、鋼帯表面近くはSi濃度が高く、中心部分では母材S
i濃度のままであり、これを均熱・拡散処理し均一Si濃
度とする必要がある。
この拡散処理は、鋼帯表面を酸化させない為に、無酸化
雰囲気中で行う必要があり、また高温で行うほど処理時
間が少なくて済む。
この拡散処理は、一定温度で行つてもよいが、第4図の
Fe−Si状態図から判るように、拡散の進行とともに鋼帯
表層部のSi濃度が減少しその融点が上がることから、
拡散の進行に伴い鋼帯を溶解させない程度に徐々に昇温
させる(例えば複数段階で昇温させる)ことにより、拡
散を促進させることができる。例えば6.5%Si鋼の場
合、エツジ部の過加熱を考慮しても1400℃までの昇温が
可能である。
このような拡散処理後、鋼帯Sは冷却炉(4)で冷却さ
れ、しかる後捲取られるが、本発明ではこの冷却過程に
おいて鋼帯を磁場中冷却するとともに、この磁場中冷却
前または磁場中冷却後若しくは磁場中冷却の途中におい
て、鋼帯(S)を200〜600℃の温間状態で圧延により塑性
加工する。
珪素鋼板は磁場中冷却を行うことによりその磁気特性が
著しく向上することが知られており、本発明では冷却過
程の一部において鋼帯(S)を磁場中に通板し、磁場中冷
却を実施する。
鋼帯(S)はキユーリー点以下の温度において磁気の影響
を受け、磁場中冷却はこのキユーリー点以下の温度で実
質的な効果を発揮する。特に、磁場中冷却を鋼帯温度が
A2変態点を通過する際に行うことにより著しく磁気特性
が向上する。第15図は珪素鋼板の板温と磁場中冷却効
果との関係を示すもので、例えば 6.5wt%Si鋼帯の場
合、温度t1がキユーリー点、温度t2がA2変態点であり、
磁場中冷却は通常温度t1より高目の温度TS(例えば750
℃)から開始され、温度t2を通過して温度TFで終了す
る。
第16図ないし第18図は磁場中冷却設備の一構成例を
示すもので、冷却炉に設けられる磁場印加用コイル(8)
を中空の銅管(9)により構成し、この銅管(9)内に冷却媒
体(10)を通すことにより、磁場印加用コイル(8)内を通
板する鋼帯(S)に磁場を印加しつつコイル内側面から放
射冷却を行うようにしている。なお、前記銅管(9)の外
面には絶縁皮膜(11)(SiO2等)が形成される。
前記冷却媒体としては、水を用いることもできるが、電
気的な問題がある場合、例えば絶縁性の大きいフツ素系
不活性液体を使用することもできる。
第19図は他の構成例を示すもので、磁場印加用コイル
(8)の鋼帯出側位置に冷却ガスをコイル内部に供給する
ためのノズル12を設け、さらに、磁場印加用コイル(8)
の上部及び下部に冷却ガス導入ダクト(15)及びフード(1
4)を設けフアン(13)により冷却ガスをコイル外側に供給
するよう構成したものである。
第20図は第16図ないし第18図に示す方式の装置に
おいて、磁場印加用コイル(8)の間隔(銅管の間隔)を
鋼帯(S)の入側から出側にかけて順次或いは段階的に密
にすることにより均一な冷却と磁場冷却効果の向上を図
るようにしたものである。すなわち、冷却体たるコイル
が密であるほど鋼帯の冷却速度が大きく、このため、こ
のようなコイル内で鋼帯(S)を通板させることにより、
同図に示すように鋼帯(S)を一定速度で冷却することが
可能であり、これによつて板厚方向に均一な冷却を行う
ことができ、この結果変態をスムースに移行させ優れた
磁気特性が得られる。また、コイルが密であるほど鋼帯
に強磁場をかけることができるが、上述したように、鋼
帯はキユーリー点以下の低温域、特にA2変態点で磁場の
影響を強く受けるものであり、このため低温側でコイル
を密にし、少なくとも上記A2変態通過時に強磁場をかけ
ることにより大きな磁場中冷却効果を得ることができ
る。
なお場合によつては、上記とは逆に磁場印加用コイル
(8)の間隔を鋼帯(S)の入側で密にし、出側に向つて順
次疎にするような構造を採ることもできる。このような
構造では、鋼帯の急冷が可能であり、また少なくとも鋼
帯がA2変態点を通過するまでコイルを比較的密なものと
しておくことにより、大きな磁場中冷却効果も確保する
ことができる。
さらに本発明では、このような磁場中冷却の前または
後、若しくは途中において鋼帯(S)を200〜600℃の温間
状態で圧延により塑性加工する。
上述したようにCVD処理では蒸着反応により鋼帯面の
FeがFeCl2 の形で放散され、その分板厚が減少すること
になるが、CVD処理炉(2)内での雰囲気ガス濃度分布
の不均一によりSi蒸着が不均一になり易く、このため、
CVD処理−拡散処理後の鋼帯(S)は幅方向、長手方向
で板厚にバラツキを生じている。そこで本発明では温間
状態にある鋼帯(S)に圧延(スキンパス圧延または通常
圧延)を施すことにより、板厚を均一化するものであ
り、かかる圧延により形状矯正と表面粗さの調整も合せ
て行うことができる。なお、圧延はスキンパス圧延のよ
うな軽圧下ではなく、板厚の減少を目的としてより大き
な圧下量(通常の圧延)で行つてもよい。本発明は高珪
素鋼帯を製造対象とするもので、このため鋼帯(S)の温
度が200〜600℃の温間状態で圧延を行う。すなわち鋼帯
温度が200℃未満では所望の塑性加工性が得られな
い。
この圧延による塑性加工は、前記磁場中冷却の前または
後、若しくは途中のいずれで行つてもよい。前述したよ
うに、磁場中冷却は、鋼帯温度がA2変態点(6.5%Si鋼
の場合には約300℃)を通過する際に磁場を印加してお
くことにより磁気特性向上効果が特に大きい性質があ
り、したがつて冷却過程において鋼帯温度が少なくとも
このA2変態点を通過する際に磁場中冷却が行われるよ
う、磁場中冷却と圧延による塑性加工を組み合せること
が好ましい。両処理の組み合せとしては、例えば次のよ
うなものが考えられる。
鋼帯(S)は通常、常温ないし300℃までの温間状態で
巻取られ、一般にSi含有量が多く(例えば4.0%以
上)、板厚が比較的厚い鋼帯は温間で捲取ることが好ま
しく、この場合には上記、、のように、磁場中冷
却、圧延後、温間状態で捲取られる。
第3図は磁場中冷却及び圧延による塑性加工を行うため
の冷却炉の具体的な構造例を示すもので、冷却炉(4)の
途中には中間室(16)が設けられ、この中間室(16)にスキ
ンパスミル(17)が配設されている。この中間室前段の前
部冷却室(41)内には磁場印加用コイル(8)が配設されて
いる。このような設備により、例えば上記、の工程
を実施する場合、拡散炉(3)を出た鋼帯(S)は冷却炉(4)
の前部冷却室(41)で所定の温度まで冷却された後、引き
続き磁場印加用コイル(8)中を通板することにより温間
状態まで磁場中冷却され、次いで中間室(16)のスキンパ
スミル(17)で圧延され、最終冷却されることなく温間状
態でそのまま捲取られるか、或いは引き続き後部冷却室
(42)で室温まで冷却された後、捲取られる。
なお、実ラインにおいてはミルの上流に板厚計、プロフ
イル計を設け、これによる板厚、板形状の検出に基づき
ミルが制御される。
また本発明では、上記拡散処理−冷却及び圧延による塑
性加工後、鋼帯に連続的に絶縁被膜コーテイングを施
し、焼付処理後捲取るようにすることができる。第2図
はこのための連続処理ラインを示すもので、(6)はコー
テイング装置、(7)は焼付炉である。
電磁鋼板は通常積層状態で使用され、この場合積層され
る各鋼板はそれぞれ絶縁される必要がある。このため電
磁鋼板には絶縁皮膜コーテイングが施される。
Si含有量が4.0%以上の鋼帯は、常温状態ではぜい性
材料であり、ほとんど塑性変形しない。このため絶縁皮
膜コーテイングをCVD処理ラインと別ラインで行つた場
合、コイルの捲戻し、捲取り時に鋼帯が破断するおそれ
がある。そこで、本発明は拡散処理−冷却及び圧延によ
る塑性加工後、鋼帯(S)にコーテイング装置(6)で絶縁
塗料を塗布し、次いで塗装焼付炉(7)で焼付処理する。
絶縁塗料としては、無機系、有機系の適宜なものを用い
ることができる。無機系塗料としては、例えばリン酸マ
グネシウム、無水クロム酸、シリカゾル等が、また有機
系塗料としてはプラスチツク樹脂等が用いられる。塗料
はロールコータ方式、スプレー方式等により鋼帯(S)に
塗布され、無機系塗料の場合には約800℃程度、有機
系塗料の場合には 200〜300℃程度で焼付処理する。
以上のような絶縁被膜コーテイング−焼付処理を行う場
合、磁場中冷却を行う時期が問題となる。すなわち、コ
ーテイング後の焼付処理では塗膜を700℃以上の高温
で焼付ける場合があり、このように高温焼付を行うと、
仮に前工程たるCVD処理−拡散処理後の冷却において
磁場中冷却を行つてもその効果が消失してしまう。
したがつて絶縁被膜コーテイング−焼付処理を伴う工程
では、磁場中冷却を、塗装焼付温度等に応じ、拡散処理
後の冷却過程または焼付処理後の冷却過程で行うことが
できる。磁場中冷却の効果が消失する再加熱温度は約6
50℃前後とされており、このため焼付処理温度が65
0℃以上の場合には焼付処理後の冷却過程で、また焼付
処理温度が650℃未満の場合にはCVD処理−拡散処
理後の冷却過程でそれぞれ磁場冷却を行うようにするこ
とが好ましい。
一般に、無機系塗料を焼付ける場合には、鋼帯を800
℃程度まで加熱し、したがつてこの場合にはコーテイン
グ前に磁場中冷却しても意味がなく、焼付処理後の冷却
過程で磁場冷却することが好ましい。また有機系塗料の
場合には200℃〜300℃程度の焼付温度で済み、この場合
にはCVD処理−拡散処理後の冷却過程で磁場中冷却を
実施することができる。
また、磁場冷却は、場合によつてはCVD処理−拡散処
理後の冷却過程とコーテイング−焼付処理後の冷却過程
の両方で行うことができる。
このような絶縁皮膜コーテイング−焼付処理を伴う連続
プロセスにおける磁場中冷却と圧延による塑性加工の組
み合せとしては、例えば次のようなものが考えられる。
CVD処理速度を鋼帯の連続処理を可能ならしめるまで
高めるには、上述したように雰囲気ガス中のSiCl4 濃度
と処理温度の適正化を図ることが必要であるが、これに
加え鋼帯表面へのSiCl4 拡散とFeCl2 の鋼帯表面からの
放散とを促進することによりCVD処理速度をより高め
ることが可能となる。
従来では、CVD処理で反応ガスを大きく流動させる
と、蒸着層にボイドが発生し、また蒸着層の純度も低下
するとされ、このためガス流動は必要最小限にとどめる
という考え方が定着していた。しかし本発明者等の研究
では、このようにガス流動が抑えられることにより、反
応ガスの母材界面への拡散移動、及び反応副生成物の界
面表層からの離脱がスムースに行われず、このため処理
に長時間を要すること、さらにはガス流動が抑えられる
ためCVD処理炉内の反応ガス濃度に分布を生じ、この
結果蒸着膜厚の不均一化を招くことが判つた。
そして、このような事実に基づきさらに検討を加えた結
果、CVD処理炉において吹込ノズルにより雰囲気ガス
を被処理材に吹付け、或いはフアン等により雰囲気を強
制循環させることによりSiCl4 の鋼帯表面への拡散及び
反応生成物たるFeCl2 の鋼帯表面からの放散を着しく促
進、高い蒸着速度でしかも蒸着膜の不均一化を抑えつつ
CVD処理できることが判つた。
このようなCVD処理性の向上は、吹付ノズルにより雰
囲気ガスを鋼帯表面に吹付ける方法が特に有効である。
第5図はこのノズル吹付方式による実施状況を示すもの
で、CVD処理炉(2)内に鋼帯(S)に面して吹付ノズル
(5)が配置され、鋼帯表面にSiCl4 を含む雰囲気ガスが
吹付けられる。第6図(イ)及び(ロ)は、吹付ノズル(5)に
よる吹付状況を示すもので、(イ)に示すように鋼帯面に
対して直角に、或いは(ロ)に示すように斜め方向から吹
付けることができる。
このようなノズル吹付による単位時間当りのSi富化割合
は、ガスの鋼帯表面に対する衝突流速の増大に比例して
大きくなるが、流速を過剰に大きくしても界面における
反応律速となるためそれ以上のSi富化効果は期待できな
い。一般的には5Nm/sec以上の流速で十分な効果が得ら
れる。
なお、前記加熱炉(1)では無酸化加熱が行われるもので
あり、このため電気間接加熱、誘導加熱、ラジアントチ
ユーブ間接加熱、直火還元加熱等の加熱方式を単独また
は適当に組み合せた加熱方法が採られる。なお、間接加
熱方式を採る場合、加熱に先立ち電気洗浄等の前処理が
行われる。前処理を含めた加熱方式として例えば次のよ
うなものを採用できる。
前処理−〔予熱〕−電気間接加熱(または誘導加熱) 前処理−〔予熱〕−ラジアントチユーブ加熱−電気間
接加熱(または誘導加熱) 〔予熱〕−直火還元加熱−電気間接加熱(または誘導
加熱) 前処理−〔予熱〕−ラジアントチユーブ間接加熱(セ
ラミツクラジアントチユーブ方式) 〔予熱〕−直火還元加熱 また、冷却炉(4)での冷却方式に特に限定はなくガスジ
エツト冷却、ミスト冷却、放射冷却等の各種冷却方式を
単独または組合せた形で採用することができる。
本発明は、6.5%Si鋼帯のような珪素含有量が極めて高
い鋼帯の製造に好適なものであることは以上述べた通り
であるが、従来、圧延法で製造する場合に変形が多く歩
留りが悪かつたSi:2〜4%程度の高珪素鋼帯も容易に
製造できる利点がある。
〔実施例〕 実施例−1 小型のCVD処理炉−拡散処理炉を用い、CVD処理性
に対するSiCl4 濃度及びCVD処理温度の影響を調べ
た。その結果を第7図及び第8図に示す。
図中、Aが雰囲気法、すなわちノズル吹付を行わないで
CVD処理した場合、またBがノズル吹付法、すなわち
第5図に示すように雰囲気ガスを鋼帯面に0.5m/sの流
速で吹き付けつつCVD処理した場合を示す。なお、Si
富化割合とは、母材当初のSi濃度に対するCVD処理−
拡散処理後のSi増加分を示す。
これによれば、SiCl4 濃度5%以上、CVD処理温度10
23℃以上において大きなSi富化効果が得られている。
また同じ条件でも、吹付ノズルにより雰囲気ガスを吹付
ける方法の場合、単に雰囲気中で鋼帯を通板せしめる場
合に較べ格段に優れたSi富化効果(CVD処理性)が得
られていることが判る。
第9図は同様のCVD処理炉−拡散処理炉を用い、雰囲
気法Aとノズル吹付法Bの蒸着時間と鋼帯中Si濃度(拡
散処理後のSi濃度)との関係を、Si:3%、板厚 0.5mm
の鋼帯をSiCl4 濃度21%、処理温度1150℃でCVD処理
した場合について調べたものである。なお、ノズル吹付
法では、スリツトノズルにより鋼帯に対し垂直方向から
0.2Nm/sec の流速で雰囲気ガスを吹付けた。同図から
判るように、 6.5%Si鋼とするために雰囲気法Aでは7
分かかるのに対し、ノズル吹付法Bでは1.5分で処理す
ることができた。
第10図はノズル吹付法における衝突ガス流速と鋼帯の
Si富化割合(拡散処理後の割合)との関係を示すもので
あり、所定レベルまでは衝突ガス流速に比例して鋼帯の
Si富化割合が増大している。
実施例−2 第1図に示す連続プロセスで板厚 0.35mm、板幅 900m
m、Si 3.5%含有鋼帯を母材とし、ラインスピード25mpm
でSi: 6.5%含有鋼帯を製造した。なお、冷却炉では
磁場中冷却を実施し、またCVD処理炉では、吹付ノズ
ル方式によりArをキヤリアガスとしたSiCl4 濃度20mo
l %の雰囲気ガスを、鋼板に対し0.3Nm/secのガス流速
で吹き付けた。第11図はこの場合の熱サイクルを示す
もので、本実施例では拡散処理時に1200℃から1320℃の
2段昇熱を実施した。この結果、W10/50:0.55W/Kgとい
う極めて低鉄損の良質な6.5 %Si鋼帯を製造できた。
実施例−3 CVD処理−拡散処理後の鋼帯をその冷却過程で磁場冷
却し、その磁気特性を調べた。第21図はその結果を示
すもので、図中が磁場冷却をかけない場合、が均等
ピツチで巻き付けたコイルにより30Oeの磁場をかけた
場合、が第20図に示す装置により同図に示すように
段階的に磁場を強くして磁場冷却した場合をそれぞれ示
しており、特にA2変態点通過前後に強磁場がかかるよう
にした第20図の方式により磁場冷却を実施することに
より極めて優れた磁気特性が得られていることが判る。
実施例−4 第1図に示す連続プロセスに第3図のスキンパスミルを
組み込んだプロセスラインにおいて、板厚 0.33mmのSi
3.5%含有鋼帯を母材とし、25 mpmのラインスピード
により、目標板厚0.30 mm、幅900 mmのSi 6.5%含有鋼
帯を製造した。この際、次の4条件によりそれぞれ鋼帯
を製造した。
A)CVD処理を、Ar80%、SiCl4 20%の雰囲気中
で実施し、スキンパス圧延を実施しない。
B)A)と同様のCVD処理を行いスキンパス圧延を実
施。
C)CVD処理を、Ar80%、SiCl4 20%の反応ガス
をノズル吹付法で鋼帯に対し0.3Nm/Sのガス流速で衝
突させることにより実施し、スキンパス圧延を実施しな
い。
D)CVD処理をC)と同様に行い、スキンパス圧延を
実施。
第1表は、これらの各ケースのサンプルについて板厚偏
差(目標板厚に対する増減)及び表面粗さを測定した結
果を示したもので、スキンパス圧延を実施することによ
り板厚が精度良く均一化していることが判る。
〔発明の効果〕 以上述べた本発明によれば連続ラインにおいて短時間で
CVD処理を行うことができ、また1200℃以下の温度で
CVD処理を行うため鋼帯の形状不良やエツジ部溶解等
の問題を生じさせることがなく、しかも優れた磁気特性
を有し且つ板厚が均一な鋼板を得ることができ、このよ
うなことから、ラインの長大化を招くことなく高品質、
高磁気特性の高珪素鋼板を能率的に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明法を実施するための
連続処理ラインを示す説明図である。第3図は第1図及
び第2図における冷却炉の具体的構成例を示す説明図で
ある。第4図はFe−Si系状態図である。第5図及び第6
図(イ)、(ロ)はノズル吹付方式によるCVD処理状況を示
すもので、第5図は全体説明図、第6図(イ)及び(ロ)はそ
れぞれノズル吹付方法を示す説明図である。第7図はC
VD処理におけるガス中SiCl4 濃度と鋼帯Si富化割合と
の関係、第8図はCVD処理温度と鋼帯Si富化割合との
関係をそれぞれ示すものである。第9図は本発明におけ
るSi蒸着時間と鋼帯中Si濃度との関係を、雰囲気法及び
ノズル吹付法で比較して示したものである。第10図は
ノズル吹付法によるCVD処理において、雰囲気ガスの
鋼帯に対する衝突ガス流速と鋼帯Si富化割合との関係を
示すものである。第11図は本発明実施例における熱サ
イクルを示すものである。第12図ないし第14図は本
発明材及び比較材たる鋼帯断面の金属組織を示す顕微鏡
拡大写真であり、第12図はSiCl4 :20%の雰囲気で
CVD処理した直後の組織、第13図はその鋼帯を拡散
熱処理した後の組織、第14図はSiCl4 :40%でCV
D処理し、その後拡散処理した後の組織を示している。
第15図は珪素鋼板の板温と磁場中冷却効果との関係を
示すものである。第16図ないし第18図は磁場中冷却
設備の一構成例を示すもので、第16図は斜視図、第1
7図はコイルの断面図、第18図はコイルを構成する銅
管の断面図である。第19図は磁場中冷却設備の他の構
成例を示す説明図である。第20図は磁場中冷却の好ま
しい設備及びこれによる磁場中冷却方法を示す説明図で
ある。第21図は磁場冷却した場合の磁気特性を、単純
冷却の場合と比較して示すものである。 図において、(1)は加熱炉、(2)はCVD処理炉、(3)は
拡散処理炉、(4)は冷却炉、(6)はコーテイング装置、
(7)は焼付炉、(8)は磁場印加用コイル、(9)はスキンパ
スミル、(S)は鋼帯である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 16/54 7325−4K (56)参考文献 特公 昭45−21181(JP,B1) 特公 昭47−25564(JP,B1) 特公 昭53−42019(JP,B2)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通
    板させつつ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無
    酸化性ガスを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて102
    3〜1200℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、
    SiCl4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼
    帯内部に略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却
    過程において鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中
    冷却の前または後若しくは途中において、鋼帯を200
    〜600℃で圧延により塑性加工することを特徴とする
    連続ラインにおける高珪素鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通
    板させつつ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無
    酸化性ガスを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて102
    3〜1200℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、
    SiCl4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼
    帯内部に略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却
    過程において鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中
    冷却の前または後若しくは途中において、鋼帯を200
    〜600℃で圧延により塑性加工し、最終冷却後、絶縁
    被膜コーティング及び焼付処理することを特徴とする連
    続ラインにおける高珪素鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通
    板させつつ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無
    酸化性ガスを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて102
    3〜1200℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、
    SiCl4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼
    帯内部に略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却
    過程の途中または冷却後、鋼帯を200〜600℃で圧
    延により塑性加工し、最終冷却後、絶縁被膜コーティン
    グ及び焼付処理し、続く冷却過程において磁場中冷却す
    ることを特徴とする連続ラインにおける高珪素鋼帯の製
    造方法。
  4. 【請求項4】鋼帯を無酸化性ガス雰囲気中で連続的に通
    板させつつ、SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無
    酸化性ガスを吹付ノズルから鋼帯面に吹き付けて102
    3〜1200℃の温度で連続的に滲珪処理し、次いで、
    SiCl4を含まない無酸化性ガス雰囲気中でSiを鋼
    帯内部に略均一に拡散させる拡散処理を施し、続く冷却
    過程において鋼帯を磁場中冷却するとともに、該磁場中
    冷却の前または後若しくは途中において、鋼帯を200
    〜600℃で圧延により塑性加工し、最終冷却後、絶縁
    皮膜コーティング及び焼付処理し、続く冷却過程におい
    て磁場中冷却することを特徴とする連続ラインにおける
    高珪素鋼帯の製造方法。
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